今回予告 ――これは、神に捧げられし魂 ――これは、力を求める乾いた魂 キミの幼馴染であり、ライバルだった衛国理人。 人造救世主の力を得た彼は合衆国軍を率い、キミ達と対峙する。 ――救世主 ――マスケンヴァル計画 ――メサイア・プロイェクト ――二人の救世主候補 ――救世主のパートナー いつしか食い違った、運命の歯車。 否、そうなるように仕向けられたのだ。 ……これは、一人の少年がエゴに呑まれ、堕ちていく物語。 エンゼルギア天使大戦TRPG 最終回 『Messiah complex』 友よ。 キミは何故、悪魔に魂を売ったのか。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ、性別は男性限定 キミと衛国理人は幼馴染で、ライバルだ。 そして6年前、あの幼年学校に通っていて、集団天使化事件に巻き込まれて、生き残った者同士でもある。 だからキミと理人の二人とも、トゥアレタと幼馴染ということになる。 キミと理人は、何かにつけて競い合ってきた。 学校の成績も、ギアドライバーとしての腕も、トゥアレタの隣に相応しいのがどちらであるか、も。 だが理人は、PC1への劣等感や、トゥアレタの心が自分の方を向いていないことに気付き、苦悩し、嫉妬し、挙句の果てにラルフの甘言に乗って、キミ達と袂を分かった。 そして遂に、理人と決着を付ける日が来たのだ。 シナリオダーザイン【衛国理人からの競争心】 PCの使命『理人と決着をつける』 PC2:ホムンクルス、性別は女性限定 キミはPC1とトゥアレタの護衛役であり……今では敵となった衛国理人に、想いを寄せている。 そしてキミには、6年前の集団天使化事件の被害者の一人である少女の天使核が使用されている。 理人への恋心が、自分自身のものなのか、天使核のものなのか。 そんな事はどうでもいい。 大事なのは、『キミが彼を好きだ』という事実。 キミにはいくつもの選択肢がある。 愛する理人を救うのも、ドライクロイツを離反して理人につくのも、それとも彼を自分の手で終わらせるのも、全て自由だ。 愛は時に、人を狂わせるのだから。 シナリオダーザイン【衛国理人からの仲間意識】 PCの使命『理人への想いに決着をつける』 ※オーギュメント《ベニヤミン》の取得を必須とする。 自動的にクラスはホムンクルス/ホムンクルスとなるので注意。 PC2は、PC自身がヒロインとなる立ち位置になる。 もしかしたら、あなたはPC側でなく理人側につく、という選択をするかも知れない。 その時は落としどころをPL間で相談して、プレイに臨んでほしい。 PC3:ソルジャー キミはシュネルギアの護衛を務める飛行隊の隊長であり、同時にPC1と理人、トゥアレタの指導教官でもある。 そしてこの現状を、最も憂いている人物でもある。 いくら戦争とは不条理なものだとは言え、仲の良かった3人が戦わなければならないのは、理不尽過ぎる。 それに、理人がいなくなってからのPC2の様子もおかしい。 何か思い詰めているような、そんな気がする。 全く、どこもかしこも問題が山積みだ。 だが、愚痴をこぼしている暇はない。 戦争で嘆き悲しむ、戦う為の牙を持たない人々がいる。 その人々の為に、戦争を終わらせなければならない。 それが、戦士であるキミに課せられた使命なのだから。 シナリオダーザイン【牙持たぬ人々からの願い】 PCの使命『この戦いを終わらせる』 PC4:ウィザード キミは、瑞穂基地で天使力兵器の開発・研究を行う技術者であり……そして『メサイア・プロイェクト』の『観測者』だ。 『メサイア・プロイェクト』とは、真の救世主をヴリルソサエティの手によって作り出す計画であり、キミは計画の実行と進捗の記録を命じられている。 キミは、シュネルギア、及びシュネルギアに用いられている新型V機関の開発・設計に協力し、また二人の救世主候補、そして救世主のパートナーの三人の成長を、ずっと見守ってきた。 だからドライクロイツ、そしてヴィヴリオにとってキミは欠くことの出来ない重要人物であり、ヴィヴリオの目的を知る共犯者でもある。 とは言え、計画は最終段階だ。今日、真の救世主が生まれる。 そうすれば、キミもようやく、この任務から解放されるというものだ。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの共犯者】 PCの使命『この戦いの行く末を見届ける』 PC4は黒幕(ヴリルソサエティの総帥等)でも良いが、PLは協力してプレイに参加すること。 PC4は今回予告に書かれた項目(内容は全て注釈に記述)を、全て把握している。 また、黙示録の内容(エンドレスサマー214〜217頁の補遺:黙示録)を全て把握していてもよい。 <諸注意> 本シナリオは理人との最終決戦から始まり、そこから理人との出会いまで遡ってから時系列通りに進み、クライマックスである最終決戦に再度到達する構成となる。 本シナリオはPC間の対立を前提とするものではないが、PL間で落としどころを話し合い、全員が楽しめるならば、PC間対立をしても構わない。 何も言わずに対立するのはダメ、絶対。 本シナリオはPCにそれぞれ、個別の使命がある。 その使命を達成した場合、経験点の発行において『素晴らしい活躍をした』に+5点すること。 本シナリオにおいて福音フェイズは、PCの選択によっては発生しないし、また必須ではない。 本シナリオの経験点は100点以上を想定している。 オーギュメントは《ベニヤミン》必須、推奨《ナヘル》。 《ルベン》はクライマックスに権能及び災厄を使用するエネミーがいない為、使い途がない。 また、本シナリオはエンドレスサマーのネタバレを大いに含む。 それを拒否する場合は、注釈を読む前にここで回れ右すること。 PC1〜PC3がトゥアレタの真実を知ったのは、理人が合衆国に走った後になる。 PC4については、全てを知っていたが隠していた、としても良い。 衛国理人(えこく・りひと) PC1、トゥアレタ、(PC2)と共に、6年前に幼年学校に通っていた、幼馴染。 PC1と同じくギアドライバーとして選ばれ、トゥアレタは二人のナビゲーターを兼任していた。 一人称:僕 二人称:君、PC1に対してのみお前 基本的には物腰の丁寧な少年だが、PC1に対しては競争心を剥き出しにし、トゥアレタへの好意は周囲の誰もが知る所だが、悲しいかな、あまり相手にされていない。 注釈: 『救世主』 千年おきに現れるという、神との“契約”を交わし、世界の在り方を変える者。 しかし千年前、救世主は現れなかった。 『マスケンヴァル計画』 救世主にしか扱えない黒い巨石(シュバルツ・メガグレイス)の力を引き出す資格を持った人間を、人造的に生み出す計画。 又の名を――『人造救世主計画』。 60年前、統一帝国北部辺境ノルトラントの地にて、アラフニ・ナタンゾーンによって実行された。 結果生み出されたのが、現合衆国法王ラルフ・マスケンヴァル。 『メサイア・プロイェクト』 救世主が現れず、人造救世主であるラルフに世界を完全支配されることを危惧したヴリルソサエティは、自らの手で『救世主』を生み出す計画を立案。 その計画はヤシマ=統一帝国共同で実行に移された。 『二人の救世主候補』 救世主候補は二人準備された。 一人はPC1、そしてもう一人は衛国理人である。 『救世主のパートナー』 救世主の魂を埋める半身。 二人が絆で結ばれることによって、救世主は真に完成する。