今回予告 八坂機関が捕獲し幾多の実験に使用された天使、アザゼル。 アザゼルは最終的に中枢を残して切断された上で、厳重な魔術処理を施され、単座型人間戦車、我龍のコントロールユニットとして使用された。 その後、天使化して暴走。 ドライクロイツのシュネルギア部隊によって、処理される。 ……が。 秘密裏に回収された我龍の残骸の中で、まだアザゼルは『生きていた』。 我龍が天使化したことにより活性化し、消滅を免れたのだ。 八坂機関はアザゼルに以前よりも更に強固な魔術処理を施し、再び単座型人間戦車のコントロールユニットとして組み込んだ。 その名は、我龍改。 一方。実験の一環として、アザゼルの欠片を埋め込まれ、唯一適合した少女、西麻美。 同じく八坂機関出身のPC1、八坂凍とは、共に数々の実験を受け生き延びた同僚で、八坂機関で出来た唯一の友達だ。 その彼女が、我龍改のテストパイロットとして瑞穂基地にやって来た。 旧交を深める間もなく、天使が襲来。 そして我龍改は、天使を屠る為に飛び立つ。 その先に待ち受けるのが悲劇だと、分かっていても。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Τραγωδια』 ごめんね ほんとはね 一緒にいたかった ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:凍 キミは、八坂機関の出身だ。 キミは黒い天使核を持つが故に、八坂凍同様、数々の実験を受けてきた。 そしてキミ達には、西麻美という、同じく実験体だった同僚がいた。 言わば、八坂機関で出来た唯一の『友達』だ。 その彼女が、瑞穂基地に単座型人間戦車のテストパイロットとしてやって来た。 この再会は、キミ達にいったい何をもたらし、何を変えるのか。 シナリオダーザイン【西麻美からの懐旧】 PC2:オフィーツィア 我龍に引き続き、また単座型人間戦車の試験運用を瑞穂基地で行う、との維馬篭から要請が入った。 前回の失敗を踏まえて改良・改善しているというが、信用出来たものではない。 ヴィヴリオからは、失敗前提で行動するよう命じられた。 つまり、維馬篭を相手に立ち回れ、と。貴女も無茶な事言いますねえ。 これは信頼と言うより、最早丸投げなのでは? シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC3:ソルジャー キミはある少女を瑞穂基地まで護送中、天使の群れに襲われた。 天使は他の機体には目もくれず、キミの機体だけを狙ってきた。 友軍の助けもあり、どうにか切り抜けることが出来たが……この少女、何か秘密があるのだろうか? シナリオダーザイン【天使からの標的】 PC4:ギアドライバー/ナビ:アクシア ギアドライバー/シンガー キミは、歌にエーテルを乗せて力にするシンガー。 キミはアクシアの指導の元、歌唱力や声量、エーテルの制御技術等々を学び、日々鍛錬を重ねて来た。 そして遂にやって来た、デビューの日。 キミの歌が、戦局を左右する。……かも知れない。 シナリオダーザイン【アクシア・リヒトヴィッツからの期待】 アクシアのナビゲーターとしての能力値は【肉体】+2、【理知】+3である。 オーギュメントは特殊オーギュメントからひとつ選択をすること。 ※アクシアの専用オーギュメントは、今回のシナリオにそぐわない為である。 西麻美(にし・あさみ) 一人称:私 二人称:名前呼び捨て 上官は階級で呼ぶ。 八坂機関が捕獲した天使アザゼル、その肉体の一部を移植された14歳の少女。 PC1、凍と面識があり、少なくとも6年前には八坂機関に所属、実験体となっている。 凍ほどではないが、麻美もコミュニケーションが下手である。 また、よく『自分の中のアザゼルが』と言っている。 1999年7月以降、特に顕著になっているが、八坂機関は麻美との面談の結果、精神的な逃避行動と結論付けた。 ※シナリオタイトルは『トラゴーディア』と読む。 本シナリオは『明日、君がいない』の後日談となり、ネタバレを大いに含む。 『明日、君がいない』を未プレイの場合、先にそちらを遊んでからこのシナリオで遊ぶこと。 まあ今回予告の時点で、盛大にネタバレしておりますが……。 『明日、君がいない』の、今回のシナリオの展開に関連する部分 我龍のテストパイロットは八坂凍。 彼女は自我・感情が希薄であった故に、通常のギアドライバーなら精神に即座に変調を起こし天使化するところを、アザゼルからのエーテル干渉を受けず、我龍を操縦することが出来た。 しかし、PC:凍との交流によって感情が芽生えていた為、我龍に乗って出撃した凍は、我龍共々天使化を起こす。 PC:凍の尽力により、凍は天使化した我龍から救出された。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオから我龍改の件を聞き、丸投げされる ヴィヴリオが話し終わったらシーンを終了する 司令室。 キミはヴィヴリオに呼び出された。 ヴィヴリオはまず書類をキミに手渡し「ヤシマ陸軍、いや維馬篭からの要請だ。また単座型人間戦車の試験運用をやるとのことだ」 ヴィヴリオ「機体のコードネームは我龍改。連中、先日の我龍の失敗に懲りていないと見える。それとも何か?我龍の残したデータの内容には満足してます、次は失敗しません御期待下さい、という奴か?」 ヴィヴリオ「全く……振り回されるこちらの身にもなってみろ、というものだ。いや……維馬篭のことだ、どういう結果が出たにしろ我々に嫌がらせ出来るから、嬉々としてやっているのか?」 あんた維馬篭のこと嫌いだろ。 それはさておき。 ヴィヴリオ「だがそうは言っても、断れないのが現状だ。ヤシマ陸軍の協力が無ければ、我々は満足に戦えん」 ヴィヴリオ「我龍改の件はお前に任せる。何かあったら報告してくれ」 ヴィヴリオ「あと、恐らくは維馬篭から何かしらの横槍が入るものと思われる。そちらの対応も頼んだぞ」 維馬篭の対応も、って、あんた鬼ですか。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン2 シーンプレイヤーはPC4 アクシアとの会話 アクシアに送り出されたらシーンを終了する キミはいつも通り、今日のレッスンを終えたところだ。 アクシアは本職ではないレッスン指導に悪戦苦闘しつつも、キミの能力を伸ばす為に日々努力してくれている。 アクシア「うん、今日もよく声が出てるわ。歌声のエーテル波長も安定してる。これなら、いつ出番が来ても大丈夫よ」 アクシア「あなたはこの部隊の、とっておきの切り札なんだからね」 アクシア「まあさしずめアタシは、あなたのプロデューサーかしら。ふーん、あなたがアタシのアイドル?……いい顔してるね。……って感じ?」 そこに、アクシアにヴィヴリオから出撃命令が下される。 アクシア「了解しました、大佐」 アクシア「早速だけどデビューよ、PC4。あなたの歌で、みんなの度肝を抜いてきなさい!」 シナリオダーザイン【アクシア・リヒトヴィッツからの期待】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 部下との会話 部下が話し終わったらシーンを終了する キミ達の部隊は維馬篭から要請され、八坂機関から一人の少女を護送していた。 部下「もうすぐ基地に到着します。ですが、天使の群れが接近しているようです」 部下「天使の群れが、急激に加速しました!どうやら、こちらに気付いたようです!」 部下「我々だけでは対処し切れません!基地に支援要請を出します!」 部下「天使は、隊長を狙っているようです!」 部下「天使の動きが妙です。攻撃の意志が無い……?」 救援に駆け付けたPC4のお陰で、天使は撃退することが出来た。 部下「何故、天使は執拗に隊長に付きまとったのでしょうか?」 部下「違いがあるとすれば、隊長機には護送対象の少女が乗っていたことぐらいです。まさかとは思いますが、彼女を狙って?」 部下「そうですね……原因がはっきりしない以上、あれこれ考えても仕方ありませんね」 シナリオダーザイン【天使からの標的】 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 麻美との会話 麻美が去ったらシーンを終了する 格納庫。 キミ達が戦闘から帰還してシュネルギアを降りると、タラップの前で一人の少女が立っていた。 少女の名前は西麻美。 キミ達同様、八坂機関で育ち、数々の実験を共に受けていた。 麻美「久しぶり、PC1、凍」 凍「……久しぶり。……どうして、ここに?」 麻美「この前、凍が乗った我龍。私はその改良型、我龍改のテストパイロットとして、ここに来た」 麻美「……多分、また失敗すると思うけど」 麻美「私の中のアザゼルが言ってる。『もういやだ』って」 どういう意味か問い掛けようとすると、麻美を探していた研究員が声を掛けて来る。 研究員「西さん、我龍改の調整でちょっと話があるので、来て下さい」 麻美「また、後で」 凍「……何、言いたかった?」 シナリオダーザイン【西麻美からの懐旧】 ミドルフェイズ シーン1 麻美を全員に紹介するシーン ヴィヴリオが命令を下したらシーンを終了する 司令室。 単座型人間戦車の試験運用をまた行う為にテストパイロットが滞在するので、紹介されることになった。 ヴィヴリオ「単座型人間戦車の試験運用の為に滞在するテストパイロット、西特務少尉だ。シュネルギア部隊と行動を共にするので、紹介する」 麻美「西麻美、ヤシマ陸軍特務少尉、です。よろしく、お願いします」 ヴィヴリオ「では、PC2から順に自己紹介しろ」 PC3の自己紹介が終わったら 麻美「……その節は、ありがとうございます」 全員の自己紹介が終わったら ヴィヴリオ「親睦を深める為、西特務少尉と交流会を行うこととする。PC1、八坂、PC4。お前達はこの後休憩室にて、交流会だ。PC2とPC3は残れ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC4、PC1自動登場、PC2とPC3の登場は登場不可 麻美との会話 麻美が退出したらシーンを終了する 同年代の方が話しやすいだろう、とセッティングされた交流会。 だが、麻美は既にPC1と凍と顔見知りだったようで、一人だけ肩身が狭い。 麻美「こうやってちゃんと、顔を合わせるのは、一年ぶり、くらい?」 麻美「二人が瑞穂基地に出向した後も、私の日常は変わらなかった。来る日も来る日も、実験」 麻美「二人は今、どうしてる?」 麻美「……そう」ぼそりと「……羨ましい」 麻美「何でもない」 麻美「……ごめん。顔見知りとだけ話していたら、交流会を開いてもらった意味ない」 麻美は麻美なりに、気を遣ってくれているようだ。 麻美「私の中には、アザゼルがいる。話し相手は、PC1と凍以外は、アザゼルしかいなかった」 麻美「ごめん……知らない人との接し方は、教えてもらっていない。アザゼルも、すまない、って言ってる」 麻美に連絡が入る。 麻美「また、我龍改の調整。行ってくる」 麻美「時間があれば、また話したい。もっと、他の人を知りたい」 麻美はそう言い残して、部屋を出て行った。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、PC3自動登場、PC1とPC4は登場不可 ヴィヴリオとの会話 ヴィヴリオが話し終わったらシーンを終了する 一方その頃、司令室に残った面々。 ヴィヴリオ「お前達。あの少女と我龍改をどう見る」 ヴィヴリオ「我龍は明らかに失敗というか、結局は誰にも操縦出来ない、欠陥品だった。それで同じコンセプトのものをそう日を空けずに持って来たのだから、並行して計画を進めていたに違いない」 ヴィヴリオ「ドライバーが搭載した天使と共鳴するという問題を、何らかの形でクリアできたのかも知れん。だから、ここでまた試験運用を行うことにした」 ヴィヴリオ「成功すればそれで良し、失敗したら我々に責任をなすり付ける。如何にも維馬篭の考えそうなことだ」 ヴィヴリオ「試験運用自体を中止出来れば一番いいのだが、それが出来れば苦労はしない」 ヴィヴリオ「お前達、我龍改の出撃時には注意を払え。我龍同様、出撃して即天使化も有り得るからな。もしもの時は……可能な限り、お前達の手で始末しろ。子供達に余計なトラウマを植え付ける必要はない」 会話を終えたらシーンを終了する。 フリーシーンが必要な場合、ここで挿入する。 これ以降は状況が変化する為、差し挟む余地がない為だ。 シーン4 情報収集シーン シーンプレイヤーはPC3、全員登場 情報項目は『我龍改』『西麻美』『PC3の機体が狙われた理由』の3つ。 項目の追加は無いが、全ての情報が開示されると、もう一つ追加情報が開示される。 我龍改 〈整備〉〈情報処理〉難易度1・5 難易度1 ヤシマ陸軍によって建造された、アザゼルをコントロールユニットに使用した単座型人間戦車。 アザゼルに施された魔術処理は我龍の数倍であり、完全に制御出来ているという触れ込みである。 また、トラバントジステム(エーテル誘導によりシュネルギア本体の周囲に浮遊させ、攻撃することを可能にした浮遊射撃システム)にアザゼルの欠片を埋め込み、より性能と連携を強化。 攻撃端末をまるで自分の手足のように操ることが出来る、通称『エグリゴリ・システム』を搭載している。 天使に対抗するのは悪魔か堕天使と相場が決まっている、とは開発者の弁。 難易度5 実際のところアザゼルは『自らの意志で』暴走しないだけである。 魔術処理による封印は自力で打ち破れる為、何の意味もない。 西麻美 〈軍略〉〈事情通〉難易度1・5 難易度1 黒い天使核を持つ14歳の少女。 PC1、凍と同じく、6年前から八坂機関で様々な実験、調整を受けて来た。 八坂機関において一般教養の教育をおざなりにされた結果、対人関係のコミュニケーションに難がある 彼女には、八坂機関が捕獲した天使アザゼルの欠片が移植されている。 アザゼルの欠片を移植された実験体は他にも何人かいたが、他は皆、拒絶反応を起こし死亡している。 適合出来たのは彼女だけだ。 難易度5 彼女が適合出来た理由は、彼女がアザゼルの転生体であるからに他ならない。 アザゼルは14年前、八坂機関に捕獲された際に、非物理次元にある精神体を切り離した。 切り離された精神体は人間に転生。それが西麻美である。 残った半身は、アザゼルの肉体そのもの、質量を持ったエーテル体である。 彼女が八坂機関の実験体となったのは、ある意味必然と言える。 いつの日か半身を取り戻し、再び一つとなる為に。 また、彼女が内なるアザゼルと言っているのは、アザゼルの精神、かつて切り離された本体そのものである。 つまり西麻美とは、アザゼルが地上で行動する為に作り出した、仮初めの人格に過ぎない。 麻美が他の人をもっと知りたい、と考えているのも、『人間を知りたい』という天使の本能的な欲求である。 PC3の機体だけが狙われた理由 〈軍略〉難易度1 PC3と一緒に搭乗していた麻美を狙っていた。 以下の情報は、『我龍改』『西麻美』『狙われた理由』を全て開いた後、追加情報として開示する。 麻美に命の危機が迫れば、アザゼルは半身である麻美を取り込んで一体化し、天使アザゼルとして再び降臨するだろう。 その時、麻美の『ココロ』は失われる。 また、天使達は麻美を狙っていたのではなく、アザゼルを迎えに来ただけである。 この情報が開示されると同時に、オーギュメント《アザゼル》が開放される。 オーギュメント《アザゼル》 タイミング:さまざま 技能:さまざま 修正値:さまざま 難易度:さまざま 対象:さまざま 射程:さまざま アガペー:さまざま キミは何者にでもなれる。キミは何者にもなれない。 ナビゲーター専用オーギュメントを除く、あらゆるオーギュメントとして使用出来る。 効果等は使用したオーギュメントに準ずる。 代償として【西麻美からのダーザイン】を昇華する必要がある。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は任意(維馬篭に一言言ってやりたいPCがいたら、参加を促す事) 維馬篭の「一度上手く行ったからと言って、次も上手く行くとは限らないでしょう」という台詞にツッコミが入ったら、シーンを終了する キミ達は我龍改の様子を見に訪れた維馬篭と、会談の場を設けた。 維馬篭「コントロールユニットの件ですか?資源の再利用です。折角貴重な資源が戻って来たのですから、使わなければ勿体ない」 維馬篭「それに、今回は最初から西特務少尉に合わせて、全て調整しています。なので、共鳴による天使化の可能性は極めて低い」 維馬篭「我龍改として運用出来るのであればそれで良し。もしアザゼルとして復活したのなら、処理すれば良いことです」 維馬篭「それとも。そうなってもあれを救ってみせると。大した御自信だ」 維馬篭「一度上手く行ったからと言って、次も上手く行くとは限らないでしょう」 ヴィヴリオ「(それは、失敗にも同じことが言えるんじゃないか?)」 維馬篭の台詞にツッコミが入ったら 基地中に緊急警報が鳴り響く。 維馬篭「おや、天使が現れたようですね。折角ですから、貴方がたのお手並み拝見と行きましょうか」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 出撃→麻美がアザゼルとの同化 維馬篭の台詞を読み終えたらシーンを終了する これまでにない、天使の大軍勢が襲来した。 天使達は空軍による迎撃を物ともせず、瑞穂基地目掛け、一直線に進んで来る。 ヴィヴリオ「天使の軍勢に基地に到達されれば、我々に勝ち目は無くなる。その前に迎撃するしかない。全員、即出撃せよ」 維馬篭「ヴィヴリオ大佐。我龍改も出撃させます。よろしいですね」 ヴィヴリオ「……ああ」 維馬篭「西特務少尉。出撃して我龍改の有用性を見せてあげなさい」 麻美「……はい、閣下」 麻美「(……もう、終わりか。早かったな)」 戦場に到達すると、我龍改が天使達と接触する。 天使達はまるで、我龍改が来るのを待っていたかのように周囲に傅く(かしずく)。 我龍改はそのまま、キミ達に向き直る。 麻美「私の中のアザゼルが言ってる。『帰りたい』って」 麻美「この天使達は、私を……アザゼルを、迎えに来たんだ」 麻美「……PC1の隣にはずっと、凍がいた。決められた運命の二人。ミライの救世主と、そのパートナー。私の立ち入る隙は……最初から、なかった」 麻美「PC1。……すき」 麻美「ごめんね」 麻美「ほんとはね」 麻美「一緒にいたかった」 麻美のココロが、消える。 維馬篭「こうなりましたか。まあいいでしょう。計画に失敗は付き物です。我龍改を殲滅目標に変更して下さい」 維馬篭「あれを救ってみせる、と?お好きにどうぞ。救い出す自信があるのは結構ですが、足元を掬われないように」 維馬篭「いえ、ただの忠告ですよ。人間年を取ると、疑り深くなりがちでしてね」 会話を終えたらシーンを終了する。 エモーションでオープンアップを宣言する。 麻美を含め、各ダーザインのオープンアップに特に条件はない。 クライマックスフェイズ シーンプレイヤーはPC1、全員登場 アザゼルと戦闘 凍「……麻美は……私だった、かも、知れない」 凍「……助けて、あげて」 戦闘終了後に福音フェイズが2回あるが、双方とも必須ではない。 また、アザゼルから麻美を救出するには、アザゼルを撃破する必要がある。 ボスのデータはエンドレスサマー掲載の光の天使のデータを使用する。 その他のエネミーもそれに準拠。 麻美を救出する場合、〈エーテル〉難易度99の判定を行う。 成功した場合、アザゼルに取り込まれた麻美を『一人の人間として』分離出来る。 失敗した、あるいは判定しない場合、アザゼルは今度こそ消滅する。 戦闘終了後 維馬篭「なるほど、ヴィヴリオが救世主の力などという不確かなものに拘泥するのも頷けます。ですが、私はそんなものは信用していません」 維馬篭「異教の神の筋書きになど、乗る気はないのでね」 維馬篭「私は、私の信じる方法で、ヤシマを救います」 麻美が救出された場合 維馬篭「ほう、助かったようですね。素晴らしいお手並みでした」 維馬篭「エーテル洗浄が終わり次第、西特務少尉は連れて帰ります」 維馬篭「おや、何か不服でも?」 維馬篭「自分の道具を持ち帰るのに、何故貴方がたの許可がいるのです?」 麻美を連れ帰らせない場合、〈軍略〉難易度99の判定 成功した場合 維馬篭「そこまで仰るなら、西特務少尉は貴方がたに預けましょう。折角ですので、凍共々、有効活用して下さいね?」 失敗した、あるいは判定しない場合 維馬篭「では、これで」 麻美を伴って、維馬篭は去って行く。 麻美は二度こちらを振り向くが、無言で去る。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 アクシアとの会話 キミが格納庫で一息ついていると、アクシアが飲み物を持って来た。 アクシア「はい、冷たいお茶よ」 アクシア「前回の出撃は無抵抗な天使を蹴散らすだけだったから、本格的な天使との戦闘は今回が初。感想はどうだったかしら?」 アクシア「こう言っちゃなんだけど、みんなは一足先に、こんな思いをしてる。天使と戦う、ってことは、誰かの生と死に向き合わなきゃいけない。それは、自分も含めて」 アクシア「明日は我が身かも知れないし、アタシが死ぬかもしれない。でも、それを乗り越えていかなきゃならない」 アクシア「あなたが身を置いたのは、そういう世界よ。……ごめんね、脅しちゃったわね」 アクシア「だから……常に後悔しないよう、生きなさい。生きてさえいれば、後はどうとでもなるわ。諦めたら、そこで試合終了なんだから」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 部下との会話 バー・ギルティ。 キミは部下と酒を酌み交わしている。 部下「天使化した子供を討たなければならない、というのは……気分が良くないですね」 麻美が生存している場合 部下「最終的に助かったからそれでいい、とは考えたくありません。そもそも、子供達を戦場に出してる時点で、間違っているんです」 麻美が消滅している場合 部下「天使化した友人を、自分たちの手で殺さなければならない。子供達に背負わせるには重すぎます。そもそも、子供達を戦場に出してる時点で、間違っているんです」 部下「第三世代型人間戦車シュネルギアは、子供達にしか操縦出来ない。だから、彼ら、彼女らに頼るしかないのも、分かっています、頭では。でも心が、それを受け付けない」 部下「俺達にもっと力があれば、子供達を戦場になんて出さずに済むのに」 部下「それに、子供達には子供らしくしていて欲しいんです。殺し合いになんか慣れて欲しくない。そういうのは、俺達だけで十分です」 どうやら部下は、大分酒が回って来ているようだ。 部下「隊長はどう思ってるんですか。大佐の考えについて」 部下「……大変失礼しました。酒の席とは言え、上官を愚弄したのは確かです。処罰は、受けます」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオとの会話 キミは司令室で、ヴィヴリオと話している。 ヴィヴリオ「維馬篭は、どうしても自分の自由になる単座型人間戦車が欲しいらしい」 ヴィヴリオ「だが、二人乗りですら安定しない第三世代型を一人乗りで運用するのは、現時点では不可能に近い」 ヴィヴリオ「合衆国のフーファイターも、天使をコントロールユニットにして運用している。だから、フーファイターパイロットも天使化しやすい傾向にあるのだろう」 ヴィヴリオ「待て……私はどうして、こんな単純な事を見逃していたのだ」 ヴィヴリオ「我龍とフーファイターは共通して、天使をコントロールユニットとして使用している。つまり我龍にも、合衆国と同じ技術が用いられている。恐らくヴリルソサエティが、コントロールユニットに関する技術をヤシマ陸軍に提供したのだろう」 ヴィヴリオ「ヴリルは、この戦争が泥沼化することを望んでいる。どちらにも勝たせない状況を作れば、それだけ死の商人の側面を持つヴリルの懐は潤うからな」※ヴリルソサエティには明確な記述が少ない為、本シナリオだけの解釈である。 ヴィヴリオ「敵は合衆国だけではない。ヴリルソサエティ、そして……今でこそ協力体制を取っているが、ことによってはヤシマ軍すら敵に回す可能性がある」 ヴィヴリオ「結局のところ四面楚歌の状況は変わらない。自分らの力で、どうにかするしかないようだ」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 麻美が生存し、且つ身柄をこちらで預かった場合、凍と麻美との会話 医務室。麻美はベッドで横になっている。 麻美「助けてくれて、ありがとう」 凍「……助かって、良かった」 麻美「アザゼルは、消えた。もういない。話し相手、いなくなった」 麻美「PC1。話し相手になって」 凍はいつも通り無表情。……と言いたいところだが、微妙な顔をしているような気がするのは、気のせいか? 麻美「引いていては、駄目だと分かった。これからは、押す」 麻美「PC1。体が良くなったら、デートしよう」 凍「……駄目。私の」 麻美「知らない。PC1、約束」 ここに三角関係が勃発した。どうする?どうする?キミならどうする? 麻美が消滅している、あるいは生存していても維馬篭に連れていかれた場合、凍との会話 凍「……麻美、いなくなった」 凍「……これが、悲しい?」 凍「……誰かが、急に、いなくなる。……私も、同じことした」 凍「……もう、しない。……急に、いなくならない」 凍「……だから」 凍「……いなく、ならないで……」 そう言って凍はうつむき、キミの服の袖を掴んだ。 あとがき SPECIAL THNKS のとすさん。 このシナリオは 1.『負けヒロインメーカー』で出た文章 2.『アザゼルの一部を埋め込まれた少女』 この2つに、 3.『Fatal Game』で没になったギアドライバー/シンガーのハンドアウト及びオープニングを足して作りました。 1.は今回予告とクライマックスでヒロインに言わせよう、と決めて。 2.はアザゼルを取り上げる以上、シナリオにも記載のある通り『明日、君がいない』の後日談、PC1と凍と因縁があるヒロイン→八坂機関の実験体、とやっぱりすぐ決まる。 3.はハンドアウトとオープニングのシーンを全部書いた後で没にしたので流用。だって折角書いたのに、勿体ないじゃないですか。 なのでPC1とPC4はサクサク決まり、PC2(オフィーツィア)とPC3(ソルジャー)も役割分担ですんなり決まる。 んで作り方の都合上、真っ先にPC4人分のハンドアウトが出来上がりまして、あとは書けるシーンから埋めて行った結果、今回予告(と言うかシナリオタイトル)が一番最後になりました。 今回はタイトル思い付かなくて、今回予告もなかなか書けなかった。 それを自鯖で色々話してて、あらすじを書く、というのをのとすさんに言われ、あ、それだ、と思いあらすじが書けました。 そして『悲劇』を調べたら、tragoidia、古代ギリシャでヤギの歌が語源であると分かって小躍りしました。 アザゼルは贖罪の山羊と関連(旧約聖書レビ記)があるので、ヤギ繋がりで完璧じゃないですか? 備忘録 ごめんね ほんとはね 一緒にいたかった #負けヒロインメーカー #スロットメーカー ヒロインの西麻美は、ソウルハッカーズの西次官の正体がアザゼルの為、そこからネーミング(命名:妹)