今回予告 まるで別人のように何でも完璧にこなせるようになった、道明寺歌鈴。 「あの子」が失踪して、困惑する白坂小梅。 一見無関係と思われた2つの事件は収束する、怪人Pヘッドの名の元に。 『変わりたい、変われない......なら、わたしが......代わってあげる』 ビーストバインドトリニティ×アイドルマスターシンデレラガールズ 『理想のわたし -BE YOUR TRUE MIND- 』 心焦がすは魔の渇望、心つなぐは人の絆。 PC1用ハンドアウト 絆:道明寺歌鈴 関係:友情 クイックスタート:島村卯月 コンストラクション:※指定あり、詳しくは後述 カヴァー:アイドル(または候補生) 失敗をしなくなり、別人のように何でもこなせるようになった歌鈴。 具体的にはダンスで転ばず、MCでも噛まなくなった。 いいことの筈なのに、何かが引っ掛かる...... 【SA:道明寺歌鈴に何が起きているのか調べる】 PC2用ハンドアウト 絆:白坂小梅 関係:友情 クイックスタート:塩見周子 コンストラクション:※指定あり、詳しくは後述 カヴァー:アイドル(または候補生) ある日の夜、キミは夜遅くにこっそり女子寮に帰ってきた小梅と鉢合わせする。 彼女はキミに、数日前からいなくなってしまった「あの子」を探して欲しい、と頼んできた。 【SA:「あの子」を探し出す】 PC3用ハンドアウト 絆:星輝子 関係:友情 クイックスタート:木村夏樹 コンストラクション:※指定あり、詳しくは後述 カヴァー:アイドル(または候補生) キミが事務所を訪れると、同僚アイドルの星輝子が千川ちひろに相談していた。 何でも、道明寺歌鈴と白坂小梅の様子がおかしい、と。 キミは二人に頼まれて、調査を開始した。 【SA:事務所の仲間達を守る】 PC4用ハンドアウト 絆:長沢遼 関係:ビジネス クイックスタート:片桐早苗 コンストラクション:※指定あり、詳しくは後述 カヴァー:アイドル(または候補生) キミは死霊課の長沢遼に呼び出され、またPヘッドが出没したと伝えられる。 キミ達シンデレラプロにとって不倶戴天の敵、Pヘッドの陰謀を阻止しなければ! 【SA:長沢遼の依頼を果たす】 ※本シナリオのPC推奨アイドル 島村卯月 佐々木千枝 神崎蘭子 緒方智絵里 堀裕子 小早川紗枝 松永涼 椎名法子 城ヶ崎美嘉 塩見周子 片桐早苗 シナリオ非推奨アイドル 白坂小梅(ノウンマン) 星輝子(アンノウンマン) 諸星きらり(アンノウンマン) 鷹富士茄子(アンノウンマン?) 輿水幸子(アンノウンマン?) オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 キュッキュッ、タタンタン! レッスンルームに、軽やかなステップの音が響く。 キミは今、歌鈴と一緒にベテトレさんのレッスンを受けている。 ベテトレ「よーし、今日のレッスンはここまでだ。うむ、道明寺、見違えるほど良くなってるぞ。その調子で明後日のライブ、そして来週のソロライブも頑張るんだぞ」 歌鈴「はいっ、分かりましたっ!」 ベテトレ「道明寺のソロライブ、PC1はゲスト兼バックダンサーだったな。うかうかしていると、追い抜かれるかも知れんぞ?それでは各自、クールダウンとストレッチを入念にしておけ。では、解散!」 歌鈴がスポーツドリンクとタオルを持ってきてくれた。 歌鈴「PC1さん、当日はよろしくお願いします!」 歌鈴「最近、身体は軽いし、喋るのにトチらなくなってきて、まるで生まれ変わったみたいなんです!」 歌鈴「早く、ソロライブの日にならないかな。わたし、楽しみで楽しみで!」 確かに、ここ数日の歌鈴は、レッスンで失敗することなく、完璧にこなしている。 いいことの筈なのに、何かが引っ掛かる...... 【SA:道明寺歌鈴に何が起きているのか調べる】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 ある日の夜のこと。 収録が押し、女子寮に戻ってきたのが日付が変わるか変わらないか、という時間。 キミはこっそり女子寮に帰ってきた小梅と鉢合わせする。 小梅「あ......見つかっちゃった、ね......」 小梅「......PC2さんなら、大丈夫、かな......あのね、あの子が......いなくなっちゃったの......」 ※白坂小梅はノウンマンであるが、彼女が実際に知っている半魔はPC2だけである。 小梅「たまにふらっと遊びに行っちゃうことがあるから、1日くらいなら、大丈夫、なんだけど......もう、3日、帰って来ないの......」 小梅の顔をよく見ると、メイクで誤魔化してはいるが、目の下の隈が普段よりも濃く、顔色もあまり良いとは言えない。 小梅「今まで、こんなこと、なかったから......心配で、いそうな所、探し回ってたんだけど......探しても、見つからないし……こんなこと、相談出来るの、他にいなくて......輝子ちゃんが心配してくれてるけど......輝子ちゃんには、あの子、見えないから......」 ※ここでPLに、PCには「あの子」は見えるのか、と聞かれた場合、はっきり視認したことはないが、常に小梅を見守っている強い力を持つ何かが、小梅の側にいつもいるのは知っている、と伝えること。 小梅「他に、相談する人、思い付かなくて......あの、PC2さん……もし、お願いできるなら、あの子を、探して、くれない、かな……」 自分が半魔であることを知っても、変わらずに接してくれる小梅は、自分にとってもシンデレラプロにとってもかけがえのない仲間だ。 その彼女が頼んできたのだ、引き受けない筈がない。 ただ......「あの子」の姿、ちゃんと見たことあったっけかなあ? 【SA:「あの子」を探し出す】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 キミが事務所を訪れると、事務員である千川ちひろに深刻な顔で相談している同僚アイドル、星輝子の姿があった。 ちひろ「あ、PC3ちゃん、いい所に来てくれました。輝子ちゃんの相談の件で、PC3ちゃんにお願いしようと思ってたところなんです。詳しい話は、輝子ちゃん、同じ話をもう一度話すことになっちゃうけど、お願い出来る?」 輝子「フヒ……PC3さん。最近、歌鈴さん、調子良いよな。ただ……気のせいかも知れないが、何か引っ掛かるんだ……。まるで、別人みたいで。」 輝子「歌鈴さん、私の隣の部屋だから、独り言とかたまに聞こえてたんだけど......今まで、『大丈夫、大丈夫よ、歌鈴!』とか自分に言い聞かせる言葉とか、部屋の中でつまずいたりしてた事があったんだが......ここ最近、全く無くて......逆に、心配なんだ。急に人が変わってしまった、ってこと、前にも、あったからな......」 ※輝子はアンノウンマンではあるが、半魔絡みの事件に巻き込まれたことがあり、半魔の存在にうすうす気付いている。 輝子「それに、小梅チャンも、「あの子」がいなくなっちゃってから、落ち込んでるんだ……。小梅チャン、私に心配させないように、私には何でもない、って言ってるけど......小梅チャンが『どこ行っちゃったんだろ、あの子......』って呟いているの、聞いちゃったからな......」 輝子「私は、見えないから……探そうにも、手伝えないし。でも、小梅チャン、日に日にやつれてる気がするし……」 輝子「だから、ちひろさんに、相談してたんだ……。歌鈴さんも小梅チャンも、大事なトモダチ、だからな……」 ちひろ「私は急ぎの書類が溜まってて手が離せなくて。私からも、お願い出来ませんか?」 自分にとっても、歌鈴も輝子も大切な仲間だ。 それに、ちひろさんだって自分を見込んで頼んできてくれたのだ。 それに応えなきゃ女がすたる、そうだろ? 【SA:事務所の仲間達を守る】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 キミは仕事帰りに、警視庁史料編纂課、通称死霊課の長沢遼に呼び出された。 長沢「毎度のことながら、済まない」 長沢「この前のライブも良かった、お疲れ様。まあ、今回チケットが取れなくてな……ライブビューイングで観に行ったよ」 長沢「特に、新人の道明寺歌鈴って子が一生懸命やってる姿に、応援したくなったよ」 (PC4に私はどうなんだ、と聞かれた場合)長沢「勿論、お前も応援してるぞ?」 長沢「特にこだわってなかったつもりだが……どうも俺は、CutePだったらしい。俺の推しは卯月ちゃんと菜々さんなんだが、今回の歌鈴ちゃんだからな。勿論、他のアイドルの子達も好きだが、特にその3人は応援している」 長沢「ンンッ……話が逸れたな、済まない。本題に入ろう。また、Pヘッドの情報が入ってきた。何でも、神社でその姿が目撃されたそうだ」 長沢「神社にいた女性に声をかけて、名刺を渡してすぐ去っていったそうで、その女性からの通報だ」 長沢「詳しい話は直接聞いた方がいいだろう。こちらから、その人に連絡を取っておく」 またPヘッドが出没した。 どうやらPヘッドの当面の標的は、我らがシンデレラプロらしく、今回も間違いなくそうだろう。 だが後手に回っていても、奴の陰謀を叩き潰さなければ、シンデレラプロ、そしてアイドル達の未来は闇に閉ざされる。 それだけは、絶対に阻止しなければ! 【SA:長沢遼の依頼を果たす】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 歌鈴「皆さーん、今日も一生懸命歌いますから、見守ってて下さーい!かしこみー、かしこみー!」 歌鈴の調子がいい、というのはどうやら本物のようだ。 彼女は今日のライブ中、一言も噛まず、一度も転ばずにピシッと決めた。 ライブ終演後 歌鈴「皆さん、お疲れ様でしたー!」 歌鈴「こんなに上手く行ったの、初めてで!いつも必ず、ちょっとしたドジ踏んじゃってたから……完璧にこなせるって、こんなに気持ちいいんですね!」 歌鈴「それじゃあ、お先に失礼します!」 今までなら、帰り際の最後の最後に転んだりしたのに、それすら無かった。 それに、ライブに臨む前も非常に堂々としていた。 いつもなら、『大丈夫、大丈夫よ歌鈴、あれだけ練習したんだから』と必ず自分に言い聞かせていた筈だが、それも無かった。 緊張しぃのおっちょこちょいだった彼女のこの変化、成長と言うにはあまりにも急過ぎる。 やはり、何か裏がありそうだ。 会話を終えたらシーンを終了する。 歌鈴への絆を出来れば取っておいて欲しい、と伝えること。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 昨日のライブは、大成功の内に終わった。 今、歌鈴と控え室が一緒だったきらりに、歌鈴の様子に変わったことがなかったか、聞いている最中だ。 きらり「......そー言えば歌鈴ちゃん、ファンの人から、御守りもらったって言ってたゆ?何でも霊験あらたかーな神社で、はぴはぴな感じの、って言ってたケド……」 お茶を持ってきてくれたちひろ「おかしいですね……ファンレターやプレゼントは、必ず内容や中身を検閲してますけど、歌鈴ちゃん宛のもので御守りが入ってたものは、一つもなかった筈です」 きらり「うにゅう?ちひろさん?どうかしたにぃ?すっごくもやもやーって顔だけど……」 ちひろ「きらりちゃん、歌鈴ちゃんの様子がもしおかしかったら、私かPC3ちゃんに教えて下さいね?」 きらり「おっすおっす、分かったにぃ。じゃあちひろさんにPC3ちゃん、きらりは次のお仕事があるから、そろそろ行くにぃ」 ちひろ「ええ、きらりちゃん、忙しいのにごめんなさいね」 きらりが次の仕事の為に去った後 ちひろ「ひょっとしたら、またPヘッドの仕業かも知れませんね......。そうなってくるとやっぱり、私たちの領分の話みたいですね」 ちひろ「Pヘッドに関しては、PC4ちゃんがほぼ専属で担当しています。PC4ちゃんにも、協力してもらって下さい」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 キミはPヘッドから名刺を受け取ったという女性、鷹富士茄子に話を聞きに、喫茶店にいる。 茄子「はーい♪ナスじゃなくてカコですよー♪」 茄子「ええ、神社にお参りしてる時、Pの被り物したスカウトマンから、名刺を受け取ったんです」 茄子「何だか良くないものの雰囲気がしたんで、その場は受け取っておいて、そういう事件を取り扱ってるって噂の資料課さんに通報したんですよ?」 ※鷹富士茄子はアンノウンマンである。だが類い稀なる幸運を持つ彼女は、Pヘッドが魔性の者であることを本能的に感じ取っていた。 茄子「そう言えば私、思い出しました。池袋に現れる、Pの被り物をした怪人の噂」 茄子「声を掛けられた時は何とも思いませんでしたけど、今から考えると、見た目からして怪しいですよね?何であの時、疑問に思わなかったんでしょう?」 ※Pヘッドの《アレナ展開》により無力化=疑問に思わせなかった、ということである。 茄子は去り際に、キミの手を握って「お力になれたのなら、幸いです。では、あなたにも幸運が訪れますように♪」 キミは何となく、運気が上昇した気がした。 シーンプレイヤーであるキミは、クリティカル値が−1される。この効果は、本シナリオの間持続する。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC2 ドミネーターであるシャドウ道明寺歌鈴の顔見せ、及びドミニオン道明寺天満宮へのダイブの導入である。 セフィラ:ケテル(至高) ビナーへのパスが存在する ドミニオン・道明寺天満宮 Dエゴ:完璧な自分になりたい ※DエゴのロールプレイをしたPCは【罪】を1点入手する(1回) Dエゴアーツ:《王の前である、頭を垂れよ》 世界律:完全なる世界 ・自分を含む全ての者はファンブル値+2 ※この世界律を無視するならば、罪か他者の愛と罪を1点消費することによって、そのシナリオ中自身が受けるこの影響を無効化できる。 歌鈴にせよあの子にせよ情報がほとんど集まらず、歌鈴がメインのライブ当日となってしまった。 今日は彼女の実家の神社での、凱旋ライブだ。 神社についてみると、ステージの奥の神社が異界化して迷宮となっている。 これは《資産:空間展開》の効果によるものであり、またこれは閉鎖型ドミニオンである。 一般人のスタッフには全く影響がないのか、何事もないように設営作業を進めている。 一部、霊感の強い者は、気分が悪い、と訴えているが…… 歌鈴『……気付いてしまったんですね。我は影……真なる我……。わたしは、道明寺歌鈴であって、道明寺歌鈴じゃない。わたしは、道明寺歌鈴のシャドウ』 シャドウ歌鈴『本物のわたしを、取り返したいなら……この奥で、待っています。タイムリミットは、ライブ開始時刻まで。それを過ぎれば……分かりますよね?』 ※尚、具体的なシーン数制限は特にない。 シャドウ歌鈴は《資産:帰還門》を使用し、ドミニオンの中へと消える。 歌鈴が姿を消した後、ステージの奥に進む道がある。 先に進まねば、事態の解決は出来そうにない。 「あの子」の手掛かりは、現状何も掴めていないが、まずはこれを優先しなければならないようだ。 会話を終えたらシーンを終了する。 セフィラ:ビナー(理解) ゲブラーとコクマーへのパスが存在する ただしゲブラーへのパスは隠し扉(【技術】12で発見)で隠匿されている [資産:隠し扉] 奥へ進む道が見えるが、そことは別の場所から風が吹いてきている。 君たちはそのまま進んでもよいし、他に道がないか探してもよい。 また、空中に浮かぶシャボン玉の中に、歌鈴の姿が見える。 どうやらこれは、歌鈴の記憶の欠片のようだ。 情報収集[歌鈴に起こったこと] 難易度9以下[アクシデント] 破魔矢がどこからか飛んで来て【加護】15+1D6のダメージを受ける 難易度10 Pヘッドがドジをしなくなる御守り(in黒い羽)をファンレターに入れて、歌鈴に届けた。 勿論チェックはすり抜けている。 難易度14 結果、黒い羽の力で歌鈴のシャドウ(本人がドジな分、何でも完璧にこなす、理想の歌鈴)が出現し、乗っ取られた。 これは《資産:願望》及び《資産:支配》の効果によるものであり、解除条件はドミネーター・シャドウ歌鈴を撃破することである。 会話を終えたらシーンを終了する。 セフィラ:コクマー(叡智) ゲブラーへのパスが存在する 異形化した警備員が巡回している。 見つかったら、排除する為に襲い掛かってくるだろう。 見つからない為には、シーンに登場しているPC全員が【社会】10に成功する必要がある。 失敗した場合、巡回警備員(基本P236の警察官相当)×1D6とエンカウントする。 巡回警備員は全員同一エンゲージでPCとの距離は5m、PCの位置は任意。 セフィラ:ゲブラー(恐怖) ケセドとティフェレトへのパスが存在する ただしケセドのパスは隠し扉(【感情】12で発見)で隠蔽されている [資産:隠し扉] 奥へ進む道が見えるが、そことは別の場所から、今にも消えそうな弱々しい魔の気配を感じる。 君たちはそのまま進んでもよいし、他に道がないか探してもよい。 また、空中に浮かぶシャボン玉の中に、歌鈴、そして小梅の姿があり、そしてすがたも気配もあやふやな存在……恐らくは「あの子」も。 どうやら、これも歌鈴の記憶の欠片のようだ。 情報収集[「あの子」について] 9以下[アクシデント] 何者かの監視が始まり、[迫害状態]となる。以降、シーンに登場する度に【社会】目標値20の判定を行い、成功したら解除される。 難易度10 「あの子」は歌鈴がシャドウに乗っ取られるその場に居合わせた為、シャドウに攻撃されて消滅しかかっている。 これは《資産:封印》の効果によるものである。 難易度14 「あの子」は小梅から無理矢理引き離され、このドミニオン内のケセドに[資産:パワーソース]として囚われている。 尚、それによって得られるDエゴアーツは《王の眼はすべてを映す》である。 会話を終えたらシーンを終了する。 セフィラ:ティフェレト(美) ケセドへのパスが存在する 強制エンカウント、敵を倒さないと使用不可。 異形化した設営スタッフがこちらに気付いた。 倒さねば、先に進めないようだ。 異形化した設営スタッフ×1(基本P238の人狼の群れ相当) PCとの距離は5m、PCの位置は任意 セフィラ:ケセド(慈悲) ネツァクへのパスが存在する [資産:パワーソース] [資産:ブラックホール] [資産:パワーソース]で追加されているDエゴアーツ 《王の眼はすべてを映す》 ご神木らしき樹に、お札が大量に貼りつけられ、その中心に『あの子』が閉じ込められている。 だが木の根元には、深い大穴が開いている。 あの穴に落ちたら、間違いなく逆戻りさせられるだろう。 「あの子」をご神木から引き剥がすには【加護】14の判定に成功する必要がある。 また、この大穴は資産:ブラックホールである。「あの子」を救出する判定(同一PC)直前に【肉体】12、失敗するとティフェレトへ強制的に移動させられる。 ご神木から引き剥がしたものの、「あの子」は今にも消滅しそうだ。 【FP】回復のアイテムや魔法を使うことで、「あの子」を回復させることが出来る。 回復させた場合、「あの子」が強いエゴ(エゴ:小梅チャン大スキ)を発揮し、Dエゴアーツ《王の眼はすべてを映す》を無効化する(※パワーソース破壊の効果)。 また、PC2の【SA:「あの子」を探し出す】がこれで達成される。 「あの子」から、直接思念が送られてくる。 あの子『タスケテクレテ、アリガトウ』 あの子『小梅チャンニ被害ガ行カナイヨウニ、しゃどうヲ倒ソウトシタケド、返リ討チニアッチャッタ』 あの子『小梅チャンノ所ニ帰ルネ』 セフィラ:ネツァク(勝利) イェソドとマルクトへのパスが存在する。 マルクトへのパスは[資産:アビス]によって隠匿されており、【加護】20の判定にPCが誰か一人でも成功した場合、解除される [資産:アビス] 奥へ進む道が見えるが、それとは別に、どこからか強い魔の気配を感じる。 君たちはそのまま進んでもよいし、他に道がないか探してもよい。 また、空中に浮かぶシャボン玉の中に、歌鈴の姿が見える。 どうやらこれもまた、歌鈴の記憶の欠片のようだ。 情報収集[本物の歌鈴] 難易度9以下[アクシデント] シャボン玉が弾け、【感情】15+1D6のダメージを受ける 10以上 このままだと、本物の歌鈴の心は消滅し、シャドウと完全に入れ替わってしまう。 シャドウ歌鈴が言ったタイムリミットとは、この事のようだ。 また、ここで歌鈴の絆に対し、バインドが発生する。 バインドについての詳細は、DCD122頁を参照すること。 バインドの処理が終わり次第、【SA:シャドウ歌鈴を止める】をPC達に渡すこと。 14以上 歌鈴は心の海の中で、シャドウの行動を知っているが、自分と違ってドジをしないで完璧にこなすシャドウの方が、アイドルに相応しいのではないか、と閉じ籠っている。 セフィラ:イェソド(礎) マルクトへのパスが存在するが、トラップが仕掛けられている [資産:トラップ] マルクトへのパスを使用した場合、射撃値8、【加護】15+1D6のダメージを受ける 舞台に続く道が見える。 だが道の両脇には、夥しい数の、破魔矢を弓につがえた石像が並んでいる。 恐らくは前を通ると、矢を射ってくるのだろうが、この道を通るしか手立てはない。 クライマックス セフィラ:マルクト(王国) ドミニオン道明寺天満宮の最深部、御神楽の舞台の上に歌鈴はいた。 だが、いつも彼女とは違う、強い魔の気配。 間違いなく彼女が、このドミニオンの主だ。 シャドウ歌鈴『わたしは、ドジで失敗ばっかりの自分が……大嫌い。だから、わたしが代わりに、道明寺歌鈴になります』 シャドウ歌鈴『……これは、わたしが、望んだこと。だから、誰にも……邪魔は、させません!……祓い給え、清め給え……かしこみ、かしこみもうす!』 堕落判定を行い、処理の終了後に戦闘開始。目標値は10である。 ドミネーター『理想のわたし』シャドウ道明寺歌鈴 ブラッド:ハーミット/レジェンド(「種別:人間」「種別:概念」) ルーツ:比良坂流行者/アイドル 【エゴ:失敗したくない】 【FP】200 【肉体】4/2【技術】6/3【感情】20/10【加護】20/10【社会】6/3 【白兵】6【射撃】6【回避】6【行動値】10 アーマー値【肉体】2/2【技術】3/3【感情】10/10【加護】10/10【社会】3/3 アーツ 《祓ひ給え清め給え》自動取得、ムーブ、このラウンド間、自身及び自身と同一エンゲージにいる味方のダメージロールに+「【感情B】+LV」(11)、自身が移動した場合は解除される 《比良坂流・神叫び》攻撃・魔法、メジャー、「種別:魔法」武器による射撃攻撃、判定値【加護】(20)、ダメージ+【加護B】(10)、メインプロセス中は「種別:神聖」としても扱われる 《伝説の偶像》1LV 自動取得、【社会】+2(修正済) 《かけがえなき支え》LV1 判定直後、自分の判定振り直し、1ラウンド1回 《伝説の相棒》LV1 判定直後、対象の達成値+2、自身に使った場合+3。1シナリオ3回 ※上記2つの特技はセット。 《不屈の舞台度胸》LV3 バッドステータス、または強制移動を打ち消す。1ラウンド3回 《集団統率》 セットアップ、配下を即座に行動させる 《パワーチャージ》マイナー、ダメージ+【加護B】(10) 武器:シャイニングレイ(射撃/魔法)【加護】24+2D6、ガード値3、行動値−1(修正済)、射程:シーン 「種別:吸血」「種別:魔界」に対しダメージ+5 防具:封印拘束具 ダメージ+1D6、アーマー値0、行動値−1、ドッジ修正+1(全て修正済) ドミニオンアーツ 《世界律:神速》LV2 イニシアチブに使用、即座にメインプロセス 《世界律:絶望》LV2 アーマー、ガード値無効、ダメージ+30 《世界律:超越》LV2 達成値+20 《世界律:否定》LV1 アーツ(コスト愛罪不可)を打ち消す 《世界律:不変》LV1 【FP】5点消費し、バッドステータスを一つ解除。[重圧]でも使用可 《世界律:崩壊》LV1 攻撃の対象を射程:シーン、対象:シーンに拡大 《資産:願望》LV1 願いを一つ叶える。「自分を変えたい」という歌鈴の願いから、歌鈴のシャドウを引き出す為に使用 《資産:帰還門》LV1 対象をシーン内の任意の場所に移動させる。シーン4でシャドウ歌鈴が退場する為に使用 《資産:空間展開》LV1 任意の場所に望む空間や地形を出現させる。ドミニオン・道明寺天満宮の形成に使用 《資産:支配》LV1 シーン内のNPCの人格や記憶を操作する。シャドウ歌鈴が本体を乗っ取る為に使用 《資産:封印》LV1 シーン内のNPCを無力化する。「あの子」を小梅から引き離す為に使用 Dエゴアーツ(※Dエゴアーツは1つにつき経験点2点) 《王の前である、頭を垂れよ》LV1 あなたとエンゲージしている敵は、判定のダイスが1個減少する(ダイス1個の場合、出目がファンブル値以下ならファンブル)。 ※この効果を受けているキャラクターは、愛か罪を1点消費することによって、そのシーン中自身が受けるこの影響を無効化できる。 《王の眼はすべてを映す》 判定においてダイスを3個振り、その中から2個を選んで出目とすることができる。 ※セフィラ:ケセドで[パワーソースの破壊]を行っている場合、無効化される ドミニオンアーツの合計は14+4で18となる。 PLが3人の場合、【FP】を−50し、《世界律:神速》《世界律:超越》をそれぞれLV1にする。その場合の合計LVは16。 PCたちからは10mの位置にシャドウ歌鈴、同一エンゲージに雷神が2体いる。 そこから5m手前に雷神が1体いる。 雷神のデータは全て、『ADV』P147、付喪神の群れに《引き寄せ》を追加したものを使用する。 行動指針: 1ラウンド目セットアップのみ《集団統率》を使用。 PCの位置がどうあれ、ディフェンダーと他を分断するのが目的である エネミーの1ラウンド目の行動 手前5mのエンゲージの1体 ムーブ:ディフェンダーを《引き寄せ》 マイナー:《BS付与:狼狽》 メジャー:特技が無いのでそのまま攻撃 シャドウ歌鈴と同一エンゲージの2体 ムーブ:アタッカー優先で《引き寄せ》を使用し、エンゲージを分断 マイナー:《BS付与:狼狽》 メジャー:特技が無いのでそのまま攻撃 2ラウンド目以降はタイミング的に《祓ひ給え清め給え》の効果が乗らない為、《集団統率》は使用しない。 また、PCの位置が変わっていなければ《引き寄せ》は使用しない。 シャドウ歌鈴の行動: 最初のイニシアチブで、《世界律:神速》を使用してPCに攻撃を行う。 この攻撃には《世界律:超越》と《世界律:絶望》、《世界律:崩壊》を使用する。 ムーブ:《祓ひ給え清め給え》でダメージ+11 シャドウ歌鈴『とほかみえみため ひと、ふた、み、よ、いつ、む、なな、や、ここの、たり、ふるべ、ゆらゆらと、ふるべ』と祝詞を読む。 マイナー:《パワーチャージ》でダメージ+10 メジャー:《比良坂流・神叫び》判定値20、ダメージ+10、合計ダメージは【加護】55+2D6 『おおいかずち、ほのいかずち、くろいかずち、さくいかずち、わかいかずち、つちいかずち、なるいかずち、ふせいかずち、来たれ、ヤクサノイカズチガミ!』 判定に失敗した場合、1ラウンド1回だけ《かけがえなき支え》で振り直し。 《伝説の相棒》は適宜使用すること。 2回目以降の行動は、ラウンド最初の行動で必ず《祓ひ給え清め給え》を使用する。 それ以外の組み合わせは変更なし。 [世界律:完全なる世界]の効果により、シャドウ歌鈴と雷神たちのファンブル値は4である。 またDエゴアーツが両方とも無効化されていない場合、シャドウ歌鈴の判定は3個振ってその内から2個選んで出目とし、エンゲージしているPCは判定のダイスが1個減少する。 尚、世界律を無視していない場合、その状態でファンブル値4であり、66%の確率で判定に失敗する。 NEMOさんの助言で考案した、悪魔のようなコンボである。 シャドウ歌鈴を倒した 歌鈴の体からシャドウが離れ、歌鈴の目の前に立つ。 シャドウ歌鈴『我は汝、汝は我。だから、わたしのことは、手に取るように分かる。だってわたしは、わたしの中から、ずっと見てきたから』 シャドウ歌鈴『わたしは気付いてなかったみたいだけど……ファンのみんなが見たいのは、立ち位置を間違えないわたしでも、歌詞を間違えないわたしでも、ダンスの振りを間違えないわたしでもなくて、ステージを笑顔で楽しんでるわたしなんだよ』 歌鈴「わたし、自分のことだけでいっぱいいっぱいで……そんな風にファンのみんなに見てもらえてたなんて、全然知りませんでした……」 シャドウ歌鈴『 ……それに、自分が嫌いな自分を好きになってもらおうなんて、おこがましいって思わない?だから……もっと自分を、好きになって』 歌鈴「は、はい!頑張りましゅ!あぅぅ……」 シャドウ歌鈴はくすりと笑い『こんな時でも、締まらないね。まあ、わたしだから、しょうがないかな……』 シャドウ歌鈴『 アイドル道明寺歌鈴の一番最初のファンは、家族やプロデューサーでもなく、わたし。わたしはいつだって見守って、応援してる。だから、挫けそうになったら、わたしを思い出して。一番のファンが、自分の胸の中にいるって。……頑張ってね、歌鈴』 そう言い残して、消えるシャドウ歌鈴。その場に落ちる、黒い“羽”。 歌鈴「……ありがとうございます、わたし。ちょっとずつでも、自分が好きになれるよう、自分なりに……頑張るね。」 黒い羽を回収するが、もうライブの開演時間目前だ。 元々ゲストの予定だったPC1だけでなく、他の三人もサプライズゲストという形で参加で、そのままライブを決行することに。 ライブは告知のなかったゲストの登場に、とても大きな盛り上がりを見せた。 ……長沢遼が客席にいたような気がしたが、気のせいか? カーテンコールが終わり、舞台裏にはけた途端、倒れる歌鈴。 歌鈴「ごめん、なさい……ギブアップです……」 自分の心の闇と対峙した上に、自分が主役のライブという大役を果たしたのだから、無理もない。 会話を終えたらシーンを終了する。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 長沢遼に事件の顛末を報告する 長沢「今回も済まなかったな」 長沢「そんな事になっていたのか。私事で済まないが、ライブが中止にならなくて良かったよ」 長沢「……その日は休暇を取って、道明寺天満宮にいたんだよ」 長沢「以前にも言ったが、俺もシンデレラプロのアイドルのファンなんだ」 そこに、Pヘッドの目撃情報が入ってくる。 長沢「またか……済まんが、今回も頼まれてくれるか?」 Pヘッドとの戦いは、終わらない。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 輝子と幸子と会話 輝子「歌鈴さんも小梅チャンも、元通りになって良かった。アリガトウ、トモダチ……」 輝子「やっぱり、小梅ちゃんは……笑ってる方が、カワイイよな」 通りがかりの幸子「フフーン!小梅さんのカワイさは、ボクも保証します!」 輝子「お、おう、幸子チャン、アリガトウ……」 輝子「……ん?歌鈴さんは、元通りで、良かった、のか……?」 輝子「でも、ドジしてもへこたれない、一生懸命な歌鈴さんが……私は、好きだな……PC3さんは、どうだ?」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 小梅と会話 小梅「あのね、PC2さん……あの子が、帰って来たんだよ」 小梅「あの子が、PC2さんに、よくお礼を言っておいて、って」 小梅の後ろで、あの子が深々とお辞儀をしている。 小梅は目をキラキラさせて「え……あの子、見えるの?わぁ……」 小梅「う、嬉しいな……これから、あの子とも……仲良くして、ね?」 あの子が自分に向かって、手を振っている。 半魔の自分が言うのも何だが……何だかとても凄い友人が、増えた。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 表向き、歌鈴はライブで張り切り過ぎて風邪でダウン、2〜3日お休み、ということになった。 数日後、復帰してまず、PC1にお礼を言いに来る歌鈴。 歌鈴「あ、あの、PC1さん、ありがとうございましゅた!はうぅ……」 良かった、以前と変わらぬ歌鈴だ。 歌鈴「……理想のわたしに言われて、ようやく気付けたんです。今までずっと目を逸らしてたけど、ドジして慌てるわたしも、わたしを形作る、大切なわたしだって」 歌鈴「いいところだけじゃなく、悪い所まで全部ひっくるめて、それが自分なんだ、って。自分の弱さを認めることが、力になるって」 歌鈴「みんなに教えてもらったこと、ちゃんと一つ一つやっていきたいなって。無い物ねだりは、もうしません」 歌鈴「だって、わたしはわたしだから。歩調はわたしが一番良く、知ってます。焦らず、一歩ずつ!」 決意に満ちた歌鈴の、綻ぶような笑顔。 やっぱりアイドルは、笑顔が一番! ※本シナリオのPC推奨アイドルについて THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!大阪公演に出演したアイドルである。 何故なら、筆者はこれを観に行き(LVであるが)、歌鈴役の新田ひよりさんへの感動の勢いのまま、シナリオを作り始めたからである。 クイックスタートでは卯月、周子、早苗さんの3人しか揃わない為、便宜上夏樹を配置している。