今回予告 キミはマルガレーテ・エッケザクスの恋人のフリをするよう頼まれた。 お見合いを断る為の方便だそうだが、何でよりによって、いつも喧嘩している自分が? 時同じくしてドライクロイツに、無人機の新型兵器、VMSーXの試験運用の依頼が舞い込む。 毎回単座型や無人機が絡むとロクな事が無いが、今回も何が起こるやら。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Falsehood Lovers』 嘘から始まった関係だけど、ホントの気持ちは、どうなの? PC1:ギアドライバー/ナビ:任意 ※性別は男限定 キミとマルガレーテ・エッケザクスは、犬猿の仲だ。 顔を合わせればいつも、口喧嘩ばかりしている。 その彼女が、実にとんでもない相談を持ち掛けてきた。 シナリオダーザイン【マルガレーテ・エッケザクスからのお願い】 PC2:エッケザクス財団お抱えのウィザード キミはエッケザクス財団お抱えの技術者で、現在は瑞穂基地に出向中の身だ。 新規参入の企業による、無人機のプレゼンにキミも参加することになった。 だが正直なところ、単座型や無人機にいい思い出はない。今回も大丈夫だろうか? シナリオダーザイン【VMSーXからの疑惑】 PC3:ホムンクルス キミは試験運用で基地に運び込まれた新型兵器、VMSーXの警備をしていた。 VMSーXは無人機、という話だが、どうやら彼女?は自分と似たような存在らしく、キミに話し掛けてきた。 シナリオダーザイン【VMSーXからの友情】 PC4:ギアドライバー/ナビ:クベルタ10ー9 キミとクベルタは、いわゆる恋人同士だ。 マルガレーテが今回言い出したことは、キミ達もビックリだ。 これは、嫌よ嫌よも好きの内、ってやつか……? 実に、興味深い。 シナリオダーザイン【自己からの好奇心】 ※注意 ・PC1とそのナビゲーターは、交際も告白もしていないものとする。何故なら初手で事故るからである。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 マルガレーテ「PC1さん、話がありますの」 マルガレーテの様子がおかしい。いつもなら、そこの庶民、って言ってくる筈なのに。 マルガレーテ「わたくしの、恋人になっていただけないかしら?」 マルガレーテ「あくまでも恋人のフリですわよ、フリ。……父から、見合い話を薦められたんですの。わたくしは嫌だ、と言ったのに、父が妙に乗り気で……」 マルガレーテ「でも、わたくしにはわたくしの人生がありますわ。いくら財閥令嬢だと言えど、自分の伴侶となる殿方は自分で決めたいんですの」 マルガレーテ「こんな事、頼めるのがあなたしか思い付かなかったんですわ」 しかし何で、恋人のフリをするのが、よりによっていつも顔を合わせれば口喧嘩している自分なんだろうか? シナリオダーザイン【マルガレーテ・エッケザクスからのお願い】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 キミはエッケザクス財団お抱えの技術者だ。 今はシュネルギア研究の為に、瑞穂基地に出向して、中島班長らと共に働いている。 ある日のことだ。キミはヴィヴリオに呼び出された。 ヴィヴリオの隣に、見慣れない男が立っている。 ヴィヴリオ「こちらは、グランツ社から派遣された、リヒト・シュトラール氏だ」 リヒト「ご紹介いただきました、リヒト・シュトラールです」 リヒト「わたくし、こういう者でございます」 名刺を差し出してくる。 名刺にはグランツ社開発主任、リヒト・シュトラールとある。 リヒト「皆様が揃いましたら、この度グランツ社の開発した無人機、VMS−Xのプレゼンを行いたいと思います」 VMSーXと呼ばれた機体を見上げるキミ。 正直なところ、単座型や無人機にはいい思い出がない。 毎回、暴走事故が起きているからだ。 今回も、本当に大丈夫だろうか? シナリオダーザイン【VMSーXからの疑惑】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 キミは試験運用で基地に運び込まれた新型兵器、VMSーXの警備をしていた。 すると、どこからか声がする。 いや、内蔵通信機に、直接話し掛けているのだ。 VMSーX「良かった、私の声が聞こえるのですね。私はグランツ社で開発された、VMSーX(ファウエムエスーイクス)。長いのでイクス、とお呼び下さい」 声の主は、警備対象のVMSーXだった。 イクス「私は、人間戦車サイズの完全機械化兵です。なので装甲の下は、普通の完全機械化兵と変わりません」 イクス「私は、戦う為だけに作られた存在です。戦闘だけでなく、日常でもヒトの役に立てる、あなた達が羨ましい」 イクス「どうせなら、私は普通の完全機械化兵として作られたかった」 イクス「……そうすれば、普通のお洒落とかも出来たのに」 リメッツェ9ー11「交代の時間です、PC3。……誰と話しているのですか?」 イクス「さっきの話は、内緒でお願いします。また、お話ししましょう、PC3」 イクスはサイズこそ大きいものの、内面は自分たちとあまり変わらないらしい。 ……と言うより、無人機に自我が芽生えたら、それはそれで問題なのでは? シナリオダーザイン【VMSーXからの友情】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 キミとクベルタは、いわゆる恋人同士だ。 だから、仲間達や友人のコイバナ、というものには性質上敏感だし、それに言っちゃあ何だが、面白い。 クベルタ「ご主人様、マルガレーテさんて、本当はPC1のこと好きなんだと思うのですけど、どう思われますか?」 クベルタ「いつもの態度は、照れ隠しなんじゃないでしょうか?」 クベルタ「噂によりますと、お見合いを断る為に、嘘の恋人になって欲しい、って頼んだらしいんですが、本音はそのまま恋人になりたいんじゃないでしょうか?わたくし、とても気になります!」 他人の恋愛話というのは、実に興味深い。 それが、いつも喧嘩してる二人だと言うなら尚更だ。 キミとクベルタは、二人の動向がとても気になった。 人、それを野次馬根性という。 シナリオダーザイン【自己からの好奇心】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2、全員登場。 格納庫で、VMSーXの説明会が開催される。 ヴィヴリオ「お前達の意見を求めたいので、説明会に参加してもらった」 リヒト「こちらが、資料となります」 一人一人に資料を配る。 リヒト「VMS−X。優秀な兵士の脳をクローニングしたユニットを組み込んだ、自律稼働兵器です。他社で単座型で失敗した例があるそうですが、我々は違う」 リヒト「これは言わば、人間戦車サイズの完全機械化兵です。なので極力、フォルムを女性型に近付けてあり、装甲の下は普通の完全機械化兵と大差ありません」 三郎「なるほど、シュネルギアサイズの完全機械化兵か。それなら、暴走の心配は格段に減るわな」 リヒト「流石は中島班長。話が早い」 三郎「だが天使化の可能性が高いのは、依然残ったままだ。その辺はどう解決する?」 リヒト「遠隔操作も可能な自爆装置を組み込んであります。いざとなれば、敵陣に特攻して自爆していただきます」 三郎「そいつはまた、穏やかじゃねェ運用だなァ……」 リヒト「コストとしましては、開発費から見た場合、完全機械化兵プラスフライングユニットよりは高く、シュネルギアより安い、といったところです。ですが、完全に戦闘に特化した運用となりますので、完全機械化兵のように日常行動のラーニング等をせずに済む分、トータルでのコストはかなり安く済むかと」 三郎「……悔しいが、理にかなってやがる」 三郎「PC2、お前ェさんからは何か気になることはねェか?」 リヒト「ご質問は以上でしょうか?」 リヒト「試験運用が終わるまでは、こちらに滞在させていただきますので、もし後程に質問ありましたら、何なりと」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、他のPCは出歯亀なら可 マルガレーテ「恋人のフリをしている間は、わたくしのことをメグ、と呼んで下さいまし」 マルガレーテ「メグは愛称ですわ。本来ならば家族や本当に親しい者にしか呼ばせませんが、今回は特別でしてよ」 マルガレーテは小声で「……メグと呼ぶことは、友人には誰も許していませんけど」 マルガレーテ「な、何でもありませんわ!」 ぷい、と横を向く。 ……あれ、マルガレーテってこんなに可愛かったっけ。 マルガレーテ「わたくしのお見合い相手は、ギルベルト・グランツというお名前の、グランツ社の若社長なんですの。次合う時に、あなたを恋人として紹介して、お見合いをお断りしますわ」 グランツ社……どこかで聞いたような…… 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC3、他のPCは任意 イクス「調子はどうですか、PC3。私はちょっとショックを受けています」 イクス「天使化しそうになったら、処分されるのは仕方ないことだ、と勿論理解しています。でも、最期が特攻兵器なのはちょっと……」 イクス「確かに、私は戦闘に特化された兵器です。でも、討ち死にならともかく、自爆ですか。はぁ……シュトラール主任の命令なら、従います。……他の人の命令だったら、嫌だな……」 イクス「こんな風に考えてしまうなんて、私は兵器失格でしょうか」 イクス「……こんなことなら、自我になんて、目覚めなければ良かった。そうすれば、心置きなく戦えるのに」 イクス「そうだ、PC3さん。これを受け取って下さい」 そう言ってイクスから渡されたのは、一本のメモリースティック。 イクス「これは、私のバックアップメモリーです。あなたに持っていてもらった方がいい、と判断しました」 自我が芽生えてしまったが故の、苦悩。 サイズが違えど、抱える悩みは自分たちと同じらしい…… 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は出歯亀なら可 マルガレーテがギルベルトと合わなければならない、ということで、キミは同行している。 ギルベルト「これはこれは、マルガレーテ嬢。本日もお美しい」 マルガレーテ「ごきげんよう、ギルベルト様。今日は、お見合いをお断りに参りました」 ギルベルト「おや、我(オレ)のどこにご不満が?」 マルガレーテ「わたくし、恋人がおりますの。PC1さんと申しますわ」 ギルベルトはPC1を上から舐めるように見て「エッケザクスのご令嬢は、そのような雑種の方がお好みと?」 マルガレーテ「わたくしの恋人を愚弄する、ということは、わたくしを愚弄するのと同じことですが?」 ギルベルト「これは失礼。では、このことは後程、家人と共に相談させていただくことにしよう」 ギルベルトが去った後 マルガレーテ「あの方、どうしても好きになれませんわ」 キミは、同族憎悪なんじゃないか、と言おうと思って止めた。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4、PC1登場不可、PC2とPC3は任意 キミとクベルタは、マルガレーテがギルベルトとの見合い話を断る所にたまたま?遭遇し、物陰から隠れて様子を伺っていた。 クベルタ「あのギルベルトさんって方、いかにもテンプレ通りの俺様キャラですね。あれは誰が相手でも、苦労しそうです」 クベルタ「解散したみたいですね。何だか浮気調査してる探偵みたいな気分で、ちょっと楽しいかも」 クベルタ「あれ?PC1さんには(PC1のナビ)さんがいますけど、付き合ってる訳ではないですから……これは別に浮気じゃないですね」 クベルタ「と言うか、(PC1のナビ)さんは、うかうかしてる場合じゃないですよね。このままだと、PC1さん、マルガレーテさんに取られちゃうのに」 クベルタ「と言うか、(PC1のナビ)さんは本人にバレてないつもりなのかも知れませんが、端から観ると、PC1さん好き好きオーラ駄々漏れですよね。まあPC1さんが鈍感なのかも知れないですが……」 クベルタ「確かに他人事なので、余計な心配ですけど、ギアドライバーとナビゲーターの関係に亀裂が入るのは、仲間としては見過ごせません」 クベルタ「ただ……人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて何とやら、なんですよねえ……」 クベルタ「どうされますか、ご主人様?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、PC3自動登場、他のPCは任意。 情報収集シーン。 〈事情通〉〈情報処理〉〈軍略〉いずれかで判定。 ギルベルト・グランツ 難易度1 グランツ社の社長。20歳。 全てにおいて優れた者が愚かな他者の上に立つべき、という考えを持つ、選民思想の持ち主。 一人称は我(オレ)。 難易度3 ギルベルトは名ばかりの社長で、実権は全て会長である父親に全て握られている。 思想も父親譲りのもので、親の敷いたレールに沿って生きていることに、何の疑問も持っていない。 難易度5 本物のギルベルトは子供の頃に病死している。 今の彼は、ヴリルソサエティに与えられたホムンクルスに、ギルベルトの記憶を植え付けたものである。 この事実を、ギルベルト本人は知らない。 また、この政略結婚はヴリルソサエティ主導で仕組まれたものであり、全てはヴリルの計画の内である。 グランツ社 難易度1 兵器開発で最近。更なる勢力拡大の為、エッケザクス財団との合併を目論んでいる。 マルガレーテとの見合い話は、その為の政略結婚である。 難易度3 グランツ社はヴリルソサエティからの資金・技術提供を受けて成長してきた、ヴリルの傀儡企業である。 ヴィヴリオ「ヴリルソサエティ、か……全く、面倒なことをまた持ち込んでくれたものだ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 格納庫。 ヴィヴリオ「VMSーXはヴリルの息のかかった兵器か……信用は出来んな」 ヴィヴリオ「試験が終わったら、何でもいいから屁理屈こねて突き返すか。……無事に終わったら、の話だがな」 リヒト「どういうことです!?ヴリルだか何だか知りませんが、VMS−Xは私の作った最高傑作です、暴走の可能性は有り得ません!」 ヴィヴリオ「お前の与り知らぬところで、誰かが暴走するように仕組んだ、という可能性は、幾らでもあるのだよ。ヴリルソサエティの連中は、そういう奴らだ」 リヒト「そうなのですね……自分の力で作り上げた、と思っていたのは、単に持ち上げられてそう思い込んでいただけ、だったのか……」 ヴィヴリオ「そうでもないさ。貴殿の力が無ければ、VMS−Xは完成しなかったと、私は思うがね」 リヒト「……そうです、そうですとも!」 (PC1のナビ)「ところでPC1、マルガレーテさんの恋人のフリしてるって聞いたんだけど、本当?」 (PC1のナビ)「ふーん。そうなんだ」 管制官「瑞穂基地より距離3万に、エンゼルハイロゥ!天使です!」 ヴィヴリオ「おあつらえ向きに天使が来たか。試験運用だけは形だけでもやらんとな……」 (PC1のナビ)「戦闘終わったら、詳しく聞かせてもらうからね」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC2とPC3、全員登場 VMSーXは暴走することなく稼働し、天使の撃退に成功した。 リヒト「如何ですか、やはり私の開発したVMSーXは完璧でしょう」 イクス「シュトラール主任が誉めてくれた……嬉しいです」 ヴィヴリオ「……ここまでは、想定内だ」 リヒト「それは、どういう……」 ???「イッヒハーベディコントローレ」 イクス「……ジーハーベンディコントローレ」 ???「VMSーXの操縦権は、この我が戴いた」 リヒト「何をなさっているのですか、ギルベルト社長!」 戦闘機に乗ったギルベルトが、後方からVMSーXを操っている。 ギルベルト「シュトラール主任、社長の我がこのポンコツを活用してやろうと言うのだ。光栄に思え」 ギルベルト「複座型で出力の安定しないシュネルギアよりも、単機で成立するVMSーXの方がより優秀であると、我直々に証明してやろう」 イクス「助けて下さい、PC3。私達は、天使と戦う為に作られた物です。ヒト同士の争いの為に作られたのでは、ありません」 ギルベルト「無駄口を叩くか、ポンコツの分際で。その口、封じてくれる」 VMSーXの服従回路(イエッサー)をオンにする。 イクス「ああ、私の心が、消える……さよなら、シュトラール主任、PC3さん……」 ギルベルト「ほう、我に歯向かうか、雑種。いいだろう、返り討ちにしてくれるわ」 ギルベルト「我が雑種よりも強い事を証明すれば、マルガレーテ嬢も我を見直すに違いない」 ギルベルト「高貴なる我が、雑種と直接戦う訳がないだろう。お前達の相手は、このポンコツで十分だ」 クベルタ「あの子達が可哀想です。あんな暴君から、あの子達を取り返しましょう!」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 ※VMS−Xのデータは、ノイエギア“月光”のデータを使用する。 ※ギルベルトの乗った戦闘機は、ボステンプレートの天使戦艦のデータを使用する。 戦闘機 ← 1000m → VMS−X ← 500m → PC イクス「解放してくれて、ありがとうございます……」 戦闘終了後 ギルベルト「馬鹿な……我が負ける、だと?」 ギルベルト「それに、この身体はなんだ……我はインプラントなど何一つ入れていない、生身の筈なのに、この機械だらけの身体は……まさか、我は、偽物だった、のか……!?」 ギルベルト「そんな、嫌だ、父さん、母さん……マルガレーテ嬢……」 そう呟いて、戦闘機は爆散する。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 クベルタとの会話 クベルタ「何だか、ギルベルトさん、かわいそうでしたね……」 クベルタ「マルガレーテさんに高圧的に当たっていたのも、そう接する事しか知らなかったんだと思うんです。本当は、好きだったのに。それに、最後の最後に、自分を全て否定されて」 クベルタ「結局のところあの人は、周囲から道具としてしか、見られてなかったんだと思います。だから感情とか人への接し方とか、人として必要なことを、教えてもらえなかった」 クベルタは自分の胸に手を当てて「わたくし達、完全機械化兵は確かに兵器です。でも、わたくし達が普通の兵器と違うのは、自我を、感情を、心を持っていること。時に邪魔になることもあるけれど、かけがえのないものです。これがあるから、わたくし達は、ただの道具じゃない、と胸を張って言えます」 クベルタ「維馬篭さんの場合は、また別ですけどね。あの人にとっては、道具になりませんか、というのは、相手への最高の評価ですから」 クベルタはPC4の手を、自分の胸に当てさせて「わたくしの鼓動、伝わりますか?」  クベルタ「ご主人様と一緒にいるだけで、わたくしはこんなにドキドキします。この気持ちは、誰にも否定させません。……ご主人様、大好きです」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 キミの手の中には、イクスのメモリースティックが残されている。 メモリースティックを使って、イクスを普通の完全機械化兵として再起動させた場合 イクス「おはようございます……いえ、この場合は、ただいま、ですね、PC3さん」 イクス「念願の、普通サイズの身体を手に入れました。早速ですが、服屋さんに、連れて行ってはもらえないでしょうか」 イクス「この身体になったら、やってみたいことが、沢山あるんです。まずはお洒落してみたい。お洒落したら……シュトラール主任は、何て言ってくれるでしょうか」 あれ?もしかして、イクスって開発主任に惚れてるの? イクス「……バレてしまいましたか。今まではサイズが違い過ぎたから、この気持ちは、閉じ込めておくつもりだったんですが。小さくなったら、タガが外れてしまったみたいです」 再起動させなかった場合 三郎「どうした、PC3。何しょんぼりした顔してやがる」 三郎「……ああ、あのVMS−Xな。お前ェさん、仲良かったからなァ」 三郎「あァ?俺を誰だと思ってやがる。それくらい、お見通しだっての」 三郎「兵器が人格を持った場合、柔軟な運用が出来る反面、弊害も出て来るわな。……誰かを好きになる、って気持ちは、誰にも止められねェよ」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 リヒト、三郎との会話 リヒト「私の最高傑作は、やはり完璧でした。間違っていたのは、使う人間……」 三郎「どんなに技術が進んでもこれだけは変わらねえ。機械を作る奴、整備する奴使う奴。人間の側が間違いを起こさなけりゃ、機械も決して悪さはしねえもんだ」 三郎「ところでアンタ、これからどうすんだい。グランツ社はヴリルの傀儡だ。戻っても、情報漏洩で処分されんのがオチだぜ?」 リヒト「ヴィヴリオ大佐にお願いして、ここで雇って貰う訳には行かないでしょうか。私、使えますよ?」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 マルガレーテとナビゲーターとの会話 マルガレーテ「ところでわたくし、本当にあなたの恋人になって差し上げても、よろしくてよ?」 マルガレーテ「……いえ、たまには、素直になりますわ。わたくし、あなたが好きなんですの。いつも照れ隠しで、強く当たってしまって、ごめんなさい」 (PC1のナビ)「ちょっと待った。PC1は私の相棒です。あなたには渡しません」 マルガレーテ「あら、後から出て来て割り込みとは、図々しいですわね。あなたが態度をはっきりさせてこなかったのが、悪いんじゃなくて?」 (PC1のナビ)「むむむ……」 マルガレーテ「わたくしは、ちゃんと告白しましたわ。悔しければ、あなたも告白すれば良いのではないかしら?」 (PC1のナビ)「……何だか焚き付けられた気もするけど……PC1、私は、あなたが好きです」 マルガレーテ「結構ですわ。こういうのは、フェアに行きませんと」 (PC1のナビ)「うう、女として既に負けている気がする……」 マルガレーテ「あとは、PC1さん次第ですわ」 二人「さあ、どちらを選ぶ(選びますの)?」 いつものめっちゃどうでもいいあとがき ところで同人やってた頃、対談とか好きだったでしょ、って? 貴様、何故それを知っているッ 今回マルガレーテをメインヒロインに据えたのは、TRPG仲間のふぇいろんさんに刺さるかなーと思って。珍しくターゲットを絞ってみました。 そしたら見事に刺さった。いぇーい。 また、今回のもう一つのテーマは『恋するホムンクルス』です。 ギルベルトがホムンクルスで、VMSーXは巨大な完全機械化兵ですし、二人とも不器用過ぎますが、誰かに恋をしていました。 クベルタは言わずもがなですね。 VMSーXは、かなりピンポイントですが、巨女萌えってジャンルあるよね?ってことで、巨大完全機械化兵にしてます。 そしてギルベルトの元ネタはFateのギルガメッシュ……じゃないんですよね。 名前のギル、と我(オレ)はそうなんですが、コン・バトラーVの大将軍ガルーダがモチーフになってます。死の間際に、自分が機械だったと知って絶望するところが。