【GM】■■■■クライマックスフェイズ■■■■ 【GM】セラピアに抱き締められて、どれだけの時間が経っただろう。 【セラピア】「結論は、出たかな?」 【虚空】「……考えた。 その上で…、答えは、でたよ…」 【虚空】抱きしめられたまま、顔を埋めていた。 【虚空】震えは止まらなかった。身体中の震えも、声の震えも。 【セラピア】優しい声で「……なら、教えて。虚空ちゃんが、どうしたいか。どの未来を、選択したのか」 【虚空】「終わっても、いい…。 キミを殺してまで、世界を続けたいなんて理由…。 僕には、ないんだ。」 【虚空】「僕は、そう、おもっていた。 僕には、そんな選択をする資格も、価値も、存在しない…。そう、おもっていた…」 【虚空】「キミを悲しませて、キミを泣かせ続けて、誰かが死ぬことを見続けてきたキミに…、大切な人の死を見せてきた僕が、救世主だなんて、何の冗談だとすら…、思った」 【虚空】「…でも、それでも…」 【虚空】「…キミは、僕を救世主だと、言ってくれた…。 次の世界で、挽回できるかもしれないと…キミは、言ってくれた」 【虚空】「そして…、次の世界で待っているから、と…君は、言って、くれた…」 【虚空】顔を上げる。目は真っ赤だ。腫れてはいない。泣く資格は自分にはない。それを堪えるかのよう、目を真っ赤にしながら。 【虚空】「僕は…キミを、僕の手で殺す…。 他の誰にも、ましてや、天使になんて、キミに指一本、触れさせはしない」 【虚空】「その上で…、僕も、一緒だ。」 【虚空】「…キミ一人なんて…僕は、絶対に逝かせない。 キミが言葉にしたように、ずっと思っていた。 いや、今でもおもっている」 【虚空】「最後の瞬間まで一緒にいたいとキミが思っているように…、最期のときだって、一緒に…迎えたいんだよ…」 【虚空】「…一緒に、きてくれるかな…?セラピア…?」 【虚空】きっと、今の自分は、どこまでも不安そうで、どこまでも情けない。 【虚空】そんな顔をしている。そんな事は千も承知で、優しい笑顔を湛えた彼女に、答えを尋ねる。 【セラピア】こくんと頷き「それが、キミが選んだ、選択なら。ボクは、それを尊重するよ」 【虚空】「はは…、本当に、僕は、キミに救われてるな。 最初から、最後まで」 【虚空】セラピアの答えを聞いて、泣き笑いのように、困った笑顔を浮かべて。 【セラピア】「……一緒に、行こう。次の世界はきっと、もう少しは、良くなるはず」 【セラピア】少し困った顔をして「……でも、この手段も万能ではなくて、運命という名の、神の見えざる手による修正力が、働いちゃうんだよ。神様も、もうちょっと融通利かせてくれたって、いいのにね」 【虚空】「…神の、見えざる手…? 今更、神様がそれほど気の利くもの、とは思えないけれど…一体、何があるっていうんだ?」 【セラピア】「……次の世界に戻った時点で、キミの記憶は、リセットされちゃうんだよ」 【虚空】「…え?」 【虚空】表情が固まって、間の抜けた声で。 【虚空】「それって、つまり…あの7月4日の…あの時までの記憶が、なくなるっていう、こと…か?」 【セラピア】「正確に言えば、7月4日から今日、8月30日までの、キミの記憶。ボクを殺した、って記憶がリセットされるのは、まあいいんだけどね……」 【虚空】「それはそれは…」 【虚空】はあ、と大きく息を吐きだした。調子はいつものように戻ってきた。 【虚空】「ずいぶんと、大きなお世話をしてくれるじゃないか…」 【虚空】「まったくもってよくないね。 ああ、記憶がリセットされるというのもごめんだけれど、僕がキミを手にかけるっていう事実を忘れさせられるなんて、大きなお世話もいいところだ」 【セラピア】「それに、抗うなら……願うしか、ないんだよ。神ならぬ、自分自身に」 【虚空】セラピアの言葉を聞いて、ああ、と、納得したように頷いて。 【セラピア】「でも……今までの事があったから、虚空ちゃんは、自分自身のことを、信じられないかも知れない。もしもそうだったら、虚空ちゃんを信じるボクを、信じて欲しい」 【セラピア】「キミが今まで、人とのつながりで得てきたダーザイン。そこからからパトスは生まれ、パトスはロゴスとなって、キミの力となる。それは、ボクには、出来ない。キミにしか、出来ない事なんだよ」 【虚空】「…僕が今までに得てきた、つながり…。ダーザイン…」 【虚空】「あの時、キミと出会って、それから…皆と出会って、ここまで歩んできた、道を…?」 【虚空】目を閉じ、思い返すのは、あの時、空から落ちてきた彼女の乗った機体。 そこから出会って、色のなかった世界に色が生まれて。 【虚空】数々の出会いがあって、別れがあって、笑って、怒って、喜んで、哀しんで。 【虚空】そして、色の生まれた世界で、最期の瞬間までいるのは…色のある世界を生み出してくれた彼女で。 【虚空】「キミの信じる、僕…。 僕が得てきた、僕の存在証明…」 【セラピア】頷いて「そう。今までの道のりを決して忘れず、同じ道を、滅びの道を辿らない、為に」 【セラピア】「その方法は……虚空ちゃん自身も、もう知っている筈……具体的には〈意志力〉難易度99、なんだよ」 【虚空】「最後の最後まで…自分自身に願い、そして、自分自身と戦う、か…」 【虚空】「多分、死ぬ間際じゃないと…本当に、素直になれないな、僕は…。 要と違って」 【虚空】そういって、いざ、という白兵戦用に所持していた、刀に目を向ける。 【セラピア】「虚空ちゃんと他のみんなは、違う人だもん。素直になれないのは、人それぞれだから、仕方ないよ」 【虚空】「セラピアが、伊音とも、凍とも、トゥアレタとも違うように、か。 そう考えれば、ああ、確かにそうだ、っていえる。」 【虚空】「さ、て。 セラピア。 …僕が僕に願うのは、最期の最期だ…。だから、お付き合い願っても…いいかな?」 【虚空】そういって、手を伸ばして。 【セラピア】虚空の腕の中に飛び込み「虚空ちゃんと、一緒なら……どこまでも、付き合うよ」 【虚空】その言葉を聞けば、強く、強く抱きしめて。 【虚空】「…セラピア。」 【セラピア】「なに、虚空ちゃん?」 【虚空】「絶対に…僕は、僕に負けない…」 【虚空】「そして…」 【虚空】「キミが悲しい涙を流すのは…もう一度であった…桂の時が最後だ…」 【セラピア】「……うん。桂ちゃんが死ぬのだけは、何度どう頑張っても、絶対に、避けられない、から。」 【虚空】「僕が、キミを笑顔にする。 僕が、キミを幸せにする。 僕が、キミの戦いを完全に終わらせる…!」 【虚空】「だって…、僕は…」 【虚空】「キミのことを…、久遠虚空として…、愛してるから。」 【虚空】逆手に刀を持つ。 刀の使い方だけは、しっかりとおぼえていた。 そして、どこを突けば、人が死ぬか、も。 【虚空】間違えない。誤らない。 愛しい人を抱きしめながら―――、刀の先端を、彼女の背中から、自分の胸を、そして、背中まで貫くように。 【虚空】突き、たてる。 【セラピア】「うん、ボクも……」 彼女は、全てを告げる前に、息絶える。 【虚空】  【虚空】現在、パトス22、ロゴス133。 【虚空】パトス9を消費し、意志力を5にブースト。 残パトス13、ロゴス133。 【虚空】アガペーは283。 【虚空】残パトス、ロゴスを全てダイスブーストに変換。 ブースト146確保。 【虚空】アガペーは429.。 【虚空】意志力判定。 ダイス154個、意志力は5 【虚空】154an5 = 123 【虚空】「忘れ…ない…。 何が、あっても、神の、定めた、意志でも………」 【虚空】「僕の、僕の、本当の想いだけは…! 僕の、純粋な……気持ち、だ、けは………!」 【虚空】絶叫とも言いきれない声。 それと、同時に、身体は愛しい少女と共に、崩れ落ちる。 【GM】  【GM】そして――虚空の意識は、虚無へと落ちていく。