今回予告 時に1999年9月。 天使との戦いが無関係な世界。 人々は平和な日常を謳歌していた。 なのに、キミ達は微かな違和感を覚えた。 でもそれから目を背けてはいけない、そんな気がする。 時に1999年8月末。 48時間攻防戦に始まり、騎士級天使兵との戦闘。 そこで幾人もの仲間を犠牲にし、辛うじて掴んだ勝利。 だがヤシマ政府は、八門結界の規模を縮小し強度を上げ、帝都に撤退して鎖国することを決めた。 それは同時に、天使大戦の敗北を意味していた。 幾つもの並行世界の可能性。 有り得たミライ。 救世主であるキミは、大いなる選択を迫られる。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『JEWELRY ANGEL』 この世界を刻む時間(とき)が 明日終わりを告げても きっとキミを探し出すよ ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:八坂凍 ある日キミは、街ですれ違った少女、八坂凍に恋をした。 人混みの中、彼女の笑顔だけが胸に焼き付いている。 彼女のことが、知りたい。 シナリオダーザイン【八坂凍からの運命の人】 PC2:オフィーツィア キミはヴィヴリオからの信頼も厚い指揮官だ。 戦況は最悪の状況へと向かっている。 48時間攻防戦。騎士級天使兵の襲来。 何人もの頼れる仲間、部下を失ってきた。 それでも、ここで立ち止まる訳には行かない。 最後の最後まで合衆国に立ち向かう、最早そうするしか、道はないのだから。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC3:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ キミはPC1のクラスメートだ。 親友のPC1、成瀬カールと3バカトリオで、平和な日々を謳歌している。 そしてキミは、クラス委員長のトゥアレタと、みんな、親友の二人にすら内緒で付き合っている。 ああ、なんて素晴らしい日々だろう! シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの好意】 PC4:ソルジャー キミはシュネルギア部隊の護衛を務める機械化兵だ。 戦況は最悪の状況へと向かっている。 このまま行けばドライクロイツ、いや、ヤシマは滅亡するだろう。 だが逃げる訳には行かない。 最後の一瞬まで子供達、いや、無力な人々を守る事、それがキミの使命なのだから。 シナリオダーザイン【自己からの覚悟】 本シナリオのエンディングは、平和な日常と、天使大戦を最初からやり直す、いずれかの選択制である。 本シナリオは、1999年の9月の平和な日常パート、8月末(29〜を想定)の終末パートとを行ったり来たりする。 シーンが切り替わるとパート変更される為、注意すること。 またシナリオの都合上、PC2とPC4は日常パートに登場出来ない。 シーン5にて、PC1とPC3は真実を思い出す。 これは回避出来ず、またそれより前のシーンで思い出すことは出来ない。 またシーン6にて、PC2とPC4は演出上、一度死亡する。 これは死亡ゲージを埋める必要はなく、シーン7以降は通常通りシーンに登場出来る。 本シナリオは福音フェイズの代わりに、《エヴァU》を使用するフェイズがある。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 成瀬カールと一緒に出掛け、八坂凍に一目惚れするシーン カールが話し終わったらシーンを終了する 1999年9月の、ある日のことだ。 キミは親友の成瀬カールと街に出掛け、人混みの中、一人の少女とすれ違った。 彼女と一瞬だけ目が逢ったその瞬間、キミの身体に電撃が走った。 すぐに振り返ったが、彼女の姿は既に雑踏の中に消えていた。 カール「ん、どうしたよ、相棒?」 カール「ほう!気になる女の子がいた、と!とうとうお前にもそういう子が出来たか!父ちゃん嬉しくて涙が出てくらぁ!」 カール「冗談はさておいて……どんな子だったんだ?情報通の俺に、ちょっと教えてみ?」 カール「あー、そりゃ八坂さんだろうな、2−Dの」 カール「ただ、八坂さんって結構人気あるぞ?」 カール「だからって、告白する前から諦めるか?諦めたらそこで試合終了だぜ?」 八坂凍。 彼女の笑顔だけが、胸に焼き付いている。 シナリオダーザイン【八坂凍からの運命の人】 シーン2 ヴィヴリオとの会話 ヴィヴリオが弱音を吐いたらシーンを終了する 1999年8月末。 キミはヴィヴリオと共に戦況を確認していた。 ヴィヴリオ「騎士級天使兵の全てを、打ち倒すことは出来た。しかし、その為に支払った代償は余りにも多い」 ヴィヴリオ「まず48時間攻防戦でのアクシアを皮切りに、騎士級天使兵戦で凍、ツバサ、リュンマ、ズィーガーを失った」 ヴィヴリオ「PC1だけでも助かった……いや、凍が文字通り、命を懸けて救ったのだ」 ヴィヴリオ「救世主である筈のPC1は、その片翼を失った。ここから立て直すのは……無理だ」 ヴィヴリオ「このまま黙示録の記述通りに進めば……ヤシマは敗北し、世界は滅亡する」 ヴィヴリオ「なあ、PC2……私はどこで、選択を間違えたのだろうか」 ヴィヴリオ「……弱音を吐いている場合ではなかったな。すまない……」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 トゥアレタとのデートのシーン トゥアレタにあーんされたらシーンを終了する 1999年9月のある日のこと。 キミは恋人のトゥアレタ・クレーリオンと、隣街でデートしていた。 クラス委員長が不純異性交遊をしている、なんて、みんなに知られたら示しがつかない、とのことだが、単にトゥアレタ本人が恥ずかしいからである。 トゥアレタ「ねえ、PC3。この服、どうかな……」 トゥアレタは、白い清楚な感じのワンピースを持って来た。 トゥアレタ「まだ暑さが続くから、春秋兼用で着られる服がいいかな、って。寒ければ、さっき買ったカーディガン、上に羽織ろうかな」 今日はトゥアレタの服を買いに来ているのだが、都度都度キミに確認を取ってくるので、買い物があまり進まない。 トゥアレタ「もうお昼だね。おなか空かない?」 キミ達は喫茶店にやって来た。 ランチのパスタセットを頼んだ後、トゥアレタがメニューのデザートの頁に釘付けになっている。 トゥアレタ「どうしよう……デザート、食べたいけど、太っちゃうし……」 声に出てるし。 トゥアレタ「ハッ……い、今のは聞けなかったことにして!」 トゥアレタ「……ねえ。デザート。半分こ、しない?」 トゥアレタ「は、はい、あーん。……ちょっと、わたしだって恥ずかしいんだから、早く食べてよね」 半分こ、とは確かに言った。 だが、あーんされるとは聞いていないぞ? 平和な日々。可愛い彼女。 ああ、なんて素晴らしい日々だろう! シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの好意】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 中島三郎と会話 三郎に子供達のことを託されたらシーンを終了する 1999年8月末。 キミ達はほぼ廃墟となった格納庫で、機体の整備を行っている。 中島班長はこれが終わったら避難することになっている。 三郎「悪りぃな、仕事を途中で放り投げて」 三郎「これだけブッ壊されたら、瑞穂基地も破棄だしなあ……。明日から無職だぜ」 三郎「そうだ、コイツの設計図を渡しとく。何かの役に立つかも知れねぇ」 三郎「今出来るだけのことはやった。とは言え、まともに動くシュネルギアはPC1とPC3の機体だけ。あとは、乗り手と共に失われちまったからなァ……」 三郎「俺みてぇな老いぼれが生き残って、若けぇ連中が先におっ死(ち)んじまった。戦争だ、つっても、なぁ……」 三郎「PC4さんよ……ガキどもの事、頼んます」 三郎「あいつらの成長を見届けられねェのは……心残りだなァ……」 シナリオダーザイン【自己からの覚悟】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3、PC1自動登場、PC2とPC4は登場不可 教室でのいつもの風景を描写するシーン 頭痛がしたらシーンを終了する 9月のある日の、教室。 キミ達がいつものように一緒に騒いでいると、これまたいつもようにトゥアレタがやって来た。 トゥアレタ「全く、何やってるのよ、3バカトリオ」 カール「俺はともかく、PC3もかよ?」 トゥアレタ「いっつも一緒につるんでるんだから、そうに決まってるでしょ。もう先生来るから、自分の席に着いて」 教師「さー、授業始めるぞー。今日は世界大戦についてだ」 教師「ヤシマと統一帝国は合衆国と戦ったが、痛み分け、という形で休戦協定が結ばれ、そして今に至る、っていうのは、みんな知っているな」 教師「ただ、あくまでも休戦中で、いつまた戦争が起こるか分からない。だからヤシマは、八門結界という結界をヤシマ全土に張った」 教師「だからヤシマは、何があっても大丈夫なんだ」 キーンコーンカーンコーン…… 教師「お、もう授業終わりか。今日やったところはテストに出すから、しっかり覚えておくんだぞー」 カール「ふぇ……あ、やべ」 カール「PC1、PC3。お前ら今日のとこノート取った?」 (誰もノートを取っていないと言った場合) カール「神様仏様委員長様!今日の分のノート、写させて!」 トゥアレタ「PC3、あなたもなの?全くもう……仕方ないなあ」 そう言ってノートを貸してくれる。 トゥアレタ「PC3、ちょっと放課後いい?個人的にお説教したいことがあるの」 カール「やべやべ、今の内に退散しようぜ、PC1」 PC1はここで退場となるので、何か一言貰っておく。 PC1とカールの退場後 トゥアレタ「……ねえ、PC3。変な事、聞いていい?」 トゥアレタ「合衆国とは休戦中、って先生言ってたけど……そうだったっけ?」 軽く頭痛がする。 トゥアレタ「なんだか、違和感があって。ごめんね、変な事言って。疲れてるのかな……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 司令室でヴィヴリオと会話 ヴィヴリオが命令を下したらシーンを終了する 8月末、瑞穂基地司令室。 敗戦の色濃い状況下で、司令室の人員もまばらになった。 疲れた顔のヴィヴリオが口を開く。 ヴィヴリオ「お前達に、伝えねばならん事がある」 ヴィヴリオ「戦況としては最悪に近いのは、お前達も知る通りだ」 ヴィヴリオがキミ達を見回す。 本来ならそこにいる筈の者達が、何人も欠けていた。 ヴィヴリオはため息をつきながら「そして、政府は八門結界を関東のみに範囲を縮小し強度を上げ、帝都に撤退して鎖国することを決めた」 ヴィヴリオ「我々は、撤退の後詰めを行うこととなった」 ヴィヴリオ「……言ってしまえば、我々に捨て駒になれ、ということだ」 ヴィヴリオ「PC2、PC4。地獄まで私と付き合ってくれるか」 ヴィヴリオ「PC1、PC3、トゥアレタ。お前達までそれに付き合う必要はない」 ヴィヴリオ「お前達は避難民と共に避難しろ。これはお前達に下す、最後の命令だ」 自分も出撃する、と言った ヴィヴリオ「そうか……なら、お前達にも、地獄まで付き合ってもらうぞ」 避難するのを了承した ヴィヴリオ「それで良い。……お前達、すまなかった。このような戦いに巻き込んでしまって」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、PC3の登場は任意、PC2とPC4の登場不可 凍との邂逅シーン、シーン1から時間は連続している 凍への告白?が成功したらシーンを終了する 9月のある日の下校時間。 下駄箱に、一目惚れした少女、八坂凍がいる。 キミは意を決し、凍に声を掛けた。 凍は目を見張る。 目にじわじわと涙が浮かぶ。 そして、キミに抱き着く。 凍「……また、逢えた……!」 凍「……覚えて……ない……?」 頭痛がする。 凍「……覚えてないなら……いい」 凍「……また……いっしょ」 よく分からないが、これは、上手く行った、と思っていいのだろうか? 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4、PC2自動登場、PC1とPC3の登場は任意 撤退戦のシーン ヴィヴリオが死守命令を下したらシーンを終了する 撤退戦。 一体一体が熾天使級であるレギオンに対し、どれだけ時間が稼げるか。 そして戦力差的には、一方的に蹂躙されるのをどれだけ持ち堪えるかの消耗戦である。 兵士「左翼、アペルギア隊、全滅しました!」 兵士「右翼、フライングユニット隊、総崩れです!」 通信で入ってくるのは、劣勢を知らせる悲鳴と怒号だけ。 ヴィヴリオ「……止むを得ん。この場所を破棄し、撤退する」 ヴィヴリオ「だが、避難民には天使兵を一匹たりとも近付けるな。我々の使命は何だ!避難民を守ることだ、違うか!その為ならば、命を投げ打て!」 (PC1とPC3が登場している) ヴィヴリオ「PC1、PC3。弾薬が尽きたら、機体を捨てて脱出し、避難民の列に加われ」 ヴィヴリオ「地獄に付き合え、とは言った。だが、我々と一緒に心中する必要はない」 (PC1とPC3が登場していない) ヴィヴリオ「こんな時、シュネルギアがあれば、どれ程心強いか……」 ヴィヴリオ「いや、無い物ねだりをしても始まらん。PC2、PC4。まだ死ぬなよ。お前達には、やってもらわねばならん事がまだまだある」 じりじりと後退するドライクロイツ。 最終目的地である、八門結界の境界目前まで辿り着いた頃には、部隊には十数人程度しか残っていなかった。 ヴィヴリオ「我が部隊も、少なくなったものだ」 ヴィヴリオ「避難民の避難完了まで、あと3時間だ。その間、ここを死守する」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC1、PC3自動登場、PC2とPC4は登場不可 カールと2−Dの教室を見に行くシーン トゥアレタの話が終わったらシーンを終了する 9月のある日、カールが首を傾げて言い出した。 カール「なあ……何か違和感あるんだよな。瑞穂中に2−Dなんてクラス、あったっけ?」 カール「確認しないと、何か気持ち悪くてさ。ちょっと、確認してみようぜ」 2−Dの教室のドアを開けると、教室の隅に机と椅子が片付けられたまま、埃をかぶっている。 使われていた形跡は、全くない。 カール「何だよ、これ……この教室、使われてないぞ……?」 キミ達を、激しい頭痛が襲う。 カール「な、なあ……俺達、さあ……何か、騙されてね?」 トゥアレタ「ちょっと3人とも、何してるの!?」 トゥアレタ「……見ちゃったのね。お願いだから、ここで見たことは忘れて」 トゥアレタ「そう……もう、ダメみたいだね」 トゥアレタ「目を覚まして、いいよ。……カール君、付き合ってくれて、ありがとう」 カール「気にしないでいいぜ。大好きなダチの為だ、お安い御用だぜ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC2、PC4自動登場、PC1とPC3は登場不可 ドライクロイツの最後。 PC2とPC4に、華々しく散ってもらうシーンである 両名が散華したらシーンを終了する 1999年8月30日。 避難民の最後列から少し離れたところ、八門結界の直前に、キミ達はいる。 (PC1とPC3が機体を破棄し、避難民の列に加わったのを見届けた後) ヴィヴリオ「我々はここで、避難民が完全に結界の中まで移動する時間を稼ぐ。……恐らく、これが顔を合わせる最後になるだろう」 ヴィヴリオ「二人とも。最後まで付き合ってくれて、ありがとう」 ヴィヴリオ「私に言いたい事はごまんとあるだろう。それでも、ここまで従ってくれたことに、感謝しているよ」 ヴィヴリオ「我々の命に代えても、避難民たちは守る。行くぞ、お前達!」 最後に残った、いやスクラップからかき集めて修復した戦闘機やフライングユニット、アペルギアで、キミ達は迫り来る天使へと立ち向かう。 そして。 ヴィヴリオから通信が入る。 ヴィヴリオ「ザザッ……生きているか、お前達」 ヴィヴリオ「私は、もう駄目だ。脱出装置も動かん。……私は、特攻する」 ヴィヴリオ「さらばだ諸君。私は先に逝く。……地獄で、また会おう。通信、終わり!」 ヴィヴリオの乗ったアペルギアが、天使の群れへと突っ込んでいく。 爆発。白光。爆風。 天使達が薙ぎ払われ、エーテルの粒子へと還元されていく。 マスケンヴァル現象だ。 その後にPC2とPC4に散華する場面を描写してもらう。 描写を終えたら下記の描写を読み上げ、シーンを終了する。 『1999年8月30日、正午。今、この瞬間を以て、ドライクロイツは全滅した。』 シーン7 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 謎の空間で、凍・トゥアレタと会話 PC達が機体に乗り込んだらシーンを終了する キミ達が目を開けると、星空の中のような空間にいた。 凍「……ここは、人間の意識の奥底にある普遍的無意識、またの名をシェオール」 凍「……人の魂は死してここに集い、最後の審判が下される日を待つ」 凍「……周囲の星は皆、人々の魂が放つ光」 ※普遍的無意識=シェオールは本シナリオのみの話である。勿論公式設定ではなく、二つの用語にそのような関連性はない。 トゥアレタ「PC1とPC3がいた世界は、いくつもの並行世界の可能性、有り得たミライ」 トゥアレタ「私は凍……ううん、メタトロンに頼まれて、あなた達にその世界を見せた。ちょっと失敗しちゃったけどね」 (トゥアレタは何者なのか聞かれた) トゥアレタ「……私は、ミカエル。メタトロンとは……元を辿れば、同じペルシャ起源の東方神であるミトラ神を起源とする天使。だから兄弟みたいなもの。サンダルフォンとは、また違うけどね」 凍「……今なら、世界をリセット出来る」 凍「……方法は……PC1が、私の力を、使うこと」 ※《エヴァU》を使用することである。 トゥアレタ「あーもう、凍、ちゃんと説明しなさいよ。まだ、神とラルフの契約は成されていない。だから、今、この瞬間がチャンスなの」 トゥアレタ「ここで世界は枝分かれする。やり直す世界。平和な世界。勿論滅びる世界だってある。だけど、滅びる世界と心中はしたくない。わたし達が生きた意味も、戦った意味も、何もかも、全部、無に帰っちゃうから」 トゥアレタ「具体的には……平和な世界で生きる(奇数シーンでPC1・PC3のいた世界、不具合は勿論修正される)か、それとも、天使大戦勃発からやり直す世界(強くてニューゲーム)か、のどっちかを選ぶことが出来るの」 凍もこくりと頷き「……どんなセカイでもいい。私は……PC1と、一緒が……いい」 トゥアレタ「最終決定権を持つのは、PC1、救世主であるあなた。でも、あなたの一存では、決められないかも知れない。みんなと相談して、その上で答えを出して」 場合によっては、ここで一度休憩を取ること。 尚、全員の意見が一致しなくても良い。 その場合は、誰が平和な世界に行き、誰がやり直す世界に行くか確認すること。 尚その世界に行かなかったPCは、NPCとして存在することになる。 PC達が方針を決めたら、以下の描写に移る。 だが、普遍的無意識に響く、大音声。 カマエル「我が名は大天使カマエル、神の正義の下に力を行使する者」 カマエル「人は滅びを選んだ。その癖に滅びの運命を受け入れぬとは、何たる不遜。神に背く者に天罰を」 カマエル「神を裏切りしメタトロンの分け身、そしてミカエルよ。汝らを断罪する」 凍「……PC1、乗って」 トゥアレタ「PC3、早く!」 いつの間にか、目の前にはキミ達が乗っていた機体があった。 全員が機体に乗り込んだら下記の描写を読み上げ、シーンを終了する。 カマエル「おお、神に従わぬ愚かな者達よ。汝らに滅びを」 クライマックスフェイズ シーン1 カマエルとの戦闘 戦闘後に《エヴァU》を使用する必要がある為、一つは必ず温存するようPLに伝える事。 カマエル ← 500m → パワー:ストライク×5 ← 500m → PC カマエル HP400 【肉体】20 【感覚】20 【理知】20 【聖霊】20 行動値:20 回避はしない 《断罪の剣》 判定値20 技能レベル5 対象:単体 射程:1000m ダメージ+25 この攻撃は白兵攻撃であり射撃攻撃であるとし、突き返しは射程内であればどちらでも可能。 《飛行》 《ケルンV》対天使効果×のダメージ無効、60点以下のダメージ無効化 《疾風怒濤》×2 《奇跡》×5 《神罰》×2 《復活》×2 《星を落とす者》×2 マイナー直前に宣言、射程:視界、対象:場面 《時空を砕く者》×2 メジャー直前に宣言、射程:視界、成功数+20 《虚空の城塞》×1 『普遍的無意識』を作る為に使用済み 《世界最後の日》×1 災厄の分の経験点は6点とする。 戦闘終了後、世界を選択する。 《エヴァU》を使用し、平和な世界へと移動するか、天使大戦勃発(7/4)からやり直す世界か、どちらかを選択する。 流石にこのまま滅びを迎えるエンディングを望むPLはいないとは思うが、それをPL全員が望んだ場合、あるいは《エヴァU》を使用しない(出来ない)場合、下記の描写を読み上げること。 『1999年8月31日。  ラルフは神との契約を成し、全人類の滅亡を以て、世界を作り変えた。  ラルフが何を望んだかは、神のみぞ知る。』 そのまま経験点の発行へと移ること。 エンディングフェイズ 平和な世界に移った この世界にシュネルギアは存在しない。従って、PC1とPC3は軍属ですらない。 またPCと凍、トゥアレタだけは、前の世界のことを覚えている。 シーン1 シーンプレイヤーはPC4 格納庫で中島班長と会話 1999年7月4日、格納庫。 キミは、中島班長がキミの機体の整備を終えるのを待っている。 三郎「うっし、整備終わったぜ。この機体もガタが来てっから、そろそろ乗り換えた方がいいな」 三郎「ところでよ、突然だが、俺ぁ作ってみてぇモンがあるんだ」 三郎「戦闘機みてぇに空を駆ける、人型のロボットだ。ロマンに溢れてると思わねぇかい?」 三郎「まあ、そんなモン作ったところで、何と戦うんだ、って話だわなァ。あれか、月から攻めてきたラストバタリオンとかか?」 三郎「でも流石にそんなモン来たら、各国で力を合わせて立ち向かう……のかねえ。そういう非常時ですら足を引っ張り合うってのが、悲しいかな人間の業だしなあ」 その時、お昼を知らせるサイレンが鳴り響く。 三郎「さぁって、飯だ飯。PC4さんよ、飯食い行こうぜ」 天使の襲撃に身構える必要のない日々。 これが、自分達が求めてやまなかった、平和な日々だ。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 トゥアレタとの会話 1999年7月4日、今日は日曜日。 キミは恋人のトゥアレタ・クレーリオンと、隣街でデートしていた。 クラス委員長が不純異性交遊をしている、なんて、みんなに知られたら示しがつかない、とのことだが、単にトゥアレタ本人が恥ずかしいからである。 トゥアレタ「ねえ、PC3。この服、どうかな……」 トゥアレタは、白い清楚な感じのワンピースを持って来た。 トゥアレタ「まだ暑さが続くから、春秋兼用で着られる服がいいかな、って。寒ければ、さっき買ったカーディガン、上に羽織ろうかな」 今日はトゥアレタの服を買いに来ているのだが、都度都度キミに確認を取ってくるので、買い物があまり進まない。 ※ここまでは、オープニングの繰り返しである。 トゥアレタ「……ねぇ、PC3。平和って、いいね」 トゥアレタ「心をすり減らす戦いもない、急な呼び出しで休みがつぶれることもない。ちゃんと、年相応のことが出来る、っていいね」 トゥアレタ「わたしも、トゥアレタの記憶を転写された紛い物じゃなく、ホンモノとして、存在してる」 そう、彼女がクローンだった事実すら、この世界には無い。 トゥアレタ「ねえ、これから何処行く?あなたと一緒なら、どこでもいいけど」 悲しい過去にさよならを。 新しいミライに、こんにちは。 ここからキミ達は、始まるのだ。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオとの会話 1999年7月4日、司令室。 そろそろ午前の仕事も終わりが近い。 ヴィヴリオ「PC2。コーヒーを淹れたのだが、一緒にどうだ」 キミの上司であるヴィヴリオが、コーヒーを勧めてくれた。 ※代用コーヒーではなく、ちゃんとコーヒー豆を使っている本物のコーヒーである。 ヴィヴリオはコーヒーを一口飲んでから「今日も、ヤシマは平和だな」 ヴィヴリオ「世界大戦終結から50年以上が過ぎ、各国の境界線争いで多少の小競り合いはあれど、世界も概ね平和と言える」 ヴィヴリオ「先達が守ってきたこの平和を守り続けていくことが、我々の使命であり任務だ。そうとは思わんか?」 その時、お昼を知らせるサイレンが鳴り響く。 ヴィヴリオ「さて、お昼だ。そうだ、たまには一緒に食事でもどうだ?ランチが美味い店を教えてもらったんだ」 いつも張り詰めていたヴィヴリオの表情も、ここでは穏やかだ。 上司の表情で平和を実感するのもおかしな話かもしれないが、ああ、平和っていいなあ。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 1999年7月4日。 キミは親友の成瀬カールと街に出掛け、人混みの中、一人の少女とすれ違った。 彼女と目が逢ったその瞬間、キミの身体に電撃が走った。 それは、凍も同じだった。 凍「……PC1!」 凍「……ずっと、逢いたかった……」 キミを抱き締める凍。 カールは目の前で繰り広げる超展開について来れていない。 カール「え?え?2−Dの八坂さん?え?お前ら、いつの間に?って言うか、どうなってんの?」 カールは少しだけ考えた後 カール「なあ、PC1。今日は俺帰るからさ、後は二人でデートしなよ。……ただし、明日色々聞かせてはもらうからな?」 凍はカールの後ろ姿にぺこりと頭を下げつつ 凍「……PC1。やっと、逢えた」 凍「……話したい事、沢山」 凍「……そうじゃない」 凍は首を振り、一度頷いて 凍「…………………すき」 そう言ってもう一度、キミに抱き着く。 夏が来る。 凍が一緒の、初めての夏。 今年の夏は、暑くなりそうだ。 世界をやり直した PCと凍、トゥアレタだけは、この世界がやり直されたことを知っている。 シーン1 シーンプレイヤーはPC4 格納庫で中島班長と会話 1999年7月7日、格納庫。 キミは、中島班長がキミの機体の整備を終えるのを待っている。 三郎「うっし、整備終わったぜ。しっかしよぅ、いきなり設計図持って来て改造してくれ、って言い出したときは、何言ってんのか分かんなかったけどよ、こいつは凄げぇな」 三郎「ここだけの話……未来の俺が改造したってのは、信じるしか無ぇわ。ありゃ、俺の書いた図面だ」 三郎「流石は俺だぜ。ま、たまにゃ自惚れてもいいだろ」 三郎「んでまあ、こいつなら天使共と対等にやり合える。流石にシュネルギアの出力にゃ負けるが、その辺はお前ェさんの知恵と勇気と経験値で、補ってくれ」 三郎「俺達には、天使と戦う力は無ぇ。だから、お前ェさんらに全てを託す。……頼んだぜ。ガキ共を、守ってやってくれ」 そうとも。 今度こそは全て守り抜く。 誰一人として、欠けさせはしない。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 トゥアレタとの会話 1999年7月7日、格納庫。 キミ達は天使の群れを迎撃する為に、シュネルギアコックピット内でセットアップ作業を続けている。 トゥアレタ「ねえ、PC3。今日の敵をどう対処したか、覚えてる?」 (覚えている) トゥアレタ「良かった、覚えててくれて。……って言っても、忘れられる筈もない、か。前回と同じなら、今日、桂先輩が天使化する」 (覚えていない) トゥアレタ「……まあ、思い出したくない気持ちも分かるよ。前回と同じなら、今日、桂先輩が天使化する」 トゥアレタ「3発の呪法弾道ミサイルを止めるのは間に合わなかったけど、まだ桂先輩の天使化は起きてない。なら、まだ間に合う筈」 トゥアレタ「他のみんなが覚えているか、まだ確認取れてないのがネックだけど……ここから歴史を変えよう。今度は勝つ為に。みんなが悲しまずに済む、ミライを切り開く為に」 トゥアレタ「何よ、その顔。わたしだってアツくなる時、あるんだからね?」 そうだ。ここからもう一度、始めよう。 ボク達の、天使大戦を。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 1999年7月7日、ヴィヴリオの執務室。 ヴィヴリオ「ヴィヴリオ「帝都に、合衆国から呪法弾道ミサイルが3発撃ち込まれ、八門結界が破壊された」 ヴィヴリオ「今までヤシマは結界に守られていたが、今後、合衆国、天使による侵攻が激化する」 ヴィヴリオ「……ここまでは、変化がない。PC2、そうだな?」 ヴィヴリオ「そして今日、遠山桂が天使化する、と」 ヴィヴリオ「普通なら信じられん話だが……この基地では私しか知らない筈の黙示録を引き合いに出されたら、信じもするさ」 ヴィヴリオ「貴官に命ずる。黙示録に抗う手始めに、遠山桂の天使化を防いでくれ」 ヴィヴリオ「今のシュネルギア部隊は、桂が精神的な支柱だ。その彼女を失う訳には行かない」 ヴィヴリオ「頼む。この世界を、救う為に」 かつての天使大戦は、桂の死が最初のターニングポイントだった。 ならば、ここから始めよう。 哀しみを覆し、明日という日を、笑って迎える為に。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 司令室にて、(もう一度)凍とペアを組むことが告げられる 格納庫で中島班長と会話 1999年7月4日、司令室。 キミと組むことになった、八坂凍という少女。 凍はキミをまっすぐ見て、こう告げる。 凍「……強くて、にゅーげーむ」 凍は目に涙を浮かべて、キミに抱き着く。 凍「……おかえり」 凍「……今度は、離れない、から……」 プシナプシナ「わぁ……」 目を両手で隠しつつ、隙間からちらちら見ている。 ヴィヴリオ「ゴ、ゴホン。何が何やら全く分からんのだが……とりあえず、離れろ。周囲に示しがつかん」 そう言われて凍は、名残惜しそうに身体を離し 凍「……もう一度、よろしく」 今度は離れない。 それはキミも同じ想いだ。 終わらない夏を、もう一度、始めよう。 凍と、一緒に。 メモ まず、accessの『JEWELRY ANGEL』をタイトルに使おうと思い立ちまして。 歌詞の『名前も聞けないままに 瞳だけ恋に落ちて』という部分で、平和な日常パート。 『この世界を刻む時間が 明日終わりを告げても』で終末パートが思い付いたので、じゃあそのまま合体させよう、と日常と平和を行ったり来たりする、と決めました。 プロットとしては、シーン経過と共に時間も経過していき、日常パートは真実に気付き、終末パートは破滅へと向かっていく。 まずPC1のハンドアウトとオープニングを書いた後、残る全員ハンドアウトを書いて、書ける部分から書いていった、そんな感じです。 普通の作り方とかセオリーはあんまり使ってないなあ……。 だから変なとこでつまづいて、作業がストップするんですけども。