――遠い街に3発の ミサイルが落ちて 僕の国で戦争が始まった 合衆国より発射された3発の呪法弾道ミサイルにより、帝都、九嶺(くれい)、隼雄(はやお)が陥落し、ヤシマを守っていた八門結界の大半が消失した。 それは同時に、合衆国との本格的な戦争の始まりを意味していた。 この事実は国内の混乱を避ける為、軍による情報統制によって伏せられた。 ……だが実際には、古都にある比叡鎮守府を標的とした、4発目のミサイルが存在した。 ある機密文書には、比叡鎮守府はそのミサイルの迎撃に成功したことが記されている。 しかし、この事実もまた、軍によって秘匿された。 エンゼルギア天使大戦TRPG アーリーサマー 『比叡鎮守府防衛作戦』 これは、迎撃作戦に関わった、知られざる英雄たちの物語である。 ハンドアウト PC1:メーヴェ所属のソルジャー 八門結界による鎖国を行っているヤシマは、資源が基本的に不足している。 だが、ヤシマを除く世界中全てが合衆国の占領下にある今、資源の入手では容易ではない。 何しろ空も陸も海も合衆国、そして天使の監視下にあり、安全な輸送路など存在しないからだ。 呪法船団による、結界の隙間を縫っての大陸からの物資の密輸入は、常に命懸けの任務だ。 見つかったが最後、天使はそこにある全ての命を刈り取るまで動きを止めないのだから。 キミはその呪法船団の護衛である、統一帝国空軍ルフトヴァッフェのエリート中のエリート、メーヴェの一員だ。 今回もキミは護衛任務を成功させ、休暇の為に比叡の街に降り立った。 久しぶりの陸だ。少しは羽を伸ばせるかな? シナリオダーザイン【自己からの誇り】 PC2:基地所属のオフィーツィア 比叡鎮守府は古くからの軍港であり、大陸から運んで来た資源、ギガプラントで作られた合成食料などを受け入れている。 そしてここから、物資はヤシマ国内に送られる。 すなわちここ比叡は、ヤシマ海側における、最重要拠点なのだ。 キミの直属の上司は、比叡鎮守府司令、金剛衛(こんごう・まもる)少将。 いつも気難しい顔をしている、年齢不詳のスキンヘッドの男性である。 そんな彼が、休暇で上陸したメーヴェ隊員であるPC1を慰労したい、と言う。 キミは命令に従い、PC4を護衛に伴い、PC1を迎えに行った。 シナリオダーザイン【金剛衛からの信頼】 PC3:ヤシマ海にあるギガプラント一号棟の技術者(ウィザード) キミはギガプラントで働く技師の一人である。 まず前提として、鎖国中であるヤシマは、基本的に資源不足に悩まされている。 そして呪法船団による物資の密輸入にも、限界がある。 特に食料問題は顕著であり、それの解決の為、海上ギガプラントは建造された。 ギガプラントではプランクトンから合成食料を生成し、作られた食料はヤシマ全国へと運ばれている。 ギガプラントはヤシマ海と太平洋上に一棟ずつ存在する、ヤシマにとって非常に重要な施設だ。 そしてここ比叡は、ヤシマ海側のギガプラント一号棟からの食料を全国に送る為の中継地点でもある。 尚キミは、現在は交代での休暇で比叡の街にいる。 しばらく陸に上がっていなかったので、羽を伸ばすつもりでいる。 伸ばせると……いいなあ……。 シナリオダーザイン【業務からの解放感】 PC4:比叡鎮守府所属のホムンクルス キミは、比叡鎮守府に配属されている完全機械化兵の内の一体だ。 完全機械化兵の操るフライングユニットは、現状における最大戦力である。 だから基地防衛戦力の大半は、キミ達の部隊が担っている、と言っても過言ではない。 だが全国的に人手、戦力が不足している為、キミも例に漏れず、防衛任務と要人警護、両方ともやらなければならない。 キミ自身がどう思っているかはさておき。 今回、メーヴェの一人であるPC1を慰労する、とのことで、警護に駆り出されたキミ。 とは言え、知らぬ相手でもない。 たまには、知り合いと話に花を咲かせるのも、有りだろう。 シナリオダーザイン【小隊からの信頼】 ※PCは全員、何らかの形で既に顔見知りであるものとする。