今回予告 今を遡ること6年前、ある統一帝国系の幼年学校にて、集団天使化事件が発生した。 それが、全てのはじまりであり、きっかけだった。 事件で妹を失った男はその真相を探る為に、ダブルスパイの道を選んだ。 そして遂に、真相へと辿り着く。 ……彼の命と、引き換えに。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Zoё〜Beautiful World〜』 キミはここにいる。確かにここにいる。 ハンドアウト PC1:ホムンクルス 最近、軍医の羽村総司を見ていると、かすかに頭痛がする。 だが中島整備班長に調べてもらうと、原因不明のノイズがあると言われた。 これはまさか……恋?? シナリオダーザイン【自己からの忘却】 キミはホムンクルスの特技《封印記憶》を取得する。 これに初期アガペーや経験点は不要である。 また、《封印記憶》によるダーザインは、シナリオダーザインとは別に取得する。 《封印記憶》の内容は、『キミには羽村の妹の、黒い天使核が使われている』ことである。 これが開示されるのは、ミドルフェイズの情報収集シーンの後である。 PC2:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ 最近、軍医の羽村総司がやたらとキミとトゥアレタを気にしてくる。 体調管理の為だと言うが、何か裏がありそうな気がする。 ヴィヴリオ大佐あたりの差し金だろうか? シナリオダーザイン【羽村総司からの疑惑】 キミは6年前、幼年学校に通っていたが、学校は謎の集団天使化事件によって閉鎖されている。 キミはその事件の数少ない生存者の一人である。 その際にキミは、催眠による記憶操作を施されており、幼少時にトゥアレタと一緒に過ごした記憶はあるが、トゥアレタと離れた際の記憶は覚えていない。 また、トゥアレタのオープンアップには条件がある。 PC3:オフィーツィア 最近、軍医の羽村総司の様子がおかしい、とヴィヴリオから伝えられる。 何でも、ギアドライバーやナビゲーターの周囲を嗅ぎ回っているとか。 ダブルスパイである彼を泳がせておくのも、そろそろ潮時なのかも知れない。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 彼のもう一つの顔である、ヤシマ陸軍情報二課の諜報員。 つまりが彼がダブルスパイである事を、キミ達は知っている。 PC4:ギアドライバー/ナビ:遠山桂(T−X) キミは、遠山桂としての記憶を取り戻したT−Xを救った。 そして彼女は現在、キミの公私ともにパートナーとなっている。 その彼女から、PC1の様子がおかしい、と告げられる。 同じ完全機械化兵であるが故に、何かに気付いたのかも知れない。 シナリオダーザイン【遠山桂からの信頼】 ハンドアウトにある通り、キミは以前、遠山桂の黒い天使核を用いた完全機械化兵、T−Xを命の危機から救った。 また、その際に彼女は、桂としての記憶を取り戻しており、遠山桂として普段振る舞っている。 ただし彼女は、自分がクローンである、という自覚も持っている。 本シナリオのメインヒロインは羽村総司(ここ重要)とトゥアレタ、そして遠山桂です。 また本シナリオは、トゥアレタのエンドレスサマーの設定のネタバレを含みます。 ※GMへ 特にPLから要望のない場合、羽村の妹の名前は『あおい』とする。 特にこれには出典はなく、創作である。 羽村総司の『総司』から、FGOの沖田総司の声優である悠木碧さんを連想してあおい、と名付けた。備忘録も兼ねてここに記す。 また、PC1は『黒い天使核を使用した完全機械化兵のプロトタイプ』という設定となる。 オープニング シーン1 シーンプレイヤーはPC1 三郎との会話 定例の整備作業。三郎に整備してもらい、原因不明のノイズがあるとの結果を伝えられる 三郎「PC1。いつもと変わらず……と言いてぇところだが、ちょっと今回は問題がある」 三郎「頭痛の原因だがな、脳波パターンに、原因不明のノイズがあるんだ。……感情を持ち始めたファルコンネンに、よくあるっちゃあるんだが」 三郎「お前ぇさん、最近誰か気になる奴がいねぇか?」 三郎「恋とか愛とか、って必要はねえんだ。基本的には、ファルコンネンは特定の誰かへの関心が希薄になるよう仕向けられてる。感情を持つことで、天使化が進行しやすくなるからな。だから、誰かが気になっていたりしてんじゃねぇかって、気になったんだ」 三郎「気になることがあったら、俺でもヴィヴリオでもPC3でも、誰でもいいから相談しろよ」 確かに最近、何故か軍医の羽村総司の事がやけに気にかかる。 まさかとは思うが、これは、恋?? シナリオダーザイン【自己からの忘却】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 羽村との会話 その後トゥアレタから羽村の様子を相談される 今日は定期健診で、医務室にトゥアレタと来ている。 ニナ「二人とも、エーテル濃度がちょっと高めなのは気になりますけど……それ以外は問題ないですね」 羽村「そう言えば二人とも、最近何か変わった事とかないかい?記憶が曖昧になったり、デジャヴュを感じたり、とか」 トゥアレタ「……どういう意味ですか、羽村先生?」 羽村「いや、ちょっとね。エーテル濃度が高いと、幻覚を見たり、誰かの天使核に接触した時に、過去の記憶を垣間見たりする、っていう論文があるんだ。ま、それ、俺の専門分野なんだけどね」 トゥアレタ「はぁ……」 羽村「さて、問診も終わったし、今日の健診はこれで終わり」 トゥアレタ「ありがとうございました、羽村先生」 トゥアレタと部屋を出てから、彼女が言う。 トゥアレタ「……何か、羽村先生の言う事、引っ掛かるんだよね……」 トゥアレタ「まるで、過去の出来事や記憶を探られてる、って言うか……。ほら、私達二人とも、幼年学校に通ってたけど、いつの間にか離れ離れになってたでしょ?」 トゥアレタ「何だか、そのことを遠回しに聞かれてる気がして……疲れてるのかな、私……」 トゥアレタの言う事も、分からないでもない。 そもそも、羽村先生は何となく、危険な匂いがする。 何か裏の顔があるような。 だが今は、トゥアレタを落ち着かせることに専念しよう。 シナリオダーザイン【羽村総司からの疑惑】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオとの会話 キミはヴィヴリオの執務室に呼ばれている。 どうやら、あまり人に聞かれたくない内容のようだ。 ヴィヴリオ「トゥアレタから、羽村の様子が気になる、との報告を受けた」 ヴィヴリオ「探っているのは、ギアドライバー達の身辺か、それとも基地の機密か」 ヴィヴリオ「利用価値があったから羽村をそのまま泳がせていたが、そろそろ潮時なのかも知れんな」 ヴィヴリオ「PC1と一緒に、羽村の動向に注意してくれ。奴は瑞穂基地の内情を知り過ぎている。何を企んでいるか分からん以上、慎重にならざるを得ない」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 桂からPC1の様子がおかしいと告げられるシーン 休憩室でキミは、桂と歓談している。 桂「ねえPC4。最近、PC1の様子がおかしいんだよね」 桂「……もしかしたら、なんだけどね。PC1に入っている、天使核。その意識が影響してるのかも」 桂「頭と心が、違うこと考えてて、頭の中がふわふわしてる感じ。一つの身体の中に、二つのココロが入ってる状態になるから、仕方ないんだけど」 桂「PC1の様子、注意して見てあげたいと思うんだ。同じ完全機械化兵、そして桂としての記憶を取り戻したわたしなら、何か助言出来るかも知れないから」 ……彼女は桂であって、桂ではない。桂の天使核と脳、記憶を持った完全機械化兵だ。 その彼女が感じた、PC1への違和感。 放っておく訳にはいかないだろう。 シナリオダーザイン【遠山桂からの信頼】 ミドル シーン1 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 ヴィヴリオに羽村の様子がおかしいので注意しろ、と言われるシーン キミ達は司令室に集合している。 何故か今日は、人払いされている。 ヴィヴリオ「お前達に一つ、忠告することがある」 ヴィヴリオ「一部の者から報告が上がっているが、軍医の羽村の様子がおかしいそうだ」 ヴィヴリオ「羽村の動向に注意してくれ。緊急時でない限り、一人で羽村と会う事を禁じる」 ヴィヴリオ「PC1。中島班長から報告が上がっているが、お前は羽村を見ると頭痛がし、お前の脳内にも原因不明のノイズが発生しているそうだな」 ヴィヴリオ「原因は現在中島班長が調べているが、もしかしたら羽村に何か工作されたのかも知れん。少しでも不調を感じたら、報告しろ」 ヴィヴリオ「私からの話は以上だ。お前達からは、何かあるか?」 ぷしな「大変ですー!天使反応が発生しましたー!ヴァーチュー1、ホイシュレッケ50ですー!」 ヴィヴリオ「ここに全員揃っているのは、ある意味都合がいいな。総員、出撃準備に入れ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2、PC1自動登場、他のPCは任意 キミ達は戦闘空域にいる。 ぷしな「襲来してきた天使ですが、過去に出現した天使とエーテル波長が一致しました!」 ヴィヴリオ「過去の……?ヴァーチュー級の現れた数はそう多くなかった筈だが?」 ぷしな「データに残ってますー。えーと……力天使アザレエルのものと一致してますー。この日付は……6年前??」 ヴィヴリオ「6年前、だと……?」 ヴィヴリオ「総員に告ぐ。ヴァーチュー・アザレエルを撃退せよ」 激戦の末、ホイシュレッケを全滅させ、アザレエルは撤退していった。 帰還中、トゥアレタの様子がおかしい。 トゥアレタ「大丈夫、大丈夫……ちゃんと、PC2は前にいる……」 トゥアレタはハッとして「ごめんね、PC2……ちょっと気分が悪くて……」 PC1、キミも何故か、あの天使を何処かで見たような錯覚を覚える。 そして、最近羽村を見ているときと同じように、頭痛がする。だがいつもよりも痛みが強い。 これは、ヴィヴリオや中島班長に、相談した方がいいかも知れない……。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、他PCは登場不可 ヴィヴリオも立ち合いの上で、中島班長に整備してもらうシーン ヴィヴリオ「中島班長、PC1の様子は?」 三郎「頭痛がひでぇ、って聞いたが……この前より、ノイズが強くなってるな。体内のエーテル濃度も上がってやがる。まあ、今すぐ天使化する、ってレベルじゃねぇから安心しろ」 天使化、という単語を聞いた瞬間、キミの脳裏に、ある光景がフラッシュバックする。 羽、羽、羽。 まるで雪のように舞う、おびただしい量の、天使の羽。 泣き叫ぶ子供達の泣き声が、次第に聖句に変わっていく。 聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな。 そして子供達は、物言わぬ羽の塊へとなっていく。 半身が羽に覆われ、PC2にすがりつくトゥアレタ。 呆然と立ち尽くすPC2。 キミはそれを、倒れ伏しながら、見ている。 キミの目が、閉じる。 ああ、そうだ。 これは6年前、実際に目にした記憶。 キミの名は……羽村、あおい。 羽村総司の、妹だ。 三郎「おい、大丈夫か、PC1!?急に意識を失ったかと思ったら、急激にエーテル濃度が上昇したんで、とりあえず鎮静剤を投与したとこだ」 ヴィヴリオ「PC1。エーテル濃度の上昇具合と脳波の乱れから察するに、お前は所謂、トランス状態になったと思われる。意識を失っている間、何か見なかったか?」 ヴィヴリオ「やはりそうか……では問うが、お前は誰だ?」 ヴィヴリオ「お前が羽村の妹の黒い天使核を持っていることを、羽村にはまだ知られないようにしろ。奴がどう動くか分からん」 会話を終えたらシーンを終了する。 これ以降、いつでもPC1は《封印記憶》の内容を他PCに開示出来る。 また、シーン6でヴィヴリオから公開される為、自分から公開したい場合は申告してもらうようPLに伝える事。 シーン4 シーンプレイヤーはPC2、他PCは登場不可 深夜遅く、キミの部屋をトゥアレタが訪ねてきた。 寝間着を着て、まくらを抱いて、なんだか泣き出しそうな顔をしている。 トゥアレタ「……夢を、見たの」 トゥアレタ「PC2の背中に羽が生えて、私は手を伸ばすの。でも、その手がどうしても届かない」 トゥアレタ「みんな死んでいるの。羽根だけが舞い落ちて、そして私の瞳も閉じていく。あなたはそれを、哀しそうに見てる」 トゥアレタ「……あの天使に出逢った時に、同じ幻影を見たの」 トゥアレタ「PC2……やだ……どっかへ行っちゃ、やだよ……?」 トゥアレタ「ごめん。もう、部屋に戻るね」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC3、PC1自動登場、他のPCは任意 情報収集シーン 羽村総司の正体 〈事情通〉〈軍略〉難易度3 彼は統一帝国の軍医中尉である以前から、ヤシマ陸軍情報二課の特務中尉である、ダブルスパイである。 彼が情報二課に入ることになったきっかけは、統一帝国系の幼年学校に通っていた妹あおいの、原因不明の天使化の真相を探る為である。 『集団天使化事件』の情報項目が開示される。 集団天使化事件 〈事情通〉〈情報処理〉〈軍略〉難易度5 事件の起きた幼年学校には、天使の血を濃く引く子供達が集められたクラスが存在した。 そのクラスの生徒に、PC2、トゥアレタ、あおい、(雛子)が含まれている。 6年前である1993年、PC2の強すぎる力によって(PC2がPC:凍やPC:雛子を兼任している場合は、メタトロンとの接触によるものとなる)、PC2以外が全て天使化した。 その際、(メタトロンと)アザレエルが召喚されている。アザレエルは天使化に関与していない。 あおいはこの時、天使化によって即死している。 トゥアレタのみが、瀕死の状態で数日生き残った。 トゥアレタの真実については、次のシーンで情報取集と描写を行う、とPLに告げること。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 トゥアレタ、PC1の真実 〈事情通〉〈話術〉〈軍略〉難易度5 ヴィヴリオが、トゥアレタとPC2、PC1について話すこと、があると言う。 ヴィヴリオ「PC2のいた施設は元々、黒い天使核を持つ子供だけを集めた施設だった」 ヴィヴリオ「だが、PC2と(メタトロン)の接触によって全員が天使化。ことごとくその衝撃に耐えられず、全員が死亡した」 ヴィヴリオ「唯一、ある程度原型を留めていたトゥアレタの肉体からコピーされたのが、トゥアレタ・タイプだ。その脳にはオリジナルの、天使化して死亡したトゥアレタの、記憶の一部が焼き付けられている」 ヴィヴリオ「……つまりが、今のトゥアレタは、6年前のお前の幼馴染のトゥアレタではなく、偽物、だ」 また、PC1の《封印記憶》の内容が、ヴィヴリオから全員に開示される。 ヴィヴリオ「さて、ここにPC1も呼んだのには訳がある。お前はもう既に気付いているかも知れないが……PC1。お前の天使核は、集団天使化事件で死亡した、羽村の妹、あおいのものが使われている」 ヴィヴリオ「お前が最近、羽村に対して感じていた違和感の原因は、それだろう」 ヴィヴリオ「……そして。PC1という成功例があったからこそ、更なる実験段階として、黒い天使核を持つ次世代完全機械化兵、T−Xが作られたのだろう」 ヴィヴリオ「結果として、T−Xは桂としての記憶を取り戻し、生まれ変わることに成功した。だが一歩間違えれば、悲劇が繰り返されるところだった」 桂「……当人としてはね。終わり良ければ全て良し、って感じなんだけど……」 ヴィヴリオ「……そうか。なら、外野がとやかく言う必要もあるまい」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC1、PC2とPC3自動登場、PC4の登場は任意 最初はPC2のみ登場、途中から他のPCが登場となる。 PC2、キミは羽村に話がある、と言われて、人気のない倉庫に呼び出された。 羽村「やあ、来てくれたんだね」 そう言う割に、彼は目が笑っていない。 そして羽村は懐から拳銃を取り出し、PC2に突き付けながら 羽村「俺には統一帝国の軍医中尉以外に、もう一つの顔がある。もう知ってるだろうけど……ヤシマ陸軍情報二課の特務中尉、それが俺のもう一つの顔さ」 羽村「俺は、妹の死の真相を探る為に、ヤシマ陸軍に入った」 羽村「……まさか、キミがあの事件の元凶だったとはね。灯台下暗し、とはこの事だ」 ※羽村は情報収集シーンでの、『集団天使化事件』の内容に、独自に辿り着いた。 羽村「妹のあおいは、たった一人の家族だった」 羽村「ようやく、真実に辿り着けた。……PC2くん。あおいの仇を、取らせてもらう」 ここで他のPCの登場が可能となる。 パァン、と銃が放たれる。だが弾丸は、キミの真横すれすれを通過し、壁に穴を開ける。 羽村「……そうか。ようやく、合点がいったよ。顔も声も全く違うのに、何故か君を懐かしく感じたのは、そういう事だったのか」 ※PC1が羽村の妹と顔がそっくり、という設定だった場合 羽村「……他人の空似、って思い込もうとしてたけど……まさか本当に、あおいの天使核を使ってたとはね……顔が似るのも、無理はないか……」 羽村「……で、俺をどうするんだい?ここで始末、かい?」 羽村「……その前に、一つだけ頼みがある。ニナちゃんに、言伝をお願い出来るかな。『帰りが遅くなるから、戸締りして帰ってくれ』って」 羽村を『処理』しますか? Y/N ここで羽村を処理した場合、エンディングが分岐する、と伝える事。 羽村を処理した場合、ヴィヴリオに報告して「……そうか」と一言呟いた所で天使警報が発令される。 処理しなかった場合、天使警報が発令し、羽村は拘束してヴィヴリオの所に連れて行かれた所で、天使警報が発令される。 ぷしな「力天使アザレエルが再び出現しましたー!」 ヴィヴリオ「羽村についての処遇は後だ。今は天使との戦いが最優先となる」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC4、ただしPC2以外はここがミドルのラストシーンとなる 天使の再襲来 キミ達は既に、出撃準備に取り掛かっている。 各機に通信が繋がり、ヴィヴリオから指示が下される。 ヴィヴリオ「アザレエルだが、恐らく前回は偵察だったのだろう。今回は返り討ちにしてやろう」 ヴィヴリオ「アザレエルの持つハンマー状の器官だが、前回の戦闘のデータを解析したところ、あのハンマーは光さえもエーテルの粒子に変えてしまう。なるべく距離を取り、戦闘を行え」 以下の描写は、PCの特技構成などを確認して演出する事。 ヴィヴリオ「PC2、PC4を中心として天使を迎撃。PC1はシュネルギアの護衛及び支援、PC3が指揮を執り後方支援だ」 ヴィヴリオ「短い間に色々起きて、混乱している者もいるだろう。だが、今は戦闘に集中しろ。我々は、ただ一度きりの敗北すら、許されんのだから」 ヴィヴリオ「我々が敗北するとき、それはヤシマの滅亡を意味する。我々は、合衆国に打ち勝つまで、戦って戦って戦い抜いて、勝ち続けなければならないのだ」 会話を終えたらシーンを終了する。 PC2以外はここでオープンアップ、ダーザイン5レベルを解禁する。 また、パトスによるアガペー低下を行ってもよい、と伝える事。 シーン9 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は不可。 トゥアレタのオープンアップ条件は、初期取得のダーザインの書き換えを行い『今のトゥアレタを受け入れる』ことになる。 出撃直前。 コックピットのハッチが閉じると同時に、トゥアレタは堰を切ったように、語り始めた。 泣いて、いる。 トゥアレタ「聞いたんでしょ、大佐から全部?」 トゥアレタ「もう少しだけ、あなたの幼馴染でいられると思ってた」 トゥアレタ「PC1のこと、私は忘れたことない。でも、それは研究所で教わった、本物のトゥアレタの記憶なの」 トゥアレタ「思い出は全部、焼き付けられたまがいもの。私自身も、トゥアレタの姿をした人形」 トゥアレタ「それでも私には、他にすがる思い出がなかった、から」 トゥアレタ「だから……だから、嫌いにならないで!私のこと……!」 ※ダーザイン4レベル以上の場合、以下の台詞を追加 トゥアレタ「あなたがいなかったら、私には何も、ない、から!」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーンプレイヤーはPC4、全員登場 力天使アザレエルとの戦闘 ※アザレエルはエンドレスサマー掲載のデータより強化しているので注意。 アザレエル・ホイシュレッケ:シルト×5 ← 500m → ホイシュレッケ:サジッタ×5 ← 500m → PC 戦闘 力天使アザレエル HP330 肉体35 感覚16 理知15 聖霊15 階級0 行動値:16 移動力1500m/15000m 〈回避〉2〈白兵〉3 〈射撃〉4〈探知〉3 〈意志力〉4 《光の鉄槌》 判定値35 技能レベル3 ダメージ+18 射程:至近 対象:単体 《オリハルコンフェザー》 判定値16 技能レベル4 ダメージ+22 射程:5000m※ 対象:単体 《範囲攻撃》 マイナー、対象:範囲(選択)、HP3点失う 《BS攻撃:重圧》 常時 《強襲》 マイナー、封鎖や制圧の影響を受けない戦闘移動を行う、HP5点失う 《ビームシールド》×1 ダメージ決定、ダメージ30点軽減、ラウンド1回 《ケルンU》対天使効果なしのダメージ無効 《飛行》 《疾風怒濤》×2 《奇蹟》×3 《神罰》×2 《復活》×1 《星を落とす者》×1 マイナー直前に宣言、射程:視界、対象:場面 《時空を砕く者》×1 メジャー直前に宣言、射程:視界、成功数+20 エンディング シーン1 シーンプレイヤーはPC4 桂との会話 桂「ねえ、PC4。魂って、どこにあると思う?」 桂は胸に手を当てて「わたしは、ここだと思う。確かに、記憶という点では、脳だと思うんだ。だけど、天使核兵器(エンゼルギア)、更に細かく言うと天使核には人格が存在する、って話、聞いたことない?」 桂「わたしの場合は、クローニング技術で修復された自前の脳と、自分の黒い天使核だから、またややこしい話ではあるんだけど」 桂「身体を失った後でも……わたしの『魂』はまだ、誰かの為に戦いたい、って思ってた。だから、新しい身体を手に入れて、桂としての記憶を取り戻したんだと思う」 桂「……その節は、お世話になりました」ぺこり。 桂「ねえ、PC4。わたしは遠山桂本人と、何が違うんだろう。確かにわたしは、生まれ変わって機械の体を持っている。でも、わたしは、わたしなんだよね。わたし自身がそう思っていて、キミが、みんなが、わたしを、遠山桂として受け入れてくれている。だから、わたしには、分かんないんだ」 桂「PC1も、当面の問題は解決して、良かったんじゃないかな。本当の問題は、これからなんだけども。……羽村さんの妹だった、って記憶が戻って、PC1はどうするのかな」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 羽村が生存していた場合 ヴィヴリオ「さて、改めてようこそ、ヤシマ陸軍情報二課所属の特務中尉、羽村総司君」 羽村「今の心境は、蛇に睨まれた蛙の気分、ですけどね」 ヴィヴリオ「お前は、妹の一件以外に、何をどこまで知っている?」 羽村「随分と漠然とした質問ですね。……ベリアルの存在なら、知ってますよ」 ヴィヴリオ「ベリアルの名前自体が、トップシークレットだ。それを知っているとは、情報二課所属は伊達ではないな」 羽村「お褒めにあずかり恐悦至極……あんまり嬉しくねぇなあ」 ヴィヴリオ「……維馬篭にベリアルの情報を流さず、お前の記憶だけに留めておく、と約束出来るなら、解放してやろう。だが漏らしたら、命はないものと思え」 羽村「つまり、黙ってれば見逃してくれる、と。オレが言うのも何ですけど……ヴィヴリオ大佐、正気ですか?」 ヴィヴリオ「今後の作戦には、お前の協力が必要不可欠だ。それに、お前にはこれまで何だかんだと世話になった。……お前を泳がせていたことで、結果こちらが助けられたことも多々ある」 羽村「随分お優しいことで……。うちの上司に、大佐の爪の垢煎じて飲ませてやりたいくらいですよ」 維馬篭『ぶぇっくしょい!おや、風邪でしょうか……』 ヴィヴリオ「それとだ。私はお前の諜報能力を高く評価している。もし、ヤシマ陸軍に居場所が無くなったら、私の下で働かないか?」 羽村「それって、事実上のヘッドハンティングって言いません?」 ヴィヴリオ「そうとも言うな。まあ、考えておいてくれ」 羽村「再就職先までお世話していただけるのなら、この件、誰にも言わずに秘密にしておきますよ。幸い、俺に監視はついてないから、俺が黙ってればいいんで」 処理している場合、ニナに羽村がスパイだった為に、処理したことを伝えに行く 医務室。 ニナ「羽村先生、遅いなあ……。あ、PC3さん、お疲れ様です」 ニナ「……そうですか。……羽村先生の立場は知ってたから、いつかはこんな日が来るって、覚悟はしてました」 ニナ「……いざ来てみると、何だか、呆気ないですね」 ニナはそう言いつつ、涙がぽろぽろ零れ落ちている。 ニナ「あ、あれ?おかしいな?覚悟、してた筈なのに……」 ニナ「さっきまでいた人が、急にいなくなってしまうのは、戦争だから、当たり前、ですけど……やっぱり、辛い、ですね……わたし、羽村先生のこと、嫌いじゃなかった、から……」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 トゥアレタとの会話 トゥアレタ「……私は、ずっと前から、自分が作られた存在であるってこと、知ってたんだ。黙ってて、ごめんなさい」 トゥアレタ「桂さんにも、怒られちゃった……。私、気にし過ぎだって。私がクローンだってこと、PC2が気にする筈がない、って。……桂さんは強いから、そんなこと言えるんだよ……」 トゥアレタ「出撃前に言ったことも、本当のこと。『私』には、あなたしか、いないの」 トゥアレタ「ねえ、PC2。私は、偽者。本物じゃない。それでも、いい?……あなたのそばに、いても、いい?」 トゥアレタ「偽物のわたしでも……この気持ちだけは本物なの!」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 羽村が生存していた場合、羽村との会話 PC1が羽村の妹である、と言った場合の描写である。 羽村「……何て、言えばいいのかな」 羽村「6年前のあの朝、君を見送って……君は二度と、帰って来なかった。ようやく、言える。……おかえり、あおい」 羽村「話したいことが、沢山あるんだ。機密に触れるから、話せない事もあるけどね。……色々、変わってしまった。俺も、あおいも」 羽村「出来るなら、失った時間を取り戻したいんだ。……いつまた、どちらがいなくなるか、分からないけれど、それまでは」 死亡していた場合は三郎と会話、ノイズが無くなったと言われる 三郎「脳内のノイズが消滅した。頭痛も無くなっただろ?」 三郎「……それがいいかどうかは、俺には分かンねぇがな。……感情を持っちまった以上、お前ぇさんは人間とあまり変わらねぇ」 三郎「これからどうしたいかは、お前ぇさん自身で決めるしかねぇ。強制は、したくねぇ。こいつは大佐も同じ見解だ」 三郎「……必要なら、フォーマット処理も出来るからな?」 あとがき 本シナリオは『本人の記憶を持ったクローンと、本人(故人)の差とは?』がテーマとなっています。 PC1はPCとNPCだから違うのは当然として、トゥアレタとT−Xはどうなんでしょうか。 二人とも、故人からクローニングされた存在です。 トゥアレタはオリジナルの記憶が転写され、知識としてオリジナルの情報を知っている。 それに対し、T−Xは(俺作のシナリオ『機械仕掛けの聖女』から引っ張っている設定ですが)遠山桂本人の記憶を、天使化する瞬間まで含めて記憶していて、T−Xとして生まれ変わった後に思い出し、地続きで今の記憶を保持している。 繰り返しますが、二人ともオリジナルではなく、クローンです。 二人とも、自分がクローンである、という自覚があります。 ただしトゥアレタはその事実をひた隠しにし、T−Xは普段遠山桂として振る舞っている(表立って公言はしないかも知れませんが)。 はて、本人との違いはどれくらいあるんでしょうか。 こんなことを書いていながら、俺には分かりません。 その答えは、セッションの中で、PLが、PCが既に導き出してくれている、と信じています。