今回予告 千年前、悲恋に終わった二人。 『もし生まれ変わったら、あなたと一緒になりたい』 そんな夢を、何度も見た。 いつしか夢の女性、千歳姫は、キミの心の大半を占めていた。 ある日、キミは一人の少女と出会う。 一目見て、彼女が千歳姫の生まれ変わりだと分かった。 彼女の名は……草薙、紫音。 八門結界の人柱となる運命を背負った、可憐な少女だった。 エンゼルギア天使大戦TRPG  ショートキャンペーン『千年を越えて』第一話 『千年の誓い』 あなたは、運命を信じますか? ハンドアウト PC1:オフィーツィア キミは千年前、悲恋に終わった恋の、武士の生まれ変わりだ。 前世の夢を何度も見、そして、まだ見ぬ千歳姫の生まれ変わりに、恋焦がれている。 その人が、本当に目の前に現れた。その名は、草薙紫音。 帝都奪還作戦にて重要な任務を担う、草薙伊音の妹だ。 シナリオダーザイン【前世からの懐旧】 ※PCの性別は男性限定、また完全機械化兵以外とする。 また、出自の『婚約者』は不可とする。 ミドルフェイズシーン1まで、紫音との面識は無いものとする。 PC2:ギアドライバー/ナビ:伊音 伊音が、妹の紫音の様子がおかしい、と相談してきた。 もしかしたら、帝都奪還作戦を前にして、何か悩みがあるのかも知れない。 伊音はそう言うが、紫音の性格では、言いたい事があっても、飲み込んでしまうだろう……。 かと言って、何もしない訳にはいかない。 キミは、伊音の悩みを解消すべく、行動を開始した。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの不満】 ※PC2と伊音は先んじて帝都奪還作戦の概要、そして紫音が八門結界の人柱になることを知っている。 また、『伊音が瑞穂基地に来た本当の理由』のイベントを、既に通過済みである。 PC3:ギアドライバー/ナビ:紀央 キミと紀央は、紫音の数少ない友人の一人だ。 時々、伊音には内緒で、紫音から相談を受けたりもしている。 今回の相談事は……紫音には想い人がいる、ということだった。 だが紫音は、八門結界の再構築において、非常に重要な任務がある。 彼女の心が揺れないかが、心配だ。 シナリオダーザイン【司鏡紀央からの不安】 ※紀央は既に命の危機を脱している、という設定となる。 PC4:ギアドライバー/ナビ:凍 キミはシュネルギア部隊のエースドライバーだ。 経験自体は浅くとも、天使の撃破レコードは抜きん出ており、ヴィヴリオからの信頼も厚い。 そんな折、ヴィヴリオから内密に帝都奪還作戦の内示が出た。 キミが帝都奪還作戦に出撃するのは、ほぼ確定だそうだ。 特に今回は、もしかしたら生きて帰って来れないかも知れない、非常に危険な作戦。 後悔は、あってはならない。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ※PCの性別は男性限定とする 時期としては8月頭、8/1〜6頃とする。 PC1の前世の名前が決まっていないときは、千代之介、とする。 千歳も千代も、千年を表す単語です。 オープニングフェイズ マスターシーン 千年前の悲恋 千歳姫は、生まれつき身体が弱かった。 外出もままならず、身辺警護の武士が話す外の出来事が、唯一の楽しみだった。 いつしか二人は、惹かれ合うようになった。 だが、身分の違いが、二人の間に立ちはだかった。 そして千歳姫は、流行り病に倒れる。 病に倒れ伏した千歳姫の手をとる武士。 もしも願いが叶うなら、来世では、あなた様と結ばれたい…… それが、彼女の最期の言葉となった。 武士は妻を娶らず、死ぬまで独り身のまま、この世を去った。 シーン1 シーンプレイヤーはPC1 悲恋の夢 キミが廊下を歩いていると、軍医の羽村に出会った。 羽村「やあ、おはよう。……顔色、あんまり良くないね。また、あの夢見たのかい?」 羽村はキミが悲恋の夢をよく見る事を、話を聞いて知っている。 羽村「……もしかしたら、その人も生まれ変わって、近くにいるのかも知れないね。まあ、まだ会えてないから、夢に見るんだろうけれどさ」 羽村「……会えるといいね、その人に」 シナリオダーザイン【前世からの懐旧】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 伊音が、妹である紫音の様子がおかしいことを語る 伊音が難しい顔をしている。 伊音「ああ、PC2か。少し話を聞いてくれるか?」 伊音「最近、妹の紫音の様子がおかしいんだ」 ※キミは紫音を、伊音自ら紹介されて知っているし、会ったこともある。 伊音「来たる帝都奪還作戦を前にして、何か悩みがあるのかも知れん。紫音が安心してお役目を果たせるよう、我らも尽力せねばな」 伊音「はぁ……紫音も、悩みがあるなら、言ってくれればいいのに」 伊音はそう言うが、紫音の性格では、言いたい事があっても、飲み込んでしまうだろう、とキミは思った。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの不満】 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 キミはシュネルギア部隊のエースドライバーだ。 経験自体は浅くとも、天使の撃破レコードは抜きん出ており、ヴィヴリオからの信頼も厚い。 そんな折、ヴィヴリオから内密の話を持ち掛けられた。 ヴィヴリオ「PC4、近日中に帝都奪還作戦が発令されることになった。お前が帝都奪還作戦に出撃するのは、ほぼ確定だ」 ヴィヴリオ「建前上は、志願制を取る。だが、実際には出撃する面子は、ほぼ決まっている」 ヴィヴリオ「PC2、草薙、PC3、司鏡は間違いなく自ら志願するだろう。だが、彼らは、今回の作戦で冷静でいられるか、懸念が残る」 ヴィヴリオ「八門結界の重要な任務を担う、草薙紫音。全員その関係者だからな」 ヴィヴリオ「だから戦略上、誰か冷静に立ち回れる者、つまりお前が必要だろうと判断した」 ヴィヴリオ「……この作戦は、非常に困難なものになると予想されている。もしかしたら、生きて帰れない者も出るかも知れん。全員、後悔だけは、ないようにして欲しいのだ。難しいとは思うがな……」 ヴィヴリオ「そのような作戦に、最初から出撃を確定させているのは、私としても心苦しい。そこだけは、分かって欲しい」 ヴィヴリオ「……お前も、後悔がないように、行動してくれ。私に協力できることがあれば、言って欲しい」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン4 シーンプレイヤーはPC3 キミと紀央は、紫音の数少ない友人の一人だ。 時々、伊音には内緒で、紫音から相談を受けたりもしている。 だから、彼女がよく見るという、千年前の悲恋の話も知っている。 特に、紀央と紫音はとても仲が良く、いつも式神を使って文通している。 紀央「PC3様、紫音様が、相談したいことがあるそうです。いつも通り、伊音様には秘密で」 紀央が、紫音から送られて来た式神を連れて、キミのところにやって来た。 紀央「詳しくは、後で直接会った時に、とのことですが、何でも、お慕いしている方がいるそうで、その相談をしたい、とのことです」 紀央「紫音様に、大事な人が出来たのは、とても喜ばしい事です。……ただ、紫音様を待ち受ける運命を思うと、素直には喜べないんですよね……」 紫音は、八門結界の再構築において、非常に重要な任務……人柱となる運命を背負っている。 彼女の心が揺れないかが、心配だ。 シナリオダーザイン【司鏡紀央からの不安】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 PC1が紫音と衝撃の出逢いを果たすシーン 司令室。 帝都奪還作戦に先んじて、主要な人物の面通しを行う事となった。 ヤシマ陸軍側の参加者として、維馬篭大将閣下、帝都奪還作戦の総責任者や、出撃する部隊の部隊長達など、錚々(そうそう)たる面子が居並ぶ中、異彩を放つ一人のオニの少女。 紫音「……草薙、紫音と申します。皆様が帝都を奪還した暁には、八門結界の再構築を担います。皆様、よろしくお願いいたします」 そこでPC1、キミは衝撃の出逢いを果たす。 草薙紫音。 間違いない、彼女こそ、自分がずっと探し求めてきた、千歳姫の生まれ変わりだ。 面通しは滞りなく終わり、退室していくお偉方、そして伊音に付き添われて退室する紫音。 紫音は部屋を出る際に、こちらを振り向き、微笑みかけた気がする。 ヴィヴリオ「……PC1、どうした呆(ほう)けて。ヤシマ陸軍に、誰か知り合いでもいたのか?」 ヴィヴリオ「……この後、面談を行う。少し待っていろ」 会話を終えたらシーンを終了する。 ※ここから4シーン程、ソロシーンが続くことを、予めPLに伝えておくこと。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場不可 PC1の悩みを、ヴィヴリオに伝えてもらうシーン ヴィヴリオ「PC1。作戦を前にして、何か気がかりな事がないか。面談を行うことにした。まずは、お前からだ」 ヴィヴリオ「帝都奪還作戦は、重要な任務であると共に、非常に困難な任務だ。もしかしたら、生きて帰って来れんかも知れん。心残りがないよう、任務に当たって欲しいのだ」 ヴィヴリオ「誰かと帰ってくる約束をする、というのもいいかも知れんが、確か、そういうのはフラグ、というのだろう?故郷に帰ったら結婚するとか、パインサラダ作って待ってるとか、あまり良くない、と聞く」 ヴィヴリオ「俺は生きる!生きて誰かと添い遂げる!とか、そういう方がいいんじゃないか?……冗談はさておき、実際のところ、どうしたんだ?我々に協力出来ることなら、何でも相談してくれ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、他のPCの登場不可 伊音がまた、妹である紫音の様子がおかしいことを語る 伊音がまた難しい顔をしている。 伊音「ちょっといいか、PC2」 伊音「紫音の様子がますますおかしいんだ。ずっとため息をついていたと思えば、はらはらと涙を流したり。だが、私にもその理由を教えてくれないんだ」 伊音「帝都を奪還し、八門結界を再構築する作戦の前に、後顧の憂いは払っておきたい。というのは……建前だ。本音はな……私はそんなに頼りない姉なのか?」 伊音「たった二人の姉妹なのに、どうして紫音は悩みを明かしてくれないんだ……。私は、姉失格だ……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC3、他のPCの登場不可 紫音から相談を受ける 紫音「お二人とも、お時間を作っていただき、ありがとうございます」 紫音「……今朝占ったら、待ち人来たる、と出たのです。そして……紫音は、あの御方に……PC1様に、出逢ってしまったのです」 紫音「間違いなくPC1様こそ、千年想い続けて来た、あの御方です」 紫音「でも、PC1様も千年前の記憶があるとは、限りません。それに……確かめるのが、怖いのです。もし違っていたら、と」 紫音「……恥を忍んで、お願いがございます。PC1様に、千年前の夢を見たことがあるか、聞いては頂けないでしょうか」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC4、他のPCの登場不可 凍との会話 凍「……PC4……大佐と、会ってから……怖い、顔」 凍「……怖い顔……嫌い」 そう言うと、凍はキミの頬に手を伸ばして、頬をつまんで伸ばす。 凍「……笑顔、です」 凍「……何か……考え、事?」 凍「……独りで、抱えてちゃ、駄目。……仲間、いる。私も、いる」 凍はキミにぴたりと寄り添い「……怖く、ない。……一緒なら、何も」 どうやら、相当顔に出ていたらしい。 凍にも、心配をかけさせてしまったようだ。 会話を終えたらシーンを終了する。 ※もしPC同士で話がしたい、という提案があったら、このタイミングで行う事。 情報収集が発生すると、紫音と千年前の悲恋の話が全員に共有される為である。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 情報収集 〈事情通〉難易度10 紫音の秘めた想い 彼女が秘めた、伊音にすら明かさない、たった一つの秘め事。 彼女が幼い頃からずっと見続けてきた、一つの夢。 身辺警護の武士と、貴族の姫である、千歳姫。 身分違いの恋に悩み、最後は病で死に別れた、一つの悲恋。 その千歳姫の生まれ変わりが、彼女だ。 『もしかしたら、いつかあの人の生まれ変わりに、巡り合えるかも知れない』 草薙の修練に耐え、研鑽する毎日の、彼女の心の支えの一つだった。 だが、帝都奪還作戦が決まり、彼女は諦めかけた。 しかし彼女は、運命に出逢った。出逢って、しまった。 決して両立しない、お役目と恋心。 その間で、彼女の心は揺れ動き、千々に乱れている。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 キミは司令室に呼び出された。 すると伊音が、血相を変えてキミの元にやって来た。 伊音「PC1、紫音と会え、会ってくれ。紫音が心残りを残さぬように。その為には、お前と会って話をするのが、必要なんだ」 紀央「……それだけでは、済まないかも知れませんが」 伊音「む、司鏡、それはどういう意味だ」 紀央「会って話して、はいおしまい、これで心残りはありません、とはならないと思います。何しろ、千年越しの想いですから」 伊音「……それは、分かっている。だが今は、他に紫音の悩みを解決する手段が分からん」 伊音「PC1、頼んだぞ、紫音の悩みを解決してやってくれ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC1、他のPCの登場は不可 紫音と二人きりで会話 紫音「その……お見合い、みたいですね」 はにかむ紫音。 紫音「何から、お話すれば……」 紫音「不思議ですね……。ほとんど初対面と変わらないのに、ずっと前から、知っている気がします」 ある程度会話をしたら、天使警報が発令。 ヴィヴリオ「PC1、取り込み中済まんが、出撃だ」 紫音「PC1様……ご武運を」 ハッとするキミと紫音。 前世でも、キミが戦場に赴くとき、千歳姫がいつもかけてくれた言葉だ。 紫音「……ちゃんと、帰って来て下さいまし。その……紫音の、ところへ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン9 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 司令室に、全員集まっている、 伊音「PC1、紫音と話してどうだった」 伊音「紫音は私の大切な妹だ、傷付けるようなことがあったら、その首切り落としてくれる」 殺気が駄々漏れである。 ヴィヴリオ「草薙。気になるのは大いに分かる、私も気になるからな。だが、世間話はそこまでだ」 伊音「……はっ」 ヴィヴリオ「諸君らに告ぐ。天使を撃退せよ。……積もる話は、その後だ」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ 天使との戦闘 パラシエル、宝の天使 データはエンドレスサマー掲載の『力の天使』のデータを使用する。 本シナリオでは、天使との戦闘は重要性がとても低い。 時間が無ければ、PLに確認の上で「来た!見た!勝った!」としても良い。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 凍との会話 凍「……PC1と、紫音……これから、どうなるの?」 凍「……恋って、愛って、なに?」 凍「……私は、知らない。だから……教えて」 凍「……分からない、けど……あなたに、教えて欲しい、って、思った」 出会った頃に比べて、凍はとても感情豊かになった。 それが理解出来ているのは、キミ、そして最初から分かっているセラピア以外には、桂くらいのものだ。 キミは気付いている。 凍の変化は、キミによってもたらされたものだ、と。 なら、彼女のココロを守れるのも、キミしかいないのだ。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 紀央との会話 紀央「紫音様の想いが通じたようで……友達としては、嬉しいです」 紀央「ただ、これで一件落着、とはいかないんですよね……」 紀央「紫音様には、八門結界の人柱になる運命が待っています。ようやく想いが通じ合ったのに、また離れ離れになるなんて……」 紀央「わたしだったら、耐えられません。あなたのぬくもりを、知ってしまったから……」 紀央「PC3様。短い間でも、PC1様と紫音様に、少しでも多くの想い出が作れるよう、わたし達に出来ることがあったら、何でもやりましょうね。……友達、なんですから」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 伊音との会話 キミは伊音と、伊音の兄、理音の眠る墓の前にいる。 伊音「……アバドンを討つ前に、お前と一緒に、此処に来ておきたかったんだ。……此処には、兄様と共に、私の罪と、罰が、埋まっているから」 伊音「……紫音も誘ったのだが……PC1にどうしても会いたい、と言って断られた」 伊音「……紫音の惚れた相手が、どこの馬の骨とも分からん奴なら切って捨てられるんだが……よく見知って、信頼している男だからな。非常に扱いに困る」 伊音「紫音を傷つけるようなことは無いだろうが……あーうー」 流石の伊音も、妹のこととなると形無しだ。 伊音「……済まんな、付き合わせて」 伊音「だが、良く良く考えてみると、お前もお人好しだな。命を狙った相手に、背中を預けているのだから」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 紫音と会話 草薙家にある茶室。 キミは紫音に招かれて、ここにいる。 紫音「……粗茶で、ございます」 紫音「……華道、茶道、ヤシマ舞踊、それに薙刀……ヤシマ撫子に必要なものは、ある程度は学んでおります。まだ、道半ばでは、ありますが」 使用人を退室させた後、紫音は居住まいを正し 紫音「PC1様……。紫音は、あなた様を、お慕い申し上げております。千年前とは、顔も声も違いますが……ようやく、約束が叶いました」 紫音「これで、紫音は……心置きなく、お役目を果たせ……あの、PC1様。我儘を申し上げても、よろしいでしょうか」 紫音「……恐い、です。あなた様と、また、離れ離れになってしまうことが……。ようやく、千年越しの想いが通じ合ったのに……これでお別れ、なんて……いや、です……」 紫音「あなた様と巡り逢えれば、それでいい、と思っていたのに……紫音は、欲張りです……。こんな、はしたない女は……お嫌い、ですか……?」