JSS.2−1
『絶望の空』

 

PC1用ハンドアウト
シナリオダーザイン【ラーベからの友情】 2レベル
キャラクター:ギアドライバー
(サンプルキャラクター:ギアドライバー/ストライカー)

ナビゲーター:トゥアレタ・クレーリオン

ギアドライバーであるキミと、機械化兵(マシーネンゾルダート)空戦部隊「ネヒトリヒ・フェーゲル」のエクスペルテンであるラーベ・シュネーヴァイス中尉とは、年は離れているが、お互いに信頼出来る戦友だ。
共に、瑞穂基地の空を守るエース。キミ達の活躍によって、瑞穂基地の上空は平和であると言っても過言では無い。
今日も、最早恒例となった、出撃前の軽口を叩き合う。

 

PC2用ハンドアウト
シナリオダーザイン【メイリィからの不快感】 2レベル
キャラクター:ギアドライバー
(サンプルキャラクター:ギアドライバー/ストライカー、ただしナビゲーターをメイリィに変更する)

ナビゲーター:タン・メイリィ

キミは、新たに瑞穂基地に配属となった、コンロン出身のタン・メイリィ少尉とコンビを組み、シュネルギアに搭乗する事になった。
……だが、彼女との出会いは最悪だった。
果たしてこれから、彼女とうまくやっていけるのだろうか?
キミの脳裏に、そんな心配が浮かぶ。

 

PC3用ハンドアウト
シナリオダーザイン【自己からの不信】 2レベル
キャラクター:ギアドライバー
(サンプルキャラクター:ギアドライバー/シューター)

ナビゲーター:八坂凍

キミは天使達との戦いで、今まで一度も撃墜された事は無かった。
だが、キミは初めて撃墜されるという、屈辱を受ける。
キミは気にしないフリをしていたが、『撃墜された』事実は、キミの心に影を落としていた。
キミには迷いがある、と凍に指摘される。
天使に屈辱を晴らさない限り、迷いは消えないだろう。

 

PC4用ハンドアウト
シナリオダーザイン【セラピアからの不安】 2レベル
キャラクター:ギアドライバー
(サンプルキャラクター:ギアドライバー/スナイパー)

ナビゲーター:セラピア・パルマコン

人一倍、勘の優れたキミのナビゲーター、セラピア。
彼女の言葉は時折、真実をぴたりと言い当てる。
そんな彼女が、不安をキミに訴え掛ける。
その事は、キミ自身をも、不安に陥らせる事になる。
彼女の不安が、現実になったら。キミの心を、不安が支配する。

※可能であれば、PC4をギアドライバー部隊の隊長にしておくとよい。

 

今回予告
流れ星。それは、ささやかな夢を願うもの。
だが、今夜の流れ星は、滅びを呼び寄せるものだった。

星が落ちる時、友の命もまた散っていく。
それを止められるのは、キミ達しかいない。

最後に残るのは、破滅か、それとも――

エンゼルギア天使大戦TRPG 「絶望の空」
キミの笑顔を守りたいから――まだ、諦める訳には、いかない。

※ シナリオの舞台は、11月中旬頃とする(しし座流星群)

 

 

オープニングフェイズ
●シーン1/出撃
PC1:ギアドライバー
ナビゲーター:トゥアレタ・クレーリオン
シナリオダーザイン:【ラーべからの友情】

◆解説
格納庫で、ラーベとの友情、そしてトゥアレタのヤキモチを演出するシーンである。

◆台詞と描写
格納庫にてシュネルギアに乗り込み、出撃の時を待つキミ。
そこに、マシーネンゾルダート第17空戦部隊ネヒトリヒ・フェーゲルの部隊長、ラーベ・シュネーヴァイス中尉からの通信が入る。
「調子はどうだ、PC1?」
「そうだ、どっちが天使共を多く撃墜出来るか、賭けないか?」
PC1の回答如何に関わらず、トゥアレタの介入がある。
「PC1くん、出撃前に不謹慎よ!中尉もです!」
「ははは、怒られたか。怖いお姉さんと組んでて大変だな、PC1」
通信機越しでも、ラーベが苦笑しているのが良く分かる。

ラーベの台詞に対するリアクションを貰ったら、結末に移ること。

◆結末
「さて……俺たちはイナゴ狩りにでも行くか。」
「じゃあ、また後でな、PC1」
そう言って、ラーベが出撃する。
ネヒトリヒ・フェーゲルの、鳥のペインティングが施された漆黒の戦闘機、フライングユニットが、編隊を組んで飛んでいく。
先陣を切って飛ぶ、白いカラスの描かれた、鎧武者を模したフライングユニット空我が、ラーベの乗る空我だ。
その姿を見届けると同時に、キミは出撃する。
『シュネルギア、アプファールト!』

 

●シーン2/屈辱
PC3:ギアドライバー
ナビゲーター:八坂凍
シナリオダーザイン:【自己からの不信】

◆解説
戦場で敗北し、自信を無くさせるシーンである。

◆台詞と描写
いつも通り、キミは天使との戦いを繰り広げていた。
常勝無敗。
キミの心の何処かに、自惚れが生まれていたのかも知れない。
だが、今は戦闘中だ。
キミの一瞬の気の緩みが、ほんの僅かな時間、隙を作った。
「……PC3!」
凍の叫びも空しく、天使の翼に跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられるキミのシュネルギア。
「……シュネルギア3番機ヤークト、ギアドライバー戦闘不能の為、撤退」
凍が悲痛な声で状況を報告し、撤退判断を下す。
薄れていく意識の中、キミは天使が、キミの事を嘲笑っているように見えた……。

キミが目を覚ますと、既に夜だった。
隣には凍が椅子に腰掛け、安堵したようにキミを見つめていた。
「……おはよう、PC3。………もう朝だけど」
「……あの天使は、PC4が倒した」 ※PC4が不在の場合はPC1に変更する事。

PC3が何か発言した後、結末に移ること。

◆結末
「………明日、新しいナビゲーターが着任するって」
「……多分、顔合わせがある」
「……私が起こしに来るから、それまでは寝てて」
「………今日はゆっくり休んで。……おやすみなさい」
そう言い、キミに毛布を掛ける凍。
キミは好意に甘え、再び眠りにつく。
だが、撃墜されたという事実は、着実にキミの心に、影を落としはじめていた……

 

●シーン3/流れ星
※PC4不在の場合、このシーンは省略し、マスターシーンに変更する事。

PC4:ギアドライバー
ナビゲーター:セラピア・パルマコン
シナリオダーザイン:【セラピアからの不安】

◆解説
セラピアの挙動を、少しだけ不安がらせるシーンである。
ここに配置するPCは、便宜上、シュネルギア部隊の隊長にすると良い。

◆台詞と描写
昼間の天使は、PC3の撤退直後、キミの狙撃により殲滅した。
キミが今日の戦いの事を廊下で考えていると、凍が通りかかる。
「……さっき、PC3が目を覚ました。」
「………命に別状は無い。」
「……心までは、分からないけど……」
心配そうな表情を浮かべる凍。だが、キミの視線に気付くと、表情を引き締める。
「……昼間はありがとう。尻拭いさせて」
「明日、新しいナビゲーターが着任するって」
「……じゃあ」

去っていく凍。入れ違いで、セラピアが現れる。
「ぷっぷくぷ〜、PC4ちゃん、凍ちゃんと何話してたんだよ〜?」
別に怒っている訳では無いのだが、気になるらしい。

PC4が何か発言した後、結末に移ること。

◆結末
「あ、流れ星!PC4ちゃん、知ってる?今頃の時期、11月の中頃って、しし座流星群が見られるんだよ〜。あとで、一緒に見ようよ〜。」
「でも、明日は早いから、おやすみなさいなんだよ〜。」
そう言って、自分の部屋に戻ろうとするセラピア。
だが、彼女が窓の外を見て、一瞬不安そうな顔をしたのを、キミは見逃さなかった。

(マスターシーンの場合)
PC4がいない場合にのみ追加。
司令部の窓から、ヴィヴリオが夜空を眺めている。
「流れ星か……早く、こんな戦いが終われば良いんだがな……」

 

●シーン4/最悪の出会い
PC2:ギアドライバー
ナビゲーター:タン・メイリィ
シナリオダーザイン:【メイリィからの不快感】

◆解説
メイリィと、最悪の出会い方をさせるシーンである。
PC2の、メイリィを子供扱いする言動に期待しよう。
それを引き出せば、キミの勝ちだ(多分)

◆台詞と描写
朝。今日は、新しいナビゲーターが着任する日だ。
そして、キミが正式にギアドライバーに任命される、記念すべき日だ。
キミは早くにギアドライバーとしての適性を認められていながら、君の得意とする分野が拳法だった為に、キミの補助が出来るナビゲーターがいなかった。
それが今日、やっと叶うのだ。
そんな事を考えながら、統合司令室に向かって歩いていると、キミは誰かと激しくぶつかった。
尻餅をつくキミ。キミの目の前には、同じく尻餅をついた少女がいる。
「痛いアル!余所見をして歩いたら危ないアルよ!」
見れば、年端も行かない女の子だ。
「ぷー。ワタシ、小学生じゃないアル!」
キミの記憶が確かならば、目の前にいる少女は、コンロンの生まれだろう。

PC2のリアクションを貰ったら、結末に移ること。

◆結末
「あんまりジロジロ見ないで欲しいアル!」
そう言うと彼女は、キミの頬に平手打ちを食らわし、去っていく。
折角の記念日なのに、ツイてないなあ。
キミは、ヒリヒリと傷む頬をさすりながら、そんな事を考えていた。

 

ミドルフェイズ
●シーン1/着任
シーンプレイヤー:PC2、全PC登場

◆解説
タン・メイリィが新しいナビゲーターであり、PC2と組む事を知らされる。

◆台詞と描写
瑞穂基地統合司令室。
新しいナビゲーターが着任し、PC2がギアドライバーに任命される、という事で、顔合わせをする事になったのだ。
ヴィヴリオが杖をカツッと鳴らし、口を開く。
「さて、お前達に新しい仲間を紹介しよう。入りたまえ、タン・メイリィ少尉。」
「はいアル。本日、瑞穂基地に着任した、タン・メイリィアル。皆さん、宜しくアル……って……あーっ!さっきワタシの事子ども扱いしたヤツアルね!」
「どうした、PC2少尉?知り合いか?」
ヴィヴリオが冷静に告げる。
「本日付を以って、PC2少尉、並びにタン・メイリィ少尉を、シュネルギアのギアドライバー、ナビゲーターとして任命する。」
「えーっ!?コイツと組むなんていやアル!」
「これは命令だ。」
「ぷー。仕方ないアル……」

PC2が、メイリィに対して発言したら、結末に移ること。

◆結末
「せいぜい、ワタシの足を引っ張らないで欲しいアルね。」
憮然とした顔で、キミに言うメイリィ。この先が思いやられる。

 

●シーン2/空の騎士(フリューゲル・リッター)
シーンプレイヤー:PC1、他PCの登場不可。

◆解説
ラーベと会話するシーン。はっきり言えば死にフラグ。

◆台詞と描写
ラーベによばれ、私室に赴く。
彼は、大の日本文化好きだ。
畳に障子、床の間には日本刀と掛け軸、その隣には『禁煙』の張り紙。
部屋の真ん中にはちゃぶ台が置かれ、その上にはお茶請けの糠漬けと沢庵がある。
ちなみに、彼の好物は和食全般だ。でも納豆だけは食べられない。
自分で淹れた渋いお茶をすする、着流しを着たラーベ。
「そういやお前、恋人はいないのか?」
「お前と組んでる、クレーリオン少尉なんかどうだ?」
「よし、じゃあ今度俺が女の口説き方を教えてやる。」
笑いながら話していたラーベだが、急に真剣な表情になり、問いかける。
「……お前は、何の為に戦ってる?」

PC2が発言した後、結末へと移ること。

◆結末
「俺達マシーネンゾルダートは、使い捨て兵器みたいなもんだ。ある程度の怪我なら、壊れた部分を取り替えれば済んじまう。だから生身のヤツに比べて、命が軽いんだ。……お前は死ぬんじゃないぞ。」
そう言って、ラーベはお茶をすすった。

 

●シーン3/曇る心
シーンプレイヤー:PC3、全PC登場

◆解説
戦闘シミュレーションで、成績が悪いことを凍に心配される。

◆台詞と描写
戦闘シミュレーション装置を使用した、模擬戦闘。
意外にも、PC2とタン・メイリィは、抜群のコンビネーションを見せる。
「ワタシの動きについて来れるとは、なかなかやるアルね?」
適当に、各PCの訓練風景を演出する。ただし、冗長にならないように注意する事。

そんな中、PC3の動きは鈍い。
それに対しての各PCのリアクションを貰った後、PC3以外には退場してもらう。

シミュレーション終了後、凍がキミのところに来る。
「……PC3、迷ってる」
「……この前の事、気にしてる?」
「……戦場で迷いがあったら、死ぬだけ。」
凍の言葉には、悪意は込められていない。キミを気遣っている。

PC3が何か迷いを吹っ切るようなセリフを言ったら、結末に向かうこと。

吹っ切れない場合は、「そう……」と言い、凍は立ち去る(シーン終了)

◆結末
「……なら、その心意気、戦場で見せる」と言って凍が頷く。

 

●シーン4/獅子の咆哮はあまねく響き
シーンプレイヤー:PC4、他PCの登場可。 2人きりでラブラブさせるもよし、引っ掻き回すもよし。

◆解説
しし座流星群を、セラピアと2人で眺めるシーン。

◆台詞と描写
夜、キミの部屋に、セラピアが訪ねてくる。
「今夜は、しし座流星群が一番キレイに見られるんだって。PC4ちゃん、一緒に見ようよ〜。」
宿舎の屋上に出て、夜空を見上げる。満天の星空と、まるで雨のように降り注ぐ流れ星。
「キレイだね〜、PC4ちゃん。」
「ちょっと寒いんだよ〜……」
セラピアはそう言って、手に息を吐きかける。
彼女はコートは着ていたが、マフラーと手袋まではしていなかった。
まさか、こんなに冷え込むとは思っていなかったのだ。

ちょっといいムード(笑)になったら、結末へ向かうこと。

◆結末
夜空に、無粋なサイレンが響き渡る。
「緊急事態(ノートシュタント)!瑞穂基地直上に、エンジェルハイロゥ!総員、第一種戦闘配置!」

※ ここで、セラピアからのポジティブ感情でダーザインレベルが4以上の場合、以下のセリフを追加すること。
「いいトコだったのに……残念なんだよ〜。」
キミに聞こえるか聞こえないかぐらいの声で、セラピアが呟く。
頬が赤いのは、寒さのせいではなかった。

 

●シーン5/襲来
シーンプレイヤー:PC3

◆解説
ブリーフィングルームで、今回の作戦を聞く。全PC+ラーベ登場。

◆台詞と描写
ブリーフィングルーム。ヴィヴリオがディスプレイを見ながら、作戦を指示する。
「PC1少尉、PC3少尉は前衛に立ち、天使兵を食い止めてくれ。PC2少尉には、両名の補助を命じる。PC4少尉は後方遠距離から狙撃を命じる。」
「周囲の天使兵……ホイシュレッケは、ネヒトリヒ・フェーゲルに任せる。頼んだぞ、ラーベ・シュネーヴァイス中尉」
「ヤーヴォール。了解です。」
「PC1少尉、PC2少尉の面倒を頼む。」
「PC2少尉にとっては、初陣になるが、頑張ってくれ。」

各PCの決意の程を聞いたら、結末に移ること。

◆結末
「市民は全員、シェルターに避難している……。が、マスケンヴァル現象が起きれば、全て消滅してしまうから、あまり意味は無いのだがな……」
天使兵の背後に、まばゆい光が吹き上げ、巨大な光の十字架となる。
「見ろ、天界の門が、開いていく……もう猶予は無い」
「アングリーフ・アーレス!」(全員出撃)
シュネルギアに乗り込み、発進する。

キミ達の横を、マシーネンゾルダート第17空戦部隊ネヒトリヒ・フェーゲルが飛んでいく。PC1に通信が入る。
「PC1、イナゴ共は俺達に任せておけ。」
「イナゴの佃煮は好きだが、奴等の佃煮じゃ食えんな。」
※ここのセリフは、長くなり易いので注意する。ただし、PLが乗ってくれれば、ここでパトスは乱れ飛ぶはずだ。

 

●シーン6/衝突
シーンプレイヤー:PC2

◆解説
タン・メイリィが先走り、仲間を危険に晒す。全PC登場。

◆台詞と描写
PC2とメイリィの操るシュネルギアが、突出して天使へと向かう。
「PC2、力を貸すアル!」
「殺すっ!天使を殺すんだっ!」
「お父さん、お母さん、みんなのカタキっ!」
ギアの拳が天使の腹に突き刺さり、天使の生命反応が急速に小さくなる。
同時に、天界の門が閉じていく。だが、天使は倒したが、周囲のホイシュレッケは未だ健在だ。
「チッ!若造が無茶しやがって!PC1、イナゴ狩りを手伝え!」

各自、演出戦闘を1回ずつしてもらおう。

まもなくして、ホイシュレッケは殲滅出来る。だが、メイリィのやった事は、間違いなく軍紀違反だ。
基地に戻り、ヴィヴリオに尋問される。
「何故あのような行動を取ったか、説明してもらおうか」
「お前達には、補助を命じた筈だ。」

PC2とメイリィの心が通じた事を確認したら、結末へ移れ。

◆結末
「……今回は、大目に見てやろう。だが、戦場で身勝手な行動を取ることは、死に直結する。それを忘れるな。」
ヴィヴリオがそう言うと、オペレーターによって天使の再生が確認され、再び出撃となる。
「エンジェルハイロゥを確認!?あの天使が再生しています!」
「既に、警戒飛行中だったネヒトリヒ・フェーゲルが交戦しています!」

 

●シーン7/絶望の空
シーンプレイヤー:PC1

◆解説
倒した筈の天使が復活し、流星を召喚するシーン。他PCの登場は可能だが、ほぼマスターシーンに近い。

◆台詞と描写
天使の殲滅に向かったネヒトリヒ・フェーゲル。
誰しもが、死に損ないだと思っていた。
だが、天使は元々死んだのでは無く、言わばさなぎの状態だったのだ。
それが今、孵化したのだ……。

「オイレン(フクロウ)、ファルケ(隼)、シュヴァルベ(燕)!」
次々と撃墜される、仲間達の戦闘機。
「ビュルガー(モズ)、アードラー(鷲)!くそっ……腐れ天使がっ!!とっとと死にやがれっ!」
ラーベは主天使の口元ギリギリまで飛び込み、捨て身の一撃を放つ。
その刹那……ラーベの空我を、白い閃光が包んだ。

ここまでは、PC1の様子を伺いつつ、一気に演出する。
PC1が悔しがれば、あなた(GM)の勝利だ。

辛うじて脱出出来たラーベ。だが、幾らマシーネンゾルダートと言えども、両腕と腹から下全てを吹っ飛ばされていては、もう手の施しようが無い。
PC1が呼ばれる。トゥアレタも一緒だ。
「まさか、畳の上で死ねるとはな……」
「済まないが……キセルを取ってくれないか?」
胸ポケットに視線を動かすラーベ。

PC1のリアクションを貰ったら、結末に移ること。

◆結末
PC1に見取られ、息を引き取るラーベ。
彼の死を以って、マシーネンゾルダート第17空戦部隊ネヒトリヒ・フェーゲルは全滅した。
「PC1くん……」
心配そうにキミを見つめるトゥアレタ。
「悲しむのは、後にしろ。出撃だ、PC1少尉。今は、あの天使の殲滅が最優先だ」
ヴィヴリオが現れ、出撃を促す。
「ラーベ中尉の最後の一撃により、天使は一時的に活動停止に陥っている。今がヤツを叩く、絶好の機会だ。ネヒトリヒ・フェーゲル、そしてラーベ中尉の犠牲を、無駄にしたくなければ、行け。」

 

ミドル最後のエモーションである。
ここのエモーションにて、ダーザインレベル5を解禁する。
ダーザインの昇華についても触れる事。

 

クライマックスフェイズ
●シーン1/空の勇者たち
シーンプレイヤー:特に指定せず。

◆解説
天使兵との戦闘である。
最初に演出として、巨大隕石を召還させる。

◆台詞と描写
オペレーターがそう言った瞬間、再び目覚めた天使が、両手を掲げる――すると、空に巨大な魔方陣が描かれる。
そこから、巨大な火の玉――隕石が、姿を現す。
闇夜を真っ赤に染める隕石の直径は……1km。この隕石が衝突した場合の被害は……とてもじゃないが、計算すら出来ない。
巨大な火の玉が、瑞穂基地めがけて飛来する。
闇夜が血の色のように、真っ赤に染まる……
オペレーター「この隕石は……絶対結界に包まれています!」驚きの声を上げる。
ヴィヴリオ「天使め、下らん真似をしてくれる……」歯噛みをしつつ、デスクを強打する。
セラピア「獅子の、咆哮―――?」唖然とした表情で呟く。

以下の描写は、PC1がアナライズを行った場合は、トゥアレタの台詞として描写する。
オペレーターから、全シュネルギアに緊急通信が入る。
「天使の能力が判明!」
「あの天使は、主天使コカビエル、又の名を星呼びの使徒です!」
「コカビエルには、大気圏外から、隕石を呼び寄せる能力があります!」
ヴィヴリオが呟く。
「ヤツを倒さない限り、隕石は瑞穂基地を狙い続ける、という訳か……」
「お前達に命令する!ヤツを倒せ!」

配置は、最奥に主天使コカビエル。その周囲を囲むように、小隕石20000(1体の天使兵として処理)、超巨大隕石1個。
距離はそれぞれ、コカビエル←500m→小隕石群←500m→超巨大隕石←PC1・PC2・PC3←1km→PC4

主天使(ドミニオン) コカビエル その名は『星』を意味する。
肉体:30 感覚:20 理知:18 聖霊:15 階級:0
HP:70 負傷ゲージ 30/15/8/1
攻撃 隕石(射撃) 判定値:18 レベル:4 射程:2km ダメージ+12(軽) 
単体攻撃
攻撃 流星雨(射撃) 判定値:15 レベル:4 射程:8km ダメージ+8 シー
ン全体に攻撃
絶対結界 対天使武器以外無効・30点以下のダメージ無効

小隕石 HP50、負傷ゲージなし
超巨大隕石 HP100、負傷ゲージなし

◆結末
主天使を、最後の一撃が捕らえる。
主天使は光となって霧散し、同時に、上空の天界の門が閉じていく。
瑞穂基地は、壊滅を免れたのだ。

 

エンディングフェイズ

ラーベが死んでいる事を前提にしている。
死んでいない場合は、PC1のエンディングを適宜変更せよ。

●シーン1/願い事
シーンプレイヤー:PC4

◆解説
格納庫の外で、セラピアと夜空を見上げるシーンである。

◆台詞と描写
格納庫の外で、セラピアと夜空を見上げる。もう流れ星は見えない。
「しし座流星群、一番たくさん流れるとこ見逃しちゃったんだよ〜。残念だよ〜。」
「お願い事、いっぱいするつもりだったのに〜えぅ〜」
「あ、流れ星だよ〜!」
「PC4ちゃんは、何かお願いした?」
ここで、セラピアからのダーザインレベルが4以上ならば、このセリフを追加する。
「ボクはね〜、(声を小さくして)PC4ちゃんと一緒にいられたらな〜、って」

PC4のリアクションを貰ったら、結末に移ること。

◆結末
キミが流れ星に願ったのは―

 

●シーン2/曇りなき心
シーンプレイヤー:PC3

◆解説
凍に見直してもらうシーンである。

◆台詞と描写
戦闘終了後、格納庫で、凍がキミに話しかけてくる。
「………お見事、PC3。」

ここで、凍からのダーザインレベルが4以上ならば、このセリフを追加する。
「………あの時、戦場に立つのはやめろ、って言ったけど」
「………それ、選んで欲しく無かった。………PC3以外のパートナーは、私は、嫌………」
怒ったような、それでいてちょっと照れたような顔をする凍。

PC3のリアクションを貰ったら、結末に移ること。

◆結末
「………これからも、一緒に戦おうね」
キミは、その言葉に答える―

 

●シーン3/和解
シーンプレイヤー:PC2

◆解説
メイリィと、これからも一緒に戦おうと言われるシーンの筈である。

◆台詞と描写
「また暴走する知れないけど、これからも、よろしくアル。」
シャワー室から出てすぐの自動販売機前で、ウーロン茶を差し出すメイリィ。
ここで、メイリィからのダーザインレベルが4以上ならば、このセリフを追加する。
「でも、ワタシとアナタが組めば、最強アルよ!」
屈託の無い笑みを浮かべるメイリィ。

PC2のリアクションを貰ったら、結末に移ること。

◆結末
メイリィは手を差し出す。その手をキミは―

 

●シーン4/遺言
シーンプレイヤー:PC1

◆解説
ラーベの遺書を渡し、悲しんでもらうシーンである。

◆台詞と描写
数日後、キミはヴィヴリオから直々に呼び出される。
「ラーベ中尉の遺品から、PC1少尉宛の手紙が見つかった」
ヴィヴリオはそう言って、懐から一通の手紙を取り出す。
「中身を覗き見るほど、野暮ではない。」

キミが部屋に戻って封を切ると、そこには、力強い筆跡で書かれた、ドイツ語が。
アオホヴィーダーゼーエン、マイン エンゲル フロイント
日本語で、「さらば、我が親友」
君の目から、知らず知らずの内に、涙がこぼれ落ちる。

ここで、トゥアレタからのダーザインレベルが4以上ならば、◆結末2を、そうでない場合は◆結末1を読み上げる。

◆結末1
部屋全体に響く、キミの号泣。
だが、その事実を知る者は、誰一人いない……

◆結末2
コン、コン。
ドアをノックする音に、キミは涙を拭う。
すると、ドアが開き、そこにはトゥアレタが立っていた。
ドアを閉め、中に入ってきたトゥアレタは、優しい声でキミに語りかける。
「ヴィヴリオ大佐から、聞いちゃったんだ……。手紙があった、って。」
「今頃、一人で泣いてるんじゃないかな、って思って。」
そう言うと、トゥアレタはキミを抱きしめる。
「泣きたい時は、泣けばいいじゃない。誰にも言わないから、安心して……。落ち着くまで、傍にいてあげるから。」
トゥアレタの胸で号泣するキミ。
キミが泣き止むまで、彼女はずっと、キミを抱きしめていた……。

 

 

以上、経験点の発行などの処理をしよう。
お疲れさまでした。

 

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