今回予告 帝都奪還による八門結界の再構成、それに伴う48時間の攻防戦。 ヤシマ=統一帝国軍は数多くの犠牲者を出しつつも、この一連の戦いに勝利した。 ほんのひとときだけ、ヤシマ、瑞穂基地に穏やかな時間が流れる。 だがそれも、束の間の休息に過ぎなかった。 合衆国は、全国民2億人を総天使化、“レギオン”とし、更に結界をものともせぬ強大な天使兵、騎士級天使兵を召喚する。 頼みの綱はシュネルギア部隊、だが…… 部隊のエースであるPC1のパートナー、八坂凍に出撃禁止命令が下され、代わりのナビゲーターとしてリュンマ・サカモトが指名された。 『凍のことは諦めろ』 その命令にキミは、従うか、それとも抗うか。 そして。 『八坂凍の命は、もう長くない』 羽村軍医がそう言い残して、瑞穂基地から姿を消した。 彼は知り過ぎている。 そのまま放置することは出来ない。 ヴィヴリオが下した命令は……『TOT ODER LEBENDIG(生死を問わず)』 いずれにせよ。 ヤシマに、キミ達に残された時間はあと、わずか。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Hopeless call』 祈りだけが、僕らを繋ぎ留めてる ※トート・オダー・リベンディヒ、英語では『DEAD OR ALIVE』である。 !警告! 本シナリオは公式NPC(八坂凍と羽村総司)の死と、それに伴う葛藤を取り扱うシナリオです。 本シナリオにおいて、都合のいい奇跡……凍の天使化を即座に止め快復させること、は起きません。 下記に具体的な内容を提示します。 八坂凍: 凍の専用オーギュメントは《エヴァ》固定、《エヴァU》への変更は出来ません。 よって、《エヴァU》による救済は不可能です。 クライマックスに福音フェイズはありますが、それは直接的に凍を死から救う手段ではなく、あくまでも延命するだけになります。 《エヴァU》への変更や福音による救済を認めることは、そもそものシナリオコンセプトが完全に崩れるので、一切許可出来ません。 また改変した場合、改変後の内容について作者は一切責任を持ちません。 羽村総司: 羽村の処遇についてはPC2に一任されます。 生かすも殺すも、PC2(のPL)次第です。 それらが受け入れられない場合は、ここでシナリオを閉じ、別のシナリオを遊ぶことを強く推奨します。 以上の事を了承し、覚悟完了した場合にのみ、ハンドアウト以降を確認して下さい。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:八坂凍あるいはリュンマ・サカモト 凍は身体内部からの天使化が進み、これ以上の出撃は命にかかわるとの判断が下された。 だが、部隊のエースであるキミが、戦線から離脱出来るような状況ではないことも確かだ。 ヴィヴリオはキミに、凍とのペアを解消し、リュンマと組むことを命じる。 キミは選択を迫られた。 最後の一瞬まで凍と共に戦い、戦場で看取るか。 リュンマと組み、凍をわずかながらでも延命させるか。 ……いずれにせよ、時間の猶予はない。 シナリオダーザイン【八坂凍からのさよなら】 シナリオダーザイン【リュンマ・サカモトからの慕情】 ※PC1のみ、シナリオダーザインが二つあります。 また、クラス:ギアドライバーによる初期取得の【ナビゲーターからのダーザイン】は対象を指定せず【ナビゲーターからの○○】とします。 これについては、ミドルフェイズの最後でナビゲーターの最終選択が発生するので、そこで選択したナビゲーターに変更されます。 凍を選択するなら【八坂凍からの○○】、リュンマを選択するなら【リュンマ・サカモトからの○○】になります。 PC2:オフィーツィア ヤシマ陸軍のダブルスパイである羽村総司が、不穏な言葉を残して瑞穂基地から姿を消した。 彼は瑞穂基地の機密情報を知り過ぎた。 維馬篭に情報が流れれば、維馬篭は全力でドライクロイツを潰しに来るだろう。 彼を見つけ出さなければ……ドライクロイツ、いや、ヤシマそのものの存亡にも関わる。 ヴィヴリオはキミに、羽村総司の行方を捜索するよう命じた。 ……『生死を問わず』と。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC3:ソルジャー キミは、天使大戦開戦当初からシュネルギア部隊の護衛を務めてきた、歴戦の機械化兵である。 またキミはかつてメーヴェに所属し、リュンマ・サカモト少尉の父親であるトウマ・サカモトとは旧知の仲であり……トウマ亡き後、リュンマの成長を見守ってきた。 だから、PC1と凍の仲も強さも、リュンマの想いも努力も、全て知っている。 軍務と私情の板挟み。 キミは、何をどう選択するのが、正しいのか。 シナリオダーザイン【リュンマ・サカモトからの尊敬】 PC4:ギアドライバー/ナビ:草薙伊音 キミ達は帝都奪還作戦に参戦し、見事アバドンを討滅した。 キミと伊音の想いは一つ。 御国の為に戦い勝利する、それだけだ。 だが、それはキミ達だけで成し遂げることは出来ない。 仲間、いや戦友なしでは、到底不可能だ。 その戦友の一人であるPC1が、今大きな岐路に立たされている。 何か、力になってやれればいいのだが。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの信頼】 セッションに臨む前に、本シナリオ内でのみ使用出来る経験点を100点分付与します。 シュネルギア改の取得は可ですが、ルール通り、経験点20点分(常備化ポイント200点)を消費して常備化する事。 ★最終確認 繰り返します。 本シナリオは公式NPC(八坂凍と羽村総司)の死と、それに伴う葛藤を取り扱うシナリオです。 今回予告の後に書かれていた注意書きを覚悟の上、セッションに臨んで下さい。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 伊音の演説 伊音が維馬篭から、兵士達の戦意高揚の為の訓示をするように命じられ、瑞穂基地の滑走路に兵士が集められた。 ヤシマ陸軍の兵士「これより、草薙家次期当主であらせられる、草薙伊音ヤシマ陸軍特務中尉から、お言葉を頂戴する。総員、傾聴!」 伊音「あー、ゴホン。諸君。改めて帝都奪還、そして48時間にわたる攻防戦、ご苦労だった」 伊音「我々はアバドンを討滅し、八門結界の再構築に成功した。これでヤシマは盤石の守りを手に入れる……筈だった」 伊音「それが、今度は結界を素通り出来るほど強大な力を持つ天使兵が現れる、など、最早嫌がらせを通り越して笑える。いや、笑い事ではないのだが」 伊音「然るべき情報筋の話だと、あの天使と同様の天使兵がまだ数体控えているという。1体であれだけ苦戦したものに、次も勝てるとは限らん」 伊音「では敗北を恐れ、ヤシマに、結界に引き篭もるか」 兵士達『否!』 伊音「蹂躙を前に怯え、ただ嗚咽を漏らすのみか」 兵士達『否!』 伊音「そうだ。我々は一度たりとも敗北は許されぬ。故に、不退転の決意を以て、何としても勝利せねばならない。例え相手が神であろうと」 伊音「故に問おう。お前達は神の定めた運命に抗う、野蛮なる勇者達か!」 兵士達『然り!』 伊音「肯し!我々の挑んで来た戦いは、常に勝ち目のない戦いだった。だが、何人もの戦士達が時に礎、時に盾となり、我々を生かしてくれたことで、今こうして此処に集っている」 伊音「合衆国に挑む我々の背を、護国の剣となりて散って行った、多くの英霊たちが見守っている」 伊音「ならば我らは、その期待に応えよう。時此処に及び、物怖じする者はいるか?いないな!」 兵士達『然り!然り!』 伊音「いざ征かん!ヤシマの明日を切り拓く為に!我らが大義、ここにあり!」 兵士達『然り!然り!然り!』 爆発的な熱狂を起こし、訓示は終わった。 訓示を終えた伊音「PC4。あんな感じで良かったのだろうか?」 伊音「渡された原稿通りにやったが、皆ノリノリというか、何だか物凄く熱狂してたんだが……ま、まあ、戦意高揚という目的は果たせた筈だ」 伊音「さて、この後大佐が何か話があるらしい。……噂によれば、PC1のナビゲーターの変更、という話だが……」 シナリオダーザイン【草薙伊音からの信頼】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 羽村の行方を探すよう命じられる キミはヴィヴリオの執務室に呼び出された。 他の者にあまり聞かれたくない話なのだろう。 ヴィヴリオ「軍医の羽村が姿を消した。看護婦のホルツマンによれば、いなくなる前に『八坂凍の命は、もう長くない』と、言い残していたそうだ」 ヴィヴリオ「ダブルスパイである羽村をここまで泳がせておいたのは、利用価値があったからに他ならない。だが」 ヴィヴリオ「奴は機密情報を知り過ぎている。それが維馬篭に渡ったら、奴は全力で瑞穂基地を潰し、自らの手中に収めるだろう。それだけは避けねばならない」 ヴィヴリオ「お前への命令は『TOT ODER LEBENDIG(トート・オダー・リベンディヒ)』、そうだ、奴の生死はこの際問わない。死んでいるのが分かれば、それはそれでいい。大人しく従うなら良し、そうでなければ……分かっているな?」 ヴィヴリオは右手を銃の形にし、撃つ仕草をする。 ヴィヴリオ「では、よろしく頼んだぞ」 羽村総司。瑞穂基地の軍医であり、ヤシマ陸軍情報部の特務少尉である、いわゆるダブルスパイ。 どうやら彼は、今までに入手した機密情報の全てを、維馬篭には流していないらしい。 キミと彼とは、お互いに利用し合う、言わば持ちつ持たれつの関係だった。 その彼をこの手で……キミは、覚悟を決める。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン3 シーンプレイヤーはPC1 ヴィヴリオから凍の体調について告げられる。 キミはヴィヴリオの執務室に一人呼び出された。 他の者にあまり聞かれたくない話なのだろう。 ヴィヴリオが重々しく口を開く。 ヴィヴリオ「……PC1。お前も既に分かっていると思うが、八坂の状態は非常に悪い」 ヴィヴリオ「身体の内部から天使化が進んでおり、薬物投与やエーテル除去処理を行って、ようやく進行を抑えている状況にある」 ヴィヴリオ「よって、当面の間、八坂は療養の為、部隊から外す」 ヴィヴリオ「お前が今後誰と組むかについては、追って指示する。が……指示が出るまでは、八坂の傍にいてやれ」 シナリオダーザイン【八坂凍からのさよなら】 シナリオダーザイン【リュンマ・サカモトからの慕情】 シーン4 シーンプレイヤーはPC3 リュンマが、PC1と組むようヴィヴリオから命令されたことを相談に来る 休憩室にいたキミを見つけ、リュンマが話し掛けて来た。 リュンマ「……PC3さん。ちょっと、相談に乗ってもらえませんか」 リュンマ「ヴィヴリオ大佐から、八坂さんの代わりにPC1先輩と組むことを、内示されました」 リュンマ「……PC1先輩と組めるのは、すごく嬉しいです。いつかそんな日が来たらな、って、ずっと頑張ってきましたから」 リュンマ「だけど……八坂さんのことを考えると、手放しでは喜べないし……それに、こんな形で叶うのは、不本意なんです」 リュンマ「……PC3さん。自分は、どうしたらいいでしょうか」 シナリオダーザイン【リュンマ・サカモトからの尊敬】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3、全員登場。 司令室。 凍を除くシュネルギア部隊の面々及びリュンマが、一堂に呼び出される。 ヴィヴリオ「まず最初に、八坂特務少尉は療養中の為、欠席とする」 ヴィヴリオ「……既に感付いている者もいると思うが……八坂特務少尉はこれ以上の出撃に耐えられない、と私は判断した。よって」 ヴィヴリオ「本時刻をもって、PC1(階級)と八坂特務少尉のペアを解消する」 ヴィヴリオ「その穴を埋めるのは、サカモト少尉。貴官だ」 ヴィヴリオ「は、はいっ!」 リュンマ「先輩、よろしくお願いします!」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC4、他のPCの登場は任意 PC1がリュンマと組むことについて、伊音から意見を求められる 伊音「今回の決定、お前はどう思う」 伊音「リュンマが血の滲むような努力、そして訓練をしていることは私も知っているし、父親の一件を乗り越えて、戦士として一皮も二皮も剥けたことも知っている」 伊音「だが、急造のペアで、この先に待ち構える厳しい戦いを乗り越えられるかは、疑問が残る」 伊音「ただ、な……これ以上凍を戦わせることは、死ぬまで使い潰す、ということだ。以前の私なら、ヤシマ軍人として誉れだと思っただろう」 伊音「だが……今は違う」 そう言って、彼女は拳をギュッと握る。 伊音「仲間が窮地に陥っているのを、見過ごすことは出来ん。肩の荷が少し降りたお陰で、他を見る余裕が出来たのかも知れないな」 伊音「……凍をこれ以上戦わせるのは反対だが、凍以上にPC1の力を引き出せる者は現状いない。それとも博打だが、リュンマの持つ可能性に賭けるか」 伊音「なあ、私は……どうしたらいい?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は任意 凍の見舞いに行く キミは許可を得て、凍の見舞いに来た。 凍「……PC1」 凍「……苦しい。……寂しい」 凍「……もう、いらない?」 凍「……うん」 うつらうつらとする凍。 医師「PC1さん。そろそろ……」 凍は立ち去ろうとするキミの、制服の裾を弱々しく握り「……いっちゃ、やだ……」 医師「……完全に眠るまでは、在室を許可します」 凍は目を閉じるとすぐ、寝息を立て始める。 凍からそっと離れ、部屋を出たキミに医師が声を掛ける。 医師「体内エーテル濃度が非常に高い数値です。身体にも、かなりの負担がかかっていると思われます」 医師「出来れば、面会謝絶としたかった所ですが……八坂特務少尉たっての希望なので、今回は許可しました」 医師「ただ、いつまで小康状態を保てるかは分かりません。……覚悟だけは、しておいて下さい。こんな時に、羽村医師はいったい何処へ……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は任意 キミは羽村の手掛かりを得る為、医務室のニナ・ホルツマンに話を聞きに行った。 ニナ「羽村先生の様子、ですか?……普段通りだった、と思いますけど」 ニナの態度に、キミ(達)は違和感を覚える。 〈探知〉難易度2、登場したPCの誰かが成功すればよい。 全員失敗した場合、再判定の必要はないが、話を聞き出すのに思いの外時間が掛かったとして、アガペーを2D6上昇させる。 ニナ「やっぱり、PC2さんの目は誤魔化せませんね」 ニナ「羽村先生、大怪我してたんですよ。自分で包帯巻こうと、悪戦苦闘してるところに出くわしたから」 ニナ「迷惑かけられないから黙っててくれ、って言われて、誰に襲われたかは教えてくれませんでした。ただ……」 ニナ「肩入れし過ぎたな、って呟いてたのが、気になって」 ニナ「わたしの見立てでは、かなりの重傷でした。応急処置はしましたけど、それが済んだら羽村先生、出てっちゃって。でも、あの身体じゃ、あまり遠くへは行けないと思います。多分、まだ基地の中にいるんじゃないでしょうか」 ニナ「……これは、わたしの独り言、ですけど……羽村先生、板挟みでずっと、大変だったんじゃないかな……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 情報収集 ●『八坂凍の真実』 ●『リュンマ・サカモト』 ●『羽村総司の行方』 上記の3つ、追加情報はない。 1人につき1つ、判定に挑戦出来る。 失敗した場合、全員のアガペーを2D6上昇させた上で再挑戦し、達成出来るまで判定を行う。 また、情報項目を開いた後、トリガーシーンA〜Dが発生する。 情報収集を全て終えてからトリガーシーンA〜Dを描写する場合は、可能な限り、ABCDの順でシーンを発生させること。 情報項目を開くごとにシーンを描写する場合は、トリガーシーンBの後、他のトリガーシーンを間に挟んでから、トリガーシーンDに移る事。 理由として、場合によってPC1は5シーンくらい連続で登場する可能性があり、出来れば何処かで出番を調整しておきたい為。 尚、一度に情報収集を行うか、1つずつ調べてシーンを描写していくかは任意だが、アガペーの上昇を考えると、一度に情報収集を行う方がアガペーを上昇させず済むとは思う。 ※情報収集→トリガーシーン→情報収集→トリガーシーンだとその都度アガペーが上昇する為 ●『八坂凍の真実』 〈軍略〉難易度5、10 難易度5の情報 大天使メタトロンがPC1の情報を元に、天使の肉体(受肉したエーテル)を用いて作り出した、人間の複製である。 PC1とメタトロンの邂逅……集団天使化事件の起きた幼年学校の瓦礫の中で、ヤシマ軍部(後の八坂機関)に発見され、実験材料として扱われていた。 だが異常な反応速度を示した為、兵器としての教育を施され、今に至る。 自我や感情が芽生えると肉体の崩壊が加速する為、維馬篭にとっては不本意であり、PC1が現れるまでは、定期的に調整という名の記憶操作を施し、自我や感情をリセットしていた。 PC1が現れた後は維馬篭の元から離れた為に調整を受けておらず、肉体の崩壊は加速度的に進んでいる。 だがもう限界である。 奇跡でも起きない限り、あと数日もしない内に、彼女の体は機能停止するだろう。 難易度10の情報 凍に起きているのは、肉体の崩壊ではない。 天使へと『戻っている』のだ。 その結末は機能停止ではない。 彼女が完全に天使に戻った時、マスケンヴァル現象が発生する。 尚、彼女が完全に天使に戻る具体的なタイムリミットは、クライマックスフェイズの2シーン目である。 ▼トリガーシーンAが発生する。 ●『リュンマ・サカモト』 〈事情通〉難易度5 リュンマはPC1に恋心を抱いている。 本人も、PC1には八坂凍という唯一無二のパートナーがいることは、勿論分かっていた。 だが、父トウマの一件で折れかけた心を、PC1が救ってくれたことで、憧れは恋心に変わった。 本人はその想いを秘めておくつもりだった。 PC1が凍とのペアを解消され、代わりに自分と組む、という命令を受けるまでは。 ▼トリガーシーンBが発生し、その後トリガーシーンDが発生する。 ●『羽村総司の行方』 〈事情通〉7 羽村は八坂機関に口封じで殺されそうになった為、行方をくらました。 だが逃亡の際に重傷を負っており、あまり遠くまでは逃亡していない。 すなわち、まだ基地の何処か……恐らくは基地の地下に潜んでいる。 また、かつて凍の調整を手掛けていたのは、羽村である。 故に羽村は、凍の身体に起きていること、そして今後取るべき対策も把握している。 尚余談だが、彼は、帝都大学医学部において“天使教室”と称された南雲研究室、その筆頭と呼ばれた天才である。 ▼トリガーシーンCが発生する。 トリガーシーンA 『八坂凍の真実』調査後に発生する シーンプレイヤーはPC1、全員登場 キミ達は会議室に集められた。 凍の身体、及び天使化の進行について得られた情報を精査する為だ。 ヴィヴリオ「PC1の遺伝子情報を元に、天使兵の肉体を用いて、人間を模して作られた存在、それが八坂凍」 ヴィヴリオ「……このことを知っていたのは、私と維馬篭、そして担当医でもある羽村くらいだ」 ヴィヴリオ「そして八坂は、内部からの天使化が進行している、というのが我々の今までの認識だった」 ヴィヴリオ「……その認識自体が、間違っていた」 ヴィヴリオ「彼女は天使化が進行していたのではない。元の形に、天使に戻りつつあるのだ」 ヴィヴリオ「天使化を遅らせる手段ならば、まだやりようがあった。だが……元に戻ろうとするものを止める手立てはない」 ヴィヴリオ「……PC1、命令だ。『八坂凍は諦めろ』」 ヴィヴリオ「当初の予定通り、八坂の後釜にはサカモト少尉を据える。……八坂に比べたら、力不足であることは否めんが」 会話を終えたらシーンを終了する。 トリガーシーンB 『リュンマ・サカモト』調査後に発生する シーンプレイヤーはPC4、他のPCの登場は任意 伊音「……事態は思った以上に、深刻だったようだ。よもや、リュンマがPC1を好いていたとはな」 伊音「そうなると、PC1が凍とリュンマどちらと組むのか、というのは、ますます重要な選択になる」 伊音「我々ギアドライバーとナビゲーターは、S.Q.U.I.Dで心の奥底まで繋がることが出来るのは、お前も知っての通りだ」 伊音「以前ヴィヴリオ大佐も言っていたが、互いの信頼が高い程、愛情が深い程、シュネルギアは力を発揮出来る。それは私も、身を以て知っている。今更お前以外をパートナーにするなど……」 伊音「……ゴホン。それはさておき、親愛度による力の発揮、そこまで考慮した上で、PC1はどちらを選ぶのだろうな」 伊音「……今まで、他人の色恋に首を突っ込んでいる暇も、心の余裕も無かったからな。そんな事を言っている場合ではないことも承知している、が……他人のコイバナで盛り上がれる気持ちが、少し分かった気がする」 会話を終えたらシーンを終了する。 ▼トリガーシーンDが発生する。 トリガーシーンC 『羽村の行方』調査後に発生する シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は任意 瑞穂基地の地下。 迷路のように入り組んだ通路の、今は使用されていない倉庫の中に、重傷を負った羽村がうずくまっていた。 羽村「……やあ、よく此処にいるって分かったね」 羽村「……見ての通りさ。もう、ヤシマ陸軍には俺の帰る場所はない、ってこと」 羽村「……俺の正式な所属は、ヤシマ陸軍、情報部二課。要は八坂機関の人間さ」 羽村「……ちょっとキミ達に肩入れし過ぎた。だから俺がこれ以上余計な事喋らないよう、上が実力行使に来たって訳。御大将の指図かどうかは、分からないな」 羽村「ニナちゃんに逃がしてもらったから、辛うじてまだ生きてる、って感じかな。……この傷だと、そう長くは保たないけどね」 羽村はいつになく多弁だ。 羽村「……で、この半死人に何の用だい?」 羽村「……ああ、そういうことか」 羽村「んじゃ、これあげるよ」 羽村はそう言うと、口に手を突っ込み奥歯を抜き、血塗れのハンカチで拭いてから渡してくる。 羽村「悪いね、ちょっと汚いけど。パスワードは……流石に、自分で解いてくれ。そこまでやったら、俺の立つ瀬がない。いや、元々ないか?」 羽村をここで始末するか、それともヴィヴリオの所に連れて行くか。 始末するなら、それをヴィヴリオに報告するシーン 連れて行くなら、羽村とヴィヴリオが話すシーン どちらかが追加となる。 会話を終えたらシーンを終了する。 トリガーシーンD シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 キミはリュンマと、休憩室の個室で話している。 リュンマ「……PC1先輩。自分は、八坂さんの代わりには、なれないですけど……頑張ります。頑張りますから……自分と一緒に、シュネルギアに乗って下さい」 リュンマ「……ずっと、ずっと先輩の背中を、追い掛けてきたんです。やっと、手が届くんです。お願いします。自分に……チャンスを、下さい」 リュンマ「……先輩は、自分がお父さんのことを思い出した時、立ち直るきっかけをくれました。先輩のおかげで、今、自分はここにいます」 リュンマ「……それからです。先輩が、自分の中で、かけがえのない存在になったのは」 リュンマ「だけど……先輩の隣にはずっと、八坂さんがいました。だから、自分の手は絶対に届かない。そう、思ってました」 リュンマ「この気持ちに蓋をして閉じ込めるつもり、だったのに……あんな命令、受けたら……」 リュンマ「PC1先輩と八坂さんの仲も、もちろん分かっています。だけど……先輩が好きなんです、どうしようもなく」 リュンマ「先輩。八坂さんが快復するまでの間、自分を利用するのでも構いません。……あなたと一緒に、空を飛びたいんです」 リュンマ「……弱みに付け込む、卑怯な、酷い、ずるい奴だ、って思うなら、罵ってもらって構いません。だけど……自分にとって、こんな機会は、後にも先にもないんです」 そう言いながら、リュンマは拳をぎゅっと握り、身体も震えている。 リュンマ「だから……お願いです。曖昧な答えで、はぐらかさないで下さい。はっきり言われなきゃ、分かりません。……自分は、ばかだから……」 会話を終えたらシーンを終了する。 ここのエモーションで、PC1がリュンマに対しどう答えたかに関わらず、【リュンマからのシナリオダーザイン】はこのシーンの終了時でオープンアップする。 且つ、専用オーギュメント《ファヌエル》を使用可能となる。 ミドルフェイズだが、レベル5まで上昇させることを解禁する。 シーン10 シーンプレイヤーはPC3、他のPCの登場は不可 リュンマがPC1に告白した、その結果を報告するシーン キミはリュンマの報告を受けている。 リュンマ「PC3さん。先輩に、告白してきました」 ・玉砕し、一緒に乗るのも断わられた場合 リュンマ「……やっぱり、駄目でした。先輩と八坂さんの間に入り込む隙なんかないって、最初から分かってたし。自分の気持ちに踏ん切りをつける為だったから、告白したこと自体に、後悔はありません」 リュンマ「だけど……失恋したことは、やっぱりつらい、です。先輩のこと、本当に好きだったから……」 ・告白は断られたが、一緒に乗ることを約束してくれた場合 リュンマ「先輩が、自分と組むことを承諾してくれました。告白自体は、駄目だったけど……」 リュンマ「それでも、先輩と一緒に、空を飛べる。その夢が、叶うんです」 リュンマ「もちろん、失恋したのはショックです。だけど今は、先輩と一緒に飛べることが、何よりもうれしくて」 ・告白が上手くいった場合 リュンマ「……何だか、夢を見てる気分です。OKしてもらえるなんて、夢にも思いませんでした」 リュンマ「……この関係が、八坂さんが快復するまでの仮初めのものだとしても、自分は構いません。先輩が、自分をただの後輩じゃなく、ちゃんと一人の女の子として見てくれた。それが、すごくうれしいんです」 リュンマ「PC3さんには、今の気持ちとか全部、報告しておこうと思ったんです」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン11 シーンプレイヤーはPC2、他PCはトリガーシーンCに登場したPCのみ登場可 羽村を始末したことを報告する、または羽村をヴィヴリオの所に連れて行き、会話させる ・羽村が死亡している場合 キミはヴィヴリオの執務室で、羽村が死亡したことを報告している。 ヴィヴリオ「……そうか。羽村は死んだか」 ヴィヴリオ「維馬篭は、羽村ほどの人材でも、用済みであれば切り捨てるのか。それだけ手駒が豊富なのか、あるいは知り過ぎたが故に持て余したか」 ヴィヴリオ「……もう少し早く分かっていれば、羽村をこちらに引き込めたかも知れんな。……いや、今更、か」 ヴィヴリオ「報告、ご苦労だった。……しかし、これで八坂の容態をどうにかする手段が減ったな……さて、どうしたものか」 ヴィヴリオ「羽村から歯を貰った?何だそれは」 ヴィヴリオ「……マイクロチップが仕込んであるようだな。これは解析に回す。仕込まれた情報が判明次第、お前にも共有する」 この情報の内容が判明するのは、クライマックスフェイズの2シーン目である。 会話を終えたらシーンを終了する。 ・羽村が生存している場合 医務室。 ベッドに横たわる羽村、そしてヴィヴリオがおり、人払いの上、医務室の周囲は機械化兵が警戒している。 ヴィヴリオ「羽村総司。私の下で働く気はないか」 羽村「……いきなり、本題ですか」 ヴィヴリオ「ああ。お前は維馬篭に、ヤシマ陸軍に捨てられた。それについて、何か思う所はないか」 羽村「……勿論、大アリですよ。ただまあ何にせよ、傷が多少なりとも癒えてからですかね。ところで……ここで首を縦に振らなかったら、俺、どうなります?」 ヴィヴリオ「その辺にそーれポイッ、だ」 羽村「はは、選択肢全くないじゃないですか……イテテ、笑ったら傷が開いた」 ヴィヴリオ「で、どうする?」 羽村「どうするも何も。一度ならず何度も命を拾ってもらったんだから。……ヴィヴリオ大佐。羽村総司、あなたに忠誠を誓います」 ヴィヴリオ「PC2。今のを聞いたな。羽村、言質は取ったぞ」 ヴィヴリオは羽村に資料を手渡し「では羽村。お前に早速やってほしいことがある。……八坂の身体、どうにかならないか」 羽村は受け取った資料を一通り眺めてから「……『今は』無理ですね」 ヴィヴリオ「……そうか」 羽村「ええ、だから後にするんですよ。具体的には、冷凍睡眠装置に入れて眠らせ、天使への遡行を食い止める」 ヴィヴリオ「つまり、いつか技術が追い付くまで、問題を先送りにする、ということか」 羽村「……ええ。今奇跡が起こるかどうかに賭けるのは、危険過ぎる。駄目だった時、基地ごとドカン、ですからね。医者の端くれとして、そんな危ない橋は渡れないし、渡らせませんよ」 羽村「……ただ、その方法も、冷凍睡眠でかかる肉体的負担自体が、最後の引鉄となる可能性もあります。絶対、とは言えない」 羽村「まあ、最終的には……本人の意志の強さ、ってところか。後は、誰か……まあ、PC1くんに勇気付けてもらうとか、ですかね」 ※具体的には、PC1が《エヴァ》を使用した上で、〈話術〉難易度99の判定に成功する必要がある。 羽村「いつやるかはともかく、とりあえずの指図は色々出しときますよ。……ところで、そろそろ休んでもいいですかね?俺、こう見えて怪我人でして」 ヴィヴリオ「ああ、済まん、忘れていた。無理させて済まんな」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン12 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 騎士級天使兵が2体襲来する キミ達は天使が現れたとの急報を受け、司令室に集合している。 ヴィヴリオ「騎士級天使兵が2体出現した。先日撃退したのとはまた別個体だろう」 ヴィヴリオ「私の見立てが正しければ、騎士級天使兵は合計4体存在する、その内の2体だ」 ヴィヴリオ「……ところで。PC1、お前の出した答えを聞こう」 ヴィヴリオ「八坂も、それでいいな?」 凍はゆっくり頷いて「……PC1が決めたこと、なら……従う」 PC1が凍と組む場合 伊音「横からいいか、PC1。お前は今、文字通り凍の命を背負っている。それを忘れるな」 伊音「……凍は、私の数少ない友人の一人なんだ。絶対に、絶対に無理はさせないでくれ」 PC1がリュンマと組む場合 凍「……リュンマ」 リュンマ「は、はいっ!」 凍「……PC1を、お願い」 リュンマ「はいっ!先輩の背中は、自分が守ります!」 会話を終えたらシーンを終了する。 ここのエモーションで、【八坂凍からのシナリオダーザイン】以外のダーザインは、ここで全てオープンアップする。 【八坂凍からのシナリオダーザイン】はオープンアップしない。 オープンアップするのは、クライマックスフェイズのシーン1終了後のエモーションである。 また、PC1の【ナビゲーターからの○○】を、PC1が今回一緒にシュネルギアに搭乗するナビゲーターの名前に変更し、こちらは八坂凍を選択した場合でもオープンアップする。 ただし、専用オーギュメントは《エヴァ》である。 《エヴァU》ではなく、PLが希望しても《エヴァU》に変更は出来ない。 更に、クライマックスは2シーンあり、1シーン目は騎士級天使兵との戦闘、2シーン目は福音フェイズになると予め伝えておくこと。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 騎士級天使兵との戦い 騎士級天使兵を2体、互いの距離は1000m離れているとし、後はエンドレスサマー掲載の該当するデータを使用する。 ホイシュレッケの数は2倍にしない。 戦闘終了後のエモーションで、【八坂凍からのシナリオダーザイン】がオープンアップする。 繰り返すが、専用オーギュメントは《エヴァ》である。 《エヴァU》ではなく、PLが希望しても《エヴァU》に変更は出来ない。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 戦闘終了直後、凍の容態が急激に悪化する。 ヴィヴリオ「急げ、時間がない」 羽村の遺していた情報(生存している場合はミドルフェイズで伝えている為、再確認になる)によれば。 凍が天使に戻るのを止めることは、『今は』不可能である。 その為、コールドスリープ処置を施し、彼女の生命活動を一時的に止める以外に方法はない。 だが一歩間違えば、その処置自体が、彼女が天使に戻る最後の引鉄になるかも知れない。 具体的な処理としては、PC1がオーギュメント《エヴァ》を使用した上で、難易度99の〈エーテル〉判定に成功する必要がある。 失敗した、あるいは判定自体を行わない場合、凍はその場で天使化する(厳密には天使に戻る)。 その際、誰か凍を“処理”しない限り、マスケンヴァル現象が発生して、瑞穂基地は消滅する。 それは同時に、ヤシマの滅亡を意味する。 尚シュネルギアに搭乗していないので、《接合》は不可である。 他のPCはマイナー・メジャーアクションを1回ずつ使用し、判定の支援を行ってもよい。 判定の成否、及び“処理”を行うかどうか、全てを確認し、完了したらエンディングに移行する。 エンディングフェイズ シーン0 凍を“処理”せず、マスケンヴァル現象が発生した場合 その日、瑞穂基地は地図上から消失した。 シュネルギア部隊を含む、対天使戦力の大半を失ったヤシマ=統一帝国軍は、八門結界の範囲を関東地方のみに限定し強度を上げ、中に引き篭もって事実上の鎖国を宣言する。 だがそれも焼け石に水。 ヤシマは8月31日、合衆国によって滅ぼされた。 同日、法王ラルフ・マスケンヴァルは神との契約を為し……世界は、滅亡した。 シーン1 シーンプレイヤーはPC4 伊音とまた今回の振り返り ・凍を救った場合 キミは伊音と話している。 伊音「問題を先送りしただけではあるが、凍を、友人を失わずに済んだのは、本当に良かった」 伊音「また、合衆国と戦わねばならない理由が、勝たなければならない理由が増えたな」 伊音「……ただ、な。お前には知っていて欲しい。私が戦う、一番の理由を。いや、お前にはもう分かっているかも知れないが……」 伊音「ヤシマを守りたいのは本当だ。……でも、一番の理由は……八門結界を守ること。妹が、紫音が頑張った結果を、この手で守りたい。紫音の誇りを、壊されたくないんだ」 凍を救えず、“処理”した場合 キミは伊音と話している。 伊音「凍が死んだ、か……死に目に会えたのは、せめてもの救いだった」 伊音「……私達は戦士である以上、死と常に隣り合わせだが……友人の死は、流石に堪えるな……」 伊音「……お前は、いなくならないよな?一度はお前を殺そうとした私が、こんなことを言うのも何だが……」 伊音「頼むから、先に逝かないでくれ。死ぬときは、一緒だ」 伊音「……これ以上、親しい誰かを、失いたくないんだ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 リュンマとの会話 ・リュンマの告白を断って凍を選び、凍を救った場合 ・リュンマの告白を受け入れ、凍を救った場合 ・凍を救えず、“処理”した場合 上記のいずれかになる筈である。 ・リュンマの告白を断って凍を選び、凍を救った場合 リュンマ「……八坂さんが助かって、良かったです。ただ、八坂さんが戦えない以上、ペアの解消自体は、どうにもならないみたいですが……」 リュンマ「「でも、今部隊から先輩が抜けたら……戦争に負けると思います」 リュンマ「結局PC1先輩は、誰と組むんでしょうか。……今更、自分と組むとは思えないし……PC3さんは、誰がPC1さんの新しいパートナーになると思いますか?」 ・リュンマの告白を受け入れ、凍を救った場合 リュンマ「……八坂さんが助かって、良かったです」 リュンマ「「自分は、八坂さんの代わりにはなれないけど……先輩を、支えていくつもりです。……八坂さんが、戻ってくるまでは」 リュンマ「それまで、自分達を手伝ってもらませんか。……自分は、守りたいんです。先輩を。先輩と八坂さんの思い出を」 ・凍を救えず、“処理”した場合 リュンマ「……先輩、八坂さん……」 リュンマ「……こんな結末、誰も望んでないのに」 リュンマ「……こんな時こそ、自分がしっかりしなきゃ、いけませんよね」 リュンマ「自分、ヴィヴリオ大佐にもう一度、PC1先輩と組ませてもらえないか聞いてきます。……例え先輩に何と思われようと、自分は、先輩の力になりたいんです」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 羽村が生存しているなら羽村と、死亡しているならヴィヴリオとの会話 ・羽村との会話 まだ傷の癒えていない羽村だが、ベッドに寝たまま色々指図している……する羽目になっている。 羽村「やー、凍ちゃんの一件で動いたら、後から後から仕事舞い込んで来ちゃってさあ……」 羽村「ヤシマ陸軍の手前、俺は死んでることになってる訳で。あれかな、死人ならいくら働かせてもいい、っていうシュバルツな発想??」 羽村「いやホント、怪我人なんですから、勘弁して下さいよ」 凍が生存している場合、下記の描写を追加する 羽村「……凍ちゃんについては、あれが今出来る最善の方法だった。後は、未来の技術の進歩に縋るしかない」 羽村「……俺も色々調べてみるよ。……あー、久しぶりに南雲教授に連絡取ってみるか……ヤシマ陸軍にバレない程度に、だけど。何言われっかな……」 ヴィヴリオとの会話 ・リュンマの告白を断って凍を選び、凍を救った場合 ・リュンマの告白を断って凍を選び、凍を救えなかった場合 ・リュンマの告白を受け入れ、凍を救った場合 ・リュンマの告白を受け入れ、凍を救えなかった場合 上記のいずれかになる筈である。 ・PC1がリュンマの告白を断り、凍が生存している場合 ヴィヴリオ「一先ずはこれで様子見、といったところか……。八坂が離脱したのは手痛いが……」 ヴィヴリオ「ただ、羽村が遺してくれた情報が役に立った。奴を失ったことが、後々尾を引く結果にならなければ良いが」 ヴィヴリオ「……そして当面の問題は、八坂の後釜に誰を据えるか、だ」 ヴィヴリオ「現状、パートナーが不在なのは天野くらいだが、PC1とはポジションが微妙に噛み合わん」 ヴィヴリオ「だが、再度サカモトと組むよう命じるのもな……。いくら人手が足りんと言っても、失恋相手と組ませるのは……流石の私も躊躇する」 ヴィヴリオ「……それにだ。シュネルギアは突き詰めれば、搭乗者同士の絆の強さが力の源だ。その点において、今PC1とサカモトを組ませても、力を発揮出来ないだろう。さて、どうしたものか」 ・PC1がリュンマの告白を断り、凍を“処理”している場合 ヴィヴリオ「八坂が死んだのは、かなり手痛いな……」 ヴィヴリオ「それに、最大の問題は……八坂の後釜に誰を据えるか、だ」 ヴィヴリオ「現状、パートナーが不在なのは天野くらいだが、PC1とはポジションが微妙に噛み合わん」 ヴィヴリオ「だが、再度サカモトと組むよう命じるのもな……。いくら人手が足りんと言っても、失恋相手と組ませるのは……流石の私も躊躇する」 ヴィヴリオ「……それにだ。シュネルギアは突き詰めれば、搭乗者同士の絆の強さが力の源だ。その点において、今PC1とサカモトを組ませても、力を発揮出来ないだろう。さて、どうしたものか」 ・PC1がリュンマの告白を受け入れ、凍が生存している場合 ヴィヴリオ「一先ずはこれで様子見、といったところか……。八坂が離脱したのは手痛いが……」 ヴィヴリオ「ただ、羽村が遺してくれた情報が役に立った。奴を失ったことが、後々尾を引く結果にならなければ良いが」 ヴィヴリオ「あとは、サカモトが何処までやれるかだ。未知数ではあるが……私はあのペアに可能性を見た」 ヴィヴリオ「八坂との能力差を、サカモトの持つエーテル力(ちから)とPC1への想いで、何処まで埋められるかに、今後の戦局はかかっている」 ヴィヴリオ「……上手くやってくれることを、願うばかりだ」 ・PC1がリュンマの告白を受け入れ、凍を“処理”している場合 ヴィヴリオ「八坂が死んだのは、かなり手痛いが……手遅れになる前にナビゲーターを交代出来たのは幸いだ」 ヴィヴリオ「……あとは、サカモトが何処までやれるかだ。未知数ではあるが……私はあのペアに可能性を見た」 ヴィヴリオ「八坂との能力差を、サカモトの持つエーテル力(ちから)とPC1への想いで、何処まで埋められるかに、今後の戦局はかかっている」 ヴィヴリオ「……そしてむしろ。ここからがサカモトの正念場だ。八坂を失ったPC1の心の隙間を、如何にして埋めるか」 ヴィヴリオ「……私は正直、迷っている。このことをサカモトに言うべきか否か」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 ・リュンマの告白を断って凍を選び、凍を救った場合 ・リュンマの告白を受け入れ、凍を救った場合 ・凍を救えず、“処理”した場合 上記のいずれかになる筈である。 ・リュンマの告白を断って凍を選び、凍を救った場合 いつかの夏。 コールドスリープのポッドの蓋が開く。 凍「……ずっと、長い夢を……見てた」 凍「……ただいま」 ・リュンマの告白を受け入れ、凍を救った場合 いつかの夏。 リュンマ「もう少しですね。天使になった者を、人間に戻す研究の完成は」 リュンマ「先輩……いえ、PC1さんにとって、天使大戦はまだ終わっていない。八坂さんが目を覚ますまで」 リュンマ「それまで、自分もお付き合いします。それが自分の役目、ですから」 そしてそれからまた月日は流れ……コールドスリープのポッドの蓋が、開いた。 ・凍を救えず、“処理”した場合 凍は、瑞穂市街が一望出来る丘のにある共同墓地に、埋葬された。 リュンマも責任を感じて、一緒に来ている。 リュンマ「……八坂さん、最期、微笑んでましたね」 リュンマ「……最愛の人の腕の中で死ねたから、八坂さんもきっと本望だった、と思います」 リュンマ「……先輩。自分は八坂さんの代わりにはなれません。だけど、先輩が部隊から抜けたら、戦争に負けます」 リュンマ「だからお願いです、自分と一緒に、戦って下さい。この国を守る為に。先輩の、八坂さんとの思い出を守る為に」 リュンマ「負けたら、何もかも終わり……思い出に浸る時間すら、奪われてしまうんです。だから」 あとがき 自分にしては珍しい、全部丸く収まってハッピーエンド、とはならないシナリオです。 シナリオタイトル『Hopeless call』とある通り、(直接的な)希望はない、という展開で書きたかった。 これはソウルハッカーズ2のオープニングの曲名なんですけど、歌詞とかすごく好きなんですよ。 で、凍のシナリオだからcall、リュンマの専用オーギュメント《ファヌエル》は希望の天使なので、組み合わせて黙示録の凍の死のタイミングを題材にして書いた訳で。 凍の死は避けられない、ならどうするか?って。 まあHopelessなので、リュンマが不幸になる(失恋する)可能性は非常に高いとは思うんですけどね。 一応言っておきますが、私は凍が大好きです。 セラピアも紫音も桂も好きだけどね。 そしてこのシナリオ書いたら、そもそもの前提である、リュンマがPC1に恋心を抱くシナリオが必要なのでは?と思いまして。 だからもう一本(Call for (you).)増やしましたよ、ええ。だって俺だよ?(知らんがな)