今回予告 死んだ筈の人が、目の前に現れる。 嬉しい?悲しい?……分からない。 天使の力が、一人の少年の心をかき乱す。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『さよならをもう一度』 じゃあね…もう一度会えて、嬉しかった。 PC1:ギアドライバー/ナビ:深月憲一 キミ達の前に、死んだ筈の少女、谷村京子が現れる。 これは、何の事件の前触れだろうか…… 【シナリオダーザイン:谷村京子からの興味】 PC2:情報将校 キミは、ヴィヴリオの懐刀である情報将校だ。 キミは今回の異常な事件について、ヴィヴリオから調査するよう命じられた。 【シナリオダーザイン:ヴィヴリオからの信頼】 PC3:機械化兵 部下達から、幽霊を見た、という報告が多数上がっている。 このままでは部隊の士気にも関わる。 キミは個人的に、調査に乗り出した。 【シナリオダーザイン:部下からの不安】 PC4:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ 幽霊騒動に不安がるトゥアレタ。 大事なパートナーの不安を解消するのも、キミの役目だ。 【シナリオダーザイン:トゥアレタからの不安】 ※PC1と4のビルドの際、いずれかに陽霊子砲、あるいはパワードアーマーの取得を推奨する。 ※本シナリオは、福音が発生してもハッピーエンドにはならない。それを考慮してプレイすること。 オープニングフェイズ シーン1 マスターシーン 一人で買い物に出掛けた憲一の前に現れた、一人の少女。 京子「けーんいちっ、久しぶり!」 憲一「え…?京子、ちゃん…?」手に持っていた鞄をどさっと落とす。 憲一「う…嘘だ…京子ちゃんは、僕の目の前で、天使に食べられて…」 京子「なに言ってるの?わたしは、ここにいるよ?」 憲一「本当に…本当に、京子ちゃん?」 京子「そ、わたしが京子じゃなかったら、他の誰が京子なのさ?」 憲一「京子ちゃん…会いたかったよ…京子ちゃん…!」 抱き付いて泣きじゃくる憲一。 京子「相変わらず泣き虫なんだから、憲一は…」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 休憩室にて。部下達がこぞってやって来た。 部下1「隊長。幽霊を見ました」 部下2「え、お前も?俺もなんだけど」 部下1「自分は、死んだ戦友の幽霊、でした」 部下2「俺かーちゃん…」 部下1「自分以外も、幽霊を見た、という話を何人も聞いています。これは合衆国の陰謀でしょうか…?」 部下2「いくらお盆でも、何かおかしいっすよこれ」 部下1「自分らも、目撃情報を集めてみます。隊長もお気をつけて」 気を付けて…とは言っても、何をどうしたら良いものか。だが、放置すれば部隊の士気に関わる。 キミは個人的に、調査してみることにした。 【シナリオダーザイン:部下からの不安】 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオの執務室。 ヴィヴリオ「瑞穂基地内に幽霊騒動が持ち上がっている。それも1件どころではなく、多数だ」 ヴィヴリオ「今襲来している天使の能力と、何らかの関連があると見て間違いないだろう」 ヴィヴリオ「天使自体は太平洋上に存在しているが、動きが見られん。恐らく、あの場所からでも効果を発揮出来るような、強力な能力なのだろう」 ヴィヴリオ「詳しく調査してみてくれ」 【シナリオダーザイン:ヴィヴリオからの信頼】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 トゥアレタ「ねえPC4、聞いた?幽霊の噂」 トゥアレタ「機械化兵の人達が話してたんだけど、もう死んでる人達と会ったんだって。すぐ消えちゃったらしいけど…」 トゥアレタ「……私、そういうの、苦手なんだけど……」 トゥアレタ「いざとなったら、守ってくれる?」 さて、どうしたものか。とは言え、大事なパートナーの不安を解消するのも、キミの役目だ。 【シナリオダーザイン:トゥアレタからの不安】 シーン5 シーンプレイヤーはPC1 PC1との顔合わせのシーン 憲一「…PC1さん、京子ちゃんが、会いたいって言うから、連れてきたんだけど…」 京子「はじめまして、PC1さん。谷村京子です」 京子「ふーん、あなたが憲一の今のパートナーなんだ。確かに、わたしそっくりだね」 憲一「ねえ、京子、ちゃん……また、いなくならないよね……?」 京子「大丈夫だよ。(小声で)…しばらくは、ね」 【シナリオダーザイン:谷村京子からの興味】 ※ミドルフェイズは、シナリオの都合上、意図的にPC1とそれ以外を断絶している。これは事前にPLに伝えておくこと。 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3、他PCは任意。 キミの目の前に姿を現す、亡くなったはずのかつての部下達。 元部下「……隊長、お久しぶりです」 元部下「貴方に会いたくて、恥ずかしながら、帰ってきました」 元部下「恨み言を言う為に、戻ってきた訳ではありません」 元部下「……未来を担う子供達の盾となって散れたのですから、後悔はしていません」 元部下「願わくば、子供達が先にこちらに来ないよう、尽力していただくことを、我々は望んでいます」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2、PC3登場可、PC1と4は登場不可 ヴィヴリオ「機械化兵達から、幽霊目撃情報が数多く上がっていると、PC3から報告を受けた」 ヴィヴリオ「PC3と協力し、事の解明に当たってくれ」 ヴィヴリオ「帝都奪還作戦に人員を割いている今、これ以上の混乱は士気に関わる」 ヴィヴリオ「アバドンとの交戦が間近だという報告も受けている。こんな時に基地全体の士気が落ちるのは、何としても避けたい」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC4、PC1登場不可、他PCは任意 トゥアレタ「ねえPC4、何か分かった?」 トゥアレタ「そっか……そう言えばPC1と深月くんに会った?PC1そっくりの子と、一緒にいたらしいんだけど……」 トゥアレタ「ひょっとして、前に聞いた……深月くんの初恋の人、かな。でも、確か……死んじゃった、って話……」 トゥアレタ「まさか、ね……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1、他PCは登場不可。 京子に近況の報告をしている憲一。 京子「そんな事になってたんだね…」 京子「PC1さん、憲一足引っ張ってない?大丈夫?」 京子「憲一は一生懸命やってるんだね、えらいえらい」 憲一「えへへ…」 京子「あの気弱で泣き虫の憲一が、天使と、合衆国と戦ってるなんて、話を聞くまで信じられなかったけどね」 京子「憲一の性格、戦いに向いてないと思うんだけどね」 憲一「…PC1さんが一緒にいてくれるから、僕は戦えるんだよ」 京子「…そっか。いいパートナーに、恵まれたんだね」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、他PCは任意 キミ達はお互い情報を集めていることを知り、合流して調査することにした。 情報収集 天使について 〈情報処理〉難易度3 送り込まれている天使は、最上位の大天使、レミエル。 復活を待つ魂の管理者であり、幻影や夢でメッセージを選ばれし者に伝える「幻視」を司る天使である。 天使の能力について 〈軍略〉難易度5 自分と親しい者の霊を、没した場所や年数に関わらず、召喚する。 結界内にいる対象の脳に直接働きかけ、本人の記憶で一番記憶に残っている死者の幽霊を呼び寄せ、実体化させるのが、この天使の持つ能力である。 それ自体が悪意の塊のようなものだが、霊と遭遇した者が危害を加えられた、と言う報告は一切無い。 ヴィヴリオ「報告は了解した。これ以上の混乱を招かぬよう、迅速に天使を討つ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1 京子との会話。 キミは京子を呼び出した。憲一はあえて呼んでいない。 京子「……気付いちゃったんだね、真相に」 京子「…うん、わたしは、憲一の記憶から呼び出された、幽霊」 京子「天使を倒せば、わたしは消える。でも、天使は倒さなきゃ、でしょ?」 管制官「シュネルギア部隊は至急、出撃準備を行って下さい」 京子「さ、早く行きなって。これ以上、悲しい想いをする人を増やさない為に。わたしと憲一は…もうどうにもならない、けど」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC3 出撃 ヴィヴリオ「まず諸君らに朗報だ。帝都のアバドンを討滅したとの報告が、先程入った」 ヴィヴリオ「この勢いに乗じて、太平洋上の大天使、レミエルを殲滅する」 ヴィヴリオ「お前達も知っての通り、今瑞穂基地を騒がす幽霊騒動は奴の仕業だ」 ヴィヴリオ「これ以上の被害を防ぐ為、迅速に処理する」 ヴィヴリオ「帝都のアバドンを討った今、いつ合衆国が動き出すか分からん。憂いは早めに取り除く」 ヴィヴリオ「感傷に浸る時間は、もう終わりということだ」 憲一は黙って下を向き、歯を食いしばる。 ヴィヴリオ「これは命令だ。速やかに大天使レミエルを討て」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1(陽霊子砲を装備したPC) 天使の周囲に、存在の希薄なホイシュレッケが数百体浮いている。 管制官「視認は出来ていますが、レーダーに反応無し……これも幽霊!?」 ヴィヴリオ「小癪な真似をする。高エーテルで薙ぎ払え!」 陽霊子砲による《予測射撃》あるいは〈エーテル〉難易度99で、ホイシュレッケの亡霊を一斉に退去させられる。 シーン2 戦闘。 大天使レミエルHP150 軽傷50 重傷25 致命13 死亡1 肉体40 感覚20 理知15 聖霊15 階級0 精神波(射撃攻撃) 判定値20 レベル4 射程:10km ダメージ(種別)+10(軽)及びバッドステータス[放心]付与 回避はしない 《幽体》対天使効果なし、及び50点以下のダメージ無効 《聖光乱射》範囲の対象に攻撃できる 《飛行》 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3 キミは今、部下達の墓前にいる。 部下1「まさか、集団でもう一度会いに来てくれるとは、思いませんでしたね…」 部下2「みんないい奴ばかりだったな、ホント…」 部下1「俺達は隊長に、死ぬまでついていきます」 部下2「縁起でもないかも知んないですけど、死んでも見守ります。死んだみんなが、そうしてるように」 今まで無風だったところに一陣の風が吹き、線香の煙と、墓前の花を散らす。 部下2「あいつらの返事、ですかね」 部下1「……行きましょう、隊長」 キミ達はその場を後にし、立ち去る。 その後ろで、何人もの英霊が、敬礼をしていた…そんな気が、した。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオ「天使との交戦、ご苦労だった」 ヴィヴリオ「しかし…死んだ者の幽霊が実体化、か。合衆国も悪趣味な天使を送り込んできたものだ…」 ヴィヴリオ「……お前は、誰かに会ったのか?」 ヴィヴリオ「……私は、お前に命令する前に、既に幽霊に会っていた。……彼女達との因縁は、複雑なものでな。だから自分では冷静な判断が出来ないと判断し、お前に任せた」 ヴィヴリオのダーザインレベルが4以上の場合、この台詞を追加する。 ヴィヴリオ「エクリシアも、光子も……一度は、同じ者を愛し……私は、選ばれなかった。だから私はここにいる、とも言えるがな」 ヴィヴリオ「女というものはな、長く生きていると、秘密が増えるものだよ。まあ、お前には全て筒抜けだがな……」 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 トゥアレタ「……後味の悪い、事件だったね」 トゥアレタ「深月くん、大丈夫かな……京子ちゃんって子……消えちゃうんでしょ?」 トゥアレタ「PC1が支えてくれると、いいんだけどね……」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 京子に呼び出される憲一とPC1。 京子「わたしはもう消えちゃうから、憲一のこと、よろしく」 憲一「京子ちゃん、行っちゃやだよ…もう一度会えたのに、また、お別れなんて、そんなのやだ…」 京子「わたしは、天使の力で蘇ってきた、ただの幽霊。この世にいちゃいけない存在なんだから。…我慢しなよ、憲一。男の子でしょ?」 京子「それに、今の憲一には、PC1さんがいるじゃない。PC1さん、憲一のこと、よろしくお願いします。泣き虫で気弱だけど、いい子だから」 京子「じゃあね…もう一度会えて、嬉しかった。…わたしも、憲一のこと、好きだったよ」 憲一「京子、ちゃん…」 京子「…さよなら、憲一」 そう言って、姿の薄れていく京子。 完全に姿が消えたところで、我慢しきれずに泣き出す憲一。 憲一「ひっく…えぐ…さよなら、京子ちゃん…」