●クラス解説
ナビゲーターとは、第三世代人間戦車(メンシェン・イェーガー)“シュネルギア”の操縦補助者を表すクラスである。
天使と唯一互角に戦える武器、全長15mの人型飛行戦車がシュネルギアだ。シュネルギアは複座式であり、ナビゲーターが後部座席についてギアドライバーのサポートを行う。
ナビゲーターは、シュネルギアをメインで操縦する相棒のギアドライバー(ルールブックP.62参照)と共に、2人でシュネルギアを駆り、天使を狩る事になる。
ギアドライバー同様、ナビゲーターになる為には、先天的な素質が必要だ。体内のエーテル濃度が極めて高い者――つまりは、“天使の血”を濃く引く者であり、その中でも更に“黒い天使核”と呼ばれる、特殊なエーテル波形を持った者のみが、ギアドライバー、及びナビゲーターになる事が出来る。
ギアドライバーならば、“黒い天使核”の保持者であれば誰でもなれる(ただし、保持者はごく少数しかいない)が、ナビゲーターは更に条件がある。
ギアドライバーは“S.Q.U.I.D”(超伝道量子干渉計)により、シュネルギアと一体化して戦うのに対し、ナビゲーターはレーダー、及び火器管制、損傷への対応等、コンソールを用いて行う操作が多い。
その為、コンピュータ関連の処理能力、また戦闘にて使用する武装(担当火器と呼ぶ)の取り扱いに秀でていなければならない。
いくら強力な兵器であろうと、まともに使えなければただのお飾り、またはただの木偶に過ぎないのだから。ただでさえ少ない“黒い天使核”保持者で、それだけの能力を持つ者は滅多に居ない。
その為、ナビゲーターは、既に戦闘訓練を何らかの形で受けている者(つまりが暫く前から軍属)が殆どである。
そして、シュネルギアが複座式である、最も重要な点が2つある。
1つは、超高速で繰り広げられる、入り組んだ戦闘機動は、ひとりの人間が処理出来る範囲を遥かに超えている事。これが、操縦と処理を2人の分業制で行っている理由だ。
そして、もう1つは……天使との戦闘を行い、常に高濃度のエーテルにさらされる為、“天使化”の可能性が非常に高い事である。特に、シュネルギアと一体化して戦うギアドライバーに、その傾向は顕著である。
“天使化”が最終段階まで進めば、“マスケンヴァル現象”が発生し、全てが滅びる。そうなる前に、“天使化”したパートナーを“処理”、すなわち、殺す必要がある。ギアドライバーとナビゲーターは、互いの監視役でもあるのだ。
ナビゲーターは天使大戦、すなわち1999年7月に始まる人類と天使の戦いにおける、ギアドライバーと並ぶ、もう一人の主役である。
強力な武装と抜きん出た機動性、そして、経験の少ない若年者を中心とするが故の脆さを持ったクラスなのだ。 |