前書き 本シナリオは、PC1のことが好きで好きでたまらない、一人の完全機械化兵に振り回されるシナリオです。 彼女は基本的に、人の話を聞きません。 と言うより、恋は盲目、とばかりに、彼女はアドバイスとかを求めてくるくせに、忠告とかを全然聞いてくれません。 そういうヒロインに忌避感がある人は、回れ右するように。 今回予告 恋。 それは人を狂わせ、惑わせ、時に命すら投げ打たせる。 では、『人と同じカタチをしたモノ』が恋をしたとき、いったいどのような反応をし、行動を取るのか。 実験は人知れず開始される。 被験体の名は、第9世代型完全機械化兵の一体、アルル9−0。 彼女はPC1に恋するよう、記憶を睡眠学習にて植え付けられた。 キミは彼女を受け入れるのか否か。 そして、真実を知り、彼女に対してどう接するのか。 ――実に、興味深い。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『戀』-Love me,(Because I love you)- 彼女の運命は、キミに委ねられた。 ハンドアウト PC1:ソルジャー ※性別は、基本的には男性を想定している。 キミは完全機械化兵のアルル9−0に懐かれている……というには、彼女の好意は重い。 毎日のように、キミに好意をぶつけてくる。 さて、どうしたものか。 シナリオダーザイン【アルル9−0からの好意】 ※シナリオ開始時点では、まだOKしていないものとする。 何故って、シナリオの大前提が崩れるからね。仕方ないね。 PC2:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ トゥアレタがアルル9−0の恋の行方を、見守りたいと言う。 誰かを想い、好意を抱いているのを、自分と重ね合わせて、親近感が湧いたらしい。 トゥアレタの想い人も気にはなるが……ひとまずそれは置いといて、自分もアルルの事を見守ろう。 シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの好意】 PC3:ウィザード キミはヴィヴリオから、完全機械化兵アルル9−0の観察を命じられた。 アルル9−0は使用された部品の大半が受肉しており、天使化の危険性を孕む個体である。 だがヴィヴリオは、部品交換を行わずに、ギリギリまで運用するよう命じてきた。 彼女の思惑はいったい。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの有為】 ※ヴィヴリオは兵器開発局の思惑をある程度知っている。 PC4:ギアドライバー/ナビ:桂(T―X) キミの無二の相棒であるT−X……いや、遠山桂と呼ぶべきか。 第10世代型完全機械化兵T−Xとして帰って来た彼女は、紆余曲折を経て『遠山桂』としての記憶を取り戻し、キミの傍らにいる。 その桂が、アルルの様子にあまりいい顔をしない。 どうも桂には、アルルがこの先どうなるか、おおよそ見当がついているようだ。 桂はまだ教えてくれないが、多分ろくでもないことが起きるのだろう。 ならば、何が起きてもいいよう、備えておかなければ。 シナリオダーザイン【遠山桂からの純愛】 ヒロイン アルル9−0(ノイン・ヌル) 感情豊かな完全機械化兵。 PC1が大好きで、何度も告白している。 代償として、パーツの大部分が受肉している。 受肉のせいで、同型機に比べ性能が2〜3割増。 彼女のPC1への好意は、兵器開発局の手で、睡眠学習によって『植え付けられたもの』である。 この事実は、PLは知っているが、PCは知らない、という前提で遊ぶこと。 ※GMへ 悪役が必要なら、兵器開発局の人間を出す。 安久忍(あく・しのぶ):悪人をもじっただけ。何か他にいい案があれば、この名前に固執する必要はありません。 善悪、好悪よりも実験とその結果を優先する、典型的な研究者である。 情報収集のシーン 忍「彼女の存在自体、心、感情というものが、完全機械化兵に対しどのような影響を与えるか、という実験でした」 忍「検証の結果、メリットもデメリットも確認出来ました。おおよそ実験は成功であると言えます」 忍「PC1さん。あなたもあんな可愛い子に慕われて、悪い気分じゃなかったでしょう?」 ミドル最後のシーン 忍「これは計算外でした。申し訳ありませんが、彼女の鎮圧をお願い出来ませんか?」 忍「マスケンヴァル現象をここで起こされて、何もかも吹き飛んでしまっては、元も子もありませんからね」 忍「私を殴って気が済むのでしたら、どうぞ。とは言え、機械化兵に全力で殴られたらミンチになってしまうので、出来ればお手柔らかにお願いします」 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 今日も今日とて、キミのところに完全機械化兵のアルル9−0(ノイン・ヌル)がやって来た。 アルル「PC1さん、恋人作る気ありませんかぁ?今ならお買い得ですよぉ」 彼女は毎日のように告白してくる。 いや比喩ではなく、本当に毎日、懲りもせず。 断られた アルル「仕方ありません、今日の所はこれで引き下がりますけどぉ……私、あきらめませんからねぇ、絶対に」 アルルが去った後、同僚のズィーガーが話し掛けて来る。 ズィーガー「……また来たのか、あの完機」 ズィーガー「……モテる男はツラい、か?」 ズィーガー「……だが、よく知りもせん相手に言い寄られても、自分がどう思うかは別だ」 ズィーガー「……興味がないなら、突き放せ。気を持たせるような態度は、相手を傷付ける」 ズィーガー「……実体験か、だと?……そうかも知れんな」 OKがもらえた アルル「え?え!?OKもらえるって思ってなかったから、心の準備が!?」 アルル「計画を全部練り直さなきゃなんで、今日はその言葉が聞けただけで充分ですぅ!」 アルルは顔を真っ赤にして逃げ出す。《高速戦闘モード》まで使って。 シナリオダーザイン【アルル9−0からの好意】 ※この場合、オープニングが終わった時点で『シナリオ修正しますんで、10分くらい休憩下さい』と言い、しれっとシナリオを恋人ルートに切り替える。 具体的にはミドルフェイズのシーン1とシーン6を、恋人ルートに変更する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 アルルを見守りたいと言うトゥアレタ キミは休憩室で、トゥアレタの話を聞いている。 トゥアレタ「あの完全機械化兵のアルルって子いるじゃない?あの子の恋が実るようよう、応援したいって思うんだ。……おかしいかな?」 トゥアレタ「完全機械化兵って言っても、戦闘力を除けば、わたし達と同じ一人の女の子だって思うから。それに……」 トゥアレタ「何て言うか、誰かに想い焦がれる姿に、親近感が湧いたっていうか……」 トゥアレタ「え、え?わ、わたしの好きな人?い、今は関係ないでしょ!? 」 顔を真っ赤にして否定するトゥアレタ。うーん、いつも通りの反応だ。 でも、トゥアレタの好きな人って誰だろう……。 まあ今はそれはおいといて、自分も一緒にアルルの恋を見守ろう。 シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの好意】 ※『植え付けられた記憶』が、トゥアレタとアルル、2人の共通点である。故にトゥアレタは、アルルに親近感を抱いたのだ。 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオから命令を受ける キミは司令室で、ヴィヴリオから命令を受ける。 ヴィヴリオ「第四小隊に配属されているアルル9−0だが、整備班の中島班長より、受肉部増加を理由としての部品交換を上申されている。それについては現状のまま維持、と中島班長に通達するように」 ヴィヴリオ「当該機は現在実験中だ。人為的に感情を操作した場合、どのような影響を及ぼすか、というな」 ヴィヴリオ「言っておくが、私の発案ではない。兵器開発局の他部署からの依頼だ。故に、一定のデータが得られるまでは現状維持となる」 ヴィヴリオ「無論、天使化の兆候が見られれば、実験は中止だ。なのでお前は、当該機を観察し、報告するように。こちらでも状況を把握しておきたいのでな」 ヴィヴリオ「お前も知っての通り、同じ兵器開発局とは言っても、一枚岩ではない。特に私の部隊ドライクロイツは独立しているからな。……金喰い虫と煙たがられているのも事実だが」 ヴィヴリオ「それに、兵器開発局の真意がどこにあるか、探っておく必要もある。概ね予想はついているが、あくまでも憶測に過ぎん。裏取りは必要だ」 ヴィヴリオ「では、当該機の観察及び、調査を頼む」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 桂との会話 桂が何かを察知したようで、突然おかしなことを言い出した。 桂って、カテゴリーノイエだったっけ? 桂「どうも、感情を持った完全機械化兵の見本です」 桂「ほら、完機は元になった人の記憶や人格とか、引き継ぐことがあるでしょ?まあわたしがいい例だけど」 桂「わたしは特殊なケースだって?まー元人格がはっきり表に出てるからねー」 桂「……さて、あの子がどのパターンなのか。見極める必要があるかもだなあ」 桂「問題はね、最悪のパターン……あの子の恋心が、睡眠学習で植え付けられたものだとしたら?」 桂「兵器開発局って、基本的にロクなことやらないじゃない?」 シナリオダーザイン【遠山桂からの純愛】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2、PC3とPC4の登場は任意 PC1は登場不可だが、途中で少しだけ出てもらう場面がある。ただし一言二言くらいなので、登場アガペーは上げなくてよい。 恋人ルートに入っている場合は、後半にその描写がある。 キミ達が休憩室に入るところに、アルルが話し掛けて来た。 アルル「なかなか振り向いてくれない相手に興味持ってもらう方法、何か知りませんかぁ?」 アルル「もうお付き合いされてるお二人(orPC4が登場しているなら皆さん)なら、何かいいアドバイスもらえないかなぁ、って」 ※まだ付き合ってないと言われた アルル「え?それでまだ付き合ってない?どう見たってカップルじゃないですか」 アルル「……まあ、そういうことにしておきますねぇ」 アルルはケータイ取り出しポパピプペー アルル「PC1さん、デートしてくれま・す・か?」 デートの約束を取り付けた アルル「じゃ、じゃあ、3日後の土曜日で!」 電話を切った後 アルル「ホントにOKもらえちゃいました。ど、どうしましょぉ」 アルル「当たって砕け…るのはイヤなので、とにかく押しの一手ですぅ」 会話を終えたらシーンを終了する。 断られた 電話を切った後 アルル「つれないですねぇ。まあ、そんなところもスキなんですけど」 アルル「私、あきらめませんよぉ。恋する乙女は、あきらめが悪いんです」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2は飛ばし、シーン3へ移行する。 恋人ルート キミ達が休憩室に入るところに、アルルが話し掛けて来た。 アルル「PC1さんともっと仲良くなりたいんですけど、アドバイス、もらえませんかぁ?」 アルル「もうお付き合いされてるお二人(orPC4が登場しているなら皆さん)なら、何か知らないかなぁ、って」 ※まだ付き合ってないと言われた アルル「え?それでまだ付き合ってない?どう見たってカップルじゃないですか」 アルル「……まあ、そういうことにしておきますねぇ」 アルルはケータイ取り出しポパピプペー アルル「PC1さん、デートしてくれま・す・か?」 アルル「じゃ、じゃあ、3日後の土曜日で!」 電話を切った後 アルル「ホントにOKもらえちゃいました。ど、どうしましょぉ」 アルル「当たって砕け…るのはイヤなので、とにかく押しの一手ですぅ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、他PCの登場は任意 PC1とアルルのデートの場面、シーン1で断った場合は省略する そして3日後の土曜日。 今日は快晴、絶好のデート日和だ。 キミはアルルと、瑞穂基地の通用門前で待ち合わせている。 アルル「PC1さん、おはようございます。天気に恵まれて、良かったですねぇ」 アルル「じゃあ、エスコート、よろしくお願いしますぅ」 アルルはキミと手を繋ごうとする。 後はPLと相談して描写すること。 恋人ルートの場合、以下の台詞は省略。 アルル「今日だけでなく、隣に可愛い子がいつもいたら、もっといい気分だと思いませんか?私とか私とか」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC3、他PCの登場は任意 中島班長がPC3に愚痴る 三郎「ったくよぉ、何度上申しても却下って、何考えてやがんだヴィヴリオの奴は」 三郎「いい加減部品交換しねえと、危ねェってのに」 ヴィヴリオの命令であることを明かした 三郎「なら従うが、納得はしてねェぞ?それに何かあった時ゃ、ちゃんと尻拭いはしてくれンだろな?」 明かさない 三郎「予算の都合だか何だか知らねえが、綱渡りされるこっちの身にもなってみろ、ってんだ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4、他PCの登場は任意 桂が注意するよう言ってくる 桂が渋い顔をする。 桂「良くない傾向だね」 桂「完機が感情を持つ事自体は悪いことじゃないと思うけど、それ故に色々な要因で不安定になりやすい。受肉が進んでるなら尚更」 桂「それに経験上、こんな時には必ず厄介事が舞い込んでくる。わたしがいい例でしょ?」 桂「ほら、わたしが天使化したときとか、戻って来てから記憶を取り戻したときとか。……ごめんなさい」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、他PCは登場不可 トゥアレタがPC2に心情を語るシーン キミは休憩室で、トゥアレタの話をまた聞いている。 トゥアレタ「なかなか上手く行かないみたいね、アルル」 トゥアレタ「本人は、恋は障害が多ければ多いほど燃える、って言ってたけど……ちょっと、アルルが羨ましいな」 トゥアレタ「好き、って気持ちは……誰にも、止められないから」 トゥアレタ「わたしもあんな風に振る舞えたら……ううん、何でもない」 恋人ルート キミは休憩室で、トゥアレタの話をまた聞いている。 トゥアレタ「上手く行って良かったね、アルル」 トゥアレタ「ようやく想いが通じた、ってすごい喜んでたよ。……ちょっと、アルルが羨ましいな」 トゥアレタ「好き、って気持ちは……止められない。自分でも」 トゥアレタ「わたしもあんな風に振る舞えたら……ううん、何でもない」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 アルルがPC1に答えを迫るシーン 恋人ルートの場合はPC1の気持ちを確認するシーンとなり、後半に描写がある アルル「PC1さぁん、いい加減、私の気持ち受け止め下さいよー。こんな超絶美少女が言い寄ってるのに、無反応はあんまりじゃないですかー?」 受け入れる場合 アルル「やっと観念してくれたんですね?……良かったぁ」 へなへなと座り込むアルル。 アルル「叶わないんじゃないか、って、ずっと思い詰めてたんですよ?PC1さんの意地悪……もっと早く言ってくださいよぉ」 アルル「想いが通じるなんて、まるで夢みたいです。夢、じゃないですよねぇ……?」 アルル「いつからかは、分かりません。でも、気付いたら、PC1さんのこと、目で追ってて。それが『好き』って感情だってわかるまで、ちょっと時間かかっちゃいましたけどぉ」 恋人ルートの描写にそのまま移行する。 受け入れない場合 アルル「私、あきらめませんからねぇ?PC1さんが振り向いてくれるまで、何度でも」 恋人ルートの場合 アルル「PC1さん、私のどんなところを気に入ってくれたんですかぁ?」 アルル「そう面と向かって言われると、こそばゆいですねぇ……」 逆に、PC1に自分のどこがいいかを聞かれたとき アルル「私?私ですかぁ?私が好きなところは……あ、あれ?ちょっと待って下さいねぇ、メモリーに不具合が……?」 何故かアルルは、すぐに言えない。 アルル「え、えーと……優しいところとか、カッコいいとことか。お、女の子にそういう質問するのは、タブーですよぉ」 ※この描写をした場合、情報収集にて情報が追加となる。 アルル「おかしいですねぇ、PC1さんのことが大好きなのに、好きなところがすぐ出て来ないなんて……ちょっと検査受けた方が、いいですかねぇ……」 アルル「私、もっとあなたに愛してもらえるよう、頑張りますねぇ。あなたの愛が、私を強くするんですから」 桂「存在証明(ダーザイン)、かあ……」 トゥアレタ「桂先輩、何ですか、それ?」 桂「誰かと絆を結び、絆から愛は生まれ、愛は力となって、キミを強くする。それが存在証明(ダーザイン)」 桂「人は、自分一人では成立しない。誰かがいて、その誰かと絆を結ぶことによって、初めて人は確固たる自分を証明できる。絆自体はポジティブ・ネガティブどちらでもいいけど、傍観者、観測者じゃダメなんだ」 アルル「ちょっと何言ってるか、分かりませんねぇ……」 桂「じゃあ、わたしを例にしようか」 桂「わたしは、自分のことを遠山桂だと思っている。でも、それは自分だけじゃ証明できない。言い張ってるだけの偽者かも知れない」 桂「でも、キミが、みんなが、わたしを遠山桂だって言って、証明してくれる。だからわたしは、遠山桂だ、って胸を張って言えるんだ」 トゥアレタは桂の話を、とても神妙な顔で聞いている。 ※トゥアレタにとって、PC2の記憶の中にいる『本物のトゥアレタ』が、自分を唯一証明してくれるものだからだ。 桂「え、セラピアみたいなこと言ってるって?あはは、元パートナーだからねえ。似ちゃったのかもね」 アルル「なるほど、他者の存在が、自分を証明する……じゃあ、PC1さん、わたしの存在をもっと確かなものにする為に、もっともっと、私を愛して下さいねぇ(はーと)」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 情報収集 〈情報処理〉〈軍略〉難易度5 彼女は、感情豊かに振る舞うよう、行動パターンを睡眠学習で刷り込まれた個体である。 受肉部分が多いのは意図したものではない。 だが、性能が非常に高くなっている為、観察対象としてそのままにされている。 PC1への感情も同様、『誰かへの好意を抱いている』という刷り込みを施されている。 相手がPC1なのは、兵器開発局が無作為に選んだ『好意を向ける対象』がPC1だっただけである。 名前は喜劇のキャラクターであるアルルカン(共和国語:※フランス語)、9(ク)−0(ラウン:※ゼロを丸に見立て、ラウンドと読んだ)の語呂合わせである。 下記の情報は、シーン6でアルルがPC1に自分のどこがいいかを聞かれたとき、追加される。追加の判定は不要。 好きなところがすぐ出て来なかった理由は、受肉によるメモリーの不調などではない。 そもそも「好きなところ」の情報自体を、持っていないからである。 ……何もかもが作り物の道化。 それが、兵器開発局の認識である。 トゥアレタ「ひどい、あんまりだよ……」 桂「ホンット、兵器開発局はロクなことしないなぁ!」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC3、他PCの登場不可 ヴィヴリオに報告するシーン ヴィヴリオ「兵器開発局の連中は効率を求める。いかに少ない労力で、最大の成果を得られるか」 ヴィヴリオ「だが、好意……恋愛感情に対し、効率を求めるのは悪手ではないだろうか。恋愛感情とは、少しずつ育んでいくものだろう。いや、一目惚れ、というケースもあるから、一概には言えんか……」 ヴィヴリオ「好きの反対は嫌いというが、私は『興味が無い』だと思っている。『嫌い』が実は好きの裏返しだったり、または相手に執着している点が共通している、とも」 ヴィヴリオ「……まあ、自分には最早関係ない、遠い過去の話だ。それに今更、誰に好意を寄せられたところで……いや、そもそもこんな私に言い寄る物好きなど、いる筈がない」 ヴィヴリオ「……すまん、ただの愚痴だ。忘れろ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン9 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 アルルが真実を知り、天使化する キミ達が調べたことは、すぐにアルルも知る所となった。 アルル「……道化もいいところです。この心は、自分だけのものだと思ってた」 アルル「でも、そう思うようにプログラムされてただけ、全部嘘っぱちの、薄っぺらな感情」 恋人ルート アルル「知ってて、同情のつもりだったんですか?それとも、私のこと、面白がってただけ?」 告白を受け入れていない アルル「だから、この気持ちは届かないし、叶う筈もない。ぜーんぶ偽物だから」 絶句して何も言えないトゥアレタ。 頭を抱える桂。 アルル「……だったら!私のこと絶対忘れないよう、消えない疵を残してやる!」 彼女の受肉が更に進み、背中から翼が生える。 もし彼女を救いたいのならば、戦闘終了後、アルルへの感情をポジティブなものに書き換えた上で、〈エーテル〉による難易度99の判定に成功する必要がある。 書き換える前に昇華した場合、ダーザインの書き換えが不可能になる為、条件を満たせなくなるので注意。 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ データはエンドレスサマー掲載の黒い天使か、暴走したシュネルギアのデータを使用する。 アルルを助けた アルル「本当にいいんですか?私、重たいですよ?精神的にも物理的にも」 アルル「依存、しちゃいますよ?」 アルル「じゃあ……後悔しないで下さいね、ま・す・た・あ(はーと)」 アルル「え?私のこと受け入れてくれるんだから、私のマスターになるのは当然ですよぉ?」 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 桂との会話 桂「当たって欲しくない予想って、大概当たるんだよね。いや、起こるべくして起きた結果かな、これは」 受け入れた 桂「めでたしめでたし、で終わったからいいようなものの、ホント兵器開発局はロクなことしないなあ」 死亡した 桂「この結果を得て、上はどんな方針を取るのやら。まあ、我々末端には、与り知らぬことだけど」 桂「上の思い付きで振り回されるのは、いつだって現場だからね。ホント勘弁して欲しい」 桂「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ、ってね」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオとの会話 ヴィヴリオ「完全機械化兵に感情を人為的に与えた結果について、非常に興味深いデータが取れた事には満足している」 ヴィヴリオ「時に古代ローマで、テーバイ神聖隊という、番いになった兵士達で結成された部隊が存在した。恋人を守る為、あるいはいい所を見せる為に必死で戦った、という」 ヴィヴリオ「だが、実用性及び効率については甚だ疑問が残る。ギアドライバーとナビゲーターは、ある意味そうだが」 ヴィヴリオ「それにだ。誰かによって仕組まれた恋愛感情を見るのは、あまり気分が良くない。私の個人的な感情に過ぎんし、そもそもどの口が言えたものか」 ※ノルトラントのアンゲルスハイムの事を思い出すからである。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 トゥアレタ「多分、わたしは……あの子を、自分と重ねて見てたんだと思う」 トゥアレタ「記憶は自分を自分たらしめるもの、でもそれが、借り物だったり、偽物だったとしたら……自分は、どこにあるのかな」 『トゥアレタの真実』を知っている トゥアレタ「あなたがわたしを、トゥアレタ・クレーリオンとして見てくれる。だからわたしは、トゥアレタとしていられる」 トゥアレタ「お願いだから、目を離さないでね。あなたがいなかったら、わたし……」 『トゥアレタの真実』を知らない トゥアレタ「ねえ、PC2。もしも、もしもだよ。わたしが、わたしじゃなかったら……あなたは、どうする?」 トゥアレタ「お願いだから、目を離さないでね。あなたがいなかったら、わたし……」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 @受け入れてアルル生存 A受け入れてアルル死亡 B受け入れずアルル死亡 ※受け入れず生存ルートは、そもそも福音の発生条件から外れるので存在しない @アルルとの会話 アルルから話しかけられる アルル「PC1さん。ここまでは、全部兵器開発局のお膳立てでした。でもここからは、何も学習していない、全然知らないセカイです」 アルル「だから……教えてくださいね。他の誰でもない、あなたの手で」 アルル「言っときますけど、逃がしませんからねぇ?例え火の中水の中、地の果てまででも、追い掛けます。あなたが地獄に落ちるというなら、地獄にだって喜んで行きますよぉ」 Aズィーガーとの会話 休憩室で、ズィーガーが話し掛けて来た。 ズィーガー「……最近、ずっと付いて回っていた完機はどうした?」 ズィーガー「……そうか」 ズィーガー「……今夜、飲らないか」 ズィーガー「……俺達の命は、羽毛のように軽い。明日は、どうなっているか分からない。……なら、憂いや後悔は、さっさと酒で流すに限る」 Bズィーガーとの会話 休憩室で、ズィーガーが話し掛けて来た。 ズィーガー「……後悔しているのか?もう少し優しくしておけば良かった、と」 ズィーガー「……だが、後悔先に立たず、覆水盆に返らず、と昔から言うからな」 ズィーガー「……好意と言っても、相手の事を考えていなければ、ただの押し付けだ」 ズィーガー「……確かに疵は残したかも知れないが、それだけだ。仲間が一人死んだ、その事実だけだ」 ズィーガー「……冷めたい、と思うか?俺達は、独りよがりの自己満足に付き合ってられる程、お人好しでも暇でもない」