今回予告 帝都奪還作戦と並行して計画された、太平洋上に展開する合衆国天使十字軍第七艦隊へ大打撃を与える為の、特攻作戦。 その作戦の為に建造された、有人ミサイル『藤花』。 『藤花』のパイロットは、八坂機関にて数々の実験を受けて来た、『被験体101号』桃井藤花。 自由気ままに生きる享楽的な性格の彼女は、死を、天使化を軽んじ、恐れなかった。 そんな彼女の、最後の願いとは。 一方。シュネルギア部隊は、特攻作戦の護衛を命じられる。 藤花を快く思わぬ桂。 反発するメイリィ。 ギアドライバー達の間に、不和が生じる。 やがて、決行の日が訪れる。 目の前で起きようとする天使化、そして訪れる死に、キミ達は何を思い、何をするのか。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Virgin Emotion』 不意に現れた真実に、今気付いた。 ハンドアウト PC1:ウィザード キミは八坂機関から瑞穂基地に派遣されている研究者であり、維馬篭の道具だ。 ある日、自分が八坂機関で世話していた『被験体101号』桃井藤花が、キミの家に転がり込んでくる。 全く、自分の承諾も無しに。 とは言え、彼女は昔から、自由気ままだった。 彼女との共同生活も別に悪くはない……と思った矢先、彼女が特攻兵器『藤花』のパイロットとして、瑞穂基地に世話になることを知った。 いつもの事とは言え、何でそういう肝心なことを、先に言わないんだ。 そしてそれは、やがて来る彼女との別れを、意味していた。 シナリオダーザイン【桃井藤花からの腐れ縁】 性別は問わないが、シナリオの都合上独身であり、恋人は現在いないものとする。 悪役ではなく、PCに協力する立ち位置。使命と個人的感情の板挟みになって欲しい。 PC2:ギアドライバー/ナビ:桂 ある日キミは、桃井藤花と名乗る少女にナンパされた。 彼女に振り回されるだけ振り回され、その日は終わる。 だが翌日、特攻兵器のパイロットとして紹介された彼女と、瑞穂基地で再会する。 しかも、特攻の際の護衛任務も、オマケに付いてきた。 どんな顔で接すればいいんだ、いったい…… シナリオダーザイン【桃井藤花からの興味】 PC3:ギアドライバー/ナビ:メイリィ キミ達シュネルギア部隊は、天使十字軍第七艦隊に特攻する有人兵器『藤花』の護衛を命じられた。 そのパイロットとして、桃井藤花という、自分達と同い年の少女が瑞穂基地にやって来た。 キミとメイリィは、特攻作戦に怒りを覚えた。 何故、彼女が命を捨てなければならないのか。 シナリオダーザイン【タン・メイリィからの反発】 PC4:ソルジャー キミはシュネルギアの護衛部隊の隊長を務めている。 今回、ヴィヴリオ大佐からギアドライバー達の様子を、観察及び報告して欲しいと命令された。 全く、子守りが仕事じゃないんだぞ。 そもそも、情報部の奴らがいつも目を光らせているだろうに……。 まあ仕方ない。子供達がおかしな真似をしないよう、見張っててやるか。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 本シナリオは前提として、NPCの死、そして天使化を扱う。 NPCが特攻するのは避けられない。 NPCを救う術はある。 また、天使化そして死を軽んじる、人の話を聞かないヒロインの自己満足に付き合わされる、吟遊詩人シナリオである。 その為、内容及びNPCが気に入らない、受け入れられない場合は、回れ右すること。 クライマックスは2シーンあり、シーン1は特攻の強制イベント、シーン2は戦闘である。 福音フェイズはシーン1、藤花が天使化する直前のタイミングであるが、福音自体は必須ではない。 誰かがオフィーツィアを兼任していると良い。 推奨はPC1かPC4だが、ギアドライバーが兼任していても良い。 本シナリオのヒロイン 桃井藤花(ももい・とうか) 自由気ままに生きる、享楽主義者の少女。 両親も親類もいない、そもそも自分の本名すら覚えていない。 基本的に誰にでも馴れ馴れしく、敬語は使わない(使えない)。 一人称:あたし 二人称:名前+くん、名前+さん 正体は八坂機関の実験体『被験体101号』。 番号をもじって(百と一・十と一)桃井藤花と名乗っている(あるいは、誰かに名付けてもらった)だけで、名前はないし、戸籍もない、『存在しない筈の人間』である。 戦地で独りぼっちで泣いている所を、維馬篭に拾われた。 以来、維馬篭に言われるがままに、八坂機関にて様々な実験を受けて来た。 自分を拾ってくれた維馬篭に、とても強い恩義を感じており、維馬篭もまた、藤花はお気に入りの道具の一つである。 天使化の兆候があり、放っておけば地上でマスケンヴァル現象を起こす為、最後の実験と廃棄処理も兼ねて、特攻兵器である有人ミサイル『藤花』のパイロットとして、維馬篭が決定。 本人も実験体なんてそんなもんだろう、と受け入れてしまっている。 既に訓練を終え、後は出撃命令が出るのを待っている状態である。 尚、特攻兵器の名称は藤花に合わせた訳ではなく、偶然の一致である。 藤花は天使十字軍第七艦隊に迎撃されても、その場でマスケンヴァル現象を起こすよう(体内エーテル濃度を急上昇させるように)調整されている。 その時が来るまでは天使化しないように(過度のストレスを与えない為に)、維馬篭の権限において、自由にさせている。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2 藤花との邂逅 藤花と別れたらシーンを終了する 久々の休暇。 市街に買い物に出掛けたら、一人の少女に声を掛けられた。 藤花「へいへーい、そこ行くお兄さーん、あたしと一緒に遊ばないかーい」 藤花「お、乗ってくれるんだ。何人か声掛けたんだけど、全滅でさー」 藤花「んじゃ、どこ行く?そうだ、名前教えてー。一緒に遊ぶのに、お兄さん呼びもなかろうさ。そもそも、あたしと同年代だろうし?」 藤花「あたしの名前?……桃井藤花?って名前?」 藤花「まあまあいいじゃない、名前なんて些細な問題だよ」 半ば強引に買い物に付き合わされた後、カラオケに連れて行かれ、計10時間くらい付き合わされて解散。 藤花「また会えたら、遊ぼうねー」 シナリオダーザイン【桃井藤花からの興味】 シーン2 シーンプレイヤーはPC1 藤花との会話 藤花が明日から基地でもよろしく、と言ったらシーンを終了する。 一週間ほど前、藤花がキミの家に転がりこんできた。 藤花『久しぶりー。ねー、PC1さん。しばらく泊めてー』 藤花『上にはもう、PC1さんの家に泊まるって許可取ってるんだー』 そんなやり取りからの今日。 何処かに出掛けていた藤花が、夜遅く帰って来た。 藤花「ただいまー。やー、楽しかったー」 藤花「PC2くん?って子と遊んできたんだー」 藤花「あ、知り合いなの?」 藤花「あ、そっか、今瑞穂基地勤務だっけ。お仕事ごっくろーさまでっす」 藤花「そだ、明日からちょっとの間だけ、あたしも瑞穂基地にお世話になるから」 藤花「んー、維馬篭さんから、今日連絡来たんだー」 藤花「あたし、特攻兵器『藤花』のパイロットなの。特攻の日程が、そろそろ決まりそうなんだって。ところで、自分と同じ名前の機体って、ちょっとカッコよくない?」 藤花「じゃ、明日から基地でもよろー。あたし、お風呂入って寝るねー」 シナリオダーザイン【桃井藤花からの腐れ縁】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオから命令されるシーン メイリィが納得してない、と言ったらシーンを終了する 司令室。 キミ達はヴィヴリオに呼ばれ、ここにいる。 ヴィヴリオ「ヤシマ陸軍、いや、維馬篭から、護衛任務の要請があった。天使十字軍第七艦隊への特攻の護衛だ」 ヴィヴリオ「同時に、そのパイロットが任務遂行までの数日間、瑞穂基地に滞在する」 メイリィ「冗談じゃない!死にに行く為の護衛なんて、誰がやるもんか!PC3も、何か言ってやって!」 ヴィヴリオ「八坂、クレーリオン、草薙、パルマコン、それに司鏡達が、帝都奪還作戦の任務に就いているのは知っているだろう。我々には、人員が足りん」 メイリィ「ぐぬぬ……」 ヴィヴリオ「割り切れ、とは言わん。だが今維馬篭を敵に回すのは、得策ではない」 メイリィ「……命令には従う。だけどワタシは、納得はしてないアルよ」 シナリオダーザイン【タン・メイリィからの反発】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオから命令される ヴィヴリオからの命令を承諾したらシーンを終了する 司令室。 キミはヴィヴリオに呼び出された。 ヴィヴリオ「ヤシマ陸軍、いや、維馬篭から、護衛任務の要請があった。天使十字軍第七艦隊への特攻の護衛だ」 ヴィヴリオ「同時に、そのパイロットが任務遂行までの数日間、瑞穂基地に滞在する」 ヴィヴリオ「お前にはその間、ギアドライバー達の様子に目を光らせて欲しい。勿論、情報将校らの監視も継続及び強化してのことだが」 ヴィヴリオ「どうも、気になることがあってな。そのパイロットの少女、維馬篭の道具の一人らしい」 ヴィヴリオ「杞憂に過ぎれば良いが、何か良からぬことが起きそうな予感がしてな」 ヴィヴリオ「済まんが、よろしく頼む」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ミドルフェイズ ※もし、藤花に対し、一緒に逃げようとか言われた場合 藤花「いや、あのねー、八坂機関から離れちゃうと、すぐにマスケンヴァっちゃうんだよね」 藤花「八坂機関のお陰で、天使化を何とか遅らせてもらってるから、今こうやって、生きてられるって訳」 藤花「わたしのせいで周りの人、死なせたくないし?だから無理なんだー、ゴメンねー」 藤花「それに、維馬篭さんにはお世話になったからさー、裏切るような真似、したくないんだー」 シーン1 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 藤花との顔合わせ 全員が自己紹介したら、最後の描写を読み上げてシーンを終了する 司令室。 特攻作戦の護衛任務で、特攻機のパイロットがしばらく滞在する、ということで顔合わせすることになった。 ヴィヴリオ「皆、揃っているな。本作戦の要となる、桃井特務少尉だ。桃井特務少尉、自己紹介を」 藤花「桃井藤花、花の14歳でーす。トモダチ募集ちゅー、よろしくー」 桂「いや、仮にも軍隊で、それはどうよ?わたし達もあんまり人のこと言えないけどさ」 藤花「あははー」 メイリィは黙っているが、あからさまに不機嫌である。 睨みこそしないものの、眉をしかめて藤花を見ている。 藤花「PC1、やっほー。って、今朝一緒に家を出たっけね」 藤花「あ、昨日の人だー。昨日は、付き合ってくれてありがとねー」 桂「そう言えば、PC2、昨日全然連絡付かなかったけど、もしかして」 藤花「うん、昨日一日、PC2借りてたー。ごめんねー」 桂「ふーん……そうかPC2、君はそういう奴だったんだな」 全員の自己紹介が終わったら ヴィヴリオ「彼女は自由にさせるよう、維馬篭から要請が来ていてな……。私も強くは言えんのだ」 ヴィヴリオ「桃井特務少尉。自由にするのはいいが、軍規を乱さぬ程度で頼む」 藤花「はーい、先生」 ヴィヴリオは額に手を当てて「誰が先生だ、誰が……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 PC1と藤花の回想シーン 藤花とPC1が初めて会い、そして懐いていくシーン 回想が終了したらシーンを終了する キミはまどろみ、夢を見ていた。 あれは、何年前の事だろうか。 キミは八坂機関の研究所で、薄汚れた少女と対面していた。 維馬篭「今日から、この子の面倒をお願いします」 維馬篭「被験体101号。名前は覚えていないそうです。また、家族は消息不明、救出した時に身元を証明出来るものも何も持っていませんでした」 ???「……はじめ、まして」 ぺこりと頭を下げる。 維馬篭「では、よろしくお願いしますね」 それからキミは、彼女の世話役となった。 ???「ねーねーPC1さん、今日の実験もがんばったよー」 ???「注射はちょっと痛いけど、がまんがまん」 ???「ここは三食昼寝付きで、おやつももらえるけど、トモダチがいないんだよなー。同い年くらいの子、全然いないし」 ???「そうだ、PC1さんが最初のトモダチになってよー。だめー?」 ???「最近、実験受けると、だるくなること多いんだよねー。何でも、エーテルのうど?っていうのがかなり高くなってる、って」 ???「てんしかのかのーせー?があるから、もう実験は無しなんだって。お仕事、なくなっちゃったなあ」 キミ達のあやふやな関係は、キミが瑞穂基地に出向するまで続いた。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 藤花との交流シーン メイリィが部屋を出て行ったら、描写を読み上げてシーンを終了する。 休憩室で、藤花を囲んで談話している。 メイリィ「ねえ、トウカ。アナタは、怖くないの?」 藤花「や、別っつにー」 桂「……詳しく、聞かせてくれる?」 藤花「にゃははー、終わりが分かってんだもん、それまで楽しまなきゃ」 藤花「死ぬのは怖くないよー、天使化も同じようなものでしょ?どうせ死ぬんだから」 メイリィ「っ!」 桂「あのね、実際に天使化したことのあるわたしからすれば……あんなに怖いものはないよ」 藤花「へー、すごーい。興味あるなー。聞かせて聞かせてー」 桂「勝手に口から聖句が零れ、次第に意識が薄れていく、まるで白い闇の中で溺れるような感覚。あんなの、二度とごめんだね」 藤花「ふんふん、なるほどー。メモしとこー」 桂「なんか脱力するなあ……」 メイリィ「……ワタシは、不愉快アルね。アナタとは話したくない」 そう言い残して、どかどかと足音を鳴らして部屋を出て行ってしまう。 藤花「ありゃー、怒らせちゃったかな?」 桂「うーん、そりゃ、ねぇ……」 藤花「まあいっかー、過ぎたことをくよくよしても仕方ない。前向きに行こー」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC3、他のPCの登場は不可 メイリィと死について話す メイリィがため息をついたらシーンを終了する 部屋を出て行ったメイリィは、寮の屋上にいた。 彼女は何かあると、大抵ここにいるから、すぐに見つけられた。 メイリィ「ねえ、PC3。知ってるとは思うけど」 メイリィ「コンロンにいた頃、ワタシの周りの人は、ワタシが引き寄せた天使たちによって、みんな殺されてしまった」 メイリィ「みんなきっと、もっと生きたかった筈なんだ。なのに、ワタシのせいで……」 メイリィ「……だから、命を投げ出す事を良しとする、トウカの態度が、どうしても気に入らない」 メイリィ「誰かに命令されて言われるがままに、もイヤだけど……本人が死を受け入れちゃってるのなら、もっとイヤだ」 メイリィははぁ、とため息をついた。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 このシーンは、維馬篭、藤花との話し合いが、平行線を辿るシーンとなる。 藤花は何を言われようが、意志を曲げないからだ。 藤花が維馬篭に世話になった、と発言したら、描写を読み上げてシーンを終了する 藤花の様子を見に、維馬篭が訪ねて来た。 維馬篭「藤花さん、具合はどうですか?」 藤花「みんなに色々、遊んでもらってまーす」 維馬篭「それは良かった。必要ならば、何でもおっしゃって下さい。最大限、助力しますので」 維馬篭「さて、貴方がたが疑問に感じているであろう、藤花さんの処遇ですが……放っておけば地上でマスケンヴァル現象を起こす為、有効利用です」 維馬篭「敵陣に送り込み、そこでマスケンヴァル現象を起こして、合衆国軍を道連れにしてもらいます」 維馬篭「非人道的ではありますが、戦争ですからね」 維馬篭「必要な犠牲だ、と申し上げたのですよ」 維馬篭「それとも何ですか?彼女の人としての尊厳を守る為、彼女を殺しますか?」 維馬篭「彼女を殺すのなら、代わりに天使十字軍第七艦隊を殲滅してくれますか?そうすれば、彼女を殺す権利を渡しましょう」 ここで強行する、とPCが言い出した場合、PCの戦力だけでは不可能である、と告げる。 相手の戦力を削る事は出来るだろうが、こちらの戦力はそれ以上に削られ、後の戦いに悪影響が及ぶだろう。 責任を取るのが上司の仕事とは言え、立場を危うくしてまで強行するのは、ヴィヴリオが認めない。 否定された 維馬篭「では何ですか?座してヤシマが滅びるのを見守れと?」 藤花の命を弄ぶのか、と言われた場合 維馬篭「それは貴方がたとて同じでしょう?年端も行かぬ少年少女を、命を賭けた戦場に駆り出しているのは、同じです」 維馬篭「どうせ死ぬ命なんです、有効活用しなければ勿体ない」 藤花「うん、維馬篭さんにはすっごくお世話になったから、その恩に報いたいんだー。それにさー、ヤシマにいる人達を、あたしの命一つで助けられるんなら、安いもんじゃなーい?」 維馬篭がうんうんと頷く。 しかし話し合いは平行線を辿り……結果、打ち切られた。 維馬篭「では、出征日が決まるまで、もう少しお願いしますね」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC4、他のPCの登場は任意 部下達から、あの子は危う過ぎる、と言われるシーン 部下が酔い潰れたらシーンを終了する バー・ギルティ。 部下がキミに話したい事がある、と言われ、ここに来ている。 ここを指定した時点でまあ、あまりいい話ではないだろう。 部下「隊長。大佐が隊長に命令した理由が、読めました」 部下「あの藤花って子の考えに引きずられないよう。子供達を見張っていろ、という事ですね」 部下「子供達が自暴自棄になってシュネルギアで特攻でもしたら、もっと被害は大きいものになる。物理的にもそうですが、他の子供達に与える、精神的な悪影響は計り知れません」 部下「とは言え……天使十字軍を射程内に入れるまでの護衛ですから、我々戦闘機部隊だけでは、戦力が足りません、シュネルギアの力を借りるしかない」 部下はテーブルに突っ伏しながら 部下「でも……目の前で同年代の少女が自ら命を捨てるのを、ギアドライバー達に見せるのは……正直、俺は反対です……。いくら、命令とは言え……」 そう言い終えるが早いか、彼は寝息を立て始めた。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 藤花がぼやいたらシーンを終了する キミが帰宅すると、藤花がご飯を作ってくれていた。 藤花「ご飯、作っといたよー。今日はちょっと奮発してみたんだー」 実際、今日のご飯は豪華だ。 二人で食卓を囲む。 一週間とちょっとだが、当たり前の風景になってきた。 藤花「どーぞ、召し上がれー」 食事が終わり、藤花が食器を洗いながら話し掛けてくる。 藤花「そだ、PC1さん。出征日、明日に決まったって、維馬篭さんから連絡あったんだ。だから、今日が最後の晩餐」 藤花「この生活ももう終わりだねー。結構、楽しかったなー。でも時間切れかー」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 前提として、藤花が特攻するのは止められない。 なのでここは、藤花と会話のすれ違いを描写するシーンとなる。 藤花がPC全員と話をしたらシーンを終了する 遂に、彼女が特攻兵器『藤花』に乗り込む日がやって来た。 ヤシマ陸軍のお偉いさんがずらりと並んで、出撃を見守っている。 維馬篭は公務があり、どうしても来られないとのことで不在だ。 藤花「じゃ、逝ってくるねー」 誰かが止めた 藤花「じゃあ、誰か代わりにやる?それも嫌でしょ?じゃあ、あたしに任せとけばいいじゃーん」 藤花「みんな、大事な人がいるでしょ?それにみんな、あたしにそんなに思い入れ、無いでしょ?だから、気にしないでいいよー」 藤花「どーせ、エーテル汚染でもう長くは生きられないの、分かってるし」 藤花は真面目な顔で 藤花「PC4さん。最後まで護衛、お願いします。あたしだけじゃ、敵のとこまで辿り着けないから」 藤花「PC3、メイリィさん。、迷惑かけて、ごめんね。あと、もう少しの辛抱だから」 メイリィは何か言いたそうだったが、無言を貫く。 藤花「……PC2、桂さん。短い間だったけど、友達になってくれて、ありがとね」 藤花「わたしは自由だったけど、本当の意味での自由なんてなかった。この数日間、初めて、自由ってものを味わえたよ。あ、これ維馬篭さんにはナイショね」 桂「藤花さん……もっと早く言いなよ、それ……」 藤花は真剣な顔で 藤花「……PC1さん。ずっとあたしの面倒見てくれて、ありがと。いっつも振り回して、ごめんね」 藤花「んー……遺言、カナ?」 藤花「じゃあねー、ばいばーい」 藤花は手を振って、藤花に乗り込んだ。 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 天使戦艦(HP260、回避しない) アイオワ級天使力戦艦(HP330、回避9ー1) エンタープライズ級天使力空母(HP150、回避16ー1) タイコンデロガ級イージス艦(HP130、回避8ー1(射撃攻撃ならば11ー1)) 融合天使(戦闘機)×20(HP18、回避10ー4) 全て同一エンゲージ  ← 2000m → PC ここは戦闘ルール通りに進める。 イニシアチブで藤花が《瞬間加速》、《エフライム》を使用しての《ヴィークルチャージ》。 判定値11、技能レベル3。《切り札:ヴィークルチャージ》の上で《高速戦闘モード》を使って成功数+18。ダメージ+84 天使戦艦は《巨体》を持つ為回避しない。 エンタープライズ級天使力空母、タイコンデロガ級イージス艦、アイオワ級天使力戦艦は回避判定を行う。 融合天使(戦闘機)は回避に全成功しても回避出来ない為、時間省略で判定しない。 ダメージ確定後、天使戦艦は《シールド防御》を使用し、ダメージを20点軽減。 次のイニシアチブで《スミルナ》を使用する。 ここで藤花のアガペーは666であると宣言する。範囲(選択)、ダメージは66固定。 天使戦艦は《難攻不落》を使用し、10D6点ダメージを軽減する。 タイコンデロガ級イージス艦とエンタープライズ級天使力空母は、ヴィークルチャージとの累積ダメージで落ちる。 この《スミルナ》は、演出上、天使化の予兆としての演出となる。 特攻は成功した。 機体がバラバラになって、放り出される藤花。 藤花の体内で熱を帯びた何かが、生まれようとしている。 藤花「聖なる、かな……あー、これが天使化ってやつかー。うぉっ眩しっ」 藤花の視界が、白く染まっていく。 そして藤花の周りを包み込むように、羽が舞い散る。 藤花が身体を見回すと、そこかしこから天使の羽が生え、抜け落ちていく。 藤花「あー……これが死ぬ、ってことなんだ……」 藤花「死ぬのも、天使化も怖くない、とか言ってた癖に……やっぱ、怖いや……」 藤花「なんで、PC1さんの顔が今浮かぶ……て言うか……なんで、今頃、スキって気付くかなあ……遅いよ、もう……。やっぱ、死にたくないなあ……。聖なるかな……」 福音フェイズがここで発生する。 藤花を助ける場合、〈エーテル〉難易度99の判定による成功数99を必要とする。 成功した場合 藤花「にゃはは……恥ずかしながら、帰って参りました」 藤花「残念ながら、全滅とは行かなかったみたいだから……後、お願いしても、いいかなあ」 会話を終えた後、シーン2に移る。 失敗した、あるいは判定しない場合 藤花「……さよなら、PC1さん。さよなら……あたしの、初恋」 目の前を、白光が包む。 マスケンヴァル現象。 藤花を中心に発生したエーテルの塊が一気に凝縮し、次の瞬間、凄まじい轟音と衝撃波、そして高濃度のエーテルが押し寄せる。 共鳴判定を行う。 〈意志力〉で判定を行い、難易度5。 ヴィークルの修正値込みでの判定となる。 失敗した場合侵食1を受ける。 成功失敗に関わらずアガペーが5D6上昇、即座にパトスチット5枚を得る。 その後、シーン2に移る。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 半壊した天使戦艦とアイオワ級天使力戦艦が相手。 敵が受けたダメージ、また配置等はそのまま継続する。 メイリィ「色々鬱憤が溜まってたとこだから、コテンパンにしてやるアルよ」 天使戦艦・アイオワ級天使力戦艦 ← 2000m → PC エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオと会話 藤花が助かった場合 ヴィヴリオ「天使十字軍第七艦隊に大打撃を与え、非常に大きな戦果を挙げた。これは快挙だ」 ヴィヴリオ「マスケンヴァル現象を敵陣で起こさせる、正に悪魔の発想だが……あくまでも今回『は』上手くいっただけに過ぎん。インペリアルを通じて、今後このような人命軽視の作戦は断じて許さんと、維馬篭に対して通達した」 ヴィヴリオ「しかし、道具の有効利用か……いかにも、維馬篭の考えそうなことだ」 ヴィヴリオ「だが、子供達を戦争に駆り出している時点で、我々も同じ穴の狢に過ぎん。……早くこんな戦争は終わらせなければ」 ヴィヴリオ「これでアバドンを討てば、黙示録は最終局面に到達する。PC4。もう少し、私に付き合ってくれ」 藤花が天使化した場合 ヴィヴリオ「天使十字軍第七艦隊に大打撃を与え、非常に大きな戦果を挙げた。これ自体は快挙と言える」 ヴィヴリオ「だが桃井藤花……彼女の死が、軍全体に悪影響を及ぼしたことは否めん」 ヴィヴリオ「維馬篭が味をしめて、また特攻作戦を立案しなければ良いんだが……」 ヴィヴリオ「マスケンヴァル現象を敵陣で起こさせる、正に悪魔の発想だが……あくまでも今回『は』上手くいっただけに過ぎん」 ヴィヴリオ「しかし、道具の有効利用か……いかにも、維馬篭の考えそうなことだ」 ヴィヴリオ「だが、子供達を戦争に駆り出している時点で、我々も同じ穴の狢に過ぎん。死後、私や維馬篭は、地獄に落ちるだろうな」 ヴィヴリオ「……これでアバドンを討てば、黙示録は最終局面に到達する。PC4。もう少し、私に付き合ってもらうぞ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 メイリィと会話 藤花が助かった場合 メイリィ「藤花が助かったのは、良かったと思う。だけど」 メイリィ「終わり良ければ全て良し、じゃないと思う。その結末に辿り着くまでに、色々あったから。ワタシは、結果は勿論、過程も無視しちゃいけない、と思う」 メイリィ「途中でどれか一つでも失敗したら、この結果にならないし」 メイリィ「ふー……難しいこと考えてたら、頭痛くなってきた。ワタシには、頭脳労働は向いてないアルよ」 メイリィ「ね、PC3。何か甘いもの、食べに行かない?頭使ったから、糖分の補給アルよ」 メイリィ「腹が減っては、戦は出来ぬ。ヤシマの格言だけど、とってもいい言葉だよね」 藤花が天使化した場合 メイリィ「やっぱりあの時、維馬篭殴っとけば良かったアル」 メイリィ「まあ、殴ったところで、結果は変わんないけど……多少は、溜飲が下がったかも知れない」 メイリィ「迷惑、か……帰って来たら、文句の一つも言ってやろうと思ってたのに」 メイリィ「死んだら、何も言えないじゃない……」 メイリィ「……ねえ、PC3。アナタは、死なないよね……?死なせるつもりは無いし、死ぬときは一緒だけど」 メイリィ「約束、しようよ。ヤシマでは、こう言うんだよね?指切り、げんまん……」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 桂と会話 藤花が助かった場合 キミは桂と休憩室で話している。 桂「藤花さんは、PC1との時間を優先してもらって、と。自分の気持ちを自覚したんだから、ちゃんと伝えてもらわないと、ね」 桂「しっかし……ああいう作戦、ホント止めて欲しいね。精神衛生上、ホントによろしくない」 桂「何とか助けられたからいいけどさ、天使化はトラウマになるから……って、わたしはそんなこと言える立場じゃなかった」 桂「その節は、とんだご迷惑をお掛けしまして……」 桂「気を取り直して。戦争だから、で非人道的なことが罷り通る、嫌な時代に生まれちゃったもんだよ全く。……あー、その非人道的な行いのお陰で復活したんだったな、わたしは。……うあ、さっきから墓穴しか掘ってない……orz」 桂「と、とにかく。わたし達はこんな戦い、早く終わらせなきゃならない。悲劇の連鎖を止めなきゃいけない」 藤花が天使化した場合 キミは桂と休憩室で話している。 桂「藤花さん、最後の最後で、自分の気持ちに気付いてさあ。遅すぎだよ……」 桂「しっかし……天使化を前提とした特攻作戦とか、本当に止めて欲しいよね……。天使化はトラウマになるから……って、わたしはそんなこと言える立場じゃなかった」 桂「その節は、とんだご迷惑をお掛けしました……」 桂「気を取り直して。戦争だから、で非人道的なことが罷り通るなんて、嫌な時代だよ。……あー、その非人道的な行いのお陰で復活したんだったな、わたしは。……うあ、さっきから墓穴しか掘ってない……orz」 桂「と、とにかく。わたし達はこんな戦い、早く終わらせなきゃならない。悲劇の連鎖を、止めなきゃいけない」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 藤花が助かった場合 藤花との会話 キミは藤花と一緒に、瑞穂市街の喫茶店パッヘルベルにいる。 藤花「うあー、何か緊張するぅー……」 藤花「えと、えーとね、PC1さん。ちゃんと言うね。好き……です」 藤花「初恋だし、付き合いも長いから、色々こじらせてるかも知んないけど……」 藤花「PC1さんには、ずっと、貰ってばっかりだったから、少しずつでも、返していきたいんだけど……ダメ、かな……」 藤花が天使化した場合 維馬篭と会話 キミは維馬篭に呼び出され、維馬篭の屋敷の茶室にいる。 維馬篭「藤花くんは、美事に役目を果たしました」 維馬篭「天使十字軍第七艦隊も大打撃を受け、合衆国も戦力の立て直しに時間が掛かるでしょう。これで、帝都と太平洋から挟み撃ちになる事態は避けられます」 維馬篭「……戦場で一番危険なのは、戦力を消耗したところでの挟み撃ちです。挟み撃ちに合えば、戦力の劣るこちらが磨り潰されるのは、目に見えています。だからこの作戦は、どうしても成功させなければならなかった」 維馬篭「藤花くんも、皆さんの役に立てたことを喜んでいることでしょう」 維馬篭「……彼女は、お気に入りの道具のひとつでした。だから、なるべく天使化を遅らせるよう、色々手は尽くしたのですが……仕方ありませんね」 維馬篭「私は、使える道具には手入れを惜しみません。貴方もですよ、PC1君。貴方も何か必要なものがあれば、どんどん言って下さいね」 維馬篭「今度とも、よろしくお願いしますね」 あとがき SPECIAL THANKS NEMOさん、のとすさん 101を『ももい』『とうか』って語呂合わせしたけど、実際の特攻兵器で『藤花』と命名予定だった機体があったのを知って、俺は天才だなあと思いました(いつものアレ 特攻兵器に剣、というものがあり、海軍仕様は藤花(トウカ)と名付けられる予定だったそうで。 作成時の仮タイトルは『恐怖の人間爆弾』です。富野由悠季は偉大だなあ。 藤花の背中に星型のアザは……どうなんでしょうねえ。 Virgin Emotion:初めての感情、情動 プロット等 ヒロイン: 天使化の兆候がある為、それを利用した特攻が決まっている実験体の少女 今際の際にPC1を好きだったことに気付く PC1: 少女をよく知るウィザード ※ハンドアウトに、少女がPC1を好きだったことに最後に気付くことを、どこまで書けば良いか? PC2: 少女と友情を結ぶ?ギアドライバー ナビゲーターは実際に天使化したことがある遠山桂(TーX) 天使化を気にしていないヒロインに対しいい顔はしていない PC3 少女の特攻の護衛を命令されるギアドライバー ナビゲーターは、自分が天使を引き寄せる体質だった為に周囲の人間を天使に殺されたタン・メイリィ ヒロインの死を何とも思わない態度に激昂、反発する PC4: シュネルギア部隊の護衛役のソルジャー ギアドライバー達の観察を命じられる いつ: 帝都奪還作戦と同時進行(8/6〜14)くらい? 帝都奪還作戦中、あるいは後、何かしらの攻撃が予測された為、合衆国が攻撃してくる前に相手の出鼻を挫くことを目的にした 1〜2週間あれば、合衆国は48時間攻防戦に戦力を再集結出来るだろう。あるいは、48時間攻防戦は大打撃を受けた意趣返しとも言える どこで: 瑞穂市街、瑞穂基地内、及び太平洋上(クライマックス) 誰が: 桃井藤花(詳細は後述) 何を: 合衆国天使十字軍第七艦隊 何故: 実験を繰り返し、天使化の兆候が見られた為、最後の実験と廃棄処理を兼ねて どのように: 特攻兵器『藤花』による天使十字軍第七艦隊への特攻、及びマスケンヴァル現象を発生させ、敵艦隊に大打撃を与える 結果: 藤花は天使化(寸前)に陥り、PC1が好きなことに今更気付く