今回予告 ヤシマを13年間守っていた、八門結界。 3発のミサイルによって破壊されたそれは、構築される際に、東雲光子をはじめ、数々の犠牲があった。 6年前に発生した、とある幼年学校で発生した集団天使化事件。 半ば闇に葬り去られたその事件、表向きの生存者は2名、そして犠牲者は数多く。 キミ達は、目を背け続けてきた過去と対峙する。 ……そして、一人の少女の絶望と憎悪が、全てを塗り潰す。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Paint it Black』 赤、オレンジ、黄色、緑、青、藍色 、紫…… 綺麗な虹の色を、全部混ぜたら、どんな色? ハンドアウト PC1:ギアドライバー/トゥアレタ兼PC:雛子 新しい管制官として、和泉イリスという少女が着任した。 キミとトゥアレタ、そして雛子は、オニでエルフェンである彼女に、どこかで会った気がする。 自分たちの予想が間違っていなければ、それはレーベンスボルンだった筈だ。 キミ達を結ぶキーワードは、『6年前の生存者』。 キミの、逃がれられない過去。 キミは集団天使化事件の生存者であり……それを引き起こした、張本人なのだから。 シナリオダーザイン【和泉イリスからの既視感】 キミは雛子の兄/姉であるか、兄/姉として慕われている。 雛子と直接の血縁関係は無くともよい(=東雲光子の子供でなくてもよい)。 トゥアレタではなく雛子をナビゲーターにする場合、ナビゲーター修正は【感覚】+2、【理知】+3である。 また、キミは1993年に発生した、レーベンスボルンにおける集団天使化事件を引き起こした張本人である。 PC2:オフィーツィア(ホムンクルス以外) キミは1986年、八門結界構築直前に発生した、房総沖防衛戦の生存者である。 現在はドライクロイツの関係者であり、アクシアとは旧知の仲である。 帝都奪還作戦、そして八門結界の再構築が間近に迫ったある日、キミはヴィヴリオから八門結界についての再調査を命じられる。 当時の資料の閲覧が困難な為、現地調査を行う事となった。 因縁の地である、房総半島で。 シナリオダーザイン【アクシア・リヒトヴィッツからの友情】 PC3:ホムンクルス キミは、新しい管制官として着任した和泉イリス曹長を見てから、ずっと頭痛が続いている。 同僚であるリメッツェ9−11も、キミのことを心配している。 彼女曰く、キミに使用されている天使核の記憶が、イリスを見て何らかの刺激を受けたのではないか、と。 キミの知らない、キミの過去が、キミを悩ませる。 シナリオダーザイン【リメッツェ9−11からの心配】 キミはホムンクルスの特技《封印記憶》を取得する。 これに初期アガペーや経験点は不要である。か また、《封印記憶》によるダーザインは、シナリオダーザインとは別に取得する。 推奨は【過去からの呼び声】である。 《封印記憶》の内容は、『キミは、1993年の集団天使化事件に巻き込まれた子供の天使核を用いて作られた、完全機械化兵である』ことである。 これが実際に開示されるのは、ミドルフェイズの途中である。 PC4:ギアドライバー/ナビ:伊音 キミは伊音と共に、数々の戦闘を乗り越えてきた。 時には彼女と衝突することもあった。 また、彼女の抱えていた秘密と苦悩を知り、彼女と共にあることを選択した。 そしてキミは既に、帝都奪還作戦に参戦することが内定している。 伊音が帝都奪還作戦に参戦する事を懇願しているのは、彼女の妹、紫音の為でもある。 キミは伊音の支えとなり、彼女の願いを果たす助けをせねばならない。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの信頼】 キミは伊音が瑞穂基地に来た本当の理由を知っており、またそれを乗り越えている。 本シナリオは、目を背けていた過去と直面するシナリオである。 ヒロインは助けることは出来ない。 また、エンディングは後味の悪いものとなる。そこを注意されたし。 PC1はPC:トゥアレタとPC:雛子を兼任する。 また、既にトゥアレタ、雛子、伊音3人の、該当するイベントを通過済みとし、時期は7月末〜8月頭(帝都奪還作戦発令前)頃を想定している。 シナリオの都合上、PC間での交流がしづらいシナリオとなっているので注意。 オープニングフェイズ シーン1 全員登場、シーンプレイヤーは特に指定しない イリスが瑞穂基地に、管制官の一人として配属になる ヴィヴリオ「前任者の管制官が、エーテル濃度が高くなり過ぎたので、療養の為休暇に入った。その後釜に入ってもらう、和泉イリス曹長だ」 ヴィヴリオ「司令室に勤務してもらう為、お前達も顔を合わせる機会が多いだろうから、紹介しておこう」 イリス「和泉、イリスです。よろしくお願いします」 イリス「見ての通り、オニでエルフェンなので、すぐ覚えてもらえると思います」 このシーンは顔見せのみであり、自己紹介を終えたらシーンを終了する。 PCそれぞれの細かい描写については、次のシーン以降とする。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1 イリスの顔を見たことがある気がするPC1、トゥアレタ、雛子 トゥアレタ「……ねえ、PC1。あの子、どこかで見た事、ない……?」 雛子「トゥアレタさんも、ですか。雛子は、こんな目ですから、見覚えは勿論ないんですけど……何となく、気配とか声、どこかで会ってる気がするんです。それも、一度会った、とかじゃなくて、しばらく一緒にいたような」 トゥアレタ「雛子、あなたも?……だとすると、レーベンスボルンの関係者、なのかな……」 雛子「そう考えるのが、自然だと思います。当初、生存者はお兄様とトゥアレタさんだけ、ということでしたが、雛子の他にも秘密の生存者がいる……少し、おかしくありませんか?」 トゥアレタ「……それだけ、あれは闇に葬り去りたい事件、なんじゃないかな」 イリスへの既視感が、PC1、トゥアレタ、雛子三人の共通の一件である、と確認出来たら、シーンを終了する。 シナリオダーザイン【和泉イリスからの既視感】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 イリスを見て記憶を一瞬取り戻すPC3 イリスを見てからずっと、頭痛がする。 同僚である完全機械化兵、リメッツェ9−11(ノイン・エルフ)が声を掛けてきた。 リメッツェ「どうしました、PC3。顔色が悪いです」 リメッツェ「そうですか。……もしかしたら、天使核の記憶を、何か刺激されたのかも知れません」 リメッツェ「リメッツェ達に使用されている天使核は、言わば誰かからの借り物です。元になった方と、その新しく配属された管制官の方が、知り合いだった、という可能性は大いにあります」 リメッツェ「こういう時はまず、整備班の中島班長に相談するのが、最も効率が良いと思われます。では、整備工場へ行きましょう」 整備工場へ行く事を承諾したら、シーンを終了する。 シナリオダーザイン【リメッツェ9−11からの心配】 シーン4 シーンプレイヤーはPC2 八門結界の調査を命じられる ヴィヴリオ「PC2。八門結界が構築された頃……13年前の情報の調査を命じる」 ヴィヴリオ「結界を再構築を前にして、少々、気掛かりなことがあってな」 ヴィヴリオ「当時の情報は、ヤシマ陸軍が情報を握り込んでいる。その為、独自のルートから調べる他にない」 ヴィヴリオ「再調査は手間かも知れんが、頼んだぞ。アクシアと共に、現地……房総半島で、調査を行ってくれ」 アクシア「よろしくね、PC2。しっかし、房総半島、ね……」 ヴィヴリオ「アクシア、お前の気持ちは分からんでもない。だが、これは命令だ。すまんが、行ってもらうぞ」 アクシア「はいはーい、分かってますよ、大佐」 命令を受理されたら、シーンを終了する。 シナリオダーザイン【アクシア・リヒトヴィッツからの友情】 シーン5 シーンプレイヤーはPC4 伊音と会話 帝都奪還作戦の参戦について会話 伊音「PC4、近日中に帝都奪還作戦の実行、及び八門結界の再構築を行うことになる」 伊音「……お前が帝都奪還作戦に出撃するのは、ほぼ確定だ」 伊音「建前上は、志願制を取るそうだが、私は絶対に作戦に参加する。だからだ」 伊音「八門結界再構築において重要な任務を担うのは、私の妹の紫音。妹が命を賭けるのに、私が見届けないでどうする」 伊音「いや、すまん、虚勢を張り過ぎた。紫音が、心配なんだ。……もしかしたら、今生の別れになるかも、知れないからな……」 伊音「ここまで言っておいて何だが……一緒に、来てくれるか」 伊音「すまん。いや……ありがとう、PC4」 シナリオダーザイン【草薙伊音からの信頼】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、PC4自動登場、PC3の登場は任意、PC2は登場不可 イリスと休憩室で会話 イリス「あの、PC1さん、クレーリオンさん、雛子さん。どこかで、会った事ありませんか?」 イリス「やっぱり、みんなあの幼年学校にいたんだね。良かった……」 イリス「あの学校の事を聞いても誰も知らなくて、わたしの頭がおかしいのかな、って思っちゃって……」 イリス「わたしも記憶はちょっとあやふやなとこあるけど……わたし以外の、出身者に会えて良かった。わたしの記憶が、間違ってなくて」 イリス「伊音さん、わたしも見ての通りオニなので、仲良くしてもらえませんか?まあ、エルフェンの血も引いてますけども」 伊音「勿論だとも、仲間だからな」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は不可 キミ達は房総半島に到着した。 ここは13年前、八門結界が構築される直前の42分間、天使と激戦を繰り広げた地である。 結界の最先端でもあったこの地で、多くの血が流れた。 アクシア「あたしもここ、いい思い出ないのよねー」 アクシア「……難民としてヤシマに渡って来てすぐ、ここで両親と弟を失ったから」 〈探知〉難易度3 キミ達が周回を見回すと、蔦に覆われた石碑を発見する。 アクシア「ねえ、この石碑、もしかして……八門結界の慰霊碑、じゃない?」 アクシア「八人の名前……二人分、削り取られてるけど……。えーと……和泉……?あれ、この名前……まさか」 アクシア「これは、大佐に指示を仰いだ方が良さそうね……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC3、他のPCの登場は不可 中島班長に相談する リメッツェ「中島班長、先程連絡した、PC3の件ですが」 三郎「過去の記憶、か……。多分、お前ェさんに使われた、天使核の記憶なんだろうよ」 三郎「とりあえず、大佐に相談しておくぜ」 三郎「……天使核の出元がどこか、ってのは結構デリケートな問題でな。情報の開示は、ヴィヴリオ大佐じゃねェと出来ねェんだ」 リメッツェ「そうなのですね。PC3、大佐に聞きに行くのに、リメッツェもご一緒しましょうか?」 彼女は彼女なりに、君のことを心配しているようだ。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1、PC4自動登場、PC3の登場は任意、PCの登場は不可 イリスと交流する イリスがお茶会に招待してくれた。 イリス「頑張って、用意したんだ」 戦時下で材料も潤沢ではないが、いわゆるアフタヌーンティー、というやつだ。 イリスは《みんなでお弁当》を使用する。判定値10、技能レベル4で判定。成功数分アガペーを低下させる。 イリス「どうぞ、召し上がれ♪」 トゥアレタ「美味しそう……(小声で)……明日からしばらく、特訓メニュー増やさなきゃ、かな……」 イリス「あっ……ごめんトゥアレタさん、ダイエット中だった?」 トゥアレタ「ご、ごめんなさい、気を悪くしちゃって……」 イリス「大丈夫だよ、気持ちはすっごく分かるから。わたしも、すぐ太っちゃうタイプだから」 トゥアレタ「そうなの?お互い、苦労してるんだね……」 雛子「奇麗なお菓子……こんなの、見たことないです」 イリス「うん、お菓子作りの本とにらめっこして、頑張ったんだよ。雛子ちゃんも食べて食べて♪」 雛子「はい、いただきます。わぁ……すごく、美味しいです」 イリス「良かった、口に合ったみたいで」 イリス「伊音さんは、和菓子の方が良かったかな?」 伊音「気にするな。もてなしの心は、万国共通だ。その気持ちだけで有難い」 イリス「次は、和菓子も用意するね」 伊音「気遣い、すまんな」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は不可 ヴィヴリオに結界の調査結果を報告する ヴィヴリオ「やはりか……。彼女の苗字がやけに気になったのは、光子から聞いていたからだったか」 ヴィヴリオ「八門結界の人柱は公表されていなかったが、光子一人だ、というのが表向きの話だった。だが実際には、八門、すなわち光子以外に八名の人柱がいたと、光子本人から聞いた」 ヴィヴリオ「その裏付けを取る為に、お前達にわざわざ現地まで行ってもらったんだ」 ヴィヴリオ「流石に、軍の資料には人柱の詳細は残せんからな。だが、現地に建立された慰霊碑は例外だ。鎮魂の為のものにまで、虚偽の記述は出来んだろう」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC3、他のPCの登場は任意 ヴィヴリオから、PC3に使われた天使核の出自を教えられる ヴィヴリオ「聞きたい事があるそうだな」 ヴィヴリオ「お前の予想通り、お前の天使核は……6年前、集団天使化事件が起こった、レーベンスボルンの犠牲者の一人のものだ」 ヴィヴリオ「……あそこにいた者達は、すべからく救世主候補だった。だが、例の集団天使化事件で、そのほとんどが死亡、あるいは天使化した」 ヴィヴリオ「死体は研究施設に運ばれ、様々な実験に使用された。……だから結果的に、エーテル出力の高い良質の天使核が数多く採取出来た、ということだ」 ヴィヴリオ「だが、それを知ってお前はどうする?」 ヴィヴリオ「集団天使化事件を引き起こした本人であるPC1や、死して尚も自分達を弄んだ我々に、報復するか?」 ヴィヴリオがそう言った瞬間、左右に控えていた完全機械化兵がヴィヴリオを庇う形で前に出る。 これに返事を貰ったら、以下の台詞を読み上げてシーンを終了する。 ヴィヴリオ「それが、お前の選択か」 ※PC3は他PLと相談の上、全員の了解が得られたのならば、敵に回ってもよい。 シーン7 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 情報収集 イリスの過去と目的が明らかになる 和泉イリス 〈事情通〉〈情報処理〉〈軍略〉難易度5 成功度1 オニの名家の一つ和泉家の次男と、エルフェンの姫君が大恋愛の末に駆け落ちして生まれた少女。 両親は13年前、八門結界の実行直前の房総沖防衛戦の最中に命を落とし、孤児として統一帝国戦災孤児院生命の泉教会(レーベンスボルン)で育てられる。 ヘルプストハイム検査によって天使の血統を認められ、幼年学校を中途転校、ヤシマ=統一帝国共同運営の実験施設で過ごした後、瑞穂基地に配属される。 しかし、実験施設に入る前の数年に関しては軍の記録、そして本人にも記憶の欠損がある。 成功度3 PC1が引き起こした、集団天使化事件。 その際の生存者は、数日の間だけオリジナルのトゥアレタが生存していた、となっているが、実際には雛子を含む数名が生存しており、また、その情報は隠蔽されている。 生存者に光子の娘である雛子が含まれることを隠すための、軍による情報操作の結果である。 イリスも生存者の一人であり、彼女の記憶の欠損は『本人がそう言っているだけ』に過ぎず、実際にはすべてを覚えている。 両親の死の真相も、実際には高い潜在エーテル量に目を付けられて、八門=八柱用意された人柱の一人として、生贄にされたのが真相である。 これは東雲光子の発案ではなく、ヤシマ陸軍の関係者……草薙家、八坂機関、八咫衆が結託して仕組んだものである。 結果として、より強固な結界を形成することに成功したが、代償として人柱となった者の怨念が、光子の体を蝕んだ。 結界を維持するのにエーテルを吸われ続けた上に、光子は呪いを受けていたのである。 光子が結界構築後、ずっと病床にあったのはそのせいでもある。 (これは本シナリオのみの設定であり、公式ではない) 成功度5 イリスがその真相を知った時、その憎悪は天使ではなく、ヤシマという国そのものに向けられた。 彼女は合衆国のスパイに接近し、合衆国へと忠誠を誓った。 ヤシマを内部から転覆させるために。 洗礼名はルシエル。 彼女は、両親を殺し、自分の運命を狂わせたこの国の全てを、憎悪している。 天羅的に言うと、業が109を越えて修羅化している。 彼女の目的は八門結界再構築の妨害、すなわち草薙紫音の暗殺である。 ヴィヴリオ「13年前の八門結界構築、6年前の集団天使化事件と、両方が関係しているのか……」 ヴィヴリオ「PC2、すぐに彼女を確保しろ」 ヴィヴリオが言うが早いか、伊音は既にドアから飛び出して行った。 ヴィヴリオ「妹が絡むと、草薙も冷静ではいられんようだな……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 イリス「……気付いたんだね。まあ、時間の問題だったんだろうけど」 イリス「みんな、みんな天使に蹂躙されて死んでしまえばいい。わたしから両親を、友達を奪ったこんな国、滅んでしまえばいいんだ」 イリス「雛子、いいご身分よね、死にかけた所をメタトロン様に救われて、のうのうと生きて来れたんだから。わたしの両親は、あなたの母親に殺されたも同然なのに」 イリス「周りの人に助けてもらえなかったら、あなたなんて生きて来れなかったくせに。何であなたは生き残って、わたしの両親は死ななきゃならなかったの?戦争に巻き込まれてならまだ分かる、でも、人柱にされて殺された、意味分かんない」 雛子「雛子、は……」 イリス「あなたの話なんて、聞く気はないよ」 イリス「トゥアレタ、PC3、あなた達だって、偽者じゃない。あなた達は何とも思わないの?自分を利用した軍部、そしてこの国に」 イリス「それに、トゥアレタ、PC3、あなた達はこちら側でしょ?死んだのに利用されて、悔しいと思わないの?」 トゥアレタ「それでも、わたしは……PC1の傍がいい、と願った」 イリス「ふーん。興味ないね」 イリス「伊音、もう少しで紫音とお近付きになれると思ったんだけどね。ちょっと時間が足りなかった」 伊音「させるか、馬鹿者」 イリス「大事な大事な、妹だもんね?新しい人柱になる予定の、ね」 伊音「貴様っ!」 誰かが説得しようとした イリス「はぁ……あなたの頭の中、お花畑?それとも砂糖菓子でも詰まってるの?わたしの憎しみが、説得して解消出来るだなんて、とんだ思い上がりよ」 イリス「あなた達も、同じ目に合えばいい。大切な人を失って、何も出来ない無力感を味わうといいわ」 《終末の予感:共鳴判定3》を使用する。 共鳴判定の難易度3、失敗した場合浸食1を受ける。成功失敗に関わらずアガペーが3D6上昇、パトスチット3枚を得る。 共鳴判定の終了後、クライマックスに突入する。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 イリス ← 1500m → PC エンドレスサマー掲載の黒い天使のデータを使用する。 オリジナル災厄 《更なる絶望:共鳴判定5》×1 対象:場面(選択)、射程:視界 いつでも使用できる。 共鳴判定の難易度5、失敗した場合浸食1を受ける。成功失敗に関わらずアガペーが5D6上昇、パトスチット5枚を得る。 HPを0にしたそのタイミングで《更なる絶望:共鳴判定5》を使用する。 イリス「呪ってやる……呪ってやる!この国まるごと、みんなみんな、呪ってやる!」 そう言い残して、イリスは消滅する。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 伊音と会話 伊音「人には過去があって、現在があり、そして未来がある」 伊音「過去に縛られるのが悪いとは言えん。私も、過去に縛られた一人だからな」 伊音「だが、未来を夢見る余裕は、今はない。どう戦争を生き延び、どうすれば勝てるのか考えている真っ最中だ」 伊音「例えどんな犠牲を払おうと、どれだけ人から恨まれようと……我らは、勝たねばならんのだ」 伊音は、自分に言い聞かせるように呟く。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 中島班長と整備工場で会話 尚、これはPC3が敵に回らなかった場合のエンディングである。 敵に回った場合は、PLと相談して演出すること。 三郎「これからどうすンだ、お前ェさん」 三郎「今、お前ェさんの頭の中には、お前ェさんとして戦闘訓練や教育を受けた人格と、埋め込まれた天使核の人格が、ごっちゃになってンだ」 三郎「このままだと、お前ェさんは遅かれ早かれ、人格の齟齬が発生して、天使化する」 三郎「……あんまり気は進まねぇのは確かだが、記憶操作する必要があるかも知れねェ。それだけは、覚えておいてくれ」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 アクシアと会話 アクシア「過去からの因縁って、思いもかけないところで、直面するわよね」 アクシア「時の流れっていうのは、残酷よね……」 アクシア「ちょっと、自分語りしてもいい?……何も知らなかった少女が、家族の復讐の為に戦場に行って……18歳でアペルギアドライバーになってからは、ホント色々とあったわ」 アクシア「メーヴェに出向して、ヴィヴリオ大佐から大陸での潜入活動を命じられて、セラピアを連邦から連れ出して、アンナさんから黒い天使核を貰って……今はシュネルギアなんてロボットの、部隊長なんてやってるんだから」 アクシア「あの子は……受け止めて飲み込むには幼過ぎるし、いえ、そもそも受け入れられる筈がないか。……きっと、あたしが同じ立場だったら、同じことをしたわ」 アクシア「……やあね、戦争って」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 トゥアレタ、雛子と会話 雛子「嫌な事件、でした」 トゥアレタ「そう、だね。わたし達の、過去。……わたし達が巻き込んだ、巻き込まれた人は、まだ多分いるよね」 トゥアレタ「生きてるわたし達が、責任を、義務を果たさなきゃならない。綺麗事だって、分かってるけど……」 雛子「全部戦争が悪いんです、早く終わらせないと。……責任転嫁だって分かってます、でもそうとでも思わないと、押し潰されそうで」 雛子「助けて下さい、お兄様……一人じゃ、耐えられそうにありません」 トゥアレタ「わたしも、何度も、絶望しそうになったけど……あなたとの記憶を支えに、今まで生きて来た。それしか、すがるものがなかったから、だけど……」 トゥアレタ「……重いよね、わたし。頭じゃ、分かってるけど……どうしようも、ないんだ。あなたは、わたしの全て、だから」 雛子「雛子だってそうです。お母さんに続いて、お兄様までどこかに行ってしまったら、雛子、どうしていいか、分かりませんから……」 トゥアレタ「ねえ、雛子。この際だから、PC1に、二人ともまとめて、面倒見てもらわない?」 雛子「お兄様を独り占め出来ないのは、残念ですけど……まあ、トゥアレタさんなら……。6年前を知っている、言わば運命共同体、ですから」