【GM】それでは、自己紹介をお願いします。 【PL】 では、改めまして…。 【PL】 PLはみどうです。オンセ久しぶりで色々と不手際あるか、と思いますが今回もよろしくお願いします。 【PL】 では、PCの自己紹介に移ります 【虚空】久遠虚空(くどう そら) ドライクロイツ所属、シュネルギア・ヤークトのドライバーを務めている少年です。 【虚空】年齢は14歳、性別は男性。 黒髪、白肌、翠目でやや線の細い少年です。 【虚空】母親は久遠家と呼ばれるヤシマの名家出身ですが、どこの馬の骨とも知れない男との間の子のため、家中から疎まれていました。 【虚空】幸いに黒い天使核が見つかり、ギアドライバーとして瑞穂基地に赴任。 皆と共に奮戦をしておりましたが… 【虚空】戦場の経験の中で、常に何かが足りないのか、メタ的に言うのであれば、福音を起こそうとしているのに起きない。 【虚空】あきらめている訳じゃないのに、何かが、どこかが足りない結果、戦況がひどいことになってしまっているようです。 【虚空】結果として、戦友はいなくなっていく。久遠家は忙殺なんてするつもりもなかったのに、全滅してしまう。妹の雛子も落命してしまっている。 【虚空】だから、せめて、せめて、今、そばにいるセラピアだけはどうしても守りたい。 そう願っている。崩壊寸前のギアドライバーとなります。 【虚空】絶望しかない戦場で、せめて何かを掴み取れれば、と思っております。よろしくお願いします。 【GM】はーい。みどうくんとはオフでは何度も遊んでますが、オンセは初めてです。こちらこそ、よろしくお願いします。 【GM】  【GM】GMを務めますは私東条慈英。 【GM】今回のシナリオは、Twitterで #リプで指定されたシナリオタイトルでトレーラー作る でみどうくん本人から指定された『カタストロフ』にて作ったシナリオです。 【GM】拙いマスタリングではありますが、よろしくお願い致します。 【虚空】こちらこそ、こんな貴重な機会を得られて光栄です。よろしくお願いします。 【GM】  【GM】ハンドアウト 【GM】PC1:ギアドライバー/ナビ:セラピア 【GM】合衆国の苛烈な攻撃の前に、次々と斃れていく戦友達。 【GM】そんな状況でも、キミのパートナーであるセラピアは、キミが最後に残された希望だという。 【GM】何も出来ない、自分が? 【GM】  【GM】【セラピアからの最後の希望】 【GM】  【GM】  【GM】では、今回予告 【GM】 【GM】合衆国の猛攻に、帝都への撤退を決定したヤシマ=統一帝国 【GM】撤退戦に次々と斃れていく戦友達 【GM】残る機体はシュネルギアプロトタイプのみ 【GM】絶望の中、セラピアが提案した最後の手段とは? 【GM】 【GM】エンゼルギア天使大戦TRPG 【GM】『カタストロフ』 【GM】-FROM HERE TO ETERNITY- 【GM】 【GM】何度繰り返しても僕らは、また、恋に落ちる。 【GM】 【GM】では、よろしくお願いします。 【虚空】よろしくお願いいたします。 【GM】 【GM】 【GM】■■■■オープニングフェイズ■■■■ 【GM】帝都内部のアバドンを討ち、48時間の激しい攻防戦の後、八門結界が再構築された。 【GM】だが、あまりにも多くの仲間を失った。 【GM】アバドン戦における紀央とその相棒をはじめとして、アクシア隊長も、ハルトマン大佐も、七支隊の面々も。 【GM】他にも、多くの仲間を失った。 【GM】だが、ここで歩みを止める訳には、行かなかった。 【GM】……例えこの道が、地獄に続いているとしても。 【GM】  【GM】格納庫。収容されているシュネルギアや戦闘機を、セラピアと二人で眺めている。 【セラピア】「……随分、人数減っちゃったね、ここも」 【虚空】「ハルトマン司令、アクシア大尉、それに…紀央たちも、もういない…か。はは、本当に、少なくなった…」 【虚空】首を振り、困ったような表情を浮かべて。 【セラピア】「八門結界が再構築されたけど……犠牲は、あまりにも、多過ぎたよね」 【虚空】「結果だけを見れば、最低限のことはなせた。 だけれど…経過を考えれば、最悪に等しい。でも…」 【虚空】「でも…ここで足を止めれば、それこそ…。」 【虚空】唇を噛みしめる。 感情の色は見せない。見せなかった。それでも、今は、怒りとも、悲しみとも言えない。そんな表情で。 【セラピア】「みんな……未来のある若者達を守る為、って言ってたけど、さ。ちゃんと先導して教えてくれる人がいなくなったら、迷っちゃうよね」 【GM】虚空の顔はあえて見ず、呟く。 【虚空】「正直に言えば、ね…。ありがたさもある。けれど…、あんな言葉は、呪い、だよ」 【虚空】「確かに、僕たちは守られた。守られたけれども…、その意味がある結果を出せるのか…って」 【虚空】ふる、と首を振って「いや、らしくない、な。 結果は残す…。 そうするしか、道はないんだから…。 だから、セラピア」 【セラピア】「何、虚空ちゃん?」 【虚空】「…お願い、だ。」 【虚空】「僕を…一人にしないでくれ…。 全力は、尽くして見せるから…」 【GM】セラピアは無言で、虚空の手をぎゅっと握る。 【虚空】「…はは、らしくない、な…。 僕が、こんな事を言うだなんて、な…」 【虚空】握られた手。それを見る表情は、泣き笑いのようでもあって。 【虚空】「…力のない手も…冷たい手も、もう…ごめん、だ…」 【虚空】聞こえるか、聴こえないか。そんな小さなつぶやきがこぼれて。 【GM/管制官】『天使反応を確認。総員、第一種戦闘態勢に移行』 【虚空】「…セラピア。」 【虚空】「…行こう。 歩みを…止めないためにも…!」 【セラピア】「……うん、行こ、虚空ちゃん」 もう一度虚空の手を強く握り、一緒に駆け出す。 【GM】  【GM】■■■■エモーション■■■■ 【虚空】現在、パトス数は14。 【虚空】セラピアからの最後の希望を2→4に。 【虚空】アガペー→660→637 【虚空】ナビ:セラピアからの悲しみを2→4に。 【虚空】アガペー→637→614 【虚空】パトス数0. 【虚空】以上、終了。 【GM】  【GM】■■■■ミドルフェイズ/シーン1■■■■ 【GM】八門結界を越え、騎士級天使兵ホワイトライダー、レッドライダーが、ヤシマに攻め込んで来た。 【GM】2体の騎士級の前に、多くの仲間が散っていく。 【凍】「……翔。ここで片方でも、食い止めないと、危険」 【翔】シュネルギア・シュトルムを駆る翔・凍ペア。 明らかに押される中で、一息はいて。 【翔】「だね。ただ、どちらを抑えるにしても…結構厳しいな。 シュトルムの反応速度を大幅に超えてる」 【翔】「じゃあ、凍。質問だけどさ。紅いのと白いの、どっちの相手をしたい?」 まるで、今日のおやつは何がいい?といわんばかりの軽い口調で。 【凍】「……なら、白。……私の、髪の色と、同じだから」 【翔】「解った。 じゃあ、そいつは意地でも抑えようかな」軽く答えてから、ああ、と思いだしたように。 【翔】「…シュトルムの反応速度で勝てないなら…僕の速度を上げるしかないよなあ」 と、言って、パイロットスーツに仕込んであった錠剤を、口に含んで。 【凍】「……翔?どう、したの?」 【翔】「…戦闘前のおやつ。」 【凍】「……翔だけ、ずるい」 【翔】「終わったらあげるよ。 だから、少しだけ我慢しておいてほしいな」 【凍】こくんと頷き「……分かった。ホワイトライダーを倒すなら……イチか、バチか。すれ違う瞬間に、全弾、叩き込む」 【翔】「ああ。 その手段でなんの反論も、な…っ…」 【翔】一瞬、ぐらつく視界に唇を噛みしめて。 【翔】「20mmの弾倉、装填完了…。 一回きりの、チャンスだね」 【凍】「……翔?」 サブコンソールのバイタルチェッカーで理解した。「……分かった。それが、翔の、覚悟、なら」 自身に掛けていた、リミッターを解除する。 【翔】「…凍。ごめん、な…。 僕が成功作だっていうのなら…こんな負担、かけさせないってのに、さ」 【凍】「……翔、舌を、噛まないように」 急加速し、ホワイトライダーの眼前まで機体を肉薄させる。 【翔】「心配ない…。 やり遂げるまでは、ドジらないよ…」急激なGにも何ら苦しみも見せず。 【凍】「……成功作でも、失敗作でも、そんなこと、どうでも、いい」 【凍】「……私は、あなたが、いい」 【翔】「…そう、か。」 【翔】薄く笑って、モニターに視線を向けた。 【翔】シュトルムの反応速度で勝ち目はない。 なら、未来予知に近づく程の反応速度で、知覚速度で、劣る速度を補うしかない。 【翔】機体で勝てないのならばドライバーの実力で。 実力で勝てないのなら――― 【翔】例え、命を大きく削る薬物の力を、使ったとしても。 【GM】眼前のシュネルギア目掛け、ホワイトライダーは半壊した仮面の奥から、全てを塩の柱に変える光を放つ。 【GM】その光に包まれる、シュネルギア:シュトルム。 【翔】「遅い、よ…」 【凍】「……それは、残像」 【翔】既に、奴の上は取った。 引き絞ったトリガー。 持てる弾丸の全てを、その仮面の奥へと、その忌々しい身体へと一気に叩きこんでいく。 【翔】銃身が焼けつくまで。弾倉が空になるまで。奴が動かなくなるまで。奴が白い羽となって消え去るまで。 【翔】シュトルムの限界を超えた機動で、ドライバーの生死など完全に無視した超高速機動で、ホワイトライダーを沈黙させんと、ただ、ただ、撃ち続ける。 【GM/ホワイトライダー】「AHHHHHHHHHHH!!!」 弾丸はケルンを貫通し……ホワイトライダーの身体を端から羽へと変えていく。 【GM/ホワイトライダー】だが苦し紛れに、死なば諸共と、エーテルの矢を自分とシュトルム目掛け乱射する。 【翔】「悪い、ね。 これでも…最良のコンビだって言う自負はあるん、だよ…っ!?」 【GM】……エーテルの矢が、自身のコアと、シュネルギアのコックピットを貫いたのは、ほぼ同時だった。 【凍】「……ホワイトライダー、殲滅……かん、りょう……」 【翔】攻撃だけに特化した機動。 故に、防御を軽んじたか、エーテルの矢を次々と受け、遂にはコックピットに受ければ 【翔】「…任務、かん、りょう…。 は、は…。なあ、凍…?」 【凍】「……なに…・・・かけ、る……?」 【GM】凍は、笑っていた。 【翔】「…いや…。やっぱり、きれい、だな、って…。」 【翔】「あんな、白より…、キミの、白の方が…」 【翔】「ず、っと………きれ、い…だ………」 【凍】「……あり、が、とう。……あなたと、いっしょ、なら……それで、いい……」 【翔】笑顔を浮かべて、凍に笑いかけて。 【翔】シュネルギア・シュトルムは―――爆炎に包まれていく。 【GM】  【ズィーガー】「……八坂のコンビが、逝ったか」 【フラン】「ったく、あのガキどもは…。人の話ききゃしねーの」 【ツバサ】「ズィーガー、フラン。アタシ達の相手は……あの赤いのだ」 【GM】レッドライダーは近付かせまいと、エーテルの矢を乱射する。 【フラン】「ちっ、こいつも相当にやりやがる…!射線が取れねえ…!」 【ツバサ】「(……ヤバイ、戦闘時間が長引きすぎた……目が、霞む)」 一瞬、目に手をやった。それが、命取りだった。 【GM】ツバサのアペルギアを貫こうとする、エーテルの矢。 【フラン】飛影を駆り、何とか回避をし続けるものの、致命傷を避けるのが手いっぱいで 【ズィーガー】「……させん!」 【フラン】「ツバサぁっ!! 回避しろぉぉっ!!」 【GM】射線に割り込み、直撃を受けるズィーガー機。 【フラン】「フリューゲル!? アンタ、何やって…、脱出できるのか!フリューゲル!」 【ズィーガー】「……ツバサ。お前は、生き延びてくれ。……愛して、いる」 ズィーガー機、爆散。 【ツバサ】「ズィーガーぁぁぁ!」 【フラン】「…っ、あんの…馬鹿、が…」 【フラン】「…ツバサ。よーく聞け?」 【ツバサ】「あ、あぁ……」 ぐっと奥歯を噛み締めて「何だ、フラン!」 【フラン】怒りを押し殺した。 そんな口調は通信越しにも良く伝わって。 【フラン】「さすがにそのアぺルで奴を捕えるのは至難の技、だろう?」 【ツバサ】「シュネルならともかく、ちっとキツイなァ。で?足にでもなってくれるかい?」 【フラン】まるでレクチャーをするかのように。初めてシュネルギアにのったツバサに色々教えた時のように、そんな口調で。 【フラン】「ああ。 短時間なら何とか可能だろ。 ついでに、奴の足止めもしてやる」 【フラン】「どうだ?アタシはいい姐御だろ?」 【ツバサ】「あァ、頼んだよ。そうだね……ま、同じ男を好きになっただけの事はある、ってか?」 口調こそ、いつもの通りだが。表情は、怒りとも憎しみとも悲しみともつかない。 【フラン】「ま、最後の最後でガキに持ってかれてアタシはおかんむりなんだがねえ」 【フラン】くっく、と笑っている。 戦場というにもかかわらず、軽い。 【フラン】「だからさ…、男持ってくついでに、仇ももってきな。 おぜん立ては、全部アタシがしてやんよ…!」 【ツバサ】飛影の上に、アペルギアを乗せ、レッドライダーまで、一直線に突っ込んでいく 【フラン】「…はっ、やっぱりな。 一か所だけ、孔がありやがる!」 【ツバサ】「さァ、持ってけ泥棒!」 レッドライダーの機動を読み切り、的確に弾丸を『置いて』いく。 【フラン】生き残る術は身につけてきた。だから、どこをどうすれば、生き残れるかは知っている。 【フラン】裏を返せば、自分について来れば生き残らせることはできる。 そして―――生き残るための最適な位置は 【フラン】ツバサに、譲っている。 【フラン】「ははっ、さっすが上手だねえ! アタシが鍛えただけはあるってか!」 【ツバサ】「ビンゴ!冴えてるー、俺様チャンとフランの読み!」 無防備なレッドライダーの真正面に位置取る。 【フラン】アぺルを載せながらレッドライダーの猛攻を凌ぎ切る。が――。 【フラン】「…っ…?!」真正面?無防備? 嫌な予感が、最悪の予感が頭をよぎり 【フラン】「ツバサぁっ!!飛べえええぇっ!!」 【フラン】絶叫する。 否、声よりも速く、アぺルを上に飛ばすための動作をしていたかもしれない。 【ツバサ】「……フラン。今まで、ありがとさん」 飛影からジャンプし、レッドライダーの仮面に左の拳を叩き込む。完全には避けられず、アペルの下半身は持っていかれた。 【フラン】「は…。礼なんかいらないよ…。 とっておきを、くれてやるから、ねえ!」 【フラン】VTOL機に飛影であれば、回避は困難ではあるが不可能ではない位置。 【フラン】だが飛影は…真正面に、一気に加速していく。 【フラン】「可愛い妹分に、手ぇ出してんじゃねえよ、このロリコン天使がよおっ!!」 【ツバサ】「はは、フランも同じ考えかよ。……やっぱすげーわ、フランの姐御」 右腕でアペルの胸の装甲版を引き剥がしつつ 【フラン】「足止めはしてやるよ、ツバサ。 その代わり、アタシとアンタが惚れた男を殺したこいつを…必ず潰しな!!」 【フラン】アぺル程の耐久力などない。 否、それこそ、接触すれば破壊、そして死は不可避。 【ツバサ】「ああ、分かってる。キッチリ潰すさ……こいつでなァ!」 【フラン】そんな中で、笑いながら、ツバサにすべてを託しながら、一歩先に…飛影は爆散する。 【ツバサ】「これが何だか分かるよなァ、このクソ天使!お前らの大嫌いな天使核だ、それもとびっきりの!」 アペルギアの心臓部の天使核を引きずり出し……自ら、握り潰す。 【ツバサ】「あの人の、ズィーガーのいない世界になんか、未練はない……あばよ、ダチ公!!……今、行くよ、ズィーガー」 マスケンヴァル現象、発生。 【GM】レッドライダー共々、塩の塊となって、消失する。 【GM】  【セラピア】「……なんで、なんでよりによって、翔ちゃんも凍ちゃんもツバサちゃんもフランちゃんもみんな、自爆特攻なんて方法、選んじゃうかなぁ!?」 【GM】戦いは、終わった。 【GM】騎士級天使兵、ホワイトライダー及びレッドライダーを殲滅。……戦死者、多数。 【GM】  【虚空】「…騎士級二体を撃破…。ただ…、シュトルムは未帰還…。 ズィーガー中尉、シュテルン中尉、ツバサ…。」 【虚空】「…ルフトヴァッフェは事実上壊滅…。残されているこちらの戦力は…シュネルギア、4機、か…。」 【虚空】「…どう、して、かな…。 なんで、こう、なってるんだ…。 みんな、まだ…生きる道はあった筈なのに…」 【虚空】戦闘での疲弊もある。それでも、表情は鬼気迫ったもの。 【セラピア】「……死ぬよりも大事な事が、あったんだよ、みんな」 【GM】セラピアは泣いていた。流れる涙を、拭おうともせずに。 【虚空】「…だからって…!だからって認められるはずは、ないんだ…!」 【虚空】「それに、僕は…、僕は…っ…!」 【虚空】泣かせて、いる。 【虚空】あの時の出会いから、思っていた事を。 【虚空】僕は、今―――守れて、いない。 【ヴィヴリオ】『……生存者は、全機、帰還せよ』 心なしか、彼女の声も、沈んでいる気が、した。 【GM】  【GM】■■■■エモーション■■■■ 【虚空】パトスは17 【虚空】家族からの忌避を2→4 【虚空】614→591 【虚空】雛子からの遺志を取得。かつ4レベルに。 【GM】了解です 【虚空】アガペーは566に。 パトス0. 【虚空】以上終了。 【GM】  【GM】■■■■ミドルフェイズ/シーン2■■■■ 【GM】その、翌日。 【GM】今度は騎士級天使兵、ブラックライダー、ペイルライダーが同時に襲来する。 【GM】敵に囲まれたど真ん中でトラウマを思い出した、リュンマ。 【リュンマ】「あ、ああ、あああああ!」 【GM】動けなくなったところを集中砲火され、リュンマの乗るアペルギアは、撃墜。犬死もいいところだ。 【トゥアレタ】「……いつか、リュンマのトラウマがまた再発する日が、来るとは、思っていたけど……まさか、こんな日とは、ね」 【ノルン】「いつかくる、っていうだけが、このタイミングだけ、って話だろ。 …最悪のタイミングってのは認めるけどな」 【トゥアレタ】「往々にして、タイミングなんて、最悪のタイミングでくるもの、だよね」 【GM】日常の会話のように見えるが。機体はめまぐるしく動き、トゥアレタはコンソールを縦横無尽に操っている。 【ノルン】「そんな時のために頭を働かせるのが隊長の仕事だろ。 ほら、愚痴より頭はたらかせろよ」 【ノルン】様々な状況を目にして、的確にミサイルを放ち、砲撃を行い、時にけん制に回る。 いくつもの思考を同時に行って居る。そんな様子で。 【トゥアレタ】「ええ、分かってるわよ。!?メイリィの相棒……天使化、開始……」 【メイリィ】『……ゴメンね』 【GM】パン、と乾いた音。銃声。 【ノルン】「…最悪に最悪は重なる、か。」 【ノルン】乾いた音。それを聞いて、は、と小さく息を吐きだして。 【ノルン】「…失策、だな。 …俺の…」 【メイリィ】『ギアドライバーが天使化を開始した為、“処理”遂行』 【ノルン】「メイリィ。 離脱は可能か?」 【GM】メイリィはノルンの呼び掛けに答えず……ブラックライダーへと、突撃を仕掛ける 【メイリィ】『一人でも、ワタシなら少しの間は動かせる』 【ノルン】「…メイリィ、ギアドライバーチームの副長としての命令だ」 【ノルン】「………好きに、やれ。」 【メイリィ】『ありがとアルよ、ノルン。八仙拳――離火掌!!』 【ノルン】計算した。思考した。想像した。何通り、何十通り。 【トゥアレタ】「……止めないんだね」 【ノルン】「…ざっと120通りの方法を思いついたが…メイリィ機が無事に母艦にたどり着ける可能性がない…」 【ノルン】「…冷たい、っていうか?」 【メイリィ】シュネルギア:リッターグラップルカスタムは、ブラックライダーに燃える手刀を打ち込み、コアを握り締める。 【トゥアレタ】「ううん。……わたしも、同じ予想だったから」 【ノルン】「…だとしても、お前がそんな、どうしようもない無能の出す命令を口にするくらいなら…、俺が口にしてやる」 【メイリィ】『放出していたエーテルを全て反転、V機関にチャージ。まさか、ツバサと同じ手を使う事になるとは、思わなかったアルよ……』 【GM】メイリィの最後のミス。それは、通信回線を開いたままにしていたこと。 【トゥアレタ】「……ごめんね、ノルン。でも……ありがとう」 【ノルン】「………少しの間…」 【ノルン】指を口元に当てた。 【ノルン】今は、今だけは、メイリィと、彼だけの時間だ、と。 【メイリィ】『……ねえ、アナタ一人で、逝かせないよ。約束したでしょ?死ぬ時は、ワタシも一緒、って』 【GM】ブラックライダーのコアを握り潰し………閃光が、2体を包む。 【GM】  【GM】光が治まった、あと。 【GM】そこには、何も、無かった。 【ノルン】「…少しの間、感傷に浸ってたいんだが、な…」 【ノルン】「それだけの優しさを…持ち合わせちゃいないんだろう…!」 【トゥアレタ】「シュネルギア:リッター、並びに騎士級天使兵、ブラックライダー、消失……きゃっ!?」 【GM】機体に走る衝撃。 【ノルン】「っ…、張りつかれたか…!トゥアレタ、ダメージはどうなってる!?」 【トゥアレタ】「騎士級天使兵、ペイルライダーに……侵食、されてる!?ダメージレベル不明、計器もどんどん狂ってく!」 【ノルン】「侵食…?ちっ、コントロールが利かなくなりはじめた…!?」 【ノルン】「………」 【ノルン】顎に手を当てる。 一度、操縦桿から手を離し、思案する。 高速で、冷静に、かつ、最善を見つけ出すべく。 【トゥアレタ】「……ねえ、ノルン。わたしの……最期のわがまま、聞いてくれる?……わたしと、一緒に、死んで」 【ノルン】「…おい。俺が12%だけ、お前を助ける手段を浮かべたのにそれか?」 【トゥアレタ】「脱出装置なら、もう何度も試してるよ。でも、天使の侵食で、ハッチが開かない」 【ノルン】「だから12%っていってるんだろうが…」 【トゥアレタ】「それに」 【ノルン】「…ん?」 【トゥアレタ】「どっちにしろ、もう、もたないから」 彼女が握った掌を開く。そこには一枚の純白の羽。 【ノルン】「…そう、か…」 【ノルン】ふう、と息を吐きだして 【ノルン】「ああ、だが、一つだけ言わせろ、トゥアレタ。」 【トゥアレタ】「どうせ死ぬしかないなら、天使に飲み込まれて死ぬより、あなたと一緒に死にたい。……なに?」 【ノルン】「そんな大事なこと、女に言わせて、はいわかりました。貴女と一緒に死んであげます。なんて、そんなに俺は気前が良くない」 【ノルン】「だから、言わせろ。」 【ノルン】顔を向けて、照れ隠しなのか、指先で頬をかきながら。 【ノルン】「俺と一緒に、あの世とやらまで付き合え…」 【トゥアレタ】泣き笑いで「……うん!」 【ノルン】「…Danke schoen」 【トゥアレタ】冷静な声で「……全ミサイル射出。目標、ペイルライダー」 【ノルン】「ミサイル発射後、イェーガーは友軍を守るため、高速で戦場より離脱する」 【ノルン】「以降、ギアドライバー隊の指揮権は草薙中尉に委ねる。 以上。」 【トゥアレタ】「ミサイル、発射!」 フルブーストで、天使の集団の方へ。 【ノルン】イェーガーからミサイルが放たれた瞬間、イェーガーは高速で戦場から離脱を始め 【トゥアレタ】「わたしの命も、ノルンの命も、わたしのもの。お前になんか……絶対、渡さない!」 【ノルン】「あのな…、お前の命が俺のものなんだよ。言い間違えるな…!」 【トゥアレタ】頬を膨らませながら「……同じだもん。別に、いいでしょ」 【ノルン】「は?いい訳ねーだろうが。甲斐性の問題なんだよ。」今になってどうしようもない。そんな言い合いをしながら、それでも笑って。 【ノルン】「…着弾まで、3秒か…。 トゥアレタ…」 【トゥアレタ】「なに?」 【ノルン】「…お前に…、いや…【お前】に、会えてよかった…」 【トゥアレタ】「わたしも。あなたに、会えて、よかった」 【GM】―――ミサイル、着弾。 【GM】自機のイェーガー諸共、ペイルライダーを撃破。 【GM】  【伊音】「おのれ、ニールセンもクレーリオンも、後に押し付けて逝きおって!残される我らの身にもなってみろ!そうは思わんか、要!」 【GM】伊音は口調こそいつも通りだが…包帯や傷口が生々しい。 【要】「ですが、伊音様。 クレーリオン隊長も、ニールセン副長も、これ以上の被害を避けるための止むなきことか、と。 勿論、勿論…、くやしくて、悲しい事は、事実ですが…!」 【要】「でも、伊音さま、ご安心ください、とまでは言えませんが…、それがしも初陣の時よりは成長しております!必ずや、伊音様の支えとなってみせます。 ですから、どうか…ご無理だけはなさらないでくださいませ」 【伊音】「ああ、そうだな。だが……騎士級は全て、戦友(とも)の命と引き換えに、打ち倒された」 【要】「はい。 これで、僅かではありますが、時間を得ることができた、と思うべきでしょう。」 【要】「とはいえ…、先の戦闘で、久遠様とパルマコン様のヤークトは多くを被弾し、次の戦闘はほぼ不可能、との連絡も受けております」 【要】「…出撃することができるのは、それがし達のマサムネ一機か、と…」 【GM】伊音に通信が入る。 【伊音】「……了解、しました」 【伊音】「要。直ぐ基地に帰還する。ヤシマ=統一帝国は、帝都への撤退を決定した。これより、撤退戦を開始するそうだ。……シュネルギアⅠ(アイン)でな」 【伊音】「中島班長亡き今、まともに稼動するのはもう、それしかないそうだ」 【要】「やはり、マサムネも損傷は中枢まで達しておりましたか…。 ですが、我ら布津乃は…刃を選ぶことなき一族」 【要】「アインであろうと、アぺルギアであろうと、動く機体がある限り、持てる刃がある限りは、どこまでも戦い抜く所存です!」 【伊音】「……無駄口を叩いている暇すら惜しい。行くぞ、要」 要の手を取り、歩き出す。 【要】「……………え、あ、あ、え、あ、は、ひゃいっ!」手を取られると上ずった声になりながら。 【GM】伊音の手は、傷だらけだった。 【GM】  【GM】 ■■■■エモーション■■■■ 【虚空】パトスは25。 【虚空】ドライバーチーム、っていう形でもOK? 【虚空】<散っていったドライバー達 【GM】戦友達、とかはどう? 【虚空】では、お言葉に甘えて 【虚空】戦友たちからの友情を取得して4レベルに。 【虚空】アガペー566→541 【虚空】自己からの侮蔑を取得し4レベルに 【虚空】アガペー516 【虚空】残りパトス5。これでダーザインロール。 【虚空】行うのは、セラピアからの悲しみ、セラピアからの最後の希望、雛子からの遺志、戦友からの友情、自己からの侮蔑 【虚空】40an4 = 22 【虚空】アガペー521、ロゴス22 【GM】以上ですね。 【虚空】はい。以上です. 【GM】 【GM】■■■■ミドルフェイズ/シーン3■■■■ 【GM】度重なる合衆国の猛攻に、ヤシマ=統一帝国軍は、帝都への撤退を決定した。 【伊音】「要」 【要】「はい、伊音さま」 【伊音】「慣れぬアインでの戦闘だが。やれるな?」 【要】「手にした武器が何であれ、最善を、最良の結果を出すことがそれがしの意義。 必ずや…」 【要】伊音の言葉に頷く。 真面目に、アインのセットアップを続けながら。 【伊音】「その言や良し。……虚空、セラピア。殿は、我らが務める。お前達は、先に行け」 【虚空】「…っ!? 伊音、何を言ってる!?」 【セラピア】伊音の声色に、彼女の覚悟を理解した。 【要】「セラピアさま。 久遠さまをお願いいたします。 それがしにとって、久遠さまも、セラピアさまも、信頼できる大切な方ですから」 【伊音】「……靖国で、会おう」 【セラピア】「伊音ちゃん、要ちゃん。……またね」 【虚空】「伊音…。 わか、った…。 久遠、セラピア機…、戦場を離脱する…!」 【セラピア】「行くよ、虚空ちゃん。振り向いちゃ、駄目なんだよ。」 戦場から離脱する 【要】レーダーから、虚空とセラピアの駆るアインの表示が消えて。 【要】「虎の子の呪法剣を二刀で扱わせていただけるとは…、それがしにとって、満足の行く戦ができそうです」 【要】「伊音さま…」 【要】珍しく、声が沈んだ様子で声をかけ。 【伊音】「どうした、要。今更怖気づいたか?」 精一杯の虚勢を張る。 【要】「いえ。 それがしは、戦場で、刀をもって、敵に怖気ついたことなどありませぬ」 【伊音】「そうか。では何だ?」 【要】「伊音さまの御身に負担をかける挙動となりますゆえ…、どうか、ご容赦を…」 【伊音】「構わん。(小声で、どうせ、これが最期だ……)」 【伊音】「さあ、我らの最期の晴れ姿、とくと見るがいい!行くぞ、要!武器の準備は充分か!?」 【要】「呪法剣抜刀! カウンターソード帯刀確認! 残存しておりました刀剣すべて、このアインに!」 【要】「参ります、伊音さま! 守勢の戦ではなく、この要の攻勢、間近にてご覧くださいませ!!」 【要】その咆哮と同時に、アインは真っ白の空に向け、単機、突撃をしていく。 【GM】一騎当千の働きをする、伊音と要の駆るシュネルギアアイン。 【GM】だが、多勢に無勢。 【GM】矢尽き刀折れ、最後は折れたカウンターソードをアインの口で咥え……戦場の全ての天使を、打ち倒す。 【要】口にしたカウンターソード。 まるで、獣の牙のごとく扱い、最後の一体を斬り倒せば。 【伊音】「いささか血を流し過ぎた、な……」 【要】「ですが、伊音さま…。 この戦域、すべての天使を斬り倒し、ました…」 【要】バイタルチェックをすれば、まだ、存命しているのが不思議なほど。 【要】ところどころから出血し、被弾の衝撃で内臓も一部やられている。 【要】それでもなお、表情は穏やかに、普段の素直な少年の様相で。 【伊音】「これ以上望むべくも無い、素晴らしい戦果だ。……ところで、要」 【要】「…草薙と布津乃が戦場にいるのです。戦果を残せぬわけが、ありません…。 は、い。どうか、されました、か?」 【伊音】「済まん……私は、眠い。傍で、眠っても、良いか……?」 【要】「…はい。伊音さま…。 それがしにとって、この戦果でいただける、最大の褒美に、ございます…」 【伊音】「ならば、私は、傍に行くぞ……」 手探りで、這いながら前部コックピットへ。既に目は見えない。 【要】「伊音さま…。 こちらでございます」 【要】そういって、手を伸ばす。 既に、手はべっとり、と、自分の赤に濡れている。 それでも、手を取れば、しっかりと手を握りしめ。 【伊音】要の伸ばした手を取り、要の横へ。 【伊音】要の隣に横になり「最期に、お前に、伝えねば、ならん、言葉が、ある。……愛、して、いる」 【伊音】それが彼女の、最期の言葉だった。 【要】「伊音さま。 どうか、ごゆるりと、お眠りくださいませ。 …それがしが、伊音さまの眠りを、いつまでも、どこまでも…お傍にて…護り…とおします…か、ら…」 【要】ぎゅ、と力なく抱きしめる。 そのまま、静かに、目を閉じて身体は、動かなくなり―――。 【GM】布津乃・草薙機、機能、停止。 【GM】  【GM】■■■■エモーション■■■■ 【GM】GMは大変なものを忘れていました 【GM】正式なPCが一人しかいないので、PC間ダーザインがありません 【虚空】ですよね。 【GM】代わりに、本来ならPC2~4のシナリオダーザインである【戦友たちからの遺志】2レベル差し上げます 【虚空】おお、これで7つ全部そろった! 【GM】あ、ホント? 【GM】思い出して良かったー 【虚空】家族からの忌避:4 【虚空】セラピアからの悲しみ:4 【虚空】セラピアからの最後の希望:4 【虚空】雛子からの遺志:4 【虚空】戦友たちからの友情:4 【虚空】自己からの侮蔑:4 【虚空】戦友たちからの遺志:2 【虚空】これで7つ。 【GM】何か正にバッドエンドルートなダーザインだな…… 【虚空】パトスは21か。 【虚空】では…戦友たちからの遺志を2→4に。 【虚空】アガペーは521→498 【虚空】そして7回のダーザインロール。 【虚空】56an4 = 33 【虚空】ロゴスは22→55 アガペー505 パトス残7 【虚空】以上。 【GM】  【GM】■■■■ミドルフェイズ/シーン4■■■■ 【GM】もう少しで、帝都に辿り着く、という所で。 【GM】ヴィヴリオ達の乗る8トンハーフトラックが、流れ弾に被弾。 【ヴィヴリオ】「ここ、まで、か……。ボクも、悪運が、尽きた、ようだ……」 【紅葉】「大佐…。弱気な言葉を吐かれては困ります。 貴女が、ドライクロイツの柱なのですから」 【紅葉】遠山紅葉中佐。 ドライクロイツ前線指揮官であり、遠山桂の姉でもある。 そして、今なお、存命であるが…。 【紅葉】ただ、言葉でこういってはいても、みればわかる。 それだけに、表情はあくまで平坦で。 【ヴィヴリオ】懐からペンダントを取り出し「紅葉……これは……(聞き取れない)の、設計図だ……持って、行け」 【GM】ペンダントの蓋を開けると、ヴィヴリオと東雲光子、そして、現合衆国法王……ラルフ・マスケンヴァルの、3人が写った写真。 【GM】その下に、マイクロフィルムが入っていた。 【ヴィヴリオ】「いつか、どこかで……役に立つ、かも……知れん」 【紅葉】「…これは…大佐、それに、東雲光子?」 【ヴィヴリオ】「……光子は、ボクの……古い、友人、さ」 【紅葉】「了解しました。それが、大佐のご命令ということでしたら」 【紅葉】そういって、渡されたペンダントをしっかりと手に握りしめる。 【紅葉】「…ノルトラント…。その地からの因縁、ということですか…」 【紅葉】静かに、あくまで静かに言葉を紡ぐ。 【ヴィヴリオ】「……紅葉。虚空は、近くに、いるか?」 【紅葉】「…ええ。 先の衝撃で、パルマコンと投げ出されはしましたが…雪がクッションになりました。 二人とも、行動をするのに支障はないでしょう」 【ヴィヴリオ】「そう、か……」 【ヴィヴリオ】「ああ……なあ、紅葉、虚空に、伝えて、くれない、か。……キミを、巻きこんで、しまって、済まなかった……」 【ヴィヴリオ】「……キミが、黒い天使核を、持って、いなかったら……キミを、ギアドライバーとして、召集しなければ……こんな、こんな目に、合わせずに、済んだものを……」 【ヴィヴリオ】「ボクを、恨むなら……恨んでくれて、いい……本当に、済まなかった、と……」 【紅葉】言葉を内容を聞き、一つ、息を吐きだし。 【紅葉】「大佐たる貴女が、少尉でしかない久遠に謝罪をする。ということは…一軍人としては承諾しかねます」 【紅葉】「ですが…、個人的に貴方の依頼を受けた、貴方の知人、協力者としては…」 【紅葉】「…その依頼、遂行いたしましょう」 【ヴィヴリオ】「……あり、が、とう、紅葉」 そのまま、体の力が抜けて。ヴィヴリオは、目を閉じ――二度と、目を開くことは、無かった。 【紅葉】敬礼はしない。あくまで一個人として受ける。と、そう言った意味で、頷きながら。 【紅葉】「…残っているのは…私だけ、か…。」 【セラピア】肩で息をしながら「間に、合わな、かった……」 【紅葉】ゆっくりと立ちあがる。 コートを纏っている。だからこそ、目立たなかったのだろう。 気づかれなかったのだろう。 【紅葉】ぴちゃ、ぴちゃ、と、何かが滴る。そんな音に。 【紅葉】「パルマコン…。意識を取り戻したか。 行動はまだできるか?」 【セラピア】「紅葉ちゃん?紅葉ちゃんは無事……じゃ、なかったんだ、ね」 紅葉の足元の赤い水溜りに目をやる。 【紅葉】そういって、ゆっくりと振り返る。 その顔は、寒さでは説明できない程に、青白い。 【紅葉】「今は私の心配ではなく、自身とドライバーたる久遠の心配をしなさい。 それが貴方の義務なのだから」 【セラピア】「ボクは、大丈夫。虚空ちゃんが、庇ってくれたから……虚空ちゃんは今、アインの再セットアップ中」 【紅葉】「…そう、ですか。」 【紅葉】ほお、と息を吐く。 視界がふらつく。 それでもなお、まっすぐにセラピアを見つめて。 【セラピア】「……ヴィヴリオちゃん、何か、言ってた?」 【紅葉】「久遠に、最後の伝言を頼まれました。 パルマコン少尉…、私は今、何かの任務を遂行している余裕はありません。 代理で伝えてもらえますか?」 【セラピア】「……うん、一言一句、確実に伝えるんだよ」 【紅葉】「では、伝言です。 巻きこんでしまって、すまない。 黒い天使核を持っていなければ、ギアドライバーとして招集しなければ、こんな目に遭わせずにすんだ。」 【紅葉】「恨むのであれば、恨んでくれていい。 本当に、すまなかった…。と。 これが、伝言の内容です」 【セラピア】「ヴィヴリオちゃん……うん、分かった。ちゃんと、伝えるね」 【紅葉】言いきり、ふら、と足が崩れ落ちそうになる。 その上で、無理矢理に体勢を立て直せば。 【セラピア】慌てて紅葉を抱きかかえようとするが、間に合わない。膝から崩れ落ちる紅葉に、手をかけるのが精一杯だった 【紅葉】「そして…パルマコン少尉…。 いいえ…、セラピア…」 【紅葉】「…ごめんなさい。 私は…貴方に二度も、桂の死を見させてしまった…。 貴方が人の死に目を見ているのを…アクシアからきいていたのに、ね…」 【セラピア】頭を振って「気にしないで、いいんだよ。ボクより、紅葉ちゃんや……楓ちゃんの方が、もっと、辛かったんだから」 【紅葉】「…私は、軍人だから…、いいのよ…。そんなのは、覚悟の、上」 【紅葉】「そして…、これが…私のできる、最後の…命令…」 【紅葉】「…パルマコン少尉。 …生きなさい、とは…言わない。けれど…」 【紅葉】「…足掻きなさい…。 解ったのならば…復唱を…」 【セラピア】「……うん。最後まで、虚空ちゃんと一緒に、足掻いて、みるね。」 【紅葉】「…いい、返事です…。 私は、最高の部下に恵まれた…幸運な指揮官だったよう、ですね…」 【紅葉】「さあ、いきなさい。 私は、此処に残ります、から…」 【セラピア】「……ヴィヴリオちゃんのこと、よろしく頼むんだよ」 後ろで、紅葉の崩れ落ちる音が聞こえた。でも、振り返らず、虚空の元へ。 【紅葉】「……総司。ごめん…。 私も…ここまで、みたい…」 【紅葉】「…約束を破るなんて…秀才の、私らしくない、わね……。 でも…」 【紅葉】「…私に嘘をついて、先に逝ったんだから…これで…おあいこ…よ………」 【紅葉】そういって、雪の中にう埋もれ、意識を手放し、おちて、いく…。 【GM】  【セラピア】……ボクは、嘘を、ついた。 【セラピア】ボクがこれから、やろうとすること、やらなければならないことは――― 【GM】  【GM】彼女達の死を以って、ドライクロイツの面々は、虚空とセラピア、キミ達二人だけと、なってしまった。 【GM】  【GM】■■■■エモーション■■■■ 【虚空】パトスが29。 ダーザインロールを7回でパトスは22に。 【虚空】56an4 = 31 【虚空】ロゴス86、アガペー512に。 【虚空】以上。 【GM】  【GM】■■■■ミドルフェイズ/シーン5■■■■ 【GM】どうにか、帝都内まで撤退したキミ達。 【GM】だが、もう戦う術は、何一つ、残されていない。 【GM】頼みの綱のシュネルギア:アインも、もう戦えるような状態では、ない。 【セラピア】「虚空ちゃん。最後の手段……あるには、あるよ」 【虚空】「最後の、手段…? 今のこの状態で…何かを覆す手段がある、って…?」 【虚空】「冗談なら…いや…、こんな時に、キミは冗談を言わない、な。」 【セラピア】「これだけは、選びたくなかったけど……もう、そんな事、言えないよね」 【セラピア】「全てを無かった事にして、リセットする手段が、ある」 【虚空】「リセ、ット…? すべてを無かったこと、に?」 【GM】其れは、悪魔の囁きか、それとも、天使の誘惑か。 【虚空】何を言っているのか、理解ができない。 まさしくそんな表情で。 【セラピア】「この、天使大戦が始まった、7月4日まで、時間を巻き戻す。代償は……虚空ちゃん。キミが、ボクを、殺すこと」 【虚空】「………」 【虚空】「何を、いってるん、だ?」 【虚空】今まで見せた中でも、一番、唖然とした、間抜けな表情を見せている。 そんな気すら、する。 【セラピア】虚空の問い掛けを無視するように、目を閉じて「……ボクは、救世主を導き育てることを、神によって、定められた、大天使」 【セラピア】「そして、キミは……ボクが選んだ、救世主」 【セラピア】「神は、救世主が、選択を誤った場合の、救助策として、世界のリセットを行う方法を用意した」 【セラピア】「それは……救世主が、自らの手で、介添え役を殺すこと」 【虚空】「大、天使…? 救世主…?世界の…リセット…?」 【虚空】「待て!待ってくれ、セラピア! 一体、何のことを言ってるんだ。 今は、ふざけている場合じゃないんだ!」 【セラピア】目を開けて「……冗談だったら、どんなにいいことか。でも、もう、状況は逼迫してる。ボクより先に虚空ちゃんが死んじゃったら、その手段すら使えず……ヤシマは、世界は滅亡する」 【虚空】頭は、彼女の言っていることを何となくだが、理解している。 でも、感情は、心は、割りきれるはずも、ない。 【セラピア】「全部忘れて、リセットする」 【セラピア】「誰が悪い、って問題じゃない。世界を救う為の、因子が少しずつ、足りなかっただけ。それは、様々な面で」 【虚空】「…っ…。」 【セラピア】「因子が足りない、っていうのは……例えば、新兵器が出来上がるのが少し遅かったり、天使の襲来が少し速かったせいで被害が大きくなったり」 【セラピア】「出会うべき筈の人が、出会いが遅すぎたり、出会えなかったり、まだ死ぬべきじゃなかった人が死んでしまったり」 【虚空】「それは…セラピア…。」 【虚空】「救世主の…いや、正確には、救世主になるべきだった僕が…弱かったから、なの、か…?」 【セラピア】「ううん、違う。神はこう言った。フラグが足りない、と。……ふざけてるよね。ボクらは、ゲームの駒なんかじゃないのに」 【セラピア】「ボクは神の遣いではあっても、神様そのものじゃないから、そういった事象への、強制的な干渉なんか、出来ないし、そんな力も、持ってないんだよ。」 あくまでも、淡々と。 【虚空】「…ざ…けるな……」 【虚空】小声で、ぽつり、とつぶやき… 【虚空】「その結果がこれか…!? 半年、共に戦ってきた仲間がみんな死んでいき、誰一人、助けるために手を伸ばすことすらできなかった! この現実が…!」 【虚空】淡々とつぶやくセラピアに怒っても、何の意味もない。むしろ、彼女に責めはない。それでもなお、口調は激しく、怒りに満ちたものになってしまい。 【虚空】「誰一人…誰一人として、死んでいい人間なんて、いなかったはずなのに…!」 【虚空】絶叫に近い。そんな声を上げながら、ただ怒りのままに、壁に拳を叩きつけて。 【セラピア】「ボクだって、出来るものなら、そうしたかったよ!今までに死んじゃったみんな、全員、助けたかったよ!でも、ボクの力じゃ、全然、全然、足りなかったんだよ!」 さっきまでと違う、まるで血反吐を吐くような、悲痛な声。 【セラピア】「……だから、これは、ボクが提示できる、唯一の、最後の、手段」 【虚空】「…それが……僕に、キミを殺せ、と…?」 【セラピア】無言で頷く。 【虚空】先までの怒りに満ちた声とは対照的に、静かに、平坦な声で。 【虚空】「…僕が、キミを殺すことを、拒んだら…?」 【セラピア】「世界は天使に蹂躙されて、生きとし生けるもの全てが死に絶えた、死の星となる」 【セラピア】指を4本立てて「選択肢は4つ。このまま終わらせるか、全て投げ捨てて別の世界に一緒に逃げるか、ボクを殺すか……ボクと一緒に、二人で死ぬか」 【虚空】「…僕たちが生き残って…ここから逆転する…。そんな選択肢はない、わけか…」 【セラピア】「ここからの逆転は、ない。……確かに、もう少し早く言って欲しい、ってのは分かるよ。でも、これは、本当に、最後の最後の手段で。もう、後戻り出来ないような、そんな状況にまで陥らなきゃ、使う事自体、出来なかった、から」 【セラピア】「……それに」 【セラピア】「ボクを殺せば、リセット出来る、なんて、虚空ちゃんに、言える訳、ないでしょ……」 【セラピア】「一番、大好きな人に、殺してもらえたら、本望?そんなの、ボクは、やだよ……。大好きな人だもん、最後まで、一緒に、いたいよ……」 【虚空】「………」 【虚空】何も言わず、顔を手で覆った。 表情が見えないように。 【虚空】「…誰かを殺すことなんて…、久遠家に天使の残骸が落ちた時から…どうでもよくなってすら、いたんだ…」 【虚空】「…でも…、キミを、キミを手にかけるのは…何かと比較できることでもなければ、そもそも考えることですらない! いや、想像すら御免だ!」 【虚空】「どうして、だ…。 どうして…、僕は、僕の大切なものばかり…、僕の選択ミスで」 【虚空】「僕のミスで…、不幸にしてしまうんだ…」 【虚空】「僕は………本当は、誰にだって、久遠の家ですら、不幸にだけはなってほしくなかったっていうのに…!!!」 【セラピア】今まで距離をとって、虚空と話していたけど。虚空に近寄り、抱き締める 【セラピア】「ボクのことなら、心配、しないで。ちゃんと、次の世界で、キミのこと……待ってるから」 【セラピア】「この世界じゃ、もう、どう頑張っても、無理だけど……次の世界でなら、挽回できる、かも、知れないから」 【虚空】「いや、だ…。僕は…僕は、もう、誰かを…殺すなん、て…」 【虚空】抱きしめられる中で、震える体は、おそらく、今までの中で一番、かぼそく、そして、あまりにも、脆くて…。 【セラピア】頷いて「答えなんて、すぐ出ないと思うから……ちょっと時間あげるから、よく、考えるんだよ。答えが出るまでは……一緒に、いるから」 【GM】  【GM】■■■■エモーション■■■■ 【虚空】パトスは45 【GM】ダーザインレベル5解禁です 【虚空】パトス35枚を使い、 【虚空】家族からの忌避、セラピアからの悲しみ、セラピアからの最後の希望、雛子からの遺志、戦友たちからの友情、自己からの侮蔑、戦友たちからの遺志を5レベルに! 【虚空】アガペーは267に。 【虚空】そして、パトスを7枚使い、ダーザインロール7回。 【虚空】アガペー274。 【虚空】56an5 = 47 【虚空】ロゴスは133. 【虚空】残りパトスは3。 【虚空】以上。 【GM】 【GM】 【GM】■■■■クライマックスフェイズ■■■■ 【GM】セラピアに抱き締められて、どれだけの時間が経っただろう。 【セラピア】「結論は、出たかな?」 【虚空】「……考えた。 その上で…、答えは、でたよ…」 【虚空】抱きしめられたまま、顔を埋めていた。 【虚空】震えは止まらなかった。身体中の震えも、声の震えも。 【セラピア】優しい声で「……なら、教えて。虚空ちゃんが、どうしたいか。どの未来を、選択したのか」 【虚空】「終わっても、いい…。 キミを殺してまで、世界を続けたいなんて理由…。 僕には、ないんだ。」 【虚空】「僕は、そう、おもっていた。 僕には、そんな選択をする資格も、価値も、存在しない…。そう、おもっていた…」 【虚空】「キミを悲しませて、キミを泣かせ続けて、誰かが死ぬことを見続けてきたキミに…、大切な人の死を見せてきた僕が、救世主だなんて、何の冗談だとすら…、思った」 【虚空】「…でも、それでも…」 【虚空】「…キミは、僕を救世主だと、言ってくれた…。 次の世界で、挽回できるかもしれないと…キミは、言ってくれた」 【虚空】「そして…、次の世界で待っているから、と…君は、言って、くれた…」 【虚空】顔を上げる。目は真っ赤だ。腫れてはいない。泣く資格は自分にはない。それを堪えるかのよう、目を真っ赤にしながら。 【虚空】「僕は…キミを、僕の手で殺す…。 他の誰にも、ましてや、天使になんて、キミに指一本、触れさせはしない」 【虚空】「その上で…、僕も、一緒だ。」 【虚空】「…キミ一人なんて…僕は、絶対に逝かせない。 キミが言葉にしたように、ずっと思っていた。 いや、今でもおもっている」 【虚空】「最後の瞬間まで一緒にいたいとキミが思っているように…、最期のときだって、一緒に…迎えたいんだよ…」 【虚空】「…一緒に、きてくれるかな…?セラピア…?」 【虚空】きっと、今の自分は、どこまでも不安そうで、どこまでも情けない。 【虚空】そんな顔をしている。そんな事は千も承知で、優しい笑顔を湛えた彼女に、答えを尋ねる。 【セラピア】こくんと頷き「それが、キミが選んだ、選択なら。ボクは、それを尊重するよ」 【虚空】「はは…、本当に、僕は、キミに救われてるな。 最初から、最後まで」 【虚空】セラピアの答えを聞いて、泣き笑いのように、困った笑顔を浮かべて。 【セラピア】「……一緒に、行こう。次の世界はきっと、もう少しは、良くなるはず」 【セラピア】少し困った顔をして「……でも、この手段も万能ではなくて、運命という名の、神の見えざる手による修正力が、働いちゃうんだよ。神様も、もうちょっと融通利かせてくれたって、いいのにね」 【虚空】「…神の、見えざる手…? 今更、神様がそれほど気の利くもの、とは思えないけれど…一体、何があるっていうんだ?」 【セラピア】「……次の世界に戻った時点で、キミの記憶は、リセットされちゃうんだよ」 【虚空】「…え?」 【虚空】表情が固まって、間の抜けた声で。 【虚空】「それって、つまり…あの7月4日の…あの時までの記憶が、なくなるっていう、こと…か?」 【セラピア】「正確に言えば、7月4日から今日、8月30日までの、キミの記憶。ボクを殺した、って記憶がリセットされるのは、まあいいんだけどね……」 【虚空】「それはそれは…」 【虚空】はあ、と大きく息を吐きだした。調子はいつものように戻ってきた。 【虚空】「ずいぶんと、大きなお世話をしてくれるじゃないか…」 【虚空】「まったくもってよくないね。 ああ、記憶がリセットされるというのもごめんだけれど、僕がキミを手にかけるっていう事実を忘れさせられるなんて、大きなお世話もいいところだ」 【セラピア】「それに、抗うなら……願うしか、ないんだよ。神ならぬ、自分自身に」 【虚空】セラピアの言葉を聞いて、ああ、と、納得したように頷いて。 【セラピア】「でも……今までの事があったから、虚空ちゃんは、自分自身のことを、信じられないかも知れない。もしもそうだったら、虚空ちゃんを信じるボクを、信じて欲しい」 【セラピア】「キミが今まで、人とのつながりで得てきたダーザイン。そこからからパトスは生まれ、パトスはロゴスとなって、キミの力となる。それは、ボクには、出来ない。キミにしか、出来ない事なんだよ」 【虚空】「…僕が今までに得てきた、つながり…。ダーザイン…」 【虚空】「あの時、キミと出会って、それから…皆と出会って、ここまで歩んできた、道を…?」 【虚空】目を閉じ、思い返すのは、あの時、空から落ちてきた彼女の乗った機体。 そこから出会って、色のなかった世界に色が生まれて。 【虚空】数々の出会いがあって、別れがあって、笑って、怒って、喜んで、哀しんで。 【虚空】そして、色の生まれた世界で、最期の瞬間までいるのは…色のある世界を生み出してくれた彼女で。 【虚空】「キミの信じる、僕…。 僕が得てきた、僕の存在証明…」 【セラピア】頷いて「そう。今までの道のりを決して忘れず、同じ道を、滅びの道を辿らない、為に」 【セラピア】「その方法は……虚空ちゃん自身も、もう知っている筈……具体的には〈意志力〉難易度99、なんだよ」 【虚空】「最後の最後まで…自分自身に願い、そして、自分自身と戦う、か…」 【虚空】「多分、死ぬ間際じゃないと…本当に、素直になれないな、僕は…。 要と違って」 【虚空】そういって、いざ、という白兵戦用に所持していた、刀に目を向ける。 【セラピア】「虚空ちゃんと他のみんなは、違う人だもん。素直になれないのは、人それぞれだから、仕方ないよ」 【虚空】「セラピアが、伊音とも、凍とも、トゥアレタとも違うように、か。 そう考えれば、ああ、確かにそうだ、っていえる。」 【虚空】「さ、て。 セラピア。 …僕が僕に願うのは、最期の最期だ…。だから、お付き合い願っても…いいかな?」 【虚空】そういって、手を伸ばして。 【セラピア】虚空の腕の中に飛び込み「虚空ちゃんと、一緒なら……どこまでも、付き合うよ」 【虚空】その言葉を聞けば、強く、強く抱きしめて。 【虚空】「…セラピア。」 【セラピア】「なに、虚空ちゃん?」 【虚空】「絶対に…僕は、僕に負けない…」 【虚空】「そして…」 【虚空】「キミが悲しい涙を流すのは…もう一度であった…桂の時が最後だ…」 【セラピア】「……うん。桂ちゃんが死ぬのだけは、何度どう頑張っても、絶対に、避けられない、から。」 【虚空】「僕が、キミを笑顔にする。 僕が、キミを幸せにする。 僕が、キミの戦いを完全に終わらせる…!」 【虚空】「だって…、僕は…」 【虚空】「キミのことを…、久遠虚空として…、愛してるから。」 【虚空】逆手に刀を持つ。 刀の使い方だけは、しっかりとおぼえていた。 そして、どこを突けば、人が死ぬか、も。 【虚空】間違えない。誤らない。 愛しい人を抱きしめながら―――、刀の先端を、彼女の背中から、自分の胸を、そして、背中まで貫くように。 【虚空】突き、たてる。 【セラピア】「うん、ボクも……」 彼女は、全てを告げる前に、息絶える。 【虚空】  【虚空】現在、パトス22、ロゴス133。 【虚空】パトス9を消費し、意志力を5にブースト。 残パトス13、ロゴス133。 【虚空】アガペーは283。 【虚空】残パトス、ロゴスを全てダイスブーストに変換。 ブースト146確保。 【虚空】アガペーは429.。 【虚空】意志力判定。 ダイス154個、意志力は5 【虚空】154an5 = 123 【虚空】「忘れ…ない…。 何が、あっても、神の、定めた、意志でも………」 【虚空】「僕の、僕の、本当の想いだけは…! 僕の、純粋な……気持ち、だ、けは………!」 【虚空】絶叫とも言いきれない声。 それと、同時に、身体は愛しい少女と共に、崩れ落ちる。 【GM】  【GM】そして――虚空の意識は、虚無へと落ちていく。 【GM】 【GM】 【GM】■■■■エンディングフェイズ■■■■ 【GM】  【GM】――そして、時は、繰り返す。 【GM】  【GM】ヤシマを守る八門結界を、3発のミサイルが食い破り、僕の国で戦争が始まった――。 【GM】  【GM】時に1999年7月4日。 【GM】13年に渡る鎖国結界を破られた極東の島国、ヤシマ。 【GM】襲い来る合衆国軍天使兵に、通常兵器は一切通用しない。 【GM】天使に対抗する唯一の武器は、対天使・人型決戦兵器、シュネルギア……そしてそれを操る、うら若い少年少女……。 【GM】  【GM】敵を倒す力であるはずのシュネルギアは、しかし同時に辛い重荷でもある。 【GM】天使化――人が人でなくなること。 【GM】怪物を倒すために怪物になる恐怖。 【GM】そして、強すぎる力は不安を呼び、戦士は味方の中で孤立する。 【GM】  【GM】それでも、戦わねばならない。 【GM】明日という日を笑って迎える為に――今度こそ大切な誰かを、守る為に。 【GM】  【GM】エンゼルギア 天使大戦TRPG 第1話 【GM】『力の、在処』 【GM】  【GM】君は今、再びこの戦場に立つ――。 【GM】  【GM】  【GM】キミの背後には横転し、炎上する車、そして眼前にはホイシュレッケ―― 【GM】だが、今のキミにはまだ、それに抗う術は無い。 【GM】ホイシュレッケはキミの顔を覗き込むように迫る。 【GM】そして、次の瞬間、頭部を吹き飛ばされた。 【GM】見れば、上空ではシュネルギアが2体、天使と交戦している。 【GM】  【GM】シュネルギアは強かったと、改めて実感するが――天使がすべて撃破されたところで、キミの目の前に、シュネルギア:ヤークトが降りてきた。 【GM】しかし、目の前で横倒しになる。 【GM】  【GM】眼前のハッチが開き、降りてきたのは――忘れもしない、いや、忘れられる筈が、無い――セラピアだ。 【セラピア】「うん、キミは無事みたいだね~」 【セラピア】「桂ちゃんも、がんばった甲斐があったってものなんだよ」 【虚空】小さく咳き込む。 車が吹き飛び、そこから投げ出されたのだ。 【虚空】良く良く考えれば、ほぼ無傷、ということすら奇跡に近かった。 【虚空】そして、そこから起きた、一連の事も。きっと、それは…。 【虚空】「う、ん…。 無事だ。 僕は…、今も、今度も、助け、られた…」 【虚空】目の前の少女は、見間違えない。いや、見間違えるはずが、ない。 【虚空】視線はただ、目の前の少女を、金髪の少女をただ、ただ、まっすぐに捉えていて。 【セラピア】「あ、中は見ない方がいいんだよ」 【GM】  【GM】見ない方が――セラピアの声は遅かった。 【GM】  【GM】開いたハッチの中には、もうひとりの人間――らしき、“もの”。 【GM】コックピットと半ば融合した、かつて遠山桂だった“なにか”。 【GM】ふわりと、羽が舞う。 【GM】白い羽。 【GM】天使の羽。 【GM】  【GM】キミは“それ”がか細く、美しい声で囁いているのが聞こえた。 【GM】“聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな……” 【GM】  【GM】セラピアが、無言で銃を抜いた。 【GM】“それ”に向かって構え、口を開く。 【セラピア】「桂ちゃんは、優しすぎたんだよ」 【セラピア】「今度生まれてくる時は、平和で、こんな風に戦わなくてすむような……そんな世界に、生まれてくるといいんだよ」 【セラピア】「だから、それまで――さよならだよ」 【GM】銃声が立て続けに響いた。 【GM】  【虚空】目にしてしまった。二度目の、否、三度目の桂の死。 【虚空】未だに覚えているのは、初めての時は取り乱し、少女の行為に、ただ戸惑うだけだった。 【虚空】二度目の時は、救えなかった、助けられなかった無力さに、ただうつむくだけだった。 【虚空】そして、三度目は―――。 【セラピア】「はじめまして。ボクは、セラピアっていうんだよ」 【虚空】「…そうやって、また、涙を流すんだな…。キミは…」 【虚空】一度目も、二度目も、笑顔を湛えたまま、涙を流している彼女に。 【虚空】自然と、声が漏れて。 【セラピア】顔をごしごしこすりながら「あれあれっ、ボク、泣いてたね。気付かなかったんだよ……また?」 【セラピア】「……キミは、覚えて、るの……?」 【虚空】セラピアの言葉に、ただ、一つ息を吐きだして。 【虚空】「自分を信じる…。それだけでは、難しかったと思う。 それは、僕が一番できない事だから。」 【虚空】「でも…」 【虚空】「僕が世界で誰よりも信じるキミが信じる…、そんな誰かの事ならば、信じてもいいって、賭けてみた」 【虚空】「どう、いえばいいんだろうね…。こういう時は、さ…」 【セラピア】泣き笑いの顔を浮かべて「……お帰り、なんだよ。ずっと、ずっと、キミを、待ってた」 【虚空】困ったように、頭を振ってから。 【虚空】「まったく…、僕はどれだけ、キミを待たせ続けたんだろうね…」 【虚空】「…ただいま、セラピア…。 ずっと、待たせていて…、ごめん」 【セラピア】「……お帰り、虚空ちゃんっ!!」 虚空の腕の中に飛び込む。 【虚空】小さく呻くような声をあげながら、飛び込んできたセラピアを抱きしめれば。 【虚空】「セラピア…。 悲し涙は、これで終わりだ。 もう、キミに、そんな涙を流すことは…させはしない…」 【セラピア】「うん、ボクも、そう願ってるんだよ。……ところで、前の世界で、一つだけ、キミに、言い忘れてたことが、あるんだよ。そして、この世界で、真っ先に言わなきゃいけないことが、あるんだよ」 【虚空】「…?前の世界で…? で、今、真っ先に?」 【虚空】どういうことだろうか、と、怪訝そうな瞳を向けて。 【セラピア】「虚空ちゃん……大好きだよっ!!」 【セラピア】「何度繰り返しても、何度絶望しても……やっぱりボクは、キミを好きになる。これだけは絶対に、変わらない」 【虚空】「え…あ…、そ、そ、の…」 【虚空】真正面から言われ、顔を赤くし、しどろもどろになる。 彼女が知っている。同時に、自分も解っている。 【虚空】自分が、純粋にうれしさを隠せない。否、嬉しさを素直に表現できないときの、いつもの顔で。 【虚空】「な、ら…。それなら…」 【虚空】「…その、先へ行こう。一緒に。 まだ、誰も知らない。 君も知らない場所まで、一緒に。」 【虚空】「そうすれば…間違いなく。」 【虚空】「今以上に、僕はキミを好きになれるから…」 【セラピア】「うん!あんな結末を、また、迎えない為に……頑張ろうね。今度は、最初から、二人で。」 【虚空】「…ああ。 ここには、キミがいる。 そして、僕がいる…。 もう誰も、不幸になんてさせない。」 【セラピア】「大切な誰かを守れず、涙を流すだけの、昨日は、もういらない。明日という日を、笑って迎える為に。今度こそ大切な誰かを、守る為に!」 【虚空】「ここから、始めるんだ…。 新しい、世界を…!」 【GM】  【GM】これにて、エンゼルギア天使大戦TRPG 最終回『カタストロフ』-FROM HERE TO ETERNITY-を、終了させていただきたいと思います。 【虚空】ありがとうございました! 【GM】 【GM】経験点発行 【GM】プレイに最後まで参加した1点追加 【GM】素晴らしい活躍をした 1点 【GM】福音が発生した 1点 【GM】他のプレイヤーを助けるような発言や行動を行った 1点 【GM】セッションの進行を助けた 1点 【GM】場所の手配、提供、連絡などを行った 1点 【GM】計6点、差し上げます。 【虚空】なんと…。 では、ありがたく頂戴します! 【GM】GMは7点頂きます。ご参加いただき。ありがとうございましたッ!