今回予告 ヤシマ最強と謳われる草薙家、その次期当主である、草薙伊音。 その彼女が、ヤシマ陸軍からシュネルギアのナビゲーターとして派遣されて来た。 同時に、ヘルプストハイムチェックを経て、ギアドライバーとして召集されたキミ。 適性を鑑みて、キミは伊音とペアを組むことになった。 誇り高く、自他ともに厳しい伊音。 彼女とキミが、真に理解り合えるのは、いつの日か。 ギアドライバー達の指導を任された、機械化兵。 八坂機関より維馬篭の命を受けて派遣された、情報将校。 情報将校の監視を命じられた、完全機械化兵。 これは、始まりの物語。 二本の刃が重なり合った時、物語は幕を開ける。 キミ達はまだ、何も知らない。 奈落の底を蠢く存在を。 伊音が隠す真の目的を。 そして……この物語の結末を。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『クロス・ブレイズ』 私とお前は、二本の刃。共に、護国の刃と為ろう。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:伊音 キミは黒い天使核を持つことが分かり、瑞穂基地に召集された。 そこでキミは、草薙伊音という少女と出会う。 この出会いがキミの運命を大きく変えることを、今のキミはまだ知らない。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの興味】 ※クラスはギアドライバー/サムライを推奨。 PC2:オフィーツィア キミは八坂機関に所属する情報将校だ。 キミはこの度、維馬篭代胤から命令され、草薙伊音のお目付け役として、瑞穂基地に送り込まれた。 大将閣下には色々と思惑があるようだが、自分にはそんな事は関係ない。 子供達が悪い大人に利用されないよう、守ってやらなければ。 シナリオダーザイン【維馬篭代胤からの有為】 ※《情報将校》の取得を推奨。 ※悪役ではなく、2つの陣営、そして上司と部下の板挟みになる中間管理職になって欲しい。 PC3:ホムンクルス キミは、ヴィヴリオからの信頼の篤い完全機械化兵だ。 今回キミは、ヤシマ陸軍から送り込まれたPC2の監視を命じられた。 彼の挙動を逐一報告し、もしもの場合は処理せよ、との命令だ。 では、粛々と任務を遂行しよう。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ※PvPシナリオではないので、実際にPCを殺す必要はない。 PLは仲良く、PCは対立や反目してくれると、GMはとても嬉しい。 PC4:ソルジャー キミはヴィヴリオの部下の機械化兵だ。 ヴィヴリオは招集したPC1と、ヤシマ陸軍から派遣されるナビゲーターの二人を組ませることをキミに告げ、更にその二人の指導を命じてきた。 子供を戦場に出すことについて、キミも思う所はある。 だが、彼らがちゃんと生き残れるよう指導していくのが、キミの役目だ。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの有為】 シナリオの時期について(以下、全て非公式) 天使大戦開戦の数ヶ月前(4〜6月)頃を想定している。 PC:セラピア、PC:凍は開戦後(それぞれ『力の、在処』『命の価値』を想定)の召集、PC:トゥアレタとPC:伊音は開戦前である、と著者は設定している。 更に言えば、トゥアレタが副隊長と描写されることを鑑みて、PC:トゥアレタが最も早く召集されている、と設定している。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2 キミは、ヤシマ陸軍の諜報機関である、八坂機関に所属する情報将校だ。 ある日キミは、維馬篭代胤に呼び出された。 彼はヤシマ陸軍の大将であるが、同時に八坂機関の長でもある。 維馬篭「おはようございます、PC2くん」 維馬篭「あなたに命令があります。あなたを、ヤシマ陸軍特務中尉、草薙伊音くんと共に、瑞穂基地に派遣します」 維馬篭「伊音くんの様子を、私に定期的に報告して欲しいのですよ」 維馬篭「これは、あなたにしか出来ない仕事です」 何やら大将閣下には、色々と思惑があるようだが、自分にはそんな事は関係ない。 草薙伊音だけではなく、子供達が悪い大人に利用されないよう、守ってやらなければ。 シナリオダーザイン【維馬篭代胤からの有為】 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 キミは日頃ヴィヴリオの身辺警護を務めており、ヴィヴリオからの信頼も篤い完全機械化兵だ。 ある日キミは、ヴィヴリオに呼ばれた。 ヴィヴリオ「PC3。お前に新しい命令だ」 ヴィヴリオ「ヤシマ陸軍から2名、人員が派遣されて来る。お前には、PC2という者の監視を命じる」 ヴィヴリオ「PC2は八坂機関の人間……要は、維馬篭の手駒だ。維馬篭が何を企んでいるか分からん」 ヴィヴリオ「もしもの時は……分かっているな?」 ヴィヴリオは、右手を銃の形にし、撃つ真似をする。 ヴィヴリオ「では、頼んだぞ」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 キミは、ヴィヴリオの部下の機械化兵だ。 ある日キミは、ヴィヴリオに呼び出された。 ヴィヴリオ「ヘルプストハイムチェックで1名、適合者が発見された。名はPC1。シュネルギア:○○のパイロット候補として考えている」 ヴィヴリオ「それとだ。ヤシマ陸軍から1名、ナビゲーター候補が派遣されて来る。名は草薙伊音。そう、あの草薙だ」 ヴィヴリオ「お前には、その2名の指導を命じる」 ヴィヴリオ「恐らくだが、技術的に教えることはそうないだろう。お前に期待するのは、彼らが戦場で生き残る術を、身に付けさせることだ」 ヴィヴリオ「お前の言わんとすることも理解している。だが我々には、子供達に頼るしか手段がないのだ」 子供を戦場に出すことについて、キミも思う所はある。 だが、彼らがちゃんと生き残れるよう指導していくのが、キミの役目だ。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの有為】 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 ヘルプストハイムチェックにて、黒い天使核を保有することが判明したキミは、瑞穂基地に召集された。 司令室でキミは、先に草薙伊音と対面した。 ヴィヴリオ「お前達2人が、シュネルギア:○○のパイロットだ」 ヴィヴリオ「仲良くしろ、とは言わん。戦闘行動に支障が無ければそれでいい」 ヴィヴリオ「まずは、互いに自己紹介しろ」 伊音「ヤシマ陸軍特務中尉、草薙伊音だ」 PC1と伊音が初対面だった、あるいは印象が良くない場合 伊音「貴様が、私と組むことになったというPC1か。(私は素人であろうと、容赦せんぞ)」 伊音「貴様と慣れ合う気も、貴様に期待もせんが、私の足だけは引っ張らないでくれ」 伊音「私は命に代えても、この御国を守護(まも)らねばならんのだ」 ※エンディングまで基本的にPC1を『貴様』と呼び、『お前』と呼ぶのはエンディングのみである。 ただし、エンディングでも腑抜けた言動した場合は『貴様』呼びになる。 ヴィヴリオ「(先が思いやられるな、これは……)」 PC1と伊音が既に知り合いだった場合 伊音「まさかとは思ったが、お前が私のパートナーなのか」 伊音「お前と、こうやって肩を並べて戦うことになろうとはな。よろしく頼むぞ、PC1」 伊音「しかし何だな。全く見知らぬ者と組むよりも、俄然心強いな」 ※こちらは最初からPC1を『お前』と呼ぶ。 ヴィヴリオ「(どうやら、上手くやってくれそうだな)」 シナリオダーザイン【草薙伊音からの興味】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 全員との顔合わせ ヴィヴリオ「お前達に、3名の新人を紹介する。今回ギアドライバーとして召集されたPC1少尉、ヤシマ陸軍より派遣されて来た草薙伊音特務中尉、及びPC2(階級)だ。各自、自己紹介を」 伊音「ヤシマ陸軍特務中尉、草薙伊音だ。よろしくお願い申し上げる」 ヴィヴリオ「ではPC3、PC4。お前達も自己紹介しろ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 ※このシーンでは、PC間での交流を図ってもらいたい。 PC4の指導の下、訓練が開始される。 シュネルギアはS.Q.U.I.Dによって、頭でイメージした動きを、機体にそのまま伝えることが出来る。 だが、実際にその動きに慣れている方がイメージし易い為、身体を動かす訓練も取り入れられている。 ※ここでPC間での会話を促すと良い。 ある程度会話出来た所で、以下の描写に移る。 そして今、キミは竹刀を持って伊音と対峙している。 伊音「まずは、お前の腕前を見せてもらおうか」 〈白兵〉か〈格闘〉で判定。難易度は3。 初対面 失敗: 伊音「どうした、その程度か?」 伊音「私の域まで来いと言わん。だが、足を引っ張らない程度には、鍛錬してもらうぞ」 成功: 伊音「ほう……やるではないか」 伊音「私にはまだ及ばぬが、見込みはあるようだ」 面識あり 失敗: 伊音「どうした?お前の力、その程度ではないだろう?」 伊音「お前に背中を預ける以上、お前には強くなってもらわんとな」 成功: 伊音「ふむ、流石の腕前だ」 伊音「これならば、安心して背中を預けられる」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、PC3自動登場、PC1とPC4の登場は不可 維馬篭との定期連絡 ※PC2とPC3でバチバチやり合ってもらうシーンである。 維馬篭「PC2くん、お疲れ様です」 維馬篭「どうですか?PC1くんと伊音くんのコンビは、貴方の目から見て、使い物になりそうですか?」 維馬篭「そうですか。……では、また連絡を待っていますね」 定期連絡後、PC3の登場となる。 ある程度バチバチしたら、PC3にヴィヴリオからの連絡が入る。 ヴィヴリオ「PC3、定期報告の時間を過ぎているぞ。戻って来てくれ」 ヴィヴリオの所に戻ったキミ。 ヴィヴリオ「……話は分かった」 ヴィヴリオ「引き続き、PC2の監視を頼む」 会話を終えたらシーンを終了する。 もしフリーシーンが必要な場合、このタイミングとする。 これ以降はイベントが進行し、フリーシーンを挟む余地がない為だ。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 伊音との交流 初対面 伊音「我らは、互いのことを何も知らん。これから共に戦っていくのに、互いを知っておくことは重要だ」 伊音「良ければ、共に茶でもどうだ。私とて、剣だけではない。少々、茶の湯の心得はある」 〈芸事〉で判定する。難易度は2。 失敗すると、足が痺れて無様な姿を晒す。 失敗: 伊音「こういった席は慣れておらんか?まあ、おいおい慣れてもらうとしよう」 成功: 伊音「ふむ、良い所作だ。こういった席は初めてではないのか?」 面識あり 伊音「お前と私は、共に戦うパートナーだ。改めてお互いを知るべきだと、私は思う」 伊音「良ければ、共に茶でも如何か。私とて、剣だけではないぞ。少々、茶の湯の心得はある。……妹には敵わんがな」 〈芸事〉で判定する。難易度は3。 失敗すると、作法を間違える。 失敗: 伊音「どうした、緊張でもしたか?私相手に、緊張することもないだろう」 成功: 伊音「流石だな。茶の湯も修めているとは。また、こういった席を設けよう。……次は、妹の紫音も交えて、も良いな」 会話を終えたら以下の描写に移る。 管制官『天使の襲来を確認。シュネルギア部隊は、至急司令室に集合して下さい」 伊音「遂に、か。征くぞ、PC1」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 天使の襲来 出撃前のブリーフィング 管制官「天使のセレスティアルヒエラルキーが判明しました。座天使、トロウンが1体です」 ヴィヴリオ「座天使、か……燃え盛る車輪として描かれる、ヒエラルキー第三位の天使。かなり強力な天使が現れたものだ。それだけ、合衆国は我々を警戒しているのだろう」 ヴィヴリオ「PC4、部隊長はお前だ。前線での指揮を頼む」 ヴィヴリオ「PC3。PC4の命令に従って、天使を牽制しろ」 ヴィヴリオ「PC1、草薙は前線にて、天使を撃破せよ」 伊音「お任せを。草薙の剣は最強、炎すら切り裂いてご覧に入れよう」 ヴィヴリオ「PC2(階級)。貴官もホルテンにて一緒に出撃し、天使との戦いがどのようなものかを、その目に焼き付けておくといい」 ヴィヴリオ「PC4。出撃前に、何か一言あるか?」 会話を終えたら以下の描写に移る。 PC1以外は、ここで退場となる。 シュネルギア:○○のコックピット内。 伊音が的確に、シュネルギアのセットアップを進めて行く。 初対面 伊音「どうした、怖気づいてなどいないだろうな」 伊音「我らはこれから、合衆国へ反撃の狼煙を上げる。この戦いは、その嚆矢(こうし)なのだ」 伊音「我らは、一度たりとも敗北することは許されぬ。故に、必勝を義務付けられている」 伊音「貴様と私は、一人一人では単なる火かも知れん。だが、二人合わせれば炎となる。 炎となった我らは、無敵だ」 伊音「征くぞ、PC1」 面識あり 伊音「遂にこの日が来た。合衆国へ反撃の狼煙を上げる、その日が」 伊音「我らは、一度たりとも敗北することは許されない。故に、必勝を義務付けられているのは、知っての通り」 伊音「お前と私は、一人一人では単なる火かも知れん。だが、二人合わせれば炎となる。 炎となった我らは、無敵だ」 伊音「征こう、PC1。合衆国に、目にもの見せてやろうぞ」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 キミ達の眼前に現れる、燃え盛る炎に包まれた、巨大な天使トロウン。 データは天使戦艦のものを使用するが、融合天使(戦闘機)は登場させない。 また戦艦ではなく、天使兵トロウンとして描写すること。 攻撃手段は全て、炎によるものとして演出する。 エンディング シーン1 シーンプレイヤーはPC3 キミはヴィヴリオに呼ばれ、司令室ではなく執務室にいる。 あまり人に聞かれたくない話題のようだ。 ヴィヴリオ「引き続き、PC2の監視を命ずる」 ヴィヴリオ「ヤシマ陸軍、そして維馬篭が何を目論んでいるか分からんからな。用心するに越したことは無い」 ヴィヴリオ「……PC2本人には、その気は無くとも、だ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 キミは維馬篭に、定期連絡を行っている。 維馬篭「伊音くん、そしてPC1くん。素晴らしい活躍でしたね。これは、期待出来ます」 維馬篭「貴方は引き続き瑞穂基地に残り、逐次報告をお願いします。ああ、勿論貴方にも期待しています。……私の期待を、裏切らないで下さいね」 ……さて、これから自分は、どうすればいいのだろう。 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 キミはヴィヴリオに呼ばれ、司令室にいる。 ヴィヴリオ「PC1と草薙、技術はあるが、所詮は子供。戦場での心構えが身に付いている訳ではない」 ヴィヴリオ「だが、あの二人、そしてシュネルギアは、合衆国に対抗する為の主戦力となる。お前はあの二人を守れ」 ヴィヴリオ「あの二人、これから直面する問題に対してどう立ち向かい、そしてどう対処するのか……」 ヴィヴリオは、何かを知っているらしい。 この戦い、そして草薙伊音が派遣されて来た、本当の訳を。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 格納庫。 キミは初戦を共に戦ったシュネルギア:○○を見上げている。 そこに、伊音が声を掛けてきた。 伊音「冷えたお茶だ。飲め」 そう言って、ペットボトルのお茶を手渡して来る。 初対面 伊音「初陣にしては、良くやった」 伊音「だが、まだ貴様には技量も覚悟も足りぬ。これからびしびし指導してやるから、覚悟しておけ」 伊音「……良く聞け。私とお前は、二本の刃だ。共に、護国の刃と為ろう」 面識あり 伊音「初陣でここまで息が合うとは……流石は、PC1と言ったところか」 伊音「だが、我らの力は、こんなものではない筈だ。共に、更なる高みを目指そうではないか」 伊音「私とお前は、二本の刃。共に、護国の刃と為ろう」 シーン5 マスターシーン 伊音にあてがわれた部屋。 伊音は誰かと、電話で話している。 ???「PC1くんとの邂逅は、どうでしたか」 伊音「……はい、概ね問題なかったかと思います」 ???「それは良かった。あなたを推挙しただけのことは、あったようですね」 ???「では、また報告を待っています。……私はあなたに、とても期待しているんです。その期待を、裏切らないで下さいね」 伊音「……はい、ご期待に沿えるよう、努力いたします」 ???「ええ、それでいいのです。では、また」 誰かとの電話が切れる。 伊音は、机の上に飾られた写真立てに目をやる。 それは、伊音、妹の紫音、そして……彼女の兄、理音と一緒に撮った写真。 伊音「……揺れるな、私の心。私は何の為に、ここに来たと思っている」 伊音は、自分に強く言い聞かせる。 彼女の抱える秘密。 それを知るには……もう少し、時間が必要だった。 X-Blades/Blaze 仮題「X-Blade」クロス・ブレイド 伊音と初めて出会った(組んだ)時のお話 Xの文字を使うのと、PC:伊音の始まりの物語、ということからセラさんがタイトルを作ってくれました。 ボスにトロウンを選択した理由として、トロウン(ソロネ)は主に燃え盛る車輪として描かれ、また座天使の指揮官はラファエル(とザフキエル)である、とされている為です。 まず、伊音の専用オーギュメントが《ラファエル》。 またシナリオタイトルの『ブレイズ』を、刃の複数形である『Blades』と(激しい)炎である『Blaze』のダブルミーニングとして描写したい為です。 尚この辺は、単なるこだわりです。 でも思うんですよ。そういう細かい部分に個性は出るって。