今回予告 彼女は、何も出来ない普通の女の子。 取り柄は笑顔、得意なのはお菓子作り、将来の夢はお嫁さん、という、ただの女の子。 そう、今は、だ。 だが彼女はひたすらに努力する。 キミの為に。 キミが求める力の為に。 まるで乾いた砂に水が染み込むように、彼女の努力は実を結ぶ。 その努力は、見当違いの方向に向くかもしれない。 だが、彼女の努力は、全て、キミの為にある。 キミは、彼女の努力を見て、何を思うか。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『Endeavor & Laziness / Sweet』 キミ色に染めて、わたしのココロ。 PC1:ギアドライバー/ナビ:近江沙耶 PC2:ギアドライバー/ナビ:八坂凍 PC3:指揮官 PC4:機械化兵 近江沙耶(おうみ・さや) 3ヶ月前に、ヤシマ陸軍所属の両親の任務の都合で、瑞穂中学に転校してきた少女。 取り柄は笑顔と趣味のお菓子作り、夢は素敵なお嫁さん、という普通の女の子である。 ナビゲーターとしての能力も得意な分野も定かではないが、PC1とエーテル波長などの面での相性が良いらしい。 ※彼女のナビとしての能力値や専用オーギュメント等は、セッション中にROCで決めます。 その為、PCの能力と噛み合わない可能性がありますが、そういうシナリオなのでご了承下さい。 ※彼女自身の取得している特技は《一緒にお弁当》《家庭料理》《勉強会》《大切な人》である。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:近江沙耶 キミは今まで専属のナビゲーターがおらず、ナビのみんなと交替で訓練を続けてきた。 そんなキミが、遂に専属のナビと組めるという。 だがその少女は、何も出来ない普通の女の子だった。 自分とはエーテル波形等、よく分からない面での相性がいいそうだが、果たしてどうなることやら。 シナリオダーザイン【近江沙耶からの仲間意識】 ※PCの性別は男性限定とする。 ※ナビゲーターからの感情は【近江沙耶からの好意】を推奨。 PC2:ギアドライバー/ナビ:八坂凍 キミと近江沙耶は、特務クラスと一般クラスの垣根を越えた友人だ。 たまたまキミと帰りが一緒になった彼女の前に、黒い車が止まる。 ………日常と別れを告げる、迎えの車が。 シナリオダーザイン【近江沙耶からの友情】 ※近江沙耶の友人である。PCの性別は問わない。 PC3:指揮官 キミはギアドライバー部隊の指揮官である。 天使との戦い以外でも、年若い彼らのケアやら揉め事の処理などに振り回される毎日だ。 そんな折、新たに黒い天使核を持つ少女が見つかり、キミの部隊に配属になった。 だが、瑞穂中学の一般クラスに元々いた少女だという。 これが意味するものは、いったい? シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC4:機械化兵 新たに黒い天使核を持った少女が見つかり、部隊に新しく配属されるという。 ギアドライバーではなくナビゲーター候補だそうだが、キミが一から鍛え上げる必要があるそうだ。 さて、優しく教えるか、鬼教官となるか、それが問題だ。 シナリオダーザイン【自己からの決意】 オープニングフェイズ シーン1/下校途中 シーンプレイヤーはPC2 沙耶とたまたま下校が一緒になる。 沙耶「あ、PC2くん、久しぶりだね」 沙耶「特務クラスのみんなも大変だよね、天使と戦ったり、合間を縫って夏期講習出たり」 そこに、目の前に黒い車が止まり、中から黒服の男が出てくる。 黒服の男「君が、近江沙耶くんだね?」 沙耶「えっ………まさか、わたしが?」 黒服の男は苦笑しつつ「そういう事だよ。飲み込みが早くて、こちらとしても助かるよ」 沙耶は少し困ったように笑って「それじゃ……また後でね、PC2くん」 自ら車に乗り込む沙耶。 一言台詞を貰って、シーンを終了する。 シナリオダーザイン【近江沙耶からの友情】 シーン2/新人、サイドPC3 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオ「新しい黒い天使核持ちが見つかった。」 ヴィヴリオ「近江沙耶、瑞穂中の一般クラス所属だが、明日から特務クラスに編入だ。過去に何回かヘルプストハイムチェックを受けているが、何故かすり抜けて来ている」 ヴィヴリオ「3ヶ月前に、ヤシマ陸軍所属の両親の任務の都合で転校してきた、とのことだが……」 ヴィヴリオ「ヤシマ陸軍に限らず、ステイツや、ヴリルソサエティの息の掛かった人員の可能性もある。監視も兼ねて、PC3の部隊に配属する」 ヴィヴリオ「ギアドライバー達に悪影響を与えない為、疑いがある、というのは子供達には言わないでおいてくれ」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン3/新人、サイドPC4 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオ「新しいナビゲーター候補が見つかった」 ヴィヴリオ「近江沙耶、瑞穂中の一般クラス所属だが、明日から特務クラスに編入だ」 ヴィヴリオ「資料によれば、PC1とエーテル波形が近く、相性がいいようだ。その為、現在ナビゲーターのいないPC1の専属のナビゲーターに任命する予定だ」 ヴィヴリオ「だが、全くの素人だ。お前が一から鍛え上げる必要がある」 ヴィヴリオ「一刻も早く使い物になるよう、訓練してやってくれ。しかし素人のナビゲーター用の教育マニュアルなんてあったか……?」 ヴィヴリオ「元々所属しているナビゲーター達は、何かしら得意とするものがあったからな……こちらとしても手探りになる。後の参考になるよう、教育内容をレポートにまとめてくれ」 シナリオダーザイン【自己からの決意】 シーン4/はじめまして シーンプレイヤーはPC1 司令室。キミはヴィヴリオに呼び出された。 ヴィヴリオの隣には、見覚えのない少女が立っている。いや、どこかで見たことあるかも。どこだっけ。 ヴィヴリオ「喜べPC1。お前にも、専属のナビゲーターがつくこととなった」 ヴィヴリオ「近江沙耶少尉、自己紹介を」 沙耶「はい。近江沙耶です。この度、一般クラスから特務クラスに編入されることになりました。PC1くん、よろしくね」 ヴィヴリオ「近江少尉がナビゲーターに就任する事だけは決定しているが、得意なことや担当火器はこれから適性を見ることになっている」 沙耶「まだ何も出来ないけど、見捨てないでくれると、うれしいな……」 そう言って、右手を差し出してくる。 ヴィヴリオ「近江少尉が使い物になるよう、お前も協力しろ」 シナリオダーザイン【近江沙耶からの仲間意識】 ミドルフェイズ シーン1/新人だョ!全員集合 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 ヴィヴリオ「さて、諸君らに改めて新しい仲間を紹介しよう。近江沙耶少尉、PC1の相棒となるべく招聘された者だ」 沙耶「はい。近江沙耶です。よろしくお願いします」 沙耶は苦笑しながら「PC2くん、また会っちゃったね」 ヴィヴリオ「近江少尉、PC2とは知り合いか?」 沙耶「はい、PC2くんとは、仲良くさせてもらってます」 ヴィヴリオ「そうか。ならば、分からないことがあれば、PC2に聞くといい」 ヴィヴリオ「他の者からは何かあるか?何もなければ、これで解散とする。2時間後、適性試験を開始する」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2/キミ色に染めて シーンプレイヤーはPC1、全員登場 ヴィヴリオも立ち会いの下、沙耶のナビゲーターとしての適性をみる為の試験が始まった。 ヴィヴリオ「ではこれより、適性試験を開始する」 ナビゲーター育成パート 能力値を決定する為に1D4を5回振る。 それぞれ1:【肉体】、2:【感覚】、3:【理知】、4:【聖霊】として1点ずつ加算していく。 1つの能力値の上限は5点とし、下限は0点とする。 次に、クラス決定の為の1D6を1回振る。 1:ウィザード 2:アーティラリー 3:ガンスリンガー 4:サムライ 5:シンガー 6:ミーディアム キミはギアドライバーと判定結果のクラスとから、任意の《◎ナビゲーター特技》を1つ取得する。 《ナビゲーター専用オーギュメント》については、特殊オーギュメント及び、判定で出た各クラスのオーギュメントから1つ選択する。 キミの得意とする能力値と噛み合わないかも知れないし、予想以上の能力を持つかも知れない。 全てはダイスの神の導くままに。 キミがダイスの神などいないと思うなら、ダイスを振らず、任意の能力値に割り振っても良い。 その場合は通常通りのナビゲーター作成ルールに準ずる(1つの能力値の上限は3点、下限は0点)。 この際、既存のナビゲーターの能力値修正と全く同じでも良い。 クラス決定についても同様で、任意のクラスを選び、《◎ナビゲーター特技》を取得し、特殊オーギュメントと選択したクラスのオーギュメントの中から《ナビゲーター専用オーギュメント》を1つ選択しても良い。 また、どちらかをダイスで、もう片方を任意に選択しても良い。 全てはキミの自由だ。 ヴィヴリオ「……ふむ、なるほど。面白い結果が出たな」 沙耶「その……どうなんでしょうか、結果」 ヴィヴリオ「面白い程に相性がいい/悪い」 ここで《勉強会》を宣言する。 取得レベルが2以下の技能を1つ選択する。 対象:範囲(選択)射程:至近、シナリオ終了までの間、対象の選択した技能(対象ごとに別々でもよい)の技能レベルを3にする。 ある程度会話したら、以下の描写を読み上げシーンを終了する。 管制官「瑞穂基地より距離3万にエンゼルハイロゥ!」 ヴィヴリオ「おあつらえ向きに天使がやって来たか。早速の実戦だが、二人とも行けるか?」 沙耶「うぅ……恐いけど、頑張ります!」 二人の迎えた初戦は、仲間の支援もあり、どうにか勝利を収めることが出来た。 シーン3〜4 PCの内2人がシーンプレイヤーとなるシーンを、PLの意見を聞いて演出する。 シーン5/勘違いしてもいいよ? シーンプレイヤーはPC1、他PCは任意 キミは風邪を引いて、寝込んでいた。 そこに、来客が来る。 沙耶「……PC1くん、起きてる?」 沙耶「あの、お腹、空いてない?その……雑炊、作ってきたんだけど……食欲、あるかな?口に合うかどうか、分かんないけど……」 《家庭料理》を宣言する。以降、選択した技能の判定値を+1する。 沙耶「どう、かな……お料理は、あんまり得意じゃないから……」 (好意があるのか、的な事を言われたら) 沙耶「勘違い……しても、いい、よ……?」 沙耶「その……好きだもん、PC1くんのこと……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6〜7 PCの内残りの2人がシーンプレイヤーとなるシーンを、PLの意見を聞いて演出する。 シーン8/彼女の、真実(real) シーンプレイヤーはPC3、PC2とPC4は自動登場、PC1は任意 PC1と沙耶は無事に初戦を終えた後、幾つかの戦いを乗り越えてきた。 最初は合わなかった二人の息も、今では唯一無二のパートナーであると言えるレベルだ。 そんな折だ。 ようやく、沙耶の情報が集まった、との知らせをキミは受ける。 彼女の真実 《事情通》《情報処理》《軍略》のいずれかで難易度1/3 難易度1 彼女は普通の女の子。ただ、人より努力家なだけだ。 寝る間も惜しんで訓練や勉強に励んでいるだけの、普通の女の子。それが彼女だ。 難易度3 彼女がそこまで努力するのは、隠しきれなかったPC1への恋心がある。 PC1に認めてほしい、褒めてほしい一心。 それが、彼女を突き動かす原動力なのだ。 ヴィヴリオ「驚くほどに潔白だな。だが、愛は人を変える、か……」 凍「……PC2、教えて。人を、好きになるって……どういう、こと?」 凍「……私には、分からない」 凍「……大事な人なら、いる。……PC2」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン9/出撃 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 司令室。 ヴィヴリオ「出撃だ」 ヴィヴリオ「近江少尉。あまり休んでいないようだが、大丈夫か?」 沙耶「平気です、休んでる暇なんか、ありませんから」 ヴィヴリオ「休める時に休むのも、立派な任務だ。この出撃が終わったら、ちゃんと休め。これは命令だ」 沙耶「大佐がそう言うなら、はい……」 ヴィヴリオ「そうだ、PC1。命令だ、近江少尉がちゃんと休息をとるか見張れ」 ヴィヴリオ「必要ならば、私の名前で領収書を切って、経費で落とせ」 会話を終えたらシーンを終了する。 全てのダーザインは、ここでオープンアップする。 ダーザイン5レベルを解禁し、またパトスによるアガペー低下を行ってもよい、と告げること。 クライマックスフェイズ シーン1/Angel Attack!! 2シーン目に福音フェイズがある、と予め言っておく。 天使との戦闘 ムミアー ← 500m → ホイシュレッケ:サジッタ×5 ← 300m → PC(任意) 戦闘 ヴァーチュー(力天使)/ムミアー(健康の天使) HP300 肉体30 感覚16 理知15 聖霊15 階級0 行動値:15 回避はしない  《エンジェルフェザー》 判定値16 技能レベル4 射程:1000m ダメージ+20 《範囲攻撃》 マイナーで宣言 《ケルンV》対天使効果なし、及び45点以下のダメージ無効 《飛行》 《疾風怒濤》×2 《奇蹟》×5 《神罰》×2 《復活》×1 《神罰》は基本的にホイシュレッケの攻撃に使用する 天使を撃破した、と思ったのも束の間。 PC1の乗るシュネルギアコックピットに舞い散る、羽。 天使の、羽。 それはPC1の後ろに座る、沙耶のものだった。 シーン2/タスケテ シーンプレイヤーはPC1、全員登場 福音フェイズ 彼女は、頑張り過ぎた。 睡眠時間すら削り、空いた時間を全て訓練に費やした。 PC1に褒めてほしい、認めてほしい一心で。 全ては、PC1の為に。 だがそれは、彼女の身体を少しずつ、だが確実に蝕んでいた。エーテル濃度の上昇、という形で。 それが限界に達し……天使化に、至った。 沙耶「やだやだやだ!折角、PC1くんとこうやって一緒にいられるようになったのに、これで終わりなんて、やだよぅ!」 沙耶「お願い……誰か、助けてよぅ……!」 沙耶を助ける為の判定は、《エーテル》難易度99。 PC1以外のPCは、マイナーとメジャーを1回ずつ行い、支援しても良い。 沙耶「わたし……助かった、の?」 沙耶「ありがとう、PC1、くん……」そう言って、気を失う。 エンディングフェイズ シーン0 沙耶が死亡した場合のシーン。 また、沙耶死亡時は個別シーンは無く、このシーンでエンディングフェイズ終了。 基地一角の共同墓地。 墓標に近江沙耶の名が、新たに刻まれた。 線香の煙の立ち上る中、やり切れない思いだけが、胸を締め付ける――― 沙耶が生存している前提でのエンディングとなる。 シーン1/課題の提出マダー? シーンプレイヤーはPC4 司令室。 ヴィヴリオ「何はともあれ、近江少尉が生き残って何よりだ」 ヴィヴリオ「貴重な黒い天使核持ちを、失ってはたまらんからな」 ヴィヴリオ「まあ、PC1が何とかしてくれるだろう、と思ってはいたがな……」 ヴィヴリオ「ところでだ。レポートはどうなっている?」 シーン2/懸念材料 シーンプレイヤーはPC3 司令室。 ヴィヴリオ「近江少尉が天使化を免れ、生き残ったことは喜ばしいことだが……懸念材料は残っている」 ヴィヴリオ「私が焚き付けたようなものだが……PC1と近江少尉の、男女の仲だ」 ヴィヴリオ「行き過ぎんように注意を払ってくれ。あのくらいのカップルは、何をしでかすか分からん」 シーン3/FRIENDS シーンプレイヤーはPC2 病室。天使化は免れたとは言え、エーテル濃度が非常に高い為、沙耶は入院することとなった。 沙耶「お見舞い来てくれてありがとう、PC2くん、それに八坂さんも」 凍「……気に、しないで」 沙耶「ふぅ……生きてて、よかった。天使化したらもうダメだって、射殺されるしかない、って聞いてたから」 沙耶「みんなが、わたしを助ける為に、頑張ってくれた、ってヴィヴリオ大佐から聞いたよ。いくら感謝しても、足りないけど……ありがとう」 シーン4/わたしのココロ シーンプレイヤーはPC1 キミは、沙耶の見舞いに来ている。 沙耶「PC1くん、お見舞い来てくれて、ありがとう」 沙耶「……あのね、PC1くん。ほんの少しだけ、ね。どうせ死ぬなら、PC1くんに殺されたい、って思っちゃった。絶対に消えない傷痕を残して、PC1くんが、わたしのこと、忘れないように」 沙耶は苦笑しながら「わたし、ヤンデレの気あるのかな?」 沙耶「こんな、重い女だけど……そばにいても、いいかな……?」