今回予告 帝都にて、ホイシュレッケを生み出すアバドンの存在が確認された。 アバドンを放置すれば、いずれヤシマはイナゴの群れに食い尽くされる。 そしてアバドン討滅後、帝都を浄化する役目を担うのは……草薙伊音の妹で、当代最高の陰陽帥である、草薙紫音。 だが彼女には、誰にも明かすことのできなかった想いを、抱いていた…… エンゼルギア天使大戦TRPG ショートキャンペーン『星に願いを』前編 『FREEZE MY LOVE』 愛を凍らせて 二度と目覚めない様に PC1:オフィーツィア 帝都奪還作戦の指揮を任されたキミと草薙伊音、そして伊音の妹の紫音とは、年の離れた幼馴染だ。 その紫音が、八門結界再構築の術者に選ばれた。 だが事ここに来て、紫音がキミにも伊音にも、何かを隠している気がしてならない。 シナリオダーザイン【草薙紫音からの慕情】 ※PCの性別は男性限定、及び完全機械化兵以外とする PC2:ギアドライバー/ナビ:草薙伊音 帝都にて、ホイシュレッケを生み出すアバドンの存在が確認された。 八門結界を再構築する術者は草薙紫音、伊音の妹だ。 伊音は紫音の為にも、アバドン討滅部隊に志願したいと言う。 キミが、その願いを聞き届けない筈が無かった。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの懇願】 PC3:ギアドライバー/ナビ:司鏡紀央 帝都奪還作戦を前に、キミのパートナーである紀央が不安を訴えかける。 もしかしたら、今度こそ生きては帰って来れないかも……と。 彼女の不安を拭い去り、アバドンを討ち滅ぼすのが、キミの使命だ。 シナリオダーザイン【司鏡紀央からの不安】 PC4:ギアドライバー/ナビ:八坂凍 キミは、ヴィヴリオ直々の指名で、帝都奪還作戦の一員に選ばれた。 伊音や紀央が冷静でいられないだろう、という判断からだ。 キミはヴィヴリオ大佐や仲間達、そしてヤシマの為に、任務を引き受けた。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの罪悪感】 本シナリオは、経験点を100点前後使用したPCでのプレイを想定しています。 また、帝都奪還作戦から10年後を遊ぶ後編がある為、本シナリオには福音フェイズは存在せず、紫音を救う事は出来ません。 ※GMへ パトスやロゴスが足りないと感じたら、適宜シーンを2〜3シーン追加すること。 もし経験点未使用のPCで遊ぶ場合は、アバドンの【HP】や特技を適宜変更・削除すること。 オープニング シーン1 シーンプレイヤーは全員 アバドンの存在が確認され、アバドン討滅部隊を編成し、帝都を奪還すると発表される。 ヴィヴリオ「この任務は、非常に危険なものとなる。もしかしたら、生きて帰れない可能性すらある」 ヴィヴリオ「我こそは、と思う者の、志願を期待する」 流石のヴィヴリオも、歯切れが悪いようだ。 ヴィヴリオ「今ここで即答しなくてもいい。だが、誰かに頼まねばならん。そうせねば、ヤシマに未来はない。それだけは理解してくれ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC1 ヴィヴリオ直々に討滅部隊の指揮を依頼される。 ヴィヴリオ「貧乏くじを引かせるようで済まないが……キミに帝都奪還作戦の指揮を任せたい」 ヴィヴリオ「帝都に巣食うアバドンの討滅後、帝都のエーテル濃度低下を待ってから八門結界の再構築。その術者に選ばれたのは、当代最高の陰陽師である、草薙紫音。そう、伊音の妹だ」 ヴィヴリオ「……確かキミは、二人とも旧知の仲だと聞く。彼女らの為にも、引き受けてくれるか?」 キミが司令室を出ると、伊音が待っていた。 伊音「PC1殿、帝都奪還作戦の指揮官に任命された、というのは誠ですか?」 伊音「貴方が引き受けて下さるなら、我ら姉妹も安心して事に当たれます」 伊音「ですが……少しだけ気になることがあります。最近、紫音の様子がおかしいのです。大役を前にして、不安なのかも知れませんが……私にも何も言ってくれない。もし良かったら、PC1殿からも様子を伺っていただけないでしょうか?」 シナリオダーザイン【草薙紫音からの慕情】 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 討滅部隊に、伊音が志願する。 伊音「妹の紫音の為にも、私は討滅部隊に志願したい。……手伝って、くれないか」 伊音「良かった、もしお前が断りでもしたら、私は一人ででも行くつもりだったからな」 伊音「此度の戦いに、ヤシマの未来が掛かっている。我らならばきっと、任務を遂行出来る。私はそう信じているぞ」 シナリオダーザイン【草薙伊音からの懇願】 シーン4 シーンプレイヤーはPC3 討滅部隊に伊音が志願するのを聞きつけ、紀央も志願する。 紀央「PC3様、折り入って話がございます。わたし、討滅部隊に志願したいのです」 紀央「…正直に言えば、とても不安です。もしかしたら、生きては帰って来れないかも知れませんから……」 紀央「それでも、今までお二人には、大変お世話になったんです。だから、その恩返しがしたいのです」 紀央「それに、紫音様は私の友人です。友人の為に何かしたい、と思うのは、いけないことでしょうか。PC3様、わたしのわがままを、聞いて頂けませんか」 シナリオダーザイン【司鏡紀央からの不安】 シーン5 シーンプレイヤーはPC4 キミはヴィヴリオに呼び出された。 ヴィヴリオ「単刀直入に言う。済まないが、アバドン討滅部隊に加わって欲しいのだ」 ヴィヴリオ「今回の作戦だが、PC1や伊音、紀央達は冷静ではいられないのではないか、という懸念がある」 ヴィヴリオ「アバドンの討滅は、ヤシマ軍との合同作戦でもあり、インペリアル軍のメンツにかけても、絶対に失敗出来ない。とは言え、帝都奪還作戦、及び八門結界再構築の間の防衛も考えなければならないから、総力を結集する訳にもいかない」 ヴィヴリオ「太平洋上の合衆国天使十字軍第七艦隊がどう動くか、分からんからだ」 ヴィヴリオ「志願制を謳っておきながら、お前には出撃を命じるのは、私としても、苦渋の判断であるという事は、理解して欲しい。……済まない」 頭を下げるヴィヴリオ。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの罪悪感】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、他PC登場不可 キミは早速、紫音の元へと赴いた。 紫音「お久しゅうございます、PC1様。今日は如何なされましたか?」 紫音「隠し事、ですか。…申し訳ありませんが、こればかりは言えません。これは、紫音の問題ですから」 紫音「どうしても気になる、とおっしゃるのであれば…もう少し、心を整理する時間を下さいませ」 紫音「今それを言ってしまったら、覚悟が鈍ってしまうかも知れませぬ故。申し訳ありません、PC1様……」 紫音は結構頑固なところがある事を、キミは幼少の頃から知っている。 こうなってしまうと、今は聞き出すことは出来ないだろう。 残された時間はあまり無いが……キミは、また後で聞くしかない、と今は諦めることにした。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーは全員 帝都奪還作戦の説明。非常に危険な任務であり、実際に突入するのはPC達と紫音、及びホルテンを動かす為の最低数の人員。 ヴィヴリオ「この決死の任務に志願してくれた、貴公らの勇気に感謝する」 ヴィヴリオ「これが、最後になるかも知れん。作戦に参加する者全員に、明日一日休暇を与える」 ヴィヴリオ「後悔のないよう、明日を過ごしてくれ……何らかの費用が発生した場合は、全て私の名前で領収書を切ってくるように」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーは全員 最後の日常。 PLの希望を聞いて個別の場面を作成する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC2、他のPCは任意 紫音「皆様、ごきげんよう。この度は、よろしくお願い申し上げます」 紫音「人には、それぞれ果たすべき役割があるのです」 紫音「紫音は守りたいのです。大切な人を。姉様を」 紀央「……紫音様は、お強いのですね」 紫音「はい。伊音姉様の幸せこそ、今の紫音が、もっとも望むことなのです」 (誰かが止めろと言った) 伊音「御国の為に、その身を捧げる。草薙の家に生まれた者にとって、最高の誇りでもある」 伊音「次期当主として、妹がその任にあずかるのは、この上ない光栄だ。」 紫音「これこそ、紫音にしか為しえないことなのです。紫音の誇りを、奪わないでくださいまし」 紫音「では、紫音は準備がありますので、失礼致します」 紫音が去った後 伊音「PC2……胸を貸してくれ」 伊音「わかっている、私だって、わかっているんだ!」 伊音「私は……本当は、強くなんかないんだ」 伊音「私は、また……血を分けた家族を、目の前で、失わなければ、ならないのか?」 伊音「嫌だ……兄上をこの手で殺し、紫音までも居なくなってしまう……。嫌だ……そんなの、嫌だぁ……」 童女のように泣きじゃくる。 PC2の返答を貰って、シーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 出撃前。今回の作戦に参加する面々が、瑞穂基地の飛行場に勢揃いし、ハルトマンが演説する。 ハルトマン「この決死の任務に、貴公らだけを就かせるのは、正直心苦しい……。だがルフトヴァッフェには、帝都を覆うエーテルの雲を突破出来る装備がない。だから、貴公らだけが頼りだ」 ハルトマン「貴公らが何らかの手段でエーテル雲を取り除けたならば、ルフトヴァッフェの航空部隊を、援軍として送ろう」 ハルトマン「此度の戦い、今後の戦況を大きく左右するものとなるだろう。必ずやアバドンを打ち倒し、帝都を我らの手に!」 ハルトマン「出撃の時刻だ。……フリーデン・イン・デア・ハント!」 シーン6 シーンプレイヤーは全員 帝都への突入 帝都を包むエーテル流の嵐を突破する。 全員判定を行う。全員ヴィークルに乗っている状態での判定。 〈エーテル〉難易度5、失敗したら〈回避〉難易度10。エーテル判定に成功した場合はダメージなし、回避の判定に成功したら1D6、失敗したら3D6点のダメージを装甲に受ける。 このダメージは身代わりなどで軽減出来ない。 凍「……雲、抜けた。……何、あれ」 眼下に広がる、無人の帝都。そしてそこかしこに積もった、塩の柱。 紫音「……この様子では、生存者は望めないでしょう。先を、急ぎましょう」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーは全員 構造体への到達 帝都に侵入したキミたち。 紀央「エーテル濃度が高いせいでしょうか……とても、息苦しい感じがします」 伊音「通信不可……これもエーテル濃度が高いせいのようだな。根源を断たねば、どうにもならんようだ」 〈運動〉難易度13 〈探知〉難易度13 〈情報処理〉難易度13 〈エーテル〉難易度13 〈軍略〉難易度13 上記の判定全てに成功する必要がある。尚、判定はヴィークル、ナビゲーター修正まで含めた判定値で行う。 失敗した場合、1判定につき3D6の実ダメージが発生する。 全てに成功すると 紀央「PC3様。爆心地に、目的のアバドンがいるようです」 紫音「PC1様。こちらから、とても強い力を感じます。天使とは異なる、でも天使に似た……何でしょうか」 伊音「勘でしかないが……そちらに行った方がいい気がする。確証など、何一つ無いんだが……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーは全員 構造体との戦闘(?) キミたちは紫音の先導により、謎の巨大な黒い構造体の前へと辿り着く。 紀央「エーテル流が、爆心地に向かって絶えず注ぎ込まれているのが、見えます。恐らくは、これはアバドンに繋がっているかと」 伊音「ならば……破壊するのみ、だ!」 HP100 回避も攻撃もしないが、戦闘ラウンドとして処理する 【肉体】33 【感覚】0 【理知】0 【聖霊】33 《ケルンV》対天使効果なしの武器無効、99点以下のダメージ無効 《再生V》クリンナップに66点回復 破壊した:周囲のエーテル濃度が急激に下がり、通信が復旧する。 紀央「どうやら、これが周囲のエーテル濃度を上げていたようですね」 伊音「PC2よ、私の勘も、捨てたものではなかろう?」 紫音「……準備は整いました。いざ、アバドンの元へ」 そこに通信が入る。 ハルトマン『ようやく通信が繋がったか』 ハルトマン『帝都周辺のエーテル雲が途切れた事を確認した。これより、ルフトヴァッフェの決死部隊を、援軍として送る。可能であれば、援軍の到着まで待っていてくれ』 ハルトマン『本音を言えば、彼らの一人たりとも、失いたくはない。だが、この戦いに勝利出来なければ、ヤシマは、アバドンが無尽蔵に生み出すホイシュレッケによって、内側から食い尽くされ……結果、ヤシマは滅ぶ。彼らの覚悟を、汲んでやってくれ』 凍「……どう、する?待ってれば、助け、来るけど……」 紫音「ですが……待っていれば、その分エーテル汚染が進みます。どうなさいますか?」 援軍が来るのを待つ→全員のアガペーが4D6上昇する 《援軍》 1シナリオに3回使用可能 ・ダメージを肩代わりする(《マルクト》+《不死身の異名》) ・イニシアチブフェイズに宣言することで、任意のエンゲージにいるホイシュレッケ全てを全滅させる(《メタトロン》の一部効果) 待たない場合、上記の効果は得られない。 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーは全員 アバドン戦 伊音「勝つぞ、この戦い。紫音の為にも……」 初期配置 アバドン・ホイシュレッケ:ヤークト×20 ←3000m→ PC(同一エンゲージ)) ホイシュレッケ:ギフト×5        ←1000m→ ホイシュレッケ:シュトラーヘB×5    ←1000m→ ホイシュレッケ:ヤーボ×5        ←1000m→ ※ホイシュレッケ:ギフト、シュトラーヘ、ヤーボはそれぞれ別エンゲージ 熾天使級天使兵アバドン HP800 肉体30 感覚22 理知22 聖霊22 行動値:11 移動力200m/2000m ※PCが3人の時は【HP】450に変更する 《蠍の尾》(白兵攻撃)   判定値25 レベル5 射程:至近  ダメージ(種別)+22 【HP】400以下になった場合、対象は範囲(選択)になる 白兵攻撃に対してこのデータによる突き返しを行える 《苦しみの手》(射撃攻撃) 判定値22 レベル5 射程:視界  ダメージ(種別)+10 〈意志力〉のみ回避が可能、突き返し不可 この攻撃によるダメージは必ず【HP】にダメージを与えるが、この攻撃では【HP】は1未満にはならない 《必殺の矢》(射撃攻撃)  判定値20 レベル5 射程:視界※ ダメージ(種別)+38 この攻撃は常に範囲(選択)を対象と出来る 同一エンゲージに対しては使用出来ない、1ラウンド1回使用可能 《飛行能力》 《BS耐性》バッドステータスひとつ回復、【HP】10点失う 《防御形態》このエネミーの【HP】が401点以上の場合、エンゲージ外からの攻撃によるあらゆるダメージを半減する 《攻撃形態》このエネミーの【HP】が400点以下の場合、このシーンに登場している全てのエネミーの攻撃の成功数を+5する 《範囲攻撃》マイナー、【HP】3点失う 《破壊もたらす者》 自身の【HP】が700点以下になった場合に使用する。 同一エンゲージにホイシュレッケ:サジッタ×20を登場させる。災厄扱い、1シナリオ1回 《奈落の奥に潜む者》 自身の【HP】が400点以下になった場合に使用する。 1000m以内の任意のエンゲージにホイシュレッケ:ヴィント×10、パワー:ストライク×1を登場させる。災厄扱い、1シナリオ1回 《滅びもたらす者》 自身の【HP】が100点以下になった場合に使用する。 同一エンゲージにホイシュレッケ:シルト×10、1000m以内の任意のエンゲージにパワー:ブリッツ×2を登場させる。 さらに登場しているすべてのキャラクターに共鳴判定3を行わせる。 また[行動済み]の場合、即座に[未行動]となる。災厄扱い、1シナリオ1回 《ケルンU》対天使効果なしの武器によるダメージ無効 《疾風怒濤》×2 《奇跡》×3 《神罰》×3 《復活》×2 《アバドンの顎》×5 セットアップ、指定した一エンゲージにホイシュレッケかパワーを1D6体召喚、災厄 《黒き業炎》×1 《時空を砕く者》×2 メジャー直前、射程:視界、成功数+20 《終末の予感:共鳴判定3》×1 《星を落とすもの》×1 マイナー直前、対象:場面(選択)、射程:視界 素晴らしい活躍:災厄の分で+13点 アバドンを打ち倒すと同時に、周囲の卵とホイシュレッケはすべて、エーテルの粒子となって崩れ、消えていく。 キミ達は、勝ったのだ。 エンディングフェイズ シーン1 アバドンを打ち倒してから、一週間が過ぎた。 帝都の浄化が完了し……遂に、結界の再構築が、開始される。 紫音「紫音はここで眠ります……守って、くださいね」 紫音「…一つだけ、心残りがございます。……PC1様。紫音は、幼き頃からずっと、あなた様をお慕いしておりました」 伊音「……私は、お前の気持ちに、今まで全く気付けなかった。済まぬ、紫音……」 紫音「……紫音も、言うつもりは全く無かったのです。この想いは秘めたまま、飲み込むつもりでしたから……。でも、これで心置きなく、紫音はお役目に向かうことが出来ます。皆様、最後の我儘を聞いて下さり、ありがとうございました」 ※尚、ここでPC1が一緒に祠に入ると言い出した場合、結界構築に支障が出るし、またキミには今後の軍の指揮がある、と言って却下すること。 紫音「……PC1様。もしも、このお役目から、解き放たれる日が、来るのなら……その時は、迎えに、来て下さいますか」 紫音「では、姉様、PC1様……幾健やかに」 伊音「ああ……さらばだ」 そう言い残し、結界中心部の、小さな祠の中へと入っていく。 祠の扉が完全に閉まった後。 伊音「紫音、紫音……!」 その場に崩れ落ちる。 紀央「皆様……ここは、PC1様とPC2様、伊音様の、三人にして差し上げましょう……」 凍「……行こう、PC4」 伊音「私は、私は……紫音に、最後の最後まで、気を遣わせてしまった……最低な姉だ……」 伊音「お前の犠牲は、決して、決して無駄にはしないから……赦してくれ、紫音……」 伊音は溢れる涙を拭おうともせず、ただひたすら、紫音の入って行った祠に向かって、頭を垂れていた。 ただ、ずっと。