今回予告 後悔は、消える。 涙は、乾く。 でも、それは『いつか』。 遠山桂が死んでから、一週間が過ぎた。 彼女の死はまだ、部隊内で尾を引いている。 忘れるには、まだ早すぎる。 そんな折、瑞穂の街で原因不明の昏睡に陥る人間が多く発生する。 昏睡状態でありながら、脳波は夢を見続けている、という奇病だ。 この不可思議な症状、天使による何らかの精神攻撃に違いない。 原因を解明し、街に平穏を取り戻さねば……枕を高くして眠れない。 辛い現実と幸せな夢。幸せな夢に逃避するのは、そんなに悪いこと? エンゼルギア天使大戦TRPG 『Utopia』 幸せな夢は、時に悪夢となる。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:セラピア キミは佐世保進の友人だ。 だが彼との友情を築くにあたり、桂の死を巡って、紆余曲折はあった。 まあ、ぶつかることで深く結びつく友情、傷付いたことは無駄じゃなかった、ということだ。 その進が、昏睡状態に陥って目を覚まさなくなった。 何でも、ずっと夢を見ている状態だ、とのことだが……。 誰の仕業か分からないが、事態を解決して、進を助けなければ。 シナリオダーザイン【佐世保進からの友情】 PC2:オフィーツィア キミはヴィヴリオ大佐の部下だ。 常日頃から、上司と部下の板挟みになって仕事している。 いやはや、中間管理職というものは大変だ。 さて、ここ数日、瑞穂市内に奇病が流行っているとヴィヴリオから伝えられた。 まだ原因不明だが、最近瑞穂市内で昏睡状態に陥っている者が多く出ているそうだ。 基地関係者にも発生し、基地の運用に支障が出始めている。 恐らくは、合衆国の天使の仕業だろう、と。 キミは、この件の調査、及び解決を命じられた。 ……いつものことだが、無茶振りも大概にして欲しいなあ。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの有為】 PC3:ソルジャー キミには、亡くなった妻との間に出来た娘、菜々子がいる。 いつも命懸けの戦いを続けるキミにとって、かけがえのない心の拠り所だ。 その菜々子が、ある朝目を覚まさなかった。 生きてはいるが、昏睡状態でいつ目を覚ますかどうか分からない。 これはきっと、天使の仕業に違いない。そうとでも思わねば、正気でいられない。 早く原因を突き止め、菜々子を救わねば。 シナリオダーザイン【自己からの恐怖】 ※娘の名前は、デフォルトは菜々子である。ヤシマ人以外ならば、PLと相談して決定する。 PC4:ギアドライバー/ナビ:凍 桂『ねぇ……キミは生き残ってね』 桂の、最後の言葉。 今思えば、あれは遺言だった。 桂が死んでから一週間。立ち直るには、時間が足りな過ぎる。 そして、凍が悲しんでいる。 桂だったら、こんな時どうしただろう。 どうやら、桂の死を引きずっているのは、自分も同じようだ。 凍の為にも、もっとしっかりしなけれは。 シナリオダーザイン【遠山桂からの遺志】 オープニングフェイズ シーン1 マスターシーン 朝、佐世保進が登校していると、後ろから声がかかる。 忘れもしない。忘れようがない。あの人の、遠山桂先輩の、声だ。 桂「おっす、おっはよー!」 進「は、え?遠山先輩!?どうして……」 桂「どうしたのさ佐世保くん、幽霊でも見たような顔して?わたしはここにいるよ?」 進「遠山先輩……っ!!」 涙をぽろぽろとこぼす進。 進(夢でもいい。遠山先輩が、生きてるなら) 佐世保は翌朝目を覚まさず、そのまま昏睡状態に陥った。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1 キミは佐世保進の友人だ。 だが彼との友情を築くにあたり、桂の死を巡って、紆余曲折はあった。 進『遠山先輩の代わりのギアドライバーってのは、おまえだな?』 セラピア『桂ちゃんを撃ち殺したのは、ボクだよ』 進『この……人殺しっ!』(セラピアを殴ろうとする) 進『あんなこと、したのに助けてもらってさ……その、ちゃんと謝らなきゃ、って』 その後キミと進は、お互いにぎこちなく歩み寄り、友人となった。 まあ、ぶつかることで深く結びつく友情、傷付いたことは無駄じゃなかった、ということだ。 ある朝のことだ。 キミの携帯に着信が入る。進からだ。 今日は一緒に出掛ける約束をしていたので、遅れるという連絡だろうか? キミが電話に出ると『もしもし、PC1さんのお電話でよろしかったでしょうか!?』 進の母親だ。※佐世保進の家族についての言及が見つけられなかった為、本シナリオでは健在である、とする 進の母『進が、進が目を覚まさないんです!』 キミは進の家に行き、病院への搬送に付き添う形になった。 様々な検査の結果、昏睡状態でありながら、脳波は夢を見ている状態である、という診断結果が下された。 また症状的に他にも同様の患者がいるとのことで、軍の病院に移ることになった。 進の母「付き添って頂いて、ありがとうございます。PC1さんの今日の予定を潰してしまって、本当に申し訳ありません……」 申し訳なさそうにする進の母。 キミは進の母と別れ、帰途に着く。 誰の仕業か分からないが、事態を解決して、進を助けなければ。 シナリオダーザイン【佐世保進からの友情】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 キミには、亡くなった妻との間に出来た、7歳になる一人娘、菜々子がいる。 いつも命懸けの戦いを続けるキミにとって、かけがえのない心の拠り所だ。 ある朝のことだ。 いつもなら、起きてすぐにキミに抱き着いてくる菜々子が、起きて来なかった。 キミは急いで、眠り続けている菜々子を瑞穂基地の診療所に連れて行く。 軍医の羽村の診察を受けて。 羽村「菜々子ちゃんだけど、昏睡状態に陥ってる。原因は分からない。いつ目を覚ますかどうかも……」 羽村「……医者がこういうのも何だけど、これは天使の何らかの攻撃なんじゃないか、と思うんだ。他にも同様の症状の患者が何人も出てるけど、やっぱり原因不明でね……」 羽村「引き続き、原因は調べてくよ。何か変化があったら、すぐ連絡する」 キミは診療所を後にし、格納庫に向かう。 羽村も言っていた通り、これは天使の仕業に違いない。そうとでも思わねば、正気でいられない。 早く原因を突き止め、菜々子を救わねば。 シナリオダーザイン【自己からの恐怖】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 桂『ねぇ……PC4は生き残ってね』 桂の、最後の言葉。 今思えば、あれは遺言だった。 そして、人に相談もせず、彼女は勝手に逝ってしまった。 相談を受けていれば、もしかしたら何か出来たのかも知れないのに。 朝からそんなことを考えていたキミに、凍が声をかける。 凍「……顔、怖い」 どうやら、しかめっ面をしてたらしい。 凍「……桂の、こと?」 凍「……桂、死んだ。もう、いない」 凍が涙を零す。 凍「……目から、水が、出た」 凍「……これが、涙?……これが、悲しい?」 桂が死んでから一週間。立ち直るには、時間が足りな過ぎる。 それに、こんな形で凍の感情の芽生えを目にするのは……嫌だ。 もっと明るい感情を、凍に教えたい。 こんな時、桂だったらどうしただろう。 ……どうやら、引きずっているのは、自分も同じようだ。 凍の為にも、もっとしっかりしなけれは。 シナリオダーザイン【遠山桂からの遺志】 シーン5 シーンプレイヤーはPC2 キミはヴィヴリオ大佐の部下だ。 常日頃から、上司と部下の板挟みになって仕事している。 いやはや、中間管理職というものは大変だ。 そんなある日、キミはヴィヴリオに呼ばれた。今度は何を無茶振りされるのだろう。 ヴィヴリオ「PC2。ここ数日、奇病が流行っているという」 ヴィヴリオ「まだ原因不明だが、最近瑞穂市内及び基地内で、昏睡状態に陥っている者が多く出ているそうだ。基地関係者にも発生し、基地の運用に支障が出始めている」 ヴィヴリオ「恐らくは、合衆国の天使による精神攻撃の一種であると、私は考えている」 ヴィヴリオ「あくまでも私が立てた仮説であり、確証はない。それに、未だに天使反応の一つもなく、全く尻尾の掴めぬ状況だ」 ヴィヴリオ「そこで貴官に、この件の調査を命じる。私の代わりに調査し、可能であれば解決してくれ」 はい、いつもの無茶振りキタコレ。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの有為】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 ヴィヴリオから奇病の話をされる ヴィヴリオ「知っている者もいるかも知れんが、現在、瑞穂市内で謎の奇病が発生している」 ヴィヴリオ「症状として、特に予兆なく、夜眠りについたら目を覚まさず、そのまま昏睡状態になる」 ヴィヴリオ「原因は目下調査中だ。だが、諸君らに寝るな、という命令は当然ながら下せない。無茶を言うにも程がある」 ヴィヴリオ「PC2。もしもの時に備え、私が昏睡状態に落ちることがあったら、リヒトヴィッツ大尉と協力して、貴官が代理で指揮を執るように」 アクシア「そんな訳らしいから、よろしくね、PC2(階級)。まーでも大佐は大丈夫でしょ(笑)」 ヴィヴリオ「そう願いたいな」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、他のPCの登場は任意 キミ(達)は一先ず、軍医の羽村に話を聞きに行った。 羽村「ふぁ……おっと、失礼。ちょっと忙しくてね、睡眠時間も削られてて、参ってるんだ」 ニナ「だからって、煙草の吸い過ぎはどうかと思いますよ、羽村先生」 羽村「こりゃ、手厳しいな(笑)」 羽村「……さて、奇病患者の件なんだけど、今までの患者の傾向から、昏睡状態に陥るかどうかは、内包するエーテル量に左右されるんじゃないか、って推測が出てる。現に、市内でも基地内でも、昏睡状態に陥っているのは、非戦闘員の割合が圧倒的に多い。勿論、例外もあるけどね」 羽村「だから、いつ君達もそうなるか分からない。注意……って言っても、眠らない訳には行かないからなあ……。対処方法が無いのが現状さ」 羽村「菜々子ちゃん、容態はあまり変わらない、と言いたいところだけど……少し、衰弱が見られる。大人に比べて体力がないからね……」 (PC1が登場している) 羽村「確か君の友達も、同じ症状で入院してるんだってね。今は大丈夫と言え、衰弱していくのは間違いない。早く原因を突き止められればいいんだが……済まない。これは、医者である俺達の力不足だ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は任意 進の見舞いをする ずっと眠り続けている進。 セラピア「夢をずっと見てる、って話だけど……見てる夢が、いい夢だといいね」 セラピア「すぐに命の危険はない、って話だけど……このまま、目を覚まさなかったら……」 回診に来た羽村。 羽村「その指摘は、間違っちゃあいない。ただ今すぐ、って訳じゃない。そこだけは、安心してくれ」 羽村「……しかし、天使の仕業だと仮定して。随分回りくどい攻撃と言うか、気が長いと言うか。それとも……合衆国の嫌がらせなのか」 羽村「ま、合衆国、ましてや天使の考えることなんて、俺達にはさっぱり分からないけどね。天使語が理解出来ないから、会話は不可能だしね。……だけど、仮に会話出来たとして、意思の疎通が可能なんだろうか?」 セラピア「どうだろうね。精神構造が違い過ぎて、精神汚染を受ける可能性、あるんじゃないかなあ」 羽村「その可能性は否定出来ないね。……おっと、次の患者さんのところに行かなきゃな。まあ、この話については、またの機会にね」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4、他のPCの登場は任意 凍と桂の夢の話をする 凍「……昨日も、眠ってたら、桂に会った」 凍「……3日くらい、続けて、会ってる」 凍「……桂と、セラピアと、PC4と、わたし。……いっしょ」 凍「……桂、笑ってた」 凍がまた、涙を零す。 凍「……また、涙が、出た」 凍「……桂だけ、いない。……これが、寂しい?」 凍「……PC4は、いなく、ならない?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は任意 情報収集 奇病について 〈エーテル〉〈情報処理〉難易度5 この奇病は、天使ラジエルの精神攻撃である。 ラジエルとは夢を司る天使であり、本体が別次元(夢の世界)にある為、発見が容易ではない。 攻撃を発する時に感知される天使反応も微弱で、ホイシュレッケ等の方が天使反応が大きい為、発見出来ていなかった。 得られた情報をヴィヴリオに報告しようとするが、彼女は執務室の机に突っ伏して眠っていた。 幾ら声を掛けたり身体を揺さぶっても、目を覚まさない。 そのまま、ヴィヴリオは緊急搬送された。 診断結果は勿論、昏睡状態に陥っている、とのこと。 アクシア「……見事にアタシ、フラグ立てちゃったわね(汗)」 アクシア「気を取り直して、とりあえずPC2(階級)、代わりに指揮をお願い」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC3、他のPCの登場不可 キミは、菜々子の入院する病院にいる。 菜々子は、全く目を覚まさない。 羽村「菜々子ちゃんだけど、衰弱が進んでる。勿論、最大限の努力はしてるけど……」 羽村「悔しいけど、現代の医学ではこの症状、どうにも出来ないんだ。夢に侵入するサイコダイブなんて、相当高位の陰陽師でもない限り不可能だ。それも、大掛かりな儀式と人数を揃え、長時間を掛けてようやく一人だ。一刻を争う医療現場じゃ、使い物にならない」 羽村「それに、昏睡状態の患者は増えてく一方だ。内包エーテルが一般人より高い、と目されている機械化兵や完全機械化兵でも、患者が発生し始めてる。今、医療関係者は不眠不休で対応に当たってる。今は何とかなってるけども、このままじゃいずれ、医療崩壊が発生する」 羽村「これが天使による攻撃の一種であることが判明してる以上、早く天使を見つけ出して、討伐して欲しいんだ。頼む」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は任意 朝。セラピアが、しょんぼりした顔で立っている。 セラピア「……夢を、見たんだ。桂ちゃんといっしょに、お買い物行ってる、夢」 セラピア「桂ちゃんはボクとデート、なんて言って、ボクもまあ、まんざらでもなくて。目覚ましで、目が覚めて。それが夢だって、すぐ気付いて。……すごく、がっかりしたんだよ」 セラピア「ここんとこずっと、桂ちゃんを殺した時の夢ばっかり、見てたから……だから、久しぶりに、いい夢見て……よく、眠れたのに……」 ぽろりと涙を零す。 セラピア「こんなの、やだよ……早く、天使を見つけて、倒そうよ……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 微小な天使反応をようやくキャッチし、その空域に急ぐキミ達。 だがその空域に到着した途端、急に瞼が重くなり……意識が遠のく。 次の瞬間、目を覚ますと、ここは……夢の、中? 死んだ筈の桂が目の前にいるのだ、現実でない事だけは間違いない。 ※《虚空の城塞》の効果である。 桂?『ここは、夢の世界。だから、天使語を解さないあなた達人間でも、天使であるわたしと会話が出来る』※《妬む神》の効果である。 桂?『ここは理想郷、ユートピア。幸せな夢の世界。その人の持つ願望を映す鏡。眠りに落ちた人間は、命絶えるその日まで、幸せな夢を見続ける』 桂?『辛い現実よりも、幸せな夢に逃避することの何が悪いの?』 セラピア「止めて……桂ちゃんの顔と声で、それ以上、喋らないで……」 桂?『あなたも苦しかったんだね、セラピア。大丈夫、ここなら、わたしはずっと一緒にいられるよ?嬉しいでしょ?』 セラピア「止めて……お願いだから……」 桂?『そう……なら、あなた達には特別に、わたしの手で眠らせてあげる。……永遠に』 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 天使ラジエルとの戦闘 桂?は桂の搭乗していた、羽に覆われたシュネルギアに変異し、襲い掛かってくる。 ボスエネミーは、エンドレスサマー掲載の、暴走したシュネルギアのデータを使用する。 他の天使の配置等も、掲載データに準ずる。 更に、災厄《妬む神》《虚空の城塞》を追加する。それぞれ使用済み。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオと会話 昏睡状態だった者達が、一斉に目を覚ましたと報告が上がる。 ヴィヴリオも同様だ。 ヴィヴリオが入院している病室。 ヴィヴリオ「……すまん。迷惑をかけた」 ヴィヴリオ「調べ物をしていて、眠くなったので少し昼寝を……と思ったら、少し眠り過ぎたようだ」 ヴィヴリオ「どんな夢を見たか、だと?それを聞いてどうする」 ヴィヴリオ「……もう会えない、離れ離れになった、自分の半身が生きている夢さ」 ヴィヴリオ「……口が滑ったか。今の発言は、他言無用だ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC4 凍と会話 凍「……桂のことを考えると……胸が、ぎゅうっと、苦しくなる。……これが、悲しみ……」 凍「……でも、PC4のことを、考えても……同じく、胸が、ぎゅうっと、苦しくなる。……でも、苦しさが、桂のと、少し違う」 凍「……教えて。この、苦しさは……なに?」 凍「……これが……すき」 凍「……すき」 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 病室。目を覚ました菜々子が、体を起こしている。 菜々子「ふあ……良く寝た……おはよう、お父さん」 菜々子「どうしたの、お父さん?」 菜々子「あのね、とってもいい夢見たの。お母さんの夢」 菜々子「お母さんといっしょに、お買い物したり、お料理したり……夢だけど、夢が叶っちゃった」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 進と一緒に桂の墓参り 桂の墓に、線香と花を手向けて。 進「……ずっと、遠山先輩の、夢を見てた」 進「夢の中でさ、遠山先輩、僕に笑いかけてくれたんだ。……僕の、知らない顔で」 進「……夢だって分かってるのに、抗えなかった」 進「……遠山先輩、ごめんなさい。僕の心の弱さを、先輩に押し付けるような真似して」 セラピア「……夢なんだから、桂ちゃん、怒んないと思うよ」 進「けじめだよ、パルマコンさん。言わないと、ずっと引きずる気がして。……まあ、遠山先輩が亡くなったことも、告白の返事貰えなかったことも、引きずってるけどさ」 進「一週間やそこらで、初恋の人の死から、立ち直れる訳なんか無いよ……」 シーン5 マスターシーン G3兵器開発局の研究室。 一体の完全機械化兵が横たわっている。 ???「最終調整、完了しました。第10世代型完全機械化兵TーX、起動します」 あとがき 何となく佐世保くん絡みの話にしようとして、時期をTーXが来る前にしたら、機械仕掛けの聖女の前日譚になってしまった。 タイミング的には『夏の夕暮れ』の直後? 元々は『あの夏を忘れない』をシナリオタイトルにしようとして、桂メイン→佐世保くんを絡ませよう→まだ桂が戻ってこないタイミングで夢オチ、ってプロットを組んだらこんなシナリオに。ちょっとタイトル合わないなーって。 ちなみに、前述のタイトルは別のシナリオで使う予定です。もっとサ終の匂いのするシナリオに使わないと。 しかし、俺の佐世保くんへの扱いよ。我ながらヒドいなーとは思っております、はい。 で、今回のシナリオタイトルは、ファイル名で使用してないアルファベットを調べて、現時点(2021/11/18)で使用してないJ,O,Q,U,XからUを選んで付けました。意外なことに、Zから始まるシナリオがあるんです。 つまり、アルファベットを埋める為に、あと4本はシナリオを書く計算ですね。そうするとシナリオの総本数が90本になる予定です。うん?うーん。流石は俺(意味不明)。 今Oのシナリオには取り掛かっているので、あと3本。