今回予告 キミ達に降り掛かる、無数の事件。 セラピアに忍び寄る魔の手 自分を良く知る、謎の女性 過去からの来訪者 瑞穂市街に流行る新興宗教 交差するそれぞれの事件は、やがて一つに。 天使がいない、戦わなくてもいい、楽園。 もし、そんな場所がこの世にあるとしたら。 それは本当に、地上にあるのだろうか。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『EDEN』 誰一人傷付かない 偽りだけのEDEN PC1:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ キミはある日、町である女性と道端でぶつかった。 キミは全く知らないのに、向こうはキミのことをよく知っているらしい。 いやあ、有名人はツラいなあ。 シナリオダーザイン【謎の女性からの興味】 ※キミはトゥアレタの幼馴染である。 キミは6年前、幼年学校に通っていたが、学校は謎の集団天使化事件によって閉鎖されている。 キミはその事件の数少ない生存者の一人である。 その際にキミは、催眠による記憶操作を施されており、幼少時にトゥアレタと一緒に過ごした記憶はあるが、トゥアレタと離れた際の記憶は覚えていない。 PC2:ギアドライバー/ナビ:セラピア セラピアに脅迫状が届いた。 彼女は普段通りに振る舞っているが、実際には相当参っているようだ。 セラピアは大事なパートナーだ。彼女の不安を取り除かねば。 シナリオダーザイン【セラピア・パルマコンからの不安】 PC3:ソルジャー キミには昔、戦火に巻き込まれ、行方不明になった恋人がいる。 戦争をしている以上、それはよくある不幸な話でしかない。 ある日、キミは彼女の夢を見た。 これは予知夢か、それとも? シナリオダーザイン【過去からの呼び声】 ※PCは男性推奨。 また、キミには現在、ベティ・スターズという恋人がいる。 PC4:オフィーツィア 最近、瑞穂市の街頭に新興宗教の宣教師が立っているらしい。 天使のいない、戦いのない理想の楽園がある、という触れ込みだそうだが、このご時世ではいかにも胡散臭い。 だが信者は少しずつ増えているらしく、基地からも信者となって姿を消した者が何人かいる。 キミはヴィヴリオに、この件の調査を命じられた。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ※本シナリオはフィクションです。実在の組織・人物・宗教には、一切関係ございません。 本シナリオは、セラピア、トゥアレタ、そしてPC3の過去が話のカギを握っています。 また、トゥアレタについてはエンドレスサマーの設定が大きく関わってきます。 推奨特技・オーギュメント 《乱射》や《予測射撃》、《イエツィラー》等の範囲、場面を攻撃できる特技・オーギュメント。 《デッドエンド》もあると幸せ。 クライマックスにとにかく敵が出現するシナリオです。 GMへ ※セッション開始前に、時期を確認する。 7月後半〜8月前半(アバドン戦が終了する前)を想定している。 遠山桂について触れる場面があり、T−Xの正体及び彼女の生存が、シナリオの描写に関わる為である。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3 過去の回想からのベティとの会話 キミには昔(必要であれば6年前、とする)戦火に巻き込まれ、行方不明になった恋人がいる。 戦争をしている以上、残念ながらそれはよくある不幸な話でしかない。 石動志紋、それが彼女の名前だ。 ある日、キミは彼女の夢を見た。 志紋「PC3さん、世界が平和になる日って、本当に来るんでしょうか?」 それは彼女の口癖だった。彼女は戦争が嫌いだった。最大の理由は、自分と一緒にいられる時間が減るから、だったが…… これは予知夢か、それとも? ベッドで横に眠っていたベティが、声をかけてきた。 ベティ「……どうしましたか、PC3。何か考え事ですか?」 ベティ・スターズ。七支隊の副隊長であり、キミの今の恋人だ。 ベティ「昔の恋人の夢、ですか。……まあ、そんなこともありますよね」 ベティ「……現在のあなたの恋人としては。あまり気分のいいものではありませんが」 ベティ「……余所見は、嫌です。今は私だけ、見ていて下さい」 確かに、今更、という思いもある。 だが、何となく、彼女に会えるような、そんな気がしていた。 シナリオダーザイン【過去からの呼び声】 シーン2 シーンプレイヤーはPC1 街中である女性と話す キミは今日非番で、買い物の為に商店街を歩いていると、一人の女性にぶつかってしまった。 ??「すいません、余所見をしていて……」 ??「えーと、あなたは……瑞穂基地所属のギアドライバー、PC1さんですね!?」 ??「結構有名なんですよ、ギアドライバーのエースだって」 ??「あの、もしよろしかったら、サインいただけませんか?」 ※名前を尋ねられたら ??「志紋、と書いて下さい。こころざしに、紋章の紋です」 ??「ありがとうございます。みんなに自慢しなきゃ……」 最後に固く握手をして、志紋という女性は去って行った。 いやぁ、有名人はツラいなぁ。 ……だが、キミはふと気付く。 基本的には、キミがギアドライバーであることは、機密情報の筈だ。 まあ瑞穂中では公然の秘密みたいなものではあるが、外部の人間がそれを知っているのは、ちょっとおかしい。 彼女はいったい何者だろう…… シナリオダーザイン【謎の女性からの興味】 PC4:オフィーツィア ヴィヴリオからエデンについて調査するよう命じられる キミは司令室で、ヴィヴリオと話している。 ヴィヴリオ「お前に頼みたいことがある。エデン、という新興宗教の調査だ」 ヴィヴリオ「最近、そのエデンという新興宗教の宣教師が、瑞穂市街の街頭に立って勧誘しているらしい」 ヴィヴリオ「天使のいない、戦いのない理想の楽園がある、という触れ込みだそうだが、このご時世だからな。いかにも胡散臭い。だが信者は少しずつ増えているらしく、基地からも信者となって姿を消した者が何人かいる」 ヴィヴリオ「本来ならそういったものはうちの管轄じゃないが、合衆国の絡んでいる可能性がある為、こちらにお鉢が回ってきた、と言う訳さ」 ヴィヴリオ「済まないが頼んだぞ。必要であれば、PC3に協力させる。荒事がないとも言えん」 キミはヴィヴリオに、エデンの調査を命じられた。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC2:ギアドライバー/ナビ:セラピア セラピアが不安を訴える セラピア「おはようなんだよ、PC2ちゃん。疲れちゃったから、今日はもう帰ってもいいかな?」 セラピア「うん、ボク宛に脅迫状届いたんだ。ヴィヴリオちゃんにはもう報告済で、これから行かなきゃならないから、帰れないんだけどさー」 セラピア「普通は手紙って検閲済んでから配達されるでしょ?多分これ、検閲通ってないと思うんだ」 セラピア「怪我とかはしてないよ。中は脅迫状以外入ってなかったから」 セラピア「まあ最近、尾行されているっぽいんだよね。監視役の情報将校じゃない誰かに。それは既に報告済なんだよ」 セラピアはため息をつきながら「はあ……モテる女は辛いね〜。あー、帰りたい」 彼女は普段通りに振る舞おうしているが、実際には相当参っているようだ。 そうでなければ、朝から帰りたいと連発しないだろう。 セラピアは大事なパートナーだ。彼女の不安を取り除かねば。 シナリオダーザイン【セラピア・パルマコンからの不安】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 全員を召集、セラピアに脅迫状が届き、新興宗教の話がされ、注意するようヴィヴリオが告げる 司令室。 ヴィヴリオから話があると通達され、全員がこの場に揃っている。 ヴィヴリオ「全員、揃っているな。話は2つある」 ヴィヴリオ「まずは、セラピアに脅迫状が届いた。勿論差出人は不明だが、配達者を確認したところ、基地から姿を消していた」 セラピア「部屋に戻ったら投函されてたから、ボクも配達人の顔見てないんだよ〜」 セラピア「恐らく、基地内部の者の犯行、という線だろう。そしてこの話は、もう一つの話にも恐らく関係がある」 ヴィヴリオ「もう一つは、エデンという新興宗教の宣教師が街頭に立っている。少しずつではあるが、信者を増やしているらしい。基地内からも信者となり、姿を消した者が確認されている。恐らく、セラピアに脅迫状を配達した者も、その内の一人だろうと思われる」 ヴィヴリオ「外出の際は、護衛を付けるか、または二人以上で外出し、個人で行動することの無いよう、注意しろ。ひとまず私からは以上だが、誰か他に何かあるか?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1。PC2、PC4の登場は任意、PC3の登場は不可 石動志紋と再会するシーン キミがトゥアレタと一緒に瑞穂の商店街を歩いていると、この前サインを求められた女性とばったり行き会った。 志紋「あ、この前はありがとうございました、PC1さん。サインみんなに自慢したら、みんなに羨ましがられました♪」 トゥアレタ「ちょっとPC1、誰よ、この人」 志紋「ごめんなさい、ご挨拶が遅れました。石動志紋と申します」 志紋「あの、少しお話があるんですが、よろしいですか?」 志紋「……天使との戦いに、疲れていませんか?」 志紋「天使がいない、戦わなくてもいい、誰も傷付くことのない楽園、エデン。あなた方も、興味はありませんか?」 これは、ヴィヴリオが言っていた新興宗教の勧誘に違いない。 だが、話と言うよりも、声を聞いているだけで、何だか信じたくなってくる…… 〈意志力〉難易度3 成功すればその話を途中で遮ることが出来る。 失敗するとその教えが正しいと思い込み、戦うことが嫌になってくる。要は洗脳である。 災厄《妬む神》の効果である。 解除されるまで、全ての技能の成功数−3。 解除方法は、使用者である石動志紋を殺すか、登場したシーンの冒頭で〈意志力〉難易度3の判定を行い、成功する事である。 トゥアレタは洗脳される。 トゥアレタ「すいません石動さん、そのお話、もう少し詳しく聞かせてもらえませんか?」 志紋「あら、ご興味がおありですか?」 トゥアレタ「……はい。わたし……もう戦いたくないんです」 トゥアレタの洗脳の解除方法は〈話術〉難易度3。 成功すれば、トゥアレタを正気に戻すことが出来る。 ここで失敗した場合の、以降の解除方法は、登場したシーンの冒頭で〈話術〉難易度3の判定を行い、成功する事である。 成功、失敗に関わらず、志紋はいつの間にかいなくなっている。《瞬間移動》の効果である。※1回目 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC3、他PCは登場不可 石動志紋と遭遇し、決裂する キミが瑞穂商店街で用を済ませ、基地に戻ろうとしたとき。キミは後ろから声を掛けられる。 ??「……PC3さん?」 志紋「久しぶり、ですね……会いたかった」 そう言って、抱き着こうとする。 志紋「今、ですか?……エデン、という宗教の、宣教師を、やっています。迷える人々を、導く為に」 志紋「……PC3さん。天使との戦いに、疲れてはいませんか。天使がいない、戦わなくてもいい、誰も傷付くことのない楽園、エデン」 これは、ヴィヴリオが言っていた新興宗教の勧誘に違いない。 頭では、否定しなければならない事も分かっている。 だが、昔の恋人がこのような事を、という混乱が、判断を鈍らせる…… その時、キミの頭の中に、ある言葉が浮かぶ。 ベティ『……余所見は、嫌です。今は私だけ、見ていて下さい』 志紋「……もう、あの頃には戻れないんですね、お互い」 何故合衆国に従っているのか?と問われた場合 志紋「……言ったじゃないですか。戦う必要のない世界を作る為です。私はその為に信者を増やし、平和な世界へと導こうとしているんです」 志紋「……話は、どこまでも平行線ですね」 様子を見ていた信者と思しき者達がぞろぞろと現れ、キミ達の周囲を囲む。その中には、基地から姿を消した者も混ざっていた。 志紋「……ここはどうか、お引き取りを、お願い、します」 絞り出すような声で告げる志紋。 そして一瞬目を離すと、志紋は姿を消していた。《瞬間移動》の効果である。※2回目 信者たちの人数は、どんどん増えていく。ここは、引き下がるしか無さそうだ……。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC2。PC1自動登場、PC3とPC4は登場不可 夏期講習で瑞穂中に登校し、セラピアの下駄箱に爆弾が仕掛けられている キミ達は瑞穂中に登校している。 出撃で授業を欠席することが多いので、補習を受ける為だ。トゥアレタは検査の為、遅れてやって来る。 セラピア「PC2ちゃん、PC1ちゃん、おはようなんだよ〜」 ※PC1とトゥアレタの洗脳が解けている場合 セラピア「PC1ちゃん、話聞いたけど、大変だったみたいだねぇ」 セラピア「……ねえPC2ちゃん、何かすごく嫌な予感がするんだよ」 セラピアが下駄箱を開けると、時限爆弾が仕掛けられていた。 下駄箱の扉を開けると同時に、カウントダウンが始まる仕掛けになっていたようだ。 爆発まで後、30秒しかない! 解除するなら〈整備〉難易度5 無人の校庭に投げ捨てる事も出来る。その場合は〈運動〉難易度5。これは解除に失敗した場合にも試みることが出来る。 それら両方に失敗すると下駄箱で爆発し、PCは1D6点の実ダメージを受け、セラピアは重傷を負う。 セラピア「うぅ……」 セラピアを庇う、と宣言した場合は、庇ったPCは2D6点の実ダメージを受けるがセラピアは無傷である。 セラピア「PC?ちゃん、大丈夫!?」 その描写が終わったところで、トゥアレタが登場する。 トゥアレタ「いったい、何があったの!?」 誰か負傷した場合 トゥアレタ「大佐には報告しておくから、早く救急車を!」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、他のPCの登場は任意 情報収集シーン キミはまとまった時間が取れたので、コンソールに指を走らせる。 セラピアが狙われたり、PC1とトゥアレタが宣教師と遭遇して洗脳されかかるなど、今回も一筋縄では行かなさそうだ。 エデン 〈事情通〉〈軍略〉いずれか難易度3 天使がいない、戦わなくてもいい、理想の楽園、を説く新興宗教。 宗教と名乗ってはいるが、実際には合衆国がヤシマに送り込んだ、工作員達の集団である。 その為、エデンが説く『理想の楽園』とは、合衆国が統一した世界のことになる。 瑞穂基地関係者を勧誘して洗脳し、内通者を作って混乱や破壊工作を行うことが真の目的である。 国内の天使派との繋がりが確認されている。 宣教師、すなわち工作員の名前は石動志紋。 石動志紋 〈事情通〉〈軍略〉いずれか難易度5 PC3のかつての恋人。戦場で行方不明となっていた。 現在は合衆国にて洗礼を受け、従軍司祭となっている。 洗礼名はシモン・ペトロ。十二使徒の名に恥じぬ、優秀な従軍司祭にして工作員である。 入国したのはどうも7/4のミサイル爆撃直後らしい。 天使派の手引きにより、ヤシマ国内に潜入したようだ。 法王から、PC1とセラピアを合衆国に連れてくるよう、命令されている。 ※天使派 主に宗教上の理由により、「合衆国と戦うのは愚行」であると主張し、ヤシマ=統一帝国の降伏を求めてテロ活動を行う組織である。 出典は『誰が為の銃口』。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 トゥアレタとの会話 ※洗脳が解けている前提、解けていなかったらここで再度解除を試みる キミはトゥアレタと一緒に、カウンセリングを受けた。 トゥアレタ「戦わなくてもいい理想の世界、か……そんな世界に行きたいな」 トゥアレタ「わたしは元々戦うのは好きじゃない、命令だからそうしてるだけ。そうしないと、基地に居場所がないから」 トゥアレタ「だって、孤児のわたしの身元引受人は、ヴィヴリオ大佐。親代わりみたいなものだから、大佐の言う事聞かなきゃ、きっと追い出されちゃう」 トゥアレタ「……みんなが羨ましい。わたしには、何にも、力がない。セラピアの勘の鋭さ、凍の反応速度、伊音の剣術、紀央さんの陰陽術、メイリィの肉体能力、クベルタ(と桂さん)は完全機械化兵。わたしには、そういう特別なもの、何にもない」 ※トゥアレタがそう思い込んでいるだけである。実際には、突出した計算、捜査能力を持ち、複数のタスクを同時並行的に処理する事に天才的な能力を見せる。 本人はそれをあまり認識しておらず、対人戦や単純な戦闘能力のみで何もない、と思い込んでいる。 独白するトゥアレタの様子が、何だかおかしい。 彼女は絞り出すような声で、 トゥアレタ「何にもない、何にもないの。過去の記憶もない、あなたの思い出だけを抱えて、あなたしか、いないの。やだ……やだ……行っちゃやだ……よぉ………」 涙をぽろぽろ零してキミにすがり、取り乱すトゥアレタ。 落ち着かせるには〈話術〉難易度5。 トゥアレタ「……ごめんね、取り乱して。ちょっと、混乱しちゃっただけ」 トゥアレタ「今はまだ、言えない。もう少し、時間、くれないかな……」 会話を終えたらシーンを終了する。 ※トゥアレタの過去、については、ここではこれ以上触れない。 エンディング、または他のシナリオで補完すること。 シーン7 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場は不可 セラピアとの会話 シーン4の展開によって、病室や医務室など、場所を変更すること。 セラピア「いやー、びっくりしたんだよ。こういうのは昔もあったから、慣れてると思ってたんだけどなあ」 セラピア「……ママちゃんが生きてた頃、緑の聖母として、連邦でゲリラ活動してた頃の話なんだよ。ママちゃんは天使同盟に命を狙われてたから、寝床に爆弾が仕掛けられてたり、食事に毒が入ってたり、とかは日常茶飯事だった」 セラピア「6年前にママちゃんが死んで、3年前にアクシアちゃんにヤシマまで護送してもらうまでの3年間は、ホントに毎日が生き残ることで精一杯だったなあ」 セラピアは淡々と「連邦、コンロンを転々としての、地獄の逃避行。仲間はボクを生かす為にどんどん倒れていった。……ボクも、生き残る為には、何でもやったよ」 セラピア「ただね、人を殺したことはない。ううん、殺せなかった。当てるのは得意なんだ。でも何故か、どんな重火器を使っても、相手を殺せなかった。まあ、無力化って言えば響きはいいけど、実際には、何も出来ないように手足を撃ち抜いて、ってことだから……結果的に、その人が死んだ、ってことは、あると思う。直接人を殺したことがないだけで、ボクの手が血にまみれてる事実は変わらない」 セラピア「……だからね、桂ちゃんを殺した時は……キツかったよ」 セラピア「撃たなきゃ、みんな死んじゃう。だから撃たなきゃならない。だけど、友達に、引き金を引かなきゃならない。友達を撃つのと、命を狙って来た敵を撃つのでは、訳が違う。それに……絶対に、殺さなきゃ、いけなかったから」 セラピア「あの時の葛藤、苦しみは……忘れられない。桂ちゃんを殺したこと、後悔はしてない。でも、今でも時々、あの時の引き金の重さを、思い出すことがある」 ※桂がT−Xとして戻ってきて記憶を取り戻し、且つ生存している場合 セラピア「今でこそ、桂ちゃんが帰って来たから、いいんだけどね。ただまあ、パートナーを、友達を殺した事実はなくならないけど」 セラピア「キミと組んでしばらく(桂ちゃんが戻ってくる前)はかなり取り繕ってたと言うか、仮面をかぶってたからね〜。今はその必要がなくなったけど。……キミのおかげ、だよ?ボクの仮面を、外してくれたのは、キミだから」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 従軍司祭の居場所を突き止め、潜伏場所に急行する 情報収集 〈情報処理〉〈探知〉難易度3 エデンの集団は、三発のミサイルの影響で廃墟となった、帝都近くの町に潜んでいる。 この情報を掴んだキミ達は、そこへ急行した。 そこは帝都に近い事もあり、周囲のエーテル濃度が非常に高い。 セラピア「エーテル濃度、凄い……息詰まりそうなんだよ」 トゥアレタ「この息苦しさは、それが原因なのね……」 ここでアガペー2D6上昇。 志紋「来て、しまったんですね」 志紋「私達はここにエデンの支部を作って、世界統一を考える合衆国の手助けをするべく、活動する予定でした」 志紋「まだ、ここで終わらせる訳には、行かないんです」 《召喚:灰色天使》を宣言し、その町で死んだ人を灰色天使として復活させ、PCの足止めをする。 更に《瞬間移動》を宣言し、志紋の姿が見えなくなる。《瞬間移動》の効果である。※3回目 灰色天使の群れを突破するには、〈運動〉難易度5に成功する必要がある。 失敗した場合、クライマックスでパワー:コマンダントが一体増える。 セラピア「見失っちゃったんだよ〜。いや、あそこにいるね、きっと」 セラピアが指差した方向を見ると、どこからかホイシュレッケの群れが集まって来ている。 トゥアレタ「そう言えばあの人、合衆国の従軍司祭、だったわよね……。PC1、早くホルテンに戻って、シュネルギアを起動させなきゃ!」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 クライマックスのアガペー上昇は4D6となる。 また、クリンナップにアガペーが2D6上昇する。 次々に天使を召喚する志紋。 全て食い尽くされるが先か、エーテルに汚染されて天使化するのが先か。 どちらにせよ、時間をかけてしまったら、破滅が見えている。早々に決着を着けなければ! パワー:コマンダント×1 ホイシュレッケ:シルト×5 ← 500m → パワー:バスター×1・ホイシュレッケ:サジッタ×5 ← 500m → パワー:ストライク×1・ホイシュレッケ:ギフト×5 ← 500m → PC 勝利条件はエネミーの全滅。 毎セットアップ、志紋は《アバドンの顎》を使用しパワー:コマンダントを1D6体、一番後ろのエンゲージに召喚。このエネミーは、未行動の状態で召喚される。 パワー:コマンダントは《召喚:ホイシュレッケ:サジッタ》を使用し、同一エンゲージにサジッタを1体召喚する。サジッタはその場に留まる。このエネミーは、未行動の状態で召喚される。 速攻で片を付けないと、どんどんエネミーが増えていくだけである。 《召喚:灰色天使》セットアップ 《瞬間移動》 オート 《アバドンの顎》×5 セットアップ 《妬む神》×2 災厄は合計7個。 天使を全滅させると、志紋は逃げ出そうとする。尚、《瞬間移動》の回数は残っていない。 その場で射殺するか、捕縛して連行させるかどうかについては、PC(特にPC3)の判断を仰ぐ。 ただし連行された先で待っているのは、どちらにせよ、処刑による死である。 射殺した場合 志紋「……さよなら、PC3さん。……愛して、いました」それが彼女の、最後の言葉だった。 捕縛した場合 志紋「……さよなら、PC3さん。……愛して、いました」 そう言い残して、連行されて行った。 エンディング シーン1 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオに労われる 司令室。 ヴィヴリオ「今回もご苦労だったな」 ヴィヴリオ「洗脳が解けた者達は、カウンセリングなどを受け、監視を付けて条件付きで、元いた場所へと戻っている」 ヴィヴリオ「恐らくは、洗脳した者を処理した為だろう」 ヴィヴリオ「……戦争とは、理不尽なものだ。昨日まで友だった者が、今日からは敵、ということだってある」 ヴィヴリオ「……彼女にとっては、PC3に最期に会えたのは、もしかしたら、幸せだったのかも、知れん」 ヴィヴリオ「巻き込まれた時点で、PC3も覚悟はしていただろうが、な。だからと言って、かつての恋人を手にかけたことは、トラウマになりかねん。早急にカウンセリングを受けさせてやってくれ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 ベティとの会話 別の任務に就いていたベティが帰還し、キミの部屋で二人、事の顛末を話している。 ベティ「……私が不在の間に、そんな事が起きていたんですね」 ベティはPC3の頭を抱きかかえ、自分の胸に押し当てる。 ベティ「……お疲れ、様でした。今はただ、ゆっくり休むことだけ、考えて下さい」 そう言って、君を強く抱きしめる。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 セラピアと会話 セラピアから話がある、と切り出された。 いつになくセラピアは真剣な様子だ。 セラピア「ボクを合衆国に連れて行こうとした理由、分かったんだ」 セラピア「あのね……合衆国の法王ラルフ・マスケンヴァルはね、ボクのパパちゃん。今更になって、娘の有用性が分かったんじゃないかな、多分」 セラピア「ひどいよね、生まれてから今の今までほっといた癖に、今頃連れ戻そう、なんてね」 セラピア「だから、無理やり連れてかれることがないように……ボクのこと、守ってくれる?」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 トゥアレタと会話 トゥアレタ「あなたが狙われた理由……多分だけど、合衆国はあなたが救世主に最も近い、と見てるんじゃないかな」 トゥアレタ「……あなたは、昔から黒い天使核を持っているのが分かってたから」 トゥアレタ「わたし達が通っていたあの幼年学校は、天使の血を濃く引いた子達を集めた実験施設だったの」 トゥアレタ「……6年前、そこで集団天使化事件が起きた。あなたの昔の記憶が曖昧なのは、その事件の記憶を操作されているせい。その、唯一の生き残りが、あなた」 トゥアレタ「わたし?わたし、は……ごめんなさい、言うのが、恐い。……全てが、壊れてしまいそうで」 それでも聞く、とPC1が言った場合 トゥアレタは観念したように「ごめん……わたし、本物の『トゥアレタ』じゃないんだ。わたしは、偽者。オリジナルは6年前に死んでいて、わたしはそのクローン。記憶はコピーされたもので、オリジナルの情報を教えられているだけの、偽者」 トゥアレタ「だから、わたしはあなたの幼馴染のトゥアレタじゃない。トゥアレタのふりをしている、偽者なの……」 トゥアレタ「わたしは……あなただけを想って、ずっと生きてきた」 トゥアレタ「偽物のわたしでも……この気持ちだけは本物なの!」 聞かない、とPC1が言った場合 トゥアレタ「ごめんなさい……もうちょっとだけ、もうちょっとだけ、待って欲しい……」 泣きながらキミにすがって、何度も謝るトゥアレタ。 トゥアレタ「どうしようもなく、怖いの……。何もかも全て、失ってしまいそうで。ごめんなさい、ごめんなさい……」 あとがき 本シナリオのテーマは『過去』です。 トゥアレタ、セラピア、そしてPC3の過去が、物語に大きく関わってくる……そんなシナリオになりました。 直前に書いたシナリオ『お願い!シンデレラ』がギャグだったので、一転して真面目なシナリオを書こうとして書いた……のではなく、ただ何となく『従軍司祭』『誰一人傷付かない偽りだけのエデン』という二つのキーワードから書き出しただけなんですよね。よくある三題噺ですらない。 いつも少ない引き出しをいっぱい開けて、筆の赴くままにシナリオ書いてます。 まあ後は、PCの選出するのに ・ナビで洗脳されそうな子→メンタル的にトゥアレタじゃろ。 ・法王から命令を受けた従軍司祭→エクリシアがシスターだから、その娘のセラピアが出るのが妥当かな?じゃあ連れ帰るよう命令されたことにしよう。 ・従軍司祭には元恋人がいた→当事者性考えると、オフィーツィアよりソルジャーかな? ・苦労人枠はいつも通りオフィーツィアで。 こんな感じで、あまり深く考えずに組み合わせ。 何ちゅーかこう、俺のシナリオの書き方は何の参考にもならんよね。まずスピードがおかしいから。 俺の売りはこの速さですわ。兵は神速を貴ぶって言うじゃん?