今回予告 作り物の愛を囁く、愛することを命じられた完全機械化兵 人形遊びだと嘯く、命令を下した技術者 ひどく歪な関係の二人 作られた感情は本物と言えるのか 例え本人が、何の疑問も抱かないようプログラミングされて、盲目的に従っているのだとしても 真実の愛とは……何か。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『My Fair lady』 キミは、僕の女神だ! PCの立ち位置の概要 ソルジャー:部隊長であり、技師の友人 ギアドライバー:完全機械化兵と技師を見守りたいが、桂はそうは思っていない ホムンクルス:完全機械化兵の同僚 オフィーツィア:かつて技師を騙したスパイを追っている 本シナリオオリジナルのNPC 日向真理夫(ひゅうが・まりお):合衆国の女スパイに騙され、以来女性不信の技師 ティア7−4(ジーベン・フィーア):日向に、自分を愛するようプログラミングされた完全機械化兵 PC1:ソルジャー、性別は男性限定で酒が飲める年齢(統一帝国は16歳から酒が飲める!とか、軍属だから問題なしとか言い張るならばそれはそれでよし) キミは部隊の隊長であり、完全機械化兵の技師である日向真理夫の友人である。 キミは、彼が合衆国の女スパイに騙されたことを知っている。 何しろ、彼に交際中の悩みの相談や、騙されたのが分かった後のぼやきを、もう一人の同僚と共にずっと相談されてきたのだから。 そして目下の悩みは、彼の現在のお気に入りである完全機械化兵、ティア7−4が自分の部下にいる事だ。 友人のお気に入りとあっては、完全機械化兵とは言えどあまり無体な扱いは出来ないし、色々と気を使わなければならない。 ……正直、やり辛い。 シナリオダーザイン【自己からのもどかしさ】 PC2:ギアドライバー/ナビ:桂 ティア7−4は、キミと同じ部隊に所属する完全機械化兵だ。 ことある毎に技師の日向真理夫が好きなことを惚気るティアを、キミは微笑ましく思っている。 だが、キミの相棒である桂は、そうでもないようだ。 相棒の不満を解消するのも、パートナーとして必要な役目だろう。多分。 シナリオダーザイン【遠山桂からの不満】 PC3:ホムンクルス ティア7−4は、キミと同じ部隊に所属する完全機械化兵だ。 キミは、技師の日向真理夫を愛する命令を受けた彼女に、不思議な思いを抱く。 この、心に湧き上がる感情は何だろう。 分からない。 自分は、壊れてしまったのだろうか? シナリオダーザイン【自己からの不安】 ※ティアと同型機である必要はない。 PC4:オフィーツィア キミは統一帝国軍情報部に所属し、治安維持を主な任務とする情報将校だ。 目下追っているのは、合衆国の女スパイ。 技師の日向真理夫を女性不信にした張本人でもある。 彼の為にも、一刻も早く捕らえなければ。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ※PC1〜PC3及びティア7−4、リメッツェ9−11は同じ部隊に所属しています。 また、PC4も有事の際にはこの部隊に合流しますが、情報将校という立場上、普段の交流は薄くなりがちなので、PC4のPLは積極的に他のPCと絡んでいく事を推奨します。 ※本シナリオは、NPCの救済を全く考えておりません。破滅するNPC達とどう接するか、というシチュエーションを遊ぶシナリオとなっています。 オープニングフェイズ シーンプレイヤーはPC1 キミは飲み友達である友人の機械化兵、完全機械化兵の技師である日向真理夫と一緒に飲んでいる。 ある日のこと、友人が日向に対してあることを聞いた。 友人「なあ日向、今、完機の子と付き合ってるってマジ?」 真理夫「付き合ってる?ああ、ある完機に、僕だけを愛するよう命令を施した」 (PCからツッコミがない場合) 友人「いや、それ人としてどうよ……」 真理夫「自分好みの理想の少女に好意を持たれるのは、男なら誰しも夢見る事だろう?」 真理夫「所詮は人形遊びだよ、本気の訳がない」 真理夫「……女は、信用できない」 真理夫「でも、機械は裏切らない。使う側が間違いさえしなければ」 その場はそれ以上追求せず、飲み会はお開きとなった。 だがこれは、悲劇の始まりだった。 シナリオダーザイン【自己からのもどかしさ】 シーンプレイヤーはPC3 キミは、同じ部隊に所属するティア7−4(ジーベン・フィーア)がマスターを変更したと聞き、リメッツェ9−11(ノイン・エルフ)と共にティアの所に向かった。 リメッツェ「ティア7−4、日向技師をマスターとして更新した、と聞きました。何かあったのですか?」 ティア「違います。真理夫さんはマスターではありません。私の恋人です」 ティア「私は、真理夫さんを愛しています。例えそれがそうプログラムされたものであっても、私の心は変わりません。」 ティア「私の全ては、あの人の為にある」 リメッツェ「状況は把握しました。リメッツェには、恋人という概念が理解出来ないので、これ以上の言及は行いません」 リメッツェは分からないとは言うものの、何か思う所はあるようだ。 そして同時に、キミは、心にちくりとトゲが刺さったような感覚に襲われた。 この感情はいったい、なんだろうか。 シナリオダーザイン【自己からの不安】 シーンプレイヤーはPC2 キミは桂から、部隊に所属する完全機械化兵、ティア7−4の話を聞いている。 桂「PC2、聞いた?ティアと日向さんの話」 桂「ティア、日向さんをマスターとして更新されて、日向さんの事好きになるよう、プログラムを書き換えられた、って話だよ」 桂「人の趣味とか性癖をとやかく言っちゃいけないのは分かってるけど、自分のことを好きになるようにプログラミングした子を侍らせるのは、正直どうかと思うなあ」 桂「完全機械化兵を物としてしか扱ってない証左な訳だし、さ」 キミの唯一無二の相棒である遠山桂は、ティアと日向技師の関係性に疑問を感じているようだ。 そういう不満を解消するのも、パートナーであるキミの役目だ。 ……多分。 シナリオダーザイン【遠山桂からの不満】 シーンプレイヤーはPC4 司令室。 キミはヴィヴリオと共に、女スパイの行方について話し合っている。 ヴィヴリオ「PC4。日向真理夫を騙した、合衆国のスパイ。その後の足取りは掴めたか」 ヴィヴリオ「彼には、気の毒だった、としか言いようがないが……」 ヴィヴリオ「あの女の持ち出した情報は、完全機械化兵に関する機密情報ばかりだ。合衆国に接触される前に、確保を急げ」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 回想シーン、場面は日向が騙された直後 キミは機械化兵の友人と一緒に、真理夫のヤケ酒に付き合わされている。 友人「日向、もうその辺にしとけよ。明日二日酔いになるぞ?」 真理夫「これが飲まずにいられるか!……初めて、人を好きになったんだ。運命の相手だ、とさえ思った」 真理夫「だが、実際には僕から情報を聞き出す為に近付いた、合衆国のスパイ。しかも、まんまと逃げられた」 真理夫「……今度会ったら、ただじゃおかない」 (PCに何か言われたら) 真理夫「うるさい、お前らも飲め。今夜はとことん付き合ってもらうからな」 普段ほとんど飲まない彼が、何杯ものジョッキを空にした。 真理夫「……もう、女はこりごりだ」 テーブルに突っ伏す真理夫。 日向「自分を、裏切らないでいてくれる女性……そうだ、完全機械化兵なら……」 その直後、彼は完全機械化兵の一体に、実験と称して自分を愛するようプログラミングした。 PCにそのことをどう思うか聞き、その台詞でシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、PC2自動登場、その他のPCは任意 天使との戦闘から帰還後、キミはティアに呼び止められた。 ティア「PC3、相談があります。もうすぐ真理夫さんの誕生日なのですが、何を贈ればいいでしょうか」 通りすがるPC2と桂。 桂「どしたん、ティア?」 ティア「あなたは……」 桂「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」 ティア「おのれディケイド!……あの、毎回思うんですが。このやりとりって、必要なんでしょうか。真理夫さんにも、これは続けるよう言われてますけれども」 桂「んー、様式美、ってやつだよ。わたしは面白いと思ってるけど?」 ティア「……申し訳ありません、まだ理解が及ばないようです」 桂「それはさておき、わたしも話、聞かせてもらってもいい?」 (かくかくしかじかまるまるうまうま) 桂「なるほど。PC3には、何か案とかある?」 (PC1やPC4が登場していた場合) 桂「PC1/PC4さん、男の人って、何贈られると嬉しいですか?」 (同じ案が誰からも出ていない場合のみ) 桂「ティア、自分にリボン付けて、プレゼントはわたし、とかは?」 ティア「なるほど、名案です。では大きなリボンを調達してこなければ」 ※ツッコミ役不在だと大惨事になります。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 訓練を終えた完全機械化兵達に、タオルと冷たい水を手渡す日向。 真理夫「キミ達も、構造は人間とそんなに変わらないんだから、休息は必要だよ」 一方、人間には。 真理夫「そこにタオルとスポドリあるから、勝手に持って行ってくれ」 扱いが!雑! 例外は、桂だ。 桂「あのー、日向さん、あきらかにわたしだけ、他のみんなと待遇違い過ぎませんか?」 真理夫「君は特別だよ、遠山大尉。君の身体は、元は完機だからね。そりゃ丁寧に扱うさ」 桂「は、はぁ……」 真理夫「正直に言えば、君の身体にどのような変化が生じたのか、隅々まで調べたいところだが……それはPC2くんに怒られたからね。これでも僕は自制しているんだよ?」 桂「アッハイ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 また、ある日のこと。 天使が出現するも撃退し、帰還後に真っ先に日向の元に向かうティア。 ティア「天使を撃退し、帰還しました。真理夫さん褒めてください」 真理夫「よしよし、いい子だ、ティア」 ティアの頭を撫でる。 ティア「えへへ……」 見たことのない笑顔で撫でられるティア。 リメッツェ「今ティア7−4の顔を見て、胸がざわつきました。この感覚は、いったい」 リメッツェ「試しにPC3、リメッツェの頭を撫でてみて下さい」 リメッツェ「……違うようです。ではPC1、お願い出来ますか」 リメッツェ「……!?原因は不明ですが、顔が熱くなりました。同時に体温・心拍数・血圧が急上昇しています」 桂「むむ、これは……PC2、わたしの頭を撫でるが良い」 桂「おおお……これは、良いものだ……」 何だこの空気。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、他PCの登場は任意だが、情報自体は全て共有される 情報収集 日向真理夫 〈情報処理〉 〈噂話〉 〈軍略〉難易度3 完全機械化兵ティア7−4に、自身に好意を持つように刷込みを行って、侍らせている技術者である。 彼は変わり者で、仲間内でも浮いた存在ではある。ただし、技術者としては非常に優秀である。 かつて合衆国の女スパイに騙されたせいで、女性不信になっている。 彼は、命令を忠実に遂行する完全機械化兵ならば、裏切ることは無いと考えた。 だが所詮は人形遊び、本気じゃないと嘯いている……が、本心ではティアの事を愛している。 会話を終えたらシーンを終了する。 このシーンの後、シナリオとして準備されているのは ・PC1と真理夫の共通の友人に話を聞きに行くシーン ・桂が自己矛盾の苦しみを吐露するシーン 以上の2シーンである、とPLに明示する。 それ以外にやりたいシーンがある場合はここで申告してもらう。 特にない/やりたいシーンを演出した後、ミドルフェイズのラスト、スパイが発見されて全員で現場に向かうシーンが発生し、ミドルフェイズが終了する。 (シーン6) シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は任意 機械化兵の友人との会話 いつもの飲み屋で、日向の話をしている。 友人「日向、あいつも可哀想な奴だ。元交際相手……と言っても合衆国のスパイだったんだが、騙されて女性不信になっちまった」 友人「女は情報を盗む為に近付いたんだ。女慣れしてなかったアイツはイチコロよ」 友人「だが女はすぐ正体がバレて、奴の目の前で捕まった。ただ、隙をついて逃げられちまったそうだが」 友人「しかし……アイツがちょっと羨ましくもある」 友人「自分に傅(かしづ)いてくれる子が欲しい。この際機械だろうと何だろうと、可愛ければ何でもいい」 会話を終えたらシーンを終了する。 (シーン7) シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は任意 桂が、自身の抱えている矛盾と苦しみを吐露するシーンです。長いです。 キミは桂と日向の話をしている。 桂「まー……そりゃ女の人のこと、信用出来なくもなるよね……」 桂「うん、事情知らないで、個人的な感想、考えを押し付けるのは良くないね。本人がそれでいいなら、それでいいってことで」 桂「……ところで、さ。完全機械化兵って、難しい存在なんだよね」 桂「戦争の道具として作られながら感情や個性を持つ。さりとて、人として扱うには自我が希薄過ぎる。それに道具であるが故に、人権なんてものはない」 桂「勿論、強い自我や個性を持つ例外はいるけどさ。道具にも人にもなり切れない歪んだ人形、それが完全機械化兵」 桂「更には、元となった人間の記憶に引っ張られたり、または生前の記憶を思い出したりするから、より一層たちが悪い」 桂「……ま、ある意味では、想定しうる最悪のパターンが、わたしという存在な訳だ」 桂「助けてもらった身でこんな事を言うのもなんだけどね。全て思い出した弊害も、あるっちゃあるんだよね」 桂「非常に特殊な例だからさ、色んな陣営に監視されたり、あるいは狙われたり。それに」 桂「……わたしという存在が、セラピアに、自らの犯した罪を否が応でも突き付ける、十字架」 桂「セラピアがね。時々、わたしを悲しそうな目でみてること、あるんだ。セラピアはわたしには気付かれてない、と思ってるみたいだけど」 桂「厳密に言えば、わたしは遠山桂ではない。遠山桂の天使核、脳、そして記憶を持つ、第十世代型完全機械化兵T−X。それが、本当のわたし」 桂「……だから、ね。キミには、このわたしに関する何もかも全部ひっくるめて、わたしという存在を、受け入れて欲しい」 桂「……ごめんね、ティアと日向さんの在り様を見て、ちょっと不安になっちゃったんだ。この想いが、もしプログラムされたものだとしたら、って。また失うのが怖い、って」 桂「……ありがと。分かってても、言葉にして確かめたい時もあるんだよ。いやー、わたしこんな激重女だったっけ」 桂はおどけながら言うが、目があまり笑っていない。 桂「……試すようなこと言って、ごめん」 会話を終えたらシーンを終了する。 ミドルフェイズのラストシーン シーンプレイヤーはPC4、全員登場 スパイが再び瑞穂市街に潜伏している、との情報が入った。 その情報を聞くや否や、真っ先に飛び出すティア。 スパイが従軍司祭であり天使を召喚する可能性を考慮し、PC2も動員された。 キミ達が追い付くと、真理夫とティア、そしてスパイがおり、ティアは片手でスパイを吊り上げている。 真理夫「君からの呼び出しは罠だと分かっていた。でも、僕が来れば、必ず姿を見せるだろうと思ったさ」 スパイ「わたしを騙したのね?」 真理夫「先に騙したのはそっちだろう?」 スパイ「わたしを殺すの?」 真理夫「君は合衆国のスパイで、僕から情報を引き出す為に近付いた。女性に免疫が無かった僕は、コロッと騙されたよ」 スパイ「わたしを助けてくれたら、何だってするわ。そんなお人形さんより…」 真理夫「そう言って、何人も裏切って来たんだろう?分かるとも」 ティア「私と真理夫さんを邪魔する奴は、何者であろうと捻り潰す」 真理夫「ティア」 ティア「はい、真理夫さん」 ティアの締め上げる力が増す。 真理夫「やってくれ」 ティアは頷くと、首を掴んだ手に力を込め、首の骨を折る。 ティア「……真理夫さん」 真理夫「なんだい?」 ティア「あなたを騙した女は死にました。……これで、私を愛してくれますか?」 真理夫「勿論だとも!君は僕の最高傑作、いや、僕の女神だ!」 ティア「ありがとうございます、真理夫さん」 真理夫「……ティア。僕らだけの楽園を作ろう。誰に手出しできない、僕らだけの世界を」 ティア「あなたが望むならば、私はそれに従います。例え、世界を敵に回そうとも」 二人の背中に、天使の羽根が生える。 世界の法則を変える為に、彼らは天使人(ネフィリム)へと変異したのだ。 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ シーン1 黒い天使×2との戦闘となる。 エンドレスサマー掲載の黒い天使のデータを使用するが、【HP】120に変更し、《疾風怒濤》 《復活》をひとつずつ減らし、またホイシュレッケは出現させない。 ティア7−4には《援護防御》を追加し、真理夫を常にカバーリングする。 戦闘終了後 真理夫「……ティア、どこだ?」 目が見えなくなっているようで、手探りでティアを探す真理夫。 ティア「……はい、真理夫さん。ティアは、ここに」 ティアは半壊した身体で腕を伸ばす。 真理夫はティアの差し出した手を握り「君の心を弄んだ僕は、地獄に堕ちるだろう。……着いてきて、くれるかい?」 ティア「勿論です。私の最愛の、あなた」 真理夫は微笑みながら、息を引き取る。 ティア「真理夫さんは渡しません。誰にも」 ティアはヴァルターチューブをオーバーヒートさせ、自らの身体を燃やす。 ティア「……一緒に逝きます。ティアは、いつまでも、あなたのお傍に」 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 ※ヴィヴリオといい仲になっているPCだった場合、私をボク、お前をキミ、に言い換える事。 ヴィヴリオ「……何とも、後味の悪い結末になった」 ヴィヴリオ「彼は人であることをやめる程に、思い詰めていた。だが……心を閉ざし、他人を信用出来なくなった者が、誰かに、ましてや上官に相談出来るとは思えん。ここは軍隊だからな。そんじょそこらのシュバルツ企業よりもシュバルツだ」 ヴィヴリオ「ここは笑う所だぞ」 ヴィヴリオ「時にお前は、愛、とは何だと思う」 ヴィヴリオ「古代グラエキア(ギリシャのことである)では、愛には4つの形がある、と定義されていた。隣人愛であるフィリア、家族愛であるストルゲー、性愛であるエロース、そして真の愛であるアガペー」 ヴィヴリオ「私は、愛とは『特定の誰かの為に、全てを、命すら投げ打つことが出来る』覚悟だ、と考えている。故に、時に愛は人を狂わせ、暴走させる、と」 ヴィヴリオ「……私か?昔の話だ、そんなものは忘れたよ」 あるいは ヴィヴリオ「……とっくの昔に忘れた、と思っていたんだがな。ボクが、それを思い出してしまったのは……キミのせい、だぞ?」 エンディングフェイズ シーン2 シーンプレイヤーはPC3 キミは、同僚であるリメッツェ9−11(ノイン・エルフ)に、ティアの話で相談がある、と持ち掛けられた。 リメッツェ「ティア7−4と日向技師は、心中したと結論づけられました。PC3は、この件についてどう思いますか」 リメッツェ「リメッツェには分かりません。リメッツェには、命令も何もかも、他のこと全てを投げ打ってでも優先したい誰か、という人物がいません」 リメッツェ「……ですが、今のリメッツェには、心が2つあります。理解したい、そのように大切な誰かが欲しい、と考える心と、理解を拒絶し、否定する心と」 リメッツェ「……リメッツェは、どうしたのでしょうか。中島班長に相談すべきでしょうか」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 キミは桂と、今回の事について話している。 桂「これで良かったのかなあ。完全機械化兵と愛し合っちゃいけない、なんて軍法には無いんだから、そのままで良かったとも思うんだけど」 桂「良くも悪くも、二人とも真面目過ぎたのかな」 桂「そもそも、軍法で決まってるなら、わたしとキミがこうやってペアを組んでる事自体、有り得ない話だし。……もうちょっと、ティアの話をちゃんと聞いてあげればよかったかなあ」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 キミは友人とバーで、真理夫のことを話している。 友人「まずは……献杯」 友人「結局のところ、二人は心中を図った。……日向は、女性どころか、ティア以外誰も信じられなくなってたんだろう」 友人「……ある意味では、あの二人がうらやましい。思い残す事なく、愛する者と一緒に死ねたんだから」 友人「俺達兵士は、基本的に死ぬときは一人だ。必ず、誰かや大切な何かを残して死んでいく」 友人「だが、大切なものがあるからこそ、こんな絶望的な戦いの中でも、俺達は戦える」 友人「家族、恋人、親友、故郷……大切なものは人それぞれだ。そこに優劣はない。誰かにとってはがらくたでも、自分にとっては宝物だったり、そのまた逆も然りだ」 友人「……PC1、お前には、守りたいもの、大切なものはあるか?」 友人「俺か?俺は、友と酒を飲み交わす時間が、一番大切なものだと思ってるが?」 備忘録 ピュグマリオン→日向真理夫 ガラテア→ティア7−4→テアがギリシャ語で女神、太陽系小惑星74番の名前がガラテア このシナリオ、2023年の10月末から書き始めたけど、展開が思い付かなくて1年近く寝かせてまして。 最近になって思い付いて追記して、出来上がるのに述べ1年半くらいかかりました。 最近筆が重い。というか、意欲が全く湧かない。 ノリと勢いでシナリオを書いている自分にとって、割と致命的。