02:15 *** New topic on #AG黒歴史 by tojo_j: 訓練施設プール 02:18 >tojo_j< (2004/06/07黒歴史の続き) 02:18 >tojo_j< 凍 自分を見て固まっている良一に声を掛け「………………良一、準備体操」 02:20 良一「………………あ、あぁ、うん」呆けたように見惚れていた所に声をかけられ、我に帰る。「そ、そうだな……準備体操をしなきゃな」 02:21 >tojo_j< 凍 ラジオ体操第一に正しく忠実な準備体操。 02:22 >tojo_j< 凍 引き続き、ラジオ体操第二に正しく忠実な準備体操。 02:25 良一「………―――」その隣で、同じく一糸乱れぬ体操を――だが、その視線はちらちらと凍に注がれ――そして脳裏に甦る、水着一枚を隔てた先の感触。 02:25 (参照ログ:http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/9983/ag/outlow/erog_031220.txt) 02:30 >tojo_j< 凍「………………準備体操、終わり………どうしたの?」 ぼうっと体操を続けている良一の顔を、手を伸さずとも触れられる距離まで近付いて、覗き込む。 02:32 良一「――ぇ、あ――ってうゎ!?」回想の最中に声をかけられ、気が付けばすぐ近くから覗き込んでいる顔に、無様なほど驚いて仰け反る。 02:33 >tojo_j< 凍「………………良一、顔、赤い」 手を伸ばして、良一の額に触れる。額から伝わる、ひんやりとした、でも心地良い感触。 02:36 良一「………………ぁ……」その感触に、大きく胸が鳴る。「べ、別に熱がある訳じゃ……!」否定する言葉とは裏腹に、口調には力は篭もっていない。 02:38 >tojo_j< 凍「………………?」 一度首を傾げてから、良一の額に、自分の額をくっつけて「………………熱、無い」 02:41 良一「な、ぁ………………!?」途端に高まる、体温と心拍数。少女から香る匂いに、それを僅かに強くした吐息に、視線を逸らす事さえ出来ないままで。 02:43 >tojo_j< 凍「………………大丈夫なら、泳ぐ」 良一から一旦離れ、良一の右手を握り、プールサイドに誘導する。 02:45 良一「………………っ」吐き出された溜息は、安堵かそれともまた別の感情によるものか。それでも右手の感触と温もりに、どこか安らぐような表情を垣間見せながら凍の後に続く。 02:47 >tojo_j< 凍 プールサイドに腰掛け、数回身体に水を掛けてから、プールの中に入る。 02:47 >tojo_j< 凍「………………良一も、入る」 02:50 良一「あぁ、言われなくても入るさ……」微苦笑交じりに答えると、足先から水面へと身を沈める。 02:51 >tojo_j< 凍 良一がプールに入ろうとした途端に、《機会射撃》良一の顔目掛けて水を掛ける。 02:53 良一「――っ」油断していた所に見舞われ、モロに食らう。 02:54 >tojo_j< 凍「………………成功」 自然に頬の筋肉が緩み、目尻が下がる。 02:55 良一「………………」無言。 02:55 >tojo_j< 凍「………………怒った?」 02:59 良一「………………いいや」片手で、滴る水を拭い――その下にあるのは、毒気を抜かれた微苦笑。「今、笑ったな?」 03:01 >tojo_j< 凍 首を傾げて「………………笑った?………誰が?」 03:03 良一「……」指で、その頬をぷにっと軽く押して。「……凍が、さ」 03:05 >tojo_j< 凍 吃驚した顔で「………………私………笑った」 03:07 良一「あぁ……ほら、もう一度笑ってみせてくれ」そう言いつつ、少し悪戯っぽく微笑みながら両手で凍の顔を挟み込み、指でその目尻を下げさせる。 03:08 >tojo_j< 凍「………………良一、くすぐったい」 そう言いつつも、凍の顔に浮かぶのは『笑顔』『微笑み』。 03:13 良一「フフ……」知れず、その様子に笑い声をこぼす。思えば、ずっと見て来た少女の表情はいつも、泣き顔や戸惑い、怯えや迷いと言ったものばかりだったような気がする……。 03:13 良一は知らない。凍が燃の前でだけ見せる、安堵の表情を。 03:14 メイのまえでだけ見せる、悪戯っぽい仕草を。 03:15 レイナや、メイリィと遊ぶ時に見せる、楽しげな顔を。 03:16 かつて、一度だけ目にしたその笑顔は―― 03:19 良一「………………」いつの間にか、良一の視線は水面にたゆたっていた。 03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j< 燃の前でだけ見せていた安堵の表情も。 03:25 >tojo_j< メイの前でだけ見せていた、悪戯っぽい仕草も。 03:25 >tojo_j< レイナや、メイリィと遊ぶ時に見せる、楽しげな顔も。 03:25 >tojo_j< かつて一度だけ目にした………柔らかな、偽りなき微笑も。 03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j< それらは全て………『一度失われたもの』 03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j<   03:25 >tojo_j< 今、良一の前で見せた、様々な表情は………正しく、それらだった。 03:25 >tojo_j< だが、残念なことに………良一は、以前のそれを、知らない。 03:28 >tojo_j< 凍 俯いた良一の頬を両手で触れ、自分に無理やり視線を合わせさせる「………………良一、こっち向く」 03:29 良一「………………こぉ、る……?」どこかぼんやりした表情で、凍の顔を見て。 03:30 >tojo_j< 凍 良一の目をじっと見つめて「………………良一、どこ、見てるの?」 03:32 良一「………………っ」答えられない――悔恨が胸を衝き、知れず表情が曇る。 03:32 >tojo_j< 凍 声にもならない程、擦れた呟きで「………………私は、ここに、いるよ………」 03:35 良一「凍……っ」それは良一の胸を、どんな槍よりも深く貫きどんなナイフよりも鋭く抉った。 03:36 >tojo_j< 凍 それは、無意識に、口をついて出た言葉。 03:36 >tojo_j< 凍 なのに………何故だろう、なんで………涙が、零れるんだろう……… 03:37 >tojo_j< 凍 両の瞳から零れた涙が、頬を伝う。 03:41 良一「……」右手の人差し指を軽く曲げ、その背で凍の頬を濡らす涙を優しく拭う。 03:43 >tojo_j< 凍「………………んっ………」 良一に、涙を拭われて、安堵の溜息を漏らす。 03:45 良一「(こんな時ですら、オレは………凍の涙を、綺麗だなんて見惚れてしまう……)」目にするたび、その胸に飛び込んででも来る様な錯覚すら起こさせる、指に残った雫に一瞬視線を走らせる。 03:48 >tojo_j< 凍 まだ瞳に涙で潤んでいるが、良一を真っ直ぐに見詰めて「………………良一」 03:49 良一「………………なんだ?」 03:51 >tojo_j< 凍「………………一緒」 すっ――と柔らかく、良一の身体を抱きしめる。―――視線を、逸らさずに。 03:53 良一「………………一緒……?」凍の言葉の真意が掴めず、鸚鵡返しに呟いて。それでも、応えるかの様に凍の背中に腕を回す。 03:54 >tojo_j< 凍 良一の呟きに、頷いて「………………ずっと………一緒」 03:56 良一「………………あぁ……そうだな……」その言葉に腕の力を少し強めて。「ずっと、一緒だ」 03:58 >tojo_j< 凍「………………うん」 また、瞳から、涙が零れ落ちる。それは………嬉し涙。 04:01 良一「こら……泣くなよ……」手のひらを稜線に這わせ、親指でその涙を拭う。 04:03 >tojo_j< 凍 涙を拭われながら問い掛ける「………………悲しくなくても、涙………出る?」 04:05 良一「それは、その……」その説明をするのが照れ臭いのか、少し視線を外して。「嬉し涙って言葉も、あるくらいだから……な」 04:05 >tojo_j< 凍「………………嬉し、涙………」 04:06 良一「嬉しい時に……流れる涙の事さ」 04:10 >tojo_j< 凍「………………良一と、一緒に居ると………嬉しい………」 少しだけ、頬が熱くなる。 04:13 良一「………………オ、オレも……さ」ぎこちない言い方で、どうにか口を開く。「オ、オレも………凍と一緒に居られれば……凍が、一緒に居てくれれば………!」 04:15 >tojo_j< 凍「………………だから………」 04:15 >tojo_j< 凍「………………ずっと」 04:15 >tojo_j< 凍「………………一緒」 04:17 >tojo_j< 凍 良一の背中に回した手に、力を込める。『決して離れないように』………そんな、想いも、その手に込めて。 04:17 >tojo_j<   04:17 >tojo_j< 恭平 苦笑しつつ「ったく………俺らが何ンにも言わねェと思って、何やってんだアイツらは」 04:17 >tojo_j< セラピア 目を細めて「そうだね〜。でも………」 04:17 >tojo_j< 恭平「………あん?でも………何だ、セラピア?」 04:17 >tojo_j< セラピア 嬉しそうに「やっと、これで………試金石が、クリアになるんだよ〜。」 04:17 >tojo_j< 恭平「試金石だか紫禁城だかンだか分かんねェが………まあ、田宮と八坂の2人が上手く行くんなら、それに越した事ぁ無ぇ」 04:17 >tojo_j<   04:17 >tojo_j< 恭平とセラピアは、しっかりと一部始終を見ていたのであった。