今回予告 禁断の果実を手にした原初の男女、アダムとエヴァ エヴァをそそのかした蛇、サマエル これらは神の怒りに触れし者達 出典:聖書『創世記』 リリスはアダムの最初の伴侶となる筈だった 出典:中世の文献『ベン・シラのアルファベット』 リリスはサマエルの妻である 出典:カバラ文献『左方の流出について』 アバドン討滅後の帝都にて、PC2と伊音に救出された、神園朱巳、城戸百合花の二人。 二人は何と、高濃度エーテル渦巻く帝都内で、1ヶ月半近く生存していたというのだ。 城戸百合花は、PC1の幼馴染だった。 6年ぶりの再会に心を躍らせる、百合花。 百合花に親近感を覚える、トゥアレタとセラピア。 そして、言いようのない不安を覚える凍。 彼女はまだ、その感情が何であるかを、知らない。 一方、陰陽師と名乗った、神園朱巳。 彼らの話が真実なら、朱巳は当代最高の陰陽師である、草薙紫音以上の実力の持ち主の筈だ。 だが伊音は、朱巳の名を全く聞いたことがない、と言う。 果たして、朱巳の正体、そして真の目的とは。 愛は、時を越える。 想いよ、届け。……今度こそ。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Just Like Paradise』 あなただけを見てた。生まれる前から、ずっと。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:凍(性別は男性限定) キミには城戸百合花という、同い年のオニの幼馴染の少女がいた。 だが6年前、彼女の家が転勤で引っ越した為に、離ればなれになってしまった。 キミは彼女が引っ越す直前に、結婚の約束をしている。 勿論、子供同士の口約束だ。 彼女が今でも覚えているかどうかなんて分からない。 だが、縁日で買って、婚約指輪として交換した、おもちゃの指輪。 それは今でも、キミの手元にある。 シナリオダーザイン【城戸百合花からの慕情】 ※キミは原初の人間アダムの転生体であり、救世主、そして新世紀のアダムとなることを運命づけられた者である。 PC2:ギアドライバー/ナビ:伊音 キミ達は、アバドン討滅後の帝都周辺の哨戒任務中に、神園朱巳、城戸百合花という二人を保護した。 曰く、帝都の中で辛うじて生き延びていた、と。 二人は、帝都内の状況を知っている生き証人だ。丁重に扱わないと。 だが、彼らは、あの高濃度エーテルの中で、1ヶ月半近く生存していたことになる。 本当に信用して、良いのだろうか……? シナリオダーザイン【草薙伊音からの懸念】 PC3:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ 帝都周辺で保護された、城戸百合花。 彼女はPC1の幼馴染だそうで、6年ぶりの再会に喜んでいるという。 トゥアレタも同じく、キミとは幼馴染だったから、百合花に親近感を覚えるそうだ。 ……現在のトゥアレタは、本物からクローニングされた存在であり、正確には本人ではない。 だがキミにとって、今傍にいるトゥアレタがホンモノなのだ。 もう彼女の手を離さないと、キミは決めたのだから。 シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの幸福感】 PC4:ギアドライバー/ナビ:セラピア 地上に下りた純血の天使、そして大天使ガブリエルであることをキミに明かしたセラピア。 そのセラピアが、保護された城戸百合花に、不思議と親近感を覚えると言う。 百合花とセラピア、共通点を全く見い出せないのだが、キミも百合花に同じような親近感を覚えた。 何故だろう……。 シナリオダーザイン【セラピア・パルマコンからの甘え】 城戸百合花(きど・ゆりか) PC1の幼馴染。 神園朱巳(かみぞの・あけみ) 帝都で百合花を保護していた陰陽師。 本シナリオは、アダムを中心として、リリス、エヴァ、そしてサマエルの関係を描いたシナリオである。 シナリオ内の時期は、8月16日〜8月20日の間、アバドン撃破後から48時間攻防戦発生までである。 また、各ナビゲーターの持つ秘密について、伊音、トゥアレタは該当するイベントが既に発生済みで、且つ全て知った上で、彼女達を受け入れた、というスタンスになる。 凍、セラピアについては、本シナリオ内にて開示される。 開示されるのは、凍はミドルフェイズの情報集シーン、セラピアはオープニングフェイズとなる。 本シナリオに福音フェイズは存在しないが、誰かがオフィーツィアを兼任すると色々と楽になる。 推奨はPC3かPC4である。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 あれは確か、6年前のことだ。 キミには、城戸百合花という、隣家に住む仲の良い、同い年の幼馴染がいた。 百合花「ねえ、PC1ちゃん。わたし今度、引っ越すことになっちゃった……」 百合花「わたし、PC1ちゃんと離れたくない!!」 キミは百合花の両親に、彼女の思い出作りとして、彼女と一緒にお祭りに連れて行ってもらった。 縁日の屋台のおもちゃ屋をずっと見て、何か考えている百合花。 百合花「そうだ、コンヤクすればいいんだ!」 今から思えば、子供の拙い思い付きだ。 百合花「ねえ、二人で指輪買って、交換しよ。コンニャクユビワ?って言うんだって!」 百合花「えへへ……」 勿論、子供同士の口約束だ。 彼女が今でも覚えているかどうか、なんて分からない。 百合花「ねえ、引っ越しても、わたしのこと、忘れないでね?他のオンナによそ見しちゃ、ヤだよ?」 そう言えば、ませた子だったなあ。 ……これは、夢だった。 思えば、久しぶりに見た。 百合花は元気だろうか。 縁日で買って、婚約指輪として交換した、おもちゃの指輪。 それは今でも、キミの手元にある。 そんなキミの元に、ニュースが届く。 『帝都で、神園朱巳、城戸百合花という生存者2名が救出された』 幼馴染との再会。 それは今のキミに、何をもたらすのか。 シナリオダーザイン【城戸百合花からの慕情】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 神園朱巳、城戸百合花の二人を保護する キミ達は、激闘の末、遂にアバドンを討ち滅ぼした。 八門結界の再構築は、帝都の浄化が完了する一週間後だ。 キミ達が哨戒飛行をしていると、生体反応が2つ発見される。 伊音「人間?いやまさか……だが、ここからでは確認出来ん。地上に下りるぞ」 キミ達が地上に下りると、一組の男女が近寄って来た。念の為、拳銃をすぐ撃てるようにしつつ。 朱巳「帝都をずっと覆っていた雲が急に晴れたので、外に出て来たんです。そうしたら、怪物の姿もなくて」 百合花「もしかして、わたし達、助かるんですか!?あっ……」 少女が立ち眩みを起こし、倒れそうになる。 朱巳「城戸さん、大丈夫ですか!?……無理もない、怪物に見つからないように、ずっと隠れていましたから。緊張の糸が切れたんでしょう。……その、僕達を保護していただけないでしょうか。この通り、僕はまだしも、彼女は限界です」 ホルテンに彼らを収容し、余力のありそうな朱巳に話を聞くことにした。 朱巳「その、今日は何日ですか?ずっと隠れていたし、携帯も時計も壊れてしまって、全く分からないんです」 朱巳「8月16日?そんな、僕達は一ヶ月半も帝都の中に閉じ込められていたんですか?」 伊音「……詳しい話は、少し休んでからにしましょう。ただ、瑞穂基地にお連れすることになるが、そこは了承していただきたい」 朱巳「ええ、勿論です。助けていただけるのですから、文句なんてそんな」 キミ達は一路、瑞穂基地に向かった。 そして基地に着いて聞き取りを行った結果、城戸百合花がPC1の幼馴染であることが判明した。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの懸念】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 PC1と百合花が幼馴染と知り、トゥアレタが自分語りする トゥアレタ「ねえPC3、聞いた?あの保護された百合花さんって、PC1の幼馴染なんだって」 トゥアレタ「わたし達も一応、幼馴染な訳だから……何か親近感、感じちゃうな」 トゥアレタ「……まあ、わたしは本物のトゥアレタを記憶を転写したクローンだから、本当の幼馴染じゃないかも知れないけど……」 トゥアレタ「でも、あなたはわたしを、トゥアレタ・クレーリオンとして受け入れてくれた。だからわたしは、わたしで、トゥアレタ・クレーリオンとしていられる。……すごく、感謝してるんだよ」 トゥアレタ「でも、PC1には凍がいるからね……。百合花さんがPC1と結ばれるには、ハードル高い気がするよね……」 シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの幸福感】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 セラピアとの会話 セラピアが正体を開示する セラピア「ねえ、PC4ちゃん。キミにずっと、隠してたことがあるんだ」 セラピア「ボクのママちゃんは緑の聖母エクリシア。……パパちゃんは、法王ラルフ・マスケンヴァル。そして……純血の天使の血を引く者。地上に下りた大天使ガブリエル」 セラピア「だからボクは、ずっと正体を隠してた。でも、もう黙ってる訳にも、行かないな、って」 セラピア「パパちゃんが、ボクに帰って来い、って手紙寄越したんだ。ヒドいよね、ずっと放っておいたくせに」 セラピア「でも、ボクは合衆国なんて行くつもりはないよ。ボクの居場所は、PC4ちゃんの隣、って決めたから」 セラピア「……だけどね、心配なんだ。キミは……ボクを、受け入れてくれる?それが今のボクにとって最大の問題だから」 セラピア「ありがと、PC4ちゃん。……ところで、話は変わるんだけど」 セラピア「あの、帝都から救出された百合花ちゃん、って子の事なんだけどね。何だかあの子、不思議と親近感があるんだよね。面識なんて、全然無いのに」 セラピア「ボクと百合花ちゃん、共通点どこにあるんだろ……」 シナリオダーザイン【セラピア・パルマコンからの甘え】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は任意 キミ達は保護された二人に、詳しい話を聞きに来た。 最初に遭遇したキミ達の方が、彼らも安心して事情を話せるだろう、というヴィヴリオからの命令だ。 百合花「帝都の中ですか……?人も動物も、みんな塩になっちゃって……お父さんもお母さんも……ぐすっ……」 百合花「ミサイルが落ちてきた時、たまたま建物の中にいて、わたしと神園さんは助かったんです」 百合花「でも、まだ外にいたお父さんとお母さんは、目の前で塩の塊になっちゃった……」 百合花「生きてる人が他に誰かいないか探したけど、誰もいなくて……。でも、大きな怪物はいっぱいいるし……」 百合花「わたしどんくさいから、神園さんがいなかったら多分、怪物に食べられちゃってたと思います」 百合花「でも、ここに来たら、PC1ちゃんにもう一度会えた。それだけは、嬉しい……」 朱巳「帝都で彼女と生存者を探していたんですが……見つけられませんでした」 朱巳「ええ、僕も陰陽師の端くれですから。常に結界を張って、エーテル被曝を受けないよう、それに天使に見つからないよう、隠形の術を常に使って、行動していました。かなり骨が折れましたけどね」 朱巳「食料などについては……まあ、スーパーマーケットの保存食や缶詰を少し頂きました。流石に非常時だし、誰もいないので……」 部屋を出た伊音が、キミに話しかける。 伊音「あの二人には、エーテル被曝を受けた形跡がほとんど見受けられなかったそうだ」 伊音「だが、計測されていた帝都内の高濃度エーテルでは、結界を張っても無事でいられるとは考えにくい」 伊音「我々の場合、当世最高の陰陽師である妹の紫音が全力で結界を張り、更には霊的防御を通常よりも数段強化したシュネルギアに乗っていてすら、天使化の危険性があったのだぞ?」 伊音「それが、あの中で一ヶ月半も生存していた、というのだ。紫音に匹敵する、いや、それ以上か……」 伊音「だが……神園朱巳、という術者は、私は聞いたことがないんだ。あれだけの実力を持っていながら、無名とは信じがたい」 伊音「私は立場上、ヤシマの有力な陰陽師の名前を、ほとんど知っているからな」 伊音「それもあって、基地で保護しているのだがな。だが注意しろ。あの二人、只者ではない」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 百合花との交流 百合花とトゥアレタが意気投合する 百合花のメンタルの安定の為、同じ年頃であるナビゲーター達と交流を図ることとなった。 (男子が少ない場合)女子ばっかりで、ちょっと居心地が悪い。 百合花「えーと……いいんですか?わたし、お邪魔しちゃって」 伊音「遠慮などしなくて良い。折角の茶が冷めてしまうぞ」 百合花「はい、それじゃ、失礼しますね。あ、そうだ、PC2さん、伊音さん」 伊音「どうした?」 百合花「その、助けて下さって、ありがとうございました」 伊音「大したことではない。あのような所で助けを求める者がいたら、誰だってそうするだろう。なあ、PC2」 百合花「それでも、ありがとうございます」 セラピア「ケーキとかクッキーとかチョコレートとか、色々揃えたからどうぞなんだよ〜♪」 凍「……(既にむしゃむしゃ食べている)」 セラピア「凍ちゃん、早いよ……」 凍「……食べられるときに、食べる。無くなったら、悲しい」 セラピア「そりゃまあ、そうだけど……百合花ちゃんも食べなよ。美味しいよ?」 百合花「はい、お言葉に甘えて、いただきます」 トゥアレタ「百合花さん、PC1の幼馴染なんですって?」 百合花「うん、6年前にわたしが引っ越しちゃってそれ以来だから、会えたのがすごく嬉しくて」 トゥアレタ「わたしも、PC3とは幼馴染なの。ね、PC3」 百合花「何だかわたし達、気が合いますね♪」 その後も、百合花はトゥアレタとよく話した。 お茶会を終えて セラピア「うーん……百合花ちゃんと話したけど、やっぱり何だか懐かしいような、そうでないような、不思議な感じがする……」 トゥアレタ「そうなの?わたしは、百合花さんすごくいい子だなーって思ったけど」 セラピア「まあ、そうなんだけど……何だろうねえ、PC4ちゃん」 会話を終えたらシーンを終了する。 ※この後、PC1のみのシーンが2シーン連続し、且つ、百合花と凍が告白しに来るシーンになることを、全員に伝えておくこと。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 百合花が夜、キミの部屋を訪ねて来た。 百合花「えへへ……来ちゃった」 百合花「みんなの前で言うの、恥ずかしかったから……」 百合花「ねえ、PC1ちゃん。約束……覚えてる?」 そう言うと百合花は、ポケットから箱を取り出した。 百合花「わたしはずっと、大事にしてた。君がくれた、思い出だから」 百合花はキミに口づけして「もう、わたし大人だよ。ケッコンするには、まだ歳が足りないけど……」 百合花の瞳が、妖しく輝いた気がした。 ここで《凍り付いた心》を宣言する。 シナリオダーザインの【城戸百合花からの慕情】を指定し、オープンアップ条件を満たすまで昇華及びダーザインの書き換えが出来なくなる。 PC1が受け入れた 百合花「ありがと、嬉しい……!ようやく、ようやく願いが叶った!PC1ちゃんと、一緒にいられる日を、ずっと夢見てた!」 百合花「カミサマにだって、この恋は邪魔させないんだから!」 PC1が拒んだ 百合花「どうして……?約束、覚えててくれたんだよね?じゃあ、なんで……?」 百合花「あの頃にはもう、戻れないの……?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 翌日の夜。 今度は、凍がキミの部屋を訪ねて来た。 凍「……PC1」 凍「……あなたと、百合花を見ていると……胸が、痛い」 凍「……百合花の事……何も、知らない。なのに……何故か、恐い。……とられ、そうで」 凍「……もう……いらない?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、他のPCの登場は任意 情報収集 ・八坂凍について ・城戸百合花について ・神園朱巳について×2 ・アダムとリリスの関係について 以上の5つが情報項目である。追加の情報項目は発生しない。 八坂凍について 〈軍略〉難易度5 大天使メタトロンがPC1の情報を元に、天使の肉体を用いて作り出した、人間の複製である。 言い換えると、PC1という新世紀のアダムより、メタトロンが肋骨ではなく天使の肉体を使って作り出した、新世紀のエヴァである。 6年前にヤシマ軍部(後の八坂機関)に拾われ、実験材料として扱われていたが、異常な反応速度を示した為、兵器としての教育を施され、今に至る。 PC1と再会し、共に戦うことで、自我や感情が芽生え始めた。 自我や感情が芽生えると肉体の崩壊が加速するが、維馬篭にとってそれは不本意な為、PC1が現れるまでは、定期的に調整という名の記憶操作を施されていた。 PC1が現れた後は調整を受けておらず、肉体の崩壊は加速度的に進んでいる。 彼女の限界がいつ訪れるのかは、まだ分からない。 城戸百合花について 〈エーテル〉難易度5 城戸百合花の正体は、アダムの最初の妻リリスの転生体である。 その為、帝都の高濃度エーテルの影響を受けなかった。 リリスは神によってアダムと引き裂かれた後も、彼のことが忘れられず、『もしも生まれ変われたら、今度はアダムと添い遂げたい』と願った。 その願いが叶い、彼女は人間として、PC1の幼馴染として転生した。 ※これは《妬む神》の効果である。 今世の彼女は、リリスとして覚醒していない。 だが、《凍り付いた心》は、意識の奥底に眠るリリスの力によるものであり、『PC1(アダム)への愛』故である。 神園朱巳について 〈情報処理〉難易度1、〈エーテル〉難易度5の情報がそれぞれ別個に存在する。 〈情報処理〉による情報 神園朱巳という陰陽師の登録は、ヤシマ陸軍、統一帝国には存在しない。 それどころか、彼の戸籍も存在しない。 〈エーテル〉による情報 神園朱巳の正体は、大天使サマエルである。 その為、帝都の高濃度エーテルの影響を受けなかった。 サマエルは『神の毒』『神の悪意』の意味を持ち、赤い蛇とも呼ばれる。 サマエルはリリスの夫であり、転生したリリスを再び自分の妻として迎え入れる為、地上に下りた。 アダムとリリスの関係について 〈事情通〉難易度3 リリスはアダムと対等であることを望み、神はそれを認めず、二人を引き離した。 傷心のリリスをサマエルは妻として迎えたが、リリスはずっと、アダムのことを忘れられずにいた。 ※これは本シナリオにおけるリリスの設定であり、実際の聖書等に沿ったものではない。 百合花、そして朱巳をどうするかの相談を終えたら、シーンを終了する。 ただしPC1は、凍と百合花、どちらを選ぶのかをちゃんと決めてもらうこと。 ※どちらも選べない、両方とも、と言うかも知れないが、それはそれで。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 キミ達は、百合花と朱巳を呼び出した。 ※一人ずつ呼び出す、という場合はシーンを分け、且つ百合花のシーンを先に演出すること。 百合花に話しかけた場合 百合花「ひとりぼっちになっちゃったわたしには、PC1ちゃん、もうあなたしかいないの!」 百合花「あの時も、今度も、どうしてカミサマは、あなたを奪うの!?」 百合花「わたしはずっと昔から、あなただけを愛してるのに!!」 百合花「どうして……わたしじゃ、ダメなの……?わたしはやっぱり、あの子の引き立て役でしかないの……?」 膝から崩れ落ちる百合花。 朱巳「僕がサマエルだと知って、君達はどうするんだい?天使だから殺すのか?」 百合花との会話を聞いていた朱巳 朱巳「……気に入らないな」 朱巳「僕は、彼女を幸せにすると誓ったのに。彼女はずっと、君のことが忘れられなかったんだ」 朱巳「それでも。僕は、彼女を愛していた。例え、僕の方を見ていなくとも」 朱巳「……君さえいなければ、彼女は今度こそ、僕のものに出来る」 朱巳「だから……死んでもらうよ。君が新世紀のアダムとして、覚醒する前に」 会話を終えたらシーンを終了する。 エモーションに入ったらオープンアップを宣言する。 百合花のダーザインも含めて、特に条件はない。 その為、《凍り付いた心》によって固定された【城戸百合花からの慕情】も、昇華及び書き換えが可能になる。 クライマックスフェイズ シーン1 配置 サマエル・ホイシュレッケ:シルト ← 500m → ホイシュレッケ:ギフト×5 ← 500m → PC 大天使サマエル HP400 肉体30 感覚20 理知15 聖霊20 階級0 行動値:17 回避はしない  《ヴェノムストライク》 全てを腐敗させる毒液を撒き散らす。 判定値25 技能レベル5 射程:1000m ダメージ+20 《範囲攻撃》 マイナーで宣言 《BS攻撃:侵食6》 常時 《神の毒》 常時、エンゲージした対象に侵蝕3を与える。 エンゲージしている間は、この侵蝕の解除は不可能である。また、これは一度エンゲージを離れて回復した後、再度エンゲージしても発動する。 これは災厄とみなす。 《ケルンV》対天使効果なし、及び60点以下のダメージ無効 《飛行》 《疾風怒濤》×2 《奇蹟》×5 《神罰》×2 《復活》×1 《再生V》 クリンナップに【HP】を60点回復する 《星を落とす者》×1 マイナー直前に宣言、射程:視界、対象:場面 《時空を砕く者》×1 メジャー直前に宣言、射程:視界、成功数+20 《黒き業炎》×1 《妬む神》×1 リリスが人間、そしてPC1の幼馴染として転生する為に使用済み 《凍り付いた心》×1 百合花がダーザインを固定する為に使用済み サマエルを撃破した サマエル「リリス……愛して、いる……」 百合花は無意識に『……ありがとう、サマエル……』 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 セラピアと会話 不思議な親近感の正体について、セラピアが話す セラピア「百合花ちゃん……ううん、リリスちゃんに、ボクが親近感を感じてた理由、なんだけどね」 セラピア「ボクの正体が大天使ガブリエルだ、ってことは、前に話した通り。それで、ガブリエルとリリスの共通点なんだけど、両者とも、象徴が百合の花なんだ」 セラピア「同じ花を象徴に持つ、ってことで、ボクたちは色々結び付けられて語られることが多かった。だからなんだと思うんだよ」 セラピア「まあ、リリスちゃんとは、直接の面識はないんだけどね。縁とは不思議なもの、ってとこかな」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 トゥアレタと会話 トゥアレタ「離ればなれになってた幼馴染、か……」 トゥアレタ「あなたと6年間、離ればなれになってた間……色々あったけど。それでも、わたしは、あなたともう一度こうやって再会出来て、傍にいることが出来る。こんなに、嬉しいこと、ないんだね」 トゥアレタ「……幼馴染と再会出来て、そして気持ちが通じ合えたのって、キセキなんだね」 トゥアレタ「その……わたし達って、そういう関係、だよね……?そう思ってたの、わたしだけ……?」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 伊音と会話 愛とは何か、を話し合う 伊音「リリスとサマエル。形はどうあれ、サマエルはリリスを愛していた。生まれ変わっても尚、彼女を求める程に。……彼女が、自分を見てくれていなかった、と分かっていても」 伊音「PC2。突然だが、お前は愛とは何だと思う」 伊音「そうか。時に、古代グラエキア(ラテン語でギリシャ)では、4つの愛があったという。友愛(フィリア)、家族愛(ストルゲー)、男女の愛(エロス)、そして無償の愛(アガペー)」 伊音「また、愛と憎しみは表裏一体でもあり、執着すらもまた愛の一つ。 愛が人を救うこともあれば、時に人を狂わせることもある」 伊音「……何故なら、わたしが正にそうだったからだ。自分の命が惜しい故に兄様を殺したくせに、紫音を失うのが恐くて、お前を八門結界の人柱にすべく、命を狙ったのだから」 伊音「それなのに私は、お前を好いてしまった。我ながら、支離滅裂だと思うが……ううむ、何だか恥ずかしくなってきた。この辺で止めておこう」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 凍か百合花と会話 凍ルート キミの部屋。 キミと凍は、二人並んで、ソファーに腰掛けている。 凍「……わたしで……良かったの……?」 凍「……いっしょ」 百合花ルート キミの部屋。 キミと百合花は二人並んで、ソファーに腰掛けている。 百合花が、キミの肩にもたれかかる。 百合花「大好きだよ、PC1ちゃん」 百合花「……今度こそ、ずっと一緒だよ。離さないからね?」 百合花「知ってる、PC1ちゃん?女は嫉妬で蛇になるんだよ。生成(なまなり)から般若、そして真蛇(しんじゃ)へ。わたしオニの女の子だから、鬼女って意味じゃ洒落になってないからね。わたしを蛇にしないでね?」 二人とも キミの部屋。 キミは、百合花と凍に挟まれて、三人でソファーに座っている。 本来二人掛けのソファーなので狭い。 そして両側からいい匂いがする……。 百合花はPC1の肩にもたれかかり「今はこれで、許してあげる。でも、いつかちゃんと、選んでね?」 凍も負けじとPC1の逆の肩にもたれかかり「……だめ。PC1は、私の」 百合花「えー、わたしに譲ってよー。わたし、前世から、PC1ちゃんを愛してるのに」 凍「……それは、同じ」 百合花(リリス)と凍(エヴァ)に挟まれた、キミ(アダム)の明日はどっちだ。 あとがき どうみてもこのシナリオ、メガテンっすなあ。だが俺は反省しない。 城戸百合花は、ギリシャ語で毒蛇がエキドナ(意味は蝮の女)から城戸、リリスの象徴の花が百合なので百合花、というネーミングです。 神園朱巳は、神園=エデン、サマエルが赤い蛇と言われることから朱巳。 二人とも妹に命名してもらいました。 そして、シナリオタイトルに使っていなかった最後のアルファベット、Jが遂に登場しました。 東条慈英が最後に使うのがJってエモくない?というのも妹の言。 シナリオタイトルを決めたのも妹です。 めっちゃキレッキレで、天才か? また、裏テーマは蛇です。 リリスもサマエルに蛇が関連しますし、『女は嫉妬で蛇になる』とも言いますので。これも妹に教えて貰いました。 実は妹には、今回に限らずネタ出しを手伝って頂いております() 設定など PC1は運命の子であり、そして新世紀のアダムとなるべき存在である。 また百合花は、アダムの最初の妻、リリスの転生体である。 神園朱巳はサマエルが人間の姿を取ったものである。 リリスは引き裂かれた後もアダムのことが忘れられず、『もしも生まれ変われたら、今度こそアダムと添い遂げたい』と願った。 サマエルとしては、それが面白くない。 ※リリスはサマエルの妻、という説がある また、リリスとガブリエルには、両者とも象徴となる花が百合の花である、という共通点がある。 トゥアレタとは、『6年前に離ればなれになり、再会した幼馴染』という共通点がある。