今回予告 一人の戦友の死が、部隊に動揺を引き起こす 歌えなくなった少女 何も出来なかった者 代わりにトリガーを引いた者 そして大人達 襲来する天使は終末の喇叭を高らかに吹き鳴らす エンゼルギア天使大戦TRPG 『PLAY』 思い出して たった一つだけだっていい 自分の生きる意味を ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ・クレーリオン(偶像天使) キミ達の目の前で、ギアドライバーの島田志穂は天使化した。 ナビゲーターの折田心優はそれ以来、歌うのを止めた。否、歌えなくなった。 三度の食事よりも歌が好きだった彼女。 キミは戦友が苦しんでいるのに、何も出来ていない。 シナリオダーザイン【折田心優からの諦め】 PC2:ギアドライバー/ナビ:天野ツバサ(選ばれし者、ナビをツバサに変更) 天使化したギアドライバー、島田志穂。 ナビゲーターの折田心優の代わりにトリガーを引いたのは、キミだ。 キミは、彼女が歌えなくなったことに責任感を感じていた。 シナリオダーザイン【島田志穂からの遺志】 PC3:指揮官(煉獄の指揮官) 仲間の死。 キミにとっては何度も直面してきたそれも、子供たちには初めて直面する、辛い出来事だ。 こう言う時、大人がしっかりしてやらなければ。 シナリオダーザイン【自己からの責任感】 PC4:機械化兵(大空の騎士) 自分たちよりも若いギアドライバーを、目の前で失うことが、これほど堪えるとは。 部下達の戦意も下がっている。 これは戦争だとは言え、やり切れない思いをいだくキミ。 シナリオダーザイン【自己からの無力感】 折田心優(おりた・みゆ) シンガー/シンガー(レシピエント持ち) 相棒のギアドライバーを、天使化によって喪ったナビゲーター。 一人称:わたし 二人称:名前+さん、同世代の女性のみ名前+ちゃん 【理知】+2、【聖霊】+3 オーギュメント: 《ビナー》《ナヘル》 ※ナビゲータとして乗せた場合、専用オーギュメントは《ナヘル》とする。 特技: 《※戦場の歌姫》《アイドル》《元気の歌》《決戦歌》《◎混成歌》《◎祝祭歌》《◎世界オーケストラ》《レシピエント》 もしもナビとして乗せた場合、PCの攻撃力+14、装甲+10(【聖霊】10) 島田志穂(しまだ・しほ) ギアドライバー/シンガー。故人。 心優の目の前で天使化し、PC2に討たれる。 使っていた楽器はギター。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 キミ達の目の前で、ギアドライバーの島田志穂は天使化した。 心優「志穂ちゃん、志穂ちゃん……!」 心優「やだよ、わたしを一人にしないでよ……!」 トゥアレタ「誰か、志穂の天使化を止めて……!」 ヴィヴリオ「クッ……折田少尉の救出も並行しろ!」 その結果、マスケンヴァル現象を起こす前に志穂はPC2が撃墜し……心優は救出された。 しかし…… 心優「わたし……もう、歌えない……」 ナビゲーターの折田心優はそれ以来、歌うのを止めた。否、歌えなくなった。 三度の食事よりも歌が好きだった彼女。 キミは戦友が苦しんでいるのに、何も出来ていない。 シナリオダーザイン【折田心優からの諦め】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 ツバサ「なあ、PC2。志穂と心優のことなんだけど、さ」 ツバサ「あたしらがトリガー引いたの、間違ってたんかなあ」 ツバサ「大人に任せとけば良かったんかも知んないけどさ、あの状況で、シュネルギアごと撃てる火力を出せたのはあたしらだけだった」 ツバサ「……PC1も心優にも、志穂を撃つのは出来なかったからな」 ツバサ「ままならないね、ホント。心優のことも心配だし、さ」 天使化したギアドライバー、島田志穂。 ナビゲーターの折田心優の代わりに、彼女にトリガーを引いたのは、キミだ。 キミは、彼女が歌えなくなったことに責任感を感じていた。 シナリオダーザイン【島田志穂からの遺志】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオ「島田少尉、惜しい人材を失った」 ヴィヴリオ「部隊内に動揺が広がるのは避けられん。特に、折田少尉とPC2のメンタルケアを重視しろ」 ヴィヴリオ「仲間を撃つことが、どれだけの意味を持つか。我々と子供たちでは、重みが違う」 ヴィヴリオ「……我々が間に合わなかったのが、悔やまれるよ」 仲間の死。 キミにとっては何度も直面してきたそれも、子供たちには初めて直面する、辛い出来事だ。 こう言う時、大人がしっかりしてやらなければ。 シナリオダーザイン【自己からの責任感】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 部下「……隊長。お疲れ様でした」 部下「ギアドライバーの子……俺達が撃墜してれば、俺達が恨まれ役になれたんですけどね」 部下「ですが……シュネルギアごと天使化を始めてしまったら、俺達の力じゃどうにも出来ない。正直、悔しいです」 自分たちよりも若いギアドライバーを、目の前で失うことがこれほど堪えるとは。 部下達の戦意も下がっている……。 これは戦争だとは言え、やり切れない思いをいだくキミ。 シナリオダーザイン【自己からの無力感】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 ブリーフィング ヴィヴリオ「……PC2、良くやった。マスケンヴァル現象が起こる前に、食い止められたことは僥倖だ」 ヴィヴリオ「島田志穂少尉は二階級特進とし、大尉として見送ることとなる。彼女は良きギアドライバーだった」 ヴィヴリオ「折田少尉は命に別状はないが、ショックが強すぎて今羽村のところでカウンセリングを受けている」 ヴィヴリオ「PC3からは、何かあるか?」 ヴィヴリオ「では、ブリーフィングは解散とする。各自、体を休めるように」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、PC2自動登場 あれから一週間が過ぎた。 今日は全員が休暇の日だ。 ツバサ「心優ー、この後カラオケ行かね?久しぶりに心優の歌、聞きたいんだよなー」 心優「……ツバサちゃん、ごめんなさい。ちょっと、そんな気になれなくて……」 ツバサ「……そっか。悪りぃ」 心優「……ううん、ツバサちゃんが謝ること、ないよ。わたしが、悪いんだから……」 ツバサ「それじゃあさ、何か甘いもの、食べに行かね?俺様ちゃん、おごるからさ。PC1、PC2も一緒に行かね?」 トゥアレタ「甘いもの……どうしよう」 ツバサ「訓練すりゃ何とかなるって。トゥアレタも行こうぜ」 トゥアレタ「……そうだよね、うん」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 回想シーン 目の前で天使化する志穂。 心優「志穂ちゃん、やだよ、お別れなんて!」 志穂「……心優、あんたは生きて。私の分まで」 彼女は最後の力で、心優をシュネルギアから脱出させた。 志穂「……PC2、頼むよ。このままドカンでみんなを巻き込みたくない。あんたしか、いないんだ。シュネルギアごと私を落とせるのは」 そして心優は、相棒と同時に自信を失った。 心優「わたし……もう、歌えない……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 天使の襲撃に発進したキミの航空部隊。 天使に攻撃が届く事なく、また一機、また一機と僚機が落ちていく。 部下「あの天使、何らかの結界で守られているようです。これ以上の交戦は、被害が増えるだけでしょう」 部下「ですが、計測機器に異常なデータが計測されています。これを持ち帰って、解析に掛けましょう」 撤退を余儀なくされるキミ。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、PC3自動登場 ヴィヴリオ「あの天使を、以降ラグエルと呼称する」 ヴィヴリオ「洋上のラグエルは、今のところ動く素振りがないが、いつ動き出すか分からん」 ヴィヴリオ「奴の結界を何とかしなければ、撃退は出来ん。だが……」 情報収集 〈軍略〉難易度5 大天使ラグエル 一定の波長の破壊音波を放ち、近寄るもの全てを粉砕する。 破壊音波と真逆の波長をぶつければ、相殺が可能なのではないだろうか。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 ヴィヴリオ「解析の結果、奴の音波の波長と真逆の波長をぶつけることで、相殺が可能だと出た」 ヴィヴリオ「問題は、その真逆の波長を出せるのは……折田少尉だ」 顔を真っ青にする心優。 ヴィヴリオ「個人的な意見としては、無理に歌わせたくはない。だが、これは戦争だ。歌ってもらわねば、我々が滅びる」 そう言われて、脱兎の如く逃げ出す心優。 ヴィヴリオ「……すまんが、アフターケアを頼む。立場上、私にはこう言う他に無いんだ。」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC1、他PCの登場は任意 逃げ出した心優を探し回ると、格納庫の、志穂と心優が乗っていたシュネルギアのコックピット内にいた。 心優「……PC1さんも、わたしを歌わせる為に来たの?」 心優「分かってる、分かってるよぉ!わたしが歌わなかったら、みんな死んじゃう……志穂ちゃんが死んだのも、無駄になっちゃう……でも怖いの、歌うのが怖いの!」 心優「わたしが歌ったら、誰かがまた死んじゃうんじゃないかって、そう思っちゃったんだもん!」 心優「なら、約束してよ!わたしが歌っても、誰も死なないって、誰も死なせないって!」 心優のオープンアップ条件:心優のダーザインをポジティブ感情に書き換えること。 心優のダーザインを書き換えた場合、以下のオーギュメントが使用可能となる。 オーギュメント:イスラフェル タイミング:オートアクション 技能:自動成功 修正値:なし 難易度:なし 対象:単体 射程:場面 アガペー:なし 音楽の持つ無限の可能性を発揮させるオーギュメント。 〈芸事〉判定直前に使用する。その判定の成功数に+20する。1シナリオに1回のみ使用できる。 心優「うん……わたし……もう一度、歌うね」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 ラグエルが近付いて来る、出撃シーン ヴィヴリオ「洋上のラグエルが接近してきた。ヤシマに上陸される前に、これを迎撃する」 ヴィヴリオ「……折田少尉。行けるのか?」 心優「……ヴィヴリオ大佐。わたし、歌います」 ヴィヴリオ「……分かった。では、貴官はホルテンより、ラグエルの破壊音波の相殺を命じる」 ※PC1が心優と出撃する、と言った場合、許可してもよい。その場合、ナビゲータデータを上記のものに変更させること。 ヴィヴリオ「PC1、心優の補助を頼む。貴官の役目は、心優の歌を中継し増幅して、ラグエルに叩き付けることだ」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 ヴィヴリオ「ラグエルの破壊音波の出力は計測値以上のようだ。折田少尉、まだ行けるか?」 心優「全力で歌ってます!だけど、これ以上は……」 ヴィヴリオ「出力が足りんようだな……PC1、お前も全力で歌い、折田少尉の補助を行え。一人の歌で駄目ならばデュエットで、だ」 福音フェイズ 〈芸事〉難易度99 オーギュメント:イスラフェルの使用を勧めること。 成功すると、ラグエルの破壊音波を無効化することが出来る。 失敗すると、クライマックスの戦闘中、クリンナップに10点の実ダメージをHPに受ける。 このダメージは肩代わりすることが出来ない。 シーン2 戦闘 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 ツバサ「やろうぜ、PC2。これはあたしらの仕事だ」 位置 ラグエル ← 1000m → PC(任意) 戦闘 大天使ラグエル HP250 肉体40 感覚20 理知15 聖霊15 階級0 行動値:10 《破壊音波》 判定値18 技能レベル5 射程:視界 ダメージ+10、1点でも実ダメージを受けた場合「侵食1」を受ける 《ケルンV》対天使効果なし、及び45点以下のダメージ無効 《飛行》 《範囲攻撃》 《疾風怒濤》×2 《奇蹟》×2 《神罰》×2 《復活》×1 《星を落とす者》×1 シーン1 シーンプレイヤーはPC4 戦友の墓参り キミの仲間が眠る墓地。古い墓も、真新しい墓もある。 キミ達がいるのは……島田志穂の墓の前だ。 部下「隊長、花と線香を持ってきました」 部下「俺達機械化兵より先に、子供らが死ぬのは堪えますね……」 部下「そろそろ交代の時間です。行きましょう、隊長」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオとの会話 ヴィヴリオ「PC3。我々は人でなしだな」 ヴィヴリオ「悲しみにくれる少女を叱咤し、無理矢理戦場に向かわせることしか出来ない」 ヴィヴリオ「たまに、自分の立場が嫌になるよ」 ヴィヴリオ「今回は何とか上手く行った。毎回そうとは限らん。その時はまたよろしく頼むぞ」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 ツバサとの会話 ツバサ「なあ、PC2。前にも聞いたけど、志穂を撃ったこと、後悔してる?」 ツバサ「あたしらはさ、こうやって生き残れてる。でも、それがいつ、あたしらの番になるかは分からない」 ツバサ「いつそうなってもいいように、今を全力で生きるのが、志穂へ手向けになるんじゃない?」 ツバサ「何熱く語ってるんだろ、あたし」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 志穂の墓参り 天使化した者の墓には、何も入っていない。 辛うじて回収された志穂のドッグタグは、今は心優の首に掛かっている。 心優「志穂ちゃん、わたし、もう一度やってみるね」 心優「志穂ちゃんの分まで、わたし、精一杯、足掻いてみるから……」 一陣の風が、墓に備えられた花を吹き散らす。 まるで、心優の呟きに応えたように。 ラグエル:終末のラッパを吹き鳴らす天使