今回予告 ある日突然、キミは徴兵されて、軍人となった。 徴兵先の瑞穂基地でキミは、一人の少女と出会う。それとも……再会? キミはその少女と共に、シュネルギアという二人乗りのロボットに乗ることを命じられる。 これは、退屈な日々からの解放か、それとも預言された終末の始まりか。 迫り来る天使の脅威。 逃れられぬ死の恐怖。 そしてキミは、大人への一歩を踏み出す。 何も知らない子供のままでは、いられない。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『O3-7』−[Out Of Obstruction] Or [Omen/Oracle/Omega]− これは、またひとつの、始まりの物語。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ キミはかつて、幼年学校に通っていた。 だが、その頃の記憶はとても曖昧だ。 幼馴染の少女がいた気もするし、何か大きな事件に巻き込まれた気もする。 母からは、そのあたりのことは人には言わないよう、かたく言い付けられた。 だからキミも、あの頃については触れないようにしている。 穏やかな、けれど何もない、退屈な毎日。 それを打ち破ったのは、キミへの召集礼状だった……。 シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの懐旧】 PC2:ソルジャー キミは、シュネルギア部隊が発足して以来、ずっと戦闘訓練教官を務めて来た。 今回、新人として配属されて来たPC1は、世界を救う救世主候補の一人だという。 PC1を、一刻も早く一人前にする。……この生命を使ってでも。 それが自分の使命だ。そう確信している。 シナリオダーザイン【自己からの覚悟】 ※キミは、本シナリオのクライマックスにて死亡することが確定している。 また、キミは通常のオーギュメント以外に、専用オーギュメント《アニュス・デイ》を取得している。 専用オーギュメント《アニュス・デイ》 世の罪を取り除く、神の小羊。 対象:単体 射程:視界 代償:自分の死亡ゲージ(既に埋まっていても良い) シナリオダーザインを昇華することで使用可能である。 そのラウンド中、天使の権能を全て使用不能にする。 1シナリオ1回使用出来る。 PC3:ホムンクルス キミは、PC2の部下である。 部隊にギアドライバーの新人がやって来て、PC2が担当教官になるという。 ……この、胸の中に沸き立つ、もやもやしたものは、何だろう。 君はそれから、強引に目をそらした。 急がねばならないのだ。最近、天使兵が蠢動しているのだから。 シナリオダーザイン【自己からの不安】 PC4:ウィザード キミはシュネルギアの開発担当だ。 シュネルギア部隊に新人が配属されるそうで、新人専用のシュネルギアの調整をヴィヴリオから命じられた。 普通ならばシュネルギア:Tから乗せて適性を見る筈だが、いきなり専用機とは。 新人は相当、ヴィヴリオに期待されているらしい。 これは腕の見せ所だ。ヴィヴリオからのオーダーに応え、完璧な機体に仕上げなければ。 自分から見て、ヴィヴリオは焦っている。 それが部隊全体に伝わっているようだ。 浮足立つ皆を見て、君は自分だけは冷静であろうと、そう自分に言い聞かせた。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 キミはかつて、幼年学校に通っていた。 だが、その頃の記憶はとても曖昧だ。 幼馴染の少女がいた気もするし、何か大きな事件に巻き込まれた気もする。 母親『いい、PC1。そのことは、誰にも言っちゃ駄目よ。頭がおかしくなった、って言われちゃうからね』 母からは、そのあたりのことは人には言わないよう、かたく言い付けられた。 だからキミも、あの頃については触れないようにしている。 穏やかな、けれど何もない、退屈な毎日。 そんな、ある日のことだ。 黒服の男が、キミの家に訪ねて来た。 黒服の男「PC1くんだね?」 母親「……何の御用でしょうか」 黒服の男「PC1くん。君は、瑞穂基地に軍人として配属されることになった」 母親「……この日が来なければいいと、ずっと思っていたのに。やっぱり、来てしまったのね」 母親は寂しげに「PC1。あなたは預言の子。あなたには、世界を救う使命がある」 母親「行きなさい、PC1。世界を救う為に」 黒服の男「では行こうか、PC1くん」 訳の分からないまま、キミは黒服の男の車に乗り込み、瑞穂基地へと向かう。 ……気分はまるで、ドナドナの子牛の気分だ。 シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの懐旧】 シーン2 シーンプレイヤーはPC4 キミはヴィヴリオに、司令室に呼び出された。 ヴィヴリオ「ギアドライバー候補が、一人配属される。ついては、その者専用のシュネルギアを、早急に仕上げて欲しい」 ヴィヴリオ「ペアを組むのは、クレーリオンと既に決定している」 ヴィヴリオ「詳細な仕様は適性を見てからとなるが、よろしく頼んだぞ」 ヴィヴリオ「……まあ、期待の新人、といったところ、だな」 ヴィヴリオ「……急がねばならんのだ。いずれ第四、第五の喇叭が吹き鳴らされる。それまでに、PC1を使えるようにしなければならん」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 整備工場内のラボ。 キミは完全機械化兵に義務付けられた、定期点検を受けていたところだ。 三郎「定期点検終了、っと……。よし、起きていいぜ、PC3」 キミは中島班長の声で、目を覚ます。 三郎「PC3、お前ェさん、何か悩み事とか無ェか?」 三郎「思考パターンのログに、ノイズが残ってンだ。……まあ、感情を持った完全機械化兵に特有のパターンでな」 三郎「一体の兵器として見れば、その思考は邪魔になる。戦場において、正常な判断ができなくなる可能性があるからな。だが、一人の心を持つ者、として見れば、それは大事にした方がいい。必ず、お前ェさんの力になるからな」 三郎「どうあるべきか、じゃなく、自分がどうありたいか、を考えとけ」 三郎「問題は、色々な意味で、そんな余裕があるかどうか、だけどな……」 シナリオダーザイン【自己からの不安】 シーン4 シーンプレイヤーはPC2 キミはヴィヴリオの執務室に呼び出された。 どうやら誰にも聞かれたくない話らしく、護衛の完全機械化兵すら退室させている。 ヴィヴリオ「PC2。PC1にお前の持つ天使と戦う術を、全て叩き込んでくれ。そして、仕上げとして……PC1の為に、死んでくれるか」 ヴィヴリオ「PC1は預言の子、救世主候補の一人。その覚醒を促す為の生贄として、だ」 ヴィヴリオ「PC1には、強くなってもらわねばならんのだ。世界に平和をもたらす為に」 ヴィヴリオ「……私の仕事は、兵士を効率よく殺すことだ」 ヴィヴリオ「……すまない」(帽子を目深に被る) シナリオダーザイン【自己からの覚悟】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、他PCの登場不可 ヴィヴリオ「私の名はヴィヴリオ。貴様に地獄を見せる者だ」 ヴィヴリオ「貴様には、二人乗りの第三世代型人間戦車、シュネルギアに乗って貰う。これは決定事項であり、拒否権は無い」 ヴィヴリオ「今までの平穏は忘れろ。貴様がこれから身を置くのは戦場だ」 ヴィヴリオ「貴様と地獄を共にするパートナーを紹介する。クレーリオン」 トゥアレタ「はい。トゥアレタ・クレーリオンです。よろしくね、PC1」 ※キミはここで、トゥアレタが幼年学校の頃の幼馴染だと気付いてもよいし、気付かなくてもよい。 トゥアレタ「『はじめまして』……か。そっか」※ES1 トゥアレタ「え、わたしのこと、覚えてるの?そっか……ふふ」※ES2 ヴィヴリオ「……一時間後、共に戦う仲間を紹介した後に、訓練を開始する。荷物を置いたら、もう一度ここに集合するように。クレーリオン、宿舎に案内してやれ」 トゥアレタ「はいっ!」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 司令室で他のPCに自己紹介する。 ヴィヴリオ「お前達に、新しい仲間を紹介する。まずは自己紹介しろ、PC1」 ヴィヴリオ「続いて、お前達も自己紹介だ。PC1、顔と名前はこの場で一致させろ」 ヴィヴリオ「ではこの後すぐ、訓練を開始する。シミュレーター室に、直ちに集合せよ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 訓練。 まずはPC1の適性を見る、ということになった。 PC3を仮想敵として、まずは何がどれだけ出来るかを確認する。 PC4はデータ取り、PC2が監督だ。 トゥアレタ「まずは、動かす事から始めて。シュネルギアは自分が頭で考えた動きを、そのまま反映してくれるから」 ある程度掛け合いが出来たら、以下の描写に移る。 訓練終了後、キミはトゥアレタから分厚いマニュアルを手渡された。 トゥアレタ「これ、シュネルギアの操縦マニュアル。明日までに全部読んできてね」 トゥアレタ「規則は規則です。抗議は受け付けません」※RB1 トゥアレタ「死なない為には、絶対必要なのよ」 トゥアレタ「べ、別にアンタのことが心配なわけじゃないんだからね!」※RB4 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1、他のPCは登場不可 翌朝。キミは色んな疲れから寝坊した。 誰かが、キミの部屋のドアを叩く。 トゥアレタ「起きてる、PC1?」 トゥアレタ「ほら、ちゃんとしなさい!アンタは昔っから、もー」※ES3 ※トゥアレタが幼馴染であることを思い出していない場合、ここで思い出してもよいし、そのまま忘れていてもよい。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、PC1自動登場、他のPCの登場は任意 格納庫。 PC1が乗ることになるシュネルギアの仕上げ作業が、急ピッチで行われている。 整備班長の中島三郎が、キミに声を掛けてきた。 三郎「あとは、各部の微調整すりゃ、完了だ。しかし、随分と急ぎだったなァ。ヴィヴリオ大佐に、特別ボーナスでも貰わなくっちゃ、割りに合わねェぜ。お前ェさんからも、何か言っといてくれよ」 三郎「……PC1ってのは、お前ェさんかい?」 三郎「俺から言えるのは。戦場に出たら、絶対に生きて帰って来い。機体なんざ、幾らブッ壊れたって替えが利く。だが、操縦する奴に、替えは無ェんだ。それだけは、肝に銘じとけ」 会話を終えたらシーンを終了する。 フリーシーンを入れる場合、ここで入れること。 シーン6 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 天使の出現、PC1を除く全員が出撃する ヴィヴリオ「天使のお出ましだ。PC1とクレーリオンは、いつでも出撃出来るように準備しておけ。それ以外の者は、直ちに出撃だ」 ヴィヴリオ「お前達はまず、天使兵との戦いがどういうものか、しっかりとその目に焼き付けておけ」 ヴィヴリオ「……頼んだぞ、PC2」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC2、全員登場。 ただし、PC1は戦闘に参加出来ない。 その為、待ち時間が発生してしまう可能性があるので注意。 天使ゼタルとの戦闘。 天使ゼタル(不死) ゼタル ← 2000m → PC(任意) ゼタル HP100 肉体20 感覚20 理知18 聖霊15 行動値:19 回避はしない 《死の手》 判定値20 技能レベル4 対象:単体 射程:2000m ダメージ+20 《飛行》 《ケルンU》対天使効果×の武器によるダメージを無効化する 《復活》×無限大 《奇跡》×2 《不死》×無限大 《復活》使用後に宣言。【HP】が全回復する。これは災厄として扱う。 ゼタルのHPを一度0にしたら、戦闘を終了し、シーンを進める。 何度倒しても即座に復活する天使兵に、先発部隊が蹂躙されていく。 ヴィヴリオ「……PC2。どうやら、今がその時のようだ」 ※PC1がヴィヴリオに救援を志願すると ヴィヴリオ「駄目だ。未熟な貴様らが出たところで、撃墜されるのがオチだ」 ヴィヴリオ「PC1。これが、天使との戦いだ。天使は全てを蹂躙する。天使のある所、命は全て殺戮され、何も残らない。老若男女、敵も味方もお構い無くだ」 ヴィヴリオ「奴らには、こちらの事情など関係ない。ただ命があるから殺す、それだけだ。いいか、覚えておけ。天使の前には、人の命など紙切れ以下だと」 それでも飛び出そうとするキミに向かって トゥアレタ「この馬鹿っ!命令違反よっ!」※RB3 トゥアレタ「ああもう!どうしてわたしばっかりこんな目に……」※RB2 トゥアレタ「わたし達、ナビゲーターとギアドライバーは一蓮托生。いいから、行くわよ。ただし、帰ったら、お説教だからね。覚悟してなさい」 ヴィヴリオ「(うむ。これでいい。命令通りに動く駒ではなく、心のままに動くことが、お前達の、シュネルギアの力になるのだ)」満足げに頷く。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 天使との戦闘 天使ゼタル(不死) ゼタル ← 2000m → PC(任意) ゼタル HP200 肉体20 感覚20 理知18 聖霊15 行動値:19 回避はしない 《死の手》 判定値20 技能レベル4 対象:単体 射程:2000m ダメージ+20 《飛行》 《ケルンU》対天使効果×の武器によるダメージを無効化する 《復活》×無限大 《疾風怒濤》×2 《奇跡》×2 《神罰》×2 《星を落とす者》×2 マイナー直前に宣言、射程:視界、対象:場面 《時空を砕く者》×2 メジャー直前に宣言、射程:視界、成功数+20 《不死》×無限大 《復活》使用後に宣言。【HP】が全回復する。これは災厄として扱う。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオからシュネルギアの仕上がりを誉められる ヴィヴリオ「お前の調整したシュネルギア、素晴らしい仕上がりだ」 ヴィヴリオ「PC1はこれから、色々な困難や試練に直面するだろう。だが、全て乗り越えてもらわねば、我々に未来はない」 ヴィヴリオ「……ところで、お前は古文書の解読に興味はないか?ちょっと人手が欲しくてな」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 中島三郎と会話 キミは、戦闘後の点検を受けている。 三郎「PC3。PC2の死を、どう感じた」 三郎「正直なとこ、今は人の命は羽毛みてェに軽い。次は、自分の番かも知れねェ。そんな時代だ」 三郎「……必要なら、お前ェさんの記憶をリセットして、忘れることだって出来る。……どうする?」 三郎「すまねェ、余計なお節介だったな」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 PLと相談して描写する。 案としては、ヴィヴリオが墓参りする。 PC2の真新しい墓。 その墓前に、ヴィヴリオが花を手向けている。 ヴィヴリオは軍帽を脱ぎ、墓に一礼する。 ヴィヴリオ「……PC2。お前の死は、決して無駄にはしない」 ヴィヴリオ「……言い訳なら、幾らでも出来る。だが、私がお前を殺した。その事実は、どう取り繕っても、変えようがない」 ヴィヴリオ「……また、忘れられない名前が、増えてしまったな」帽子を目深にかぶり直し、その場を去る。 PC1 トゥアレタと会話 PC2の死を悼みつつ、これから一緒に頑張っていこうと言う キミはトゥアレタと一緒に、PC2の墓参りに来た。 先に誰かが来ていたらしく、真新しい花が飾られ、まだ燃え尽きていない線香が煙を立てている。 トゥアレタ「誰か、来てたみたいね」 トゥアレタ「……PC2さん、いい人だったね。わたし、あの人から、戦場で生き残るにはどうしたらいいか、とか、心構えとか、色々なものを教えてもらったんだ」 トゥアレタ「わたし達にもっと力があったら、PC2さんは、死なずに済んだのかな……ううん、今更、だよね」 トゥアレタ「強く、ならなくちゃ。わたし達の未来を切り開いてくれたPC2さんの分まで、精一杯生きる為に」 メモ O:Omen(前兆、予知、予感)、Oracle(神託、預言)、Omega(最後) 閉塞からの解放、あるいは前兆/神託/終末 トゥアレタのダーザインレベル別台詞 RB1「規則は規則です。抗議は受け付けません」 RB2「ああもう!どうしてわたしばっかりこんな目に……」 RB3「この馬鹿っ!命令違反よっ!」 RB4「べ、別にアンタのことが心配なわけじゃないんだからね!」 ES1「『はじめまして』……か。そっか」 ES2「え、わたしのこと、覚えてるの?そっか……ふふ」 ES3「ほら、ちゃんとしなさい!アンタは昔っから、もー」