今回予告 帝都奪還作戦遂行中の真っ只中、死者の幻に翻弄される瑞穂基地。 幾らヤシマのお盆と言えど、霊が帰ってくる筈が……… 母の幽霊を前にして、キミは何を思うか。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『STILL ALIVE』 胸の痛みがわかり合えたら、どれだけ楽になれる? ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:セラピア 8/13の朝、キミは妹の雛子から、瑞穂基地に母に良く似た面影の女性はいないか、相談される。 だが、キミの母、光子は既に亡くなっていて、この世にはいない。 また、何かの事件の前触れだろうか? シナリオダーザイン【雛子からの追憶】 PC2:情報将校 キミはヤシマ陸軍から出向中の、八坂機関所属の情報将校だ。 死者の幻を目撃したという数多くの報告を受け、事態の把握と解決を、維馬篭大将から直々に命令された。 シナリオダーザイン【維馬篭代胤からの信頼】 PC3:ギアドライバー/ナビ:凍 キミは食堂で、精霊馬を作る所をじっと見つめている凍を見掛けた。 聞けば、お盆自体よく分からないそうだ。 キミは彼女に頼まれて、お盆について教えることになった。 シナリオダーザイン【八坂凍からのお盆ってなに?】 PC4:完全機械化兵 キミは警備中、ぼんやりした姿の自分と同型の完全機械化兵を目撃する。 だが記憶が確かなら、自分の同型機は自分を除いて全滅している筈。 疲れてるのかも知れないので、中島整備班長に相談しようそうしよう。 シナリオダーザイン【中島三郎からの慈愛】 ※1: 本シナリオにおいて、PC1はPC:雛子である。 拙作『BRAND NEW SONG』にて、PC:雛子のナビゲーターがセラピアの為、本シナリオでもそれに則ってナビをセラピアにしている。 そちらでナビを変更している場合、それに応じてナビを変更すること。 また、雛子が死亡している場合、このシナリオは成立しない。 ※2: 本シナリオは、八門結界を再構築する為に帝都に巣食うアバドンを討伐する、帝都奪還作戦(MONSTER'S ROAR)と同時進行で発生するシナリオである。 その為、帝都奪還作戦に参戦しているPC及びNPCは登場出来ないので、注意すること。 具体的にはPC:伊音、草薙伊音、草薙紫音、PC:紀央、司鏡紀央、及びそのシナリオに参戦した管制官と機械化兵である。 オープニング シーン1 シーンプレイヤーはPC1 それは、8/13の朝のことだ。 朝、雛子と一緒に食堂に向かう途中、雛子から深刻そうな声で話を切り出された。 雛子「…お兄様。母様に似ている方って、誰かご存知じゃないでしょうか」 雛子「……微かに、なんですが……お兄様とは違う、母様と同じ気配の方が、近くにいたような気がして」 ※『BRAND NEW SONG』にて雛子の目が見えるようになっている場合は、下記の描写に変更する。 雛子「……母様そっくりな方を、見掛けた気がしたんです。ただ、ほんの一瞬だったし、追いかけようとしたけど……すぐ見失ってしまって」 雛子「雛子の、見間違いかも知れませんけど……もし、母様にそっくりな方なら、一度お会いしてみたいんです」 雛子「お兄様ももし、お見かけしたら……一度、話してもらえませんか?」 また、何かの事件の前触れだろうか? シナリオダーザイン【雛子からの懐旧】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 キミはヤシマ陸軍から出向中の、八坂機関所属の情報将校だ。 今日は維馬篭大将への定時報告の為、八坂機関に戻っている。 維馬篭「……報告は分かりました。そうそう、帝都奪還作戦の状況ですが。帝都を包むエーテルに阻まれて報告がなかなか出来なかったようですが、いよいよ、アバドンに挑むようです」 維馬篭「彼らが無事帰還をすることを、神仏に祈りたい気分ですが……少々、頭の痛い案件が入って来ています」 維馬篭「ここ数日、兵士達の間から、死者の幻を見た、という報告が多数上がってきています。無論、本人にしか見えず、一緒にいた者達からは、ぼーっとしていたと思ったらいきなり取り乱したり、急に大泣きし始めたり、と」 維馬篭「既に、警備体制にも支障が出始めています。ここでもこの状況ですから、恐らく瑞穂基地でも同じような事になっているでしょう。帝都奪還作戦に戦力を割いている今、無用な混乱が起きるのは、ヴィヴリオにとっても不本意の筈。もし協力を求められたら、従って下さい。私からの命令、というのは勿論伏せて」 維馬篭「では、お願いしますよ」 キミは、この件の把握と解決を、維馬篭大将から直々に命令された。 シナリオダーザイン【維馬篭代胤からの信頼】 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 警備中のことだ。 通路の奥に、ぼんやりとした姿の、自分と同型の完全機械化兵が、ぼーっと立っているのが見えた。 一緒に警備中の機械化兵「おい、どうした、PC4?」 機械化兵「いや……俺には何にも見えんぞ」 機械化兵「……確か、お前さんの同型機は、もう誰も残ってないと思ったが……」 機械化兵「帝都周辺の警備に、かなりの戦力持ってかれてるから、疲れてんじゃないか?実際、警備三交代が二交代制になってて、俺も結構辛いし」 機械化兵「PC4、あんまり気になるんだったら、中島班長に相談してみたらどうだ?疲労かも知れんし、メモリーに不具合が出てんのかも知れないしな」 仲間のススメもあり、キミは中島整備班長に相談することにした。 シナリオダーザイン【中島三郎からの慈愛】 シーン4 シーンプレイヤーはPC3 昼、キミが食堂に行くと、凍が何かをじっと見つめていた。 近くに寄ってみると、食堂のおばさんが胡瓜と茄子に割り箸を刺して、精霊馬(しょうりょううま)を作っているのを、見つめていた。 食堂のおばさん「おや、PC3。今日は何にするかい?Aセットはアジフライ定食、Bセットはハンバーグ定食だよ。お残しは許しまへんで」 おばさん「ああ、これかい?もうすぐお盆だからね、ご先祖様に乗ってもらう馬と牛を作ってるのさ」 凍「……お盆って、なに?」 おばさん「おや、凍ちゃんはお盆を知らないのかい。これはあたしの出番じゃあないね。PC3、あんたの出番だよ」 凍「……PC3、お盆ってなに?……私は、知らないから……教えて」 おばさんはちょっとニヤニヤしつつ「こいつは責任重大だよ、PC3?手取り足取り……うん、これ以上は止めとこうかね」 凍はおばさんの言いかけたことが分からず、きょとんとしている。 キミは食堂で、精霊馬を作る所をじっと見つめている凍を見掛けた。 聞けば、お盆自体よく分からないそうだ。 キミは彼女に頼まれて、お盆について教えることになった。 シナリオダーザイン【八坂凍からの疑問】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 8/14、昼。 キミ達はヴィヴリオに、司令室に呼び出された。 ヴィヴリオ「帝都奪還作戦は、つい先程アバドンとの交戦に入るとの報告があった。後は、彼らの健闘を祈るしかない」 ヴィヴリオ「本題に入る。お前達の中で、ここ最近で死者の幻を見たことがある者はいるか?」 雛子「大佐。雛子は、母様の幻を見ました」 ヴィヴリオ「……そうか。他にはいないか?」 ヴィヴリオ「他にも、同様の報告が上がっている。恐らくは天使の仕業だと思うが、何分情報が不足している。とは言え、帝都奪還作戦遂行中の今、人員に全く余裕がない状況だ。済まないがギアドライバーの諸君にも、警備に参加してもらわざるを得ない」 ヴィヴリオ「PC2殿。申し訳無いが、今回の件の調査、頼まれて頂けないか。今フリーで動けるのは、貴官しかいない」 ヴィヴリオ「皆、負担が掛かるが、よろしく頼む。あと、何か細かいことでもいい、何か分かったらすぐに報告をしてくれ。私からは以上だ」 司令室を出た後、凍に呼び止められる。 凍「……PC3。聞きたい、ことが、ある。大したことじゃ、ないけど」 凍「……じゃあ、後で」 凍の聞きたいこと、とは何だろうか。気になる。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、他PCは任意 セラピアがエクリシアの幽霊を目撃する セラピアと一緒に警備中。廊下で、急にセラピアが立ち止まる。 セラピア「え……ウソ……そんな……」 呆然とするセラピア。 セラピア「ママちゃん……会いたかったんだよ〜……!」 誰かに抱き付いているよう姿で、虚空を抱き締めるセラピア。 〈エーテル〉難易度1 成功すると、シスター服に身を包んだ女性が、セラピアを抱きしめて頭を撫でているのが見える。 その女性は、何かをセラピアに伝え……消えていった。 セラピアは制服の袖で顔をごしごしと拭ってから「いや〜、恥ずかしいとこ、見せちゃったんだよ……」 セラピア「だけど、自分が体験してみて、ハッキリしたことがあるんだよ」 セラピア「死者の幻って言ってるけど、死んじゃった誰かにもう一度会いたい、って願望の投影とかじゃないよ。あれは正真正銘、本物の、本人の幽霊。それは、ボクが太鼓判押せる」 セラピア「だから、出て来た本人……まあ幽霊なんだけど……害意は、全く無いんだよ。事実、ボクの目の前にはママちゃんが現れたけど、大きくなったボクを一目見られて、嬉しいって言ってた」 セラピア「ま、動揺はしちゃったけどね、すごく。でもさ……これがもし戦闘中だったら、って考えたらぞっとするよ。高速戦闘中に一瞬でも気を取られたら、命取りだもん」 ※拙作『夏の夕暮れ』と『機械仕掛けの聖女』及び『MOON & BUTTERFLY』を以前に遊んでいる場合、下記の描写を追加する セラピア「……でも、前にもこんな事あったけど、似てるようで違うよね?大事な人が死ぬ悪夢を何度も見せられるのと、死んだ人間にもう一度会えるのは……全然、違うんだよ」 セラピア「だけどまあ、合衆国も、随分と悪趣味な天使を送り込んできたねえ……。ある意味、考えた人は天才なんだよ、嫌がらせの」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC4、他PCは任意 中島班長に相談 三郎「別にメモリーに問題はねェし、他にも不具合は無ェ。気のせいだったンじゃねェか?……って言いてェのはヤマヤマなンだがな。俺も茜も見ちまったンだ、死者の幻ってヤツをよ」 三郎「俺にゃ女房がいたンだが……茜が小せぇ時に死ンじまった。その女房がよ、夢じゃなくて目の前に出たンだ。成長した茜の姿が見れて嬉しい、なンて言ってよ」 三郎「俺一人が見たンなら、幻覚見たってだけで済んだンだがな……茜のヤツと一緒に見ちまったンじゃ、信じるしかねえ」 三郎「だから、お前ェの見たのも、仲間の幻なンだろうよ。大方、自分達の分まで頑張ってくれ、って激励にでも来たンじゃねェか?」 三郎「俺が聞いた噂だと、恨み言言ってくるような奴ぁ、殆どいねェって聞いてるからな。……いい姉妹達じゃねェか。死して尚、心配してくれてンだから」 三郎はキミの頭をわしわしと撫でながら「こりゃ、死ねねェ理由が増えちまったな?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 調査フェイズ 司令室に集合し、天使の能力などの調査及び会議が行われている。 〈情報処理〉難易度5 送り込まれている天使は、最上位の大天使、レミエル。 復活を待つ魂の管理者であり、幻影や夢でメッセージを選ばれし者に伝える「幻視」を司る天使である。 結界内にいる対象の脳に直接働きかけ、本人の記憶で一番記憶に残っている死者の幽霊をを呼び寄せ、実体化させるのが、この天使の持つ能力である。 悪意で歪めたものならば兎も角、死者の霊そのものを召喚してしまう為、大天使でありながら実際の効果が疑問視されて、今まで使われていなかった。 だが現状、帝都奪還作戦で高揚しているヤシマ側の士気を下げる為に、今回戦線に投入された。 ヴィヴリオ「なるほど、確かに今のタイミングならば、効果的かも知れん。銃後が混乱すれば、前線にも影響が及ぶ」 ヴィヴリオ「天使の居場所は引き続き調査している。分かり次第、早急に撃破だ。いつ出撃命令が出るか、私にも把握出来ん。お前達はいつ召集がかかっても良い様、備えておけ。警備のローテーションから外し、各自待機だ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC3、他PCは任意 ※本シーンの凍は、PC:凍とのこれまでの交流を通して、人間らしい感情を獲得している、という設定で描写している。 凍と共に、基地の待機室で待機中。 凍「……聞きたいことが、ある。大したことじゃ、ないけど。……今、時間、大丈夫?」 凍「……お盆には、先祖の霊が、帰ってくるって、聞いた」 凍「でも……幽霊って……普通は、見えるもの、なの?……私には、全く見えない」 凍「……私が、出来損ない、だから……?」 凍「……それとも……伊音や、紀央なら……分かる?」 凍「……きっと今、必死で戦ってる。……だから、聞けない……」 凍「……手伝えるなら、私も、一緒に……行きたかった。……大事な、仲間、だから」 凍「……今は、みんなの無事を、祈るしか、出来ない。……力に、なれない……悔しい」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC2、他PC登場不可 維馬篭に報告 維馬篭「報告は聞きました。……不愉快な案件ですね。兵士達の間にこれ以上動揺が走るのは、得策ではありません。早急な解決をお願いします」 維馬篭「ですが、腑に落ちない点があります。こちらの戦力が分散しているのは、合衆国の連中も分かっている筈ですが……熾天使級や今回の大天使級など、非常に強力な天使とはいえ、散発的に天使を送り込んでくるだけで、本腰を入れて攻め込んで来ないのは、何故でしょうか」 維馬篭「太平洋上に、合衆国天使十字軍第七艦隊が駐留しているのは知っての通りですが、続々と他の艦隊も集結し始めている、という報告が上がっています。ですが、一向に攻め込んでくる様子はありません」 維馬篭「私の予想ですが……アバドン戦に何らかの決着が付くのを、待っているのではないでしょうか」 維馬篭「合衆国軍も、帝都を包むエーテル雲を突破することは不可能なのでしょう。だからこの状況で増援を送ろうとしても、我が軍の士気は非常に高く、挟撃どころか返り討ちに合いかねないと、恐れている」 維馬篭「今回送り込んできた天使の能力が搦め手なのも、上手く行けばそれで良し、失敗してもあまり今後に差し支えない、言わば我々への嫌がらせに過ぎないのでしょう。そういう点では、連中の目論見は成功した、とも言えますが」 維馬篭「無論、警戒するに越したことはありません。貴方は瑞穂基地に戻り、引き続き本案件の対応をお願いします」 維馬篭「ヴィヴリオにも、私の洋上艦隊に関する予想は伝えておいて下さい。どのみち、洋上艦隊が動いた暁には、ヤシマ軍もインペリアル軍も総出で迎え撃たなければ、ヤシマに未来などないのですから」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC1、他PCは任意 光子の幽霊に自分も遭遇 雛子と散歩中、目の前に誰かの姿が現れる。 最初は朧気だったそれは、徐々に実体をなし……一人の女性の姿をとる。 忘れる筈がない。 忘れられる筈もない。 7/4に亡くなった、キミと雛子の母、光子だ。 ※他のPCにも、その女性の姿は見えるし、声も聞こえる。 雛子「……母様!?やっぱり、気のせいじゃなくて、母様だったんですね!?」 光子の霊は、こくりと頷き、雛子を手招きする。 雛子「母様、母様……!」 泣きながら抱き付く雛子の頭を、優しく撫でる光子。 光子「PC1……あなたも、少し見ない内に、逞しくなりましたね。それだけ、大変な思いを、させてしまっているのかも知れませんが」 光子「雛子も私の力を引き継いでしまったせいで、辛い思いをさせてしまって……」 雛子「(しゃくり上げながら)……雛子は、大丈夫です。お兄様がいてくれるし、お兄様以外にも、雛子に仲良くしてくれたり、雛子が大切に思える人が、いますから」 光子「そう……良かったわね、雛子」 雛子「はいっ……!」 他PCが登場している場合、下記の描写を追加する。 光子「皆様、初めまして……PC1と雛子の母、光子です。子供達が、いつもお世話になって……ありがとうございます」 光子「私は、黄泉の国にいたのですが……天使に召喚されて、現世(うつしよ)に舞い戻って参りました」 光子「八門結界を構成していたエーテルの供給源は、私です。そのせいで私は、日常生活すらままならぬ身体となり……あなた達には、母らしいことを一つもしてあげられなかった」 雛子「……そんなこと、ないです。母様は、ちゃんと、お兄様と雛子を、愛してくれました」 光子「雛子……ありがとうね」 光子「……人柱である私と、八門結界は常に繋がっていました。だから、ミサイルによって結界が破られた衝撃で、私は命を落としました」 光子「ですが……あの時点で、私の命はほぼ尽きようとしていました。だから、遅かれ早かれ私は死に、結界は消滅する運命(さだめ)だったのです。それが、少し早まっただけのこと」 光子「……結界など不要になるのが、本当は一番良いのですが……それは、まだ叶わぬこと。続く者には、辛い想いをさせてしまうことでしょう……」 ※帝都奪還作戦に誰かが言及した 光子「そうですか、草薙のあの子が……。彼女が幼少の頃、一度だけ、会ったことがあります。私を見る嫉妬と羨望の瞳の中、幼いながらも悲愴な決意を、秘めていました」 この辺のやり取りが終わったら、下記の描写を読み上げる。 管制官『大天使レミエルの所在判明。シュネルギア隊は至急、発進準備に移って下さい』 光子「……せめて、もう少し、時間が欲しかったけど……贅沢は、言えませんね。……いつか、あなた達が天に召される時……また、会えます。でも、願わくばそれが、ずっと先のことであることが、母の願いです」 光子「……少しだけ、天使に感謝したいところです。あなた達をもう一度、この手で抱き締めることが、出来たのですから」 光子「……母は、いつでもあなたと、雛子を見守っています。だから……泣かないで」 キミと雛子の目尻を拭った感覚を最後に、光子の姿は消えた。 雛子「お兄様……母様、行っちゃいました、ね……」 雛子「お兄様……少しだけ、お胸を貸して下さい……。今だけ、今だけですから……」 キミの胸にしがみついて、わぁわぁと泣く雛子。 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 シーンプレイヤーはPC1 眼前に姿を現す、大天使レミエル。 雛子「セラピアさん。雛子の代わりに、あの天使、徹底的にブチのめして来て下さい」 セラピア「了解なんだよ〜。ボクもママちゃんに逢えた、逢ってしまったから、PC1ちゃんや雛ちゃんの気持ち、よーく、分かる」 セラピア「ボクと、PC1ちゃん、雛ちゃんは別の人間だけど、同じ思いをしたから、この胸の痛みは、分かり合える。さあPC1ちゃん、行くよっ!」 レミエル ←(1000m)→ PC(任意) 大天使レミエル HP150 軽傷50 重傷25 致命13 死亡1 肉体40 感覚20 理知15 聖霊15 階級0 精神波(射撃攻撃) 判定値20 レベル4 射程:10km ダメージ(種別)+10(軽)及びバッドステータス[放心]付与 ただし回避に〈回避〉ではなく、〈意志力〉で対抗判定を行う。 また、この攻撃に対しては[突き返し]不可。 回避はしない 《絶対結界》対天使効果なし、及び50点以下のダメージ無効 《聖光乱射》範囲の対象に攻撃できる 《飛行》 レミエルを撃破した 大天使レミエルは、まるで空に溶けていくかのように、姿を徐々に薄くしていき、完全に姿を消した。 雛子「レミエルの反応、完全に消滅。残存エーテルの心配も全くありません。やりましたね、皆さん」 エンディング シーン1 シーンプレイヤーはPC4 整備場で中島班長と会話 三郎「全く、盆だからって、わざわざ本当に幽霊なンざ呼ばねェでいいってのにな、合衆国どもめ」 三郎「……ま、葵にもう一度逢えたし、茜の成長を見せられた、って点だけは、癪だが、天使に感謝しなきゃならねェ」 三郎「お前ェも、仲間に逢えてどう思った?」 三郎「お前ェは確かに機械だ。だが、心を持ってる、だったら俺らと何が違う?そこに違いなンざ、ありゃしねェだろうが」 三郎「しけたツラしてっと、幸せは逃げちまうぜ?……今は、前だけ見とけ。俺らが、全力でサポートしてやらァ」 そう言って、三郎はキミの頭をわしわしと撫でた。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 凍と会話 凍「……結局、お盆の間……私には、誰も、見えなかった」 凍「……でも、私は……死んだ人で会いたい人は、いない」 凍「……私が大事なのは……PC3、だけ」 凍「……PC3は、会いたい人、いる……?」 凍「……そう。……会えたら、いいね」 そう言って、凍は優しく微笑んだ。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 維馬篭に報告 維馬篭「無事、天使を撃破したとのことで、何よりです。ところで、良い知らせがあります。たった今、アバドンを無事討滅したとの報告が入りました」 維馬篭「同時に、帝都を包んでいたエーテルの雲も雲散霧消したそうです。帝都内のホイシュレッケも、アバドンと同時に全て消滅したとのことで、エーテル除去部隊を早急に送り込む予定です」 維馬篭「しかし……実に不愉快な天使でした。……あなたは、誰かに会えましたか?」 維馬篭「……そうですか」 維馬篭からのダーザインがレベル4以上の場合、下記の描写を追加する 維馬篭「……私もね、会えなかったんですよ。どうせなら……私も会いたかった。……世迷言を言いましたね。忘れて下さい」 維馬篭「恐らく、数日内に、八門結界の再構築を阻む為に洋上艦隊が動くでしょう。貴方を、瑞穂基地とヤシマ軍部の連絡役として、改めて任命します。迎撃に向けての準備に、取り掛かって下さい」 維馬篭「アバドンを討ったところで、結界再構築が出来なければ、意味はないのですから。では、頼みましたよ」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 雛子と一緒に、光子の墓参り 8/16。 キミと雛子は送り盆の為に、光子の墓参りに来た。 水桶や花束を持って墓の前に行くと、誰かの姿が。 維馬篭「……おや、PC1くん、それに雛子さん。キミ達も、光子の墓参りですか」 雛子「維馬篭の、伯父様……。お忙しいと、伺いましたが……」 ※雛子が自分の出生を知っていても、ここは伯父様で通すこと。 維馬篭「……光子に、帝都を奪還したことの報告もあったのでね。どうにか時間を作ったんですよ。迎え盆には、来れませんでしたが」 キミと雛子、そして維馬篭の三人で、光子の墓の前で拝む。 維馬篭「さて……慌ただしいですが、私はこれで」 雛子「……はい、伯父様、お気をつけて」 維馬篭は去り際に、振り返って「ああそうだ、二人とも。もうヴィヴリオから聞いているかも知れませんが……結界の完成直前に、合衆国の大規模侵攻が、非常に高い可能性で予測されています。……頑張って、下さいね」 維馬篭「ヤシマの未来は、あなた達にかかっています。……では、また」 雛子が自分の出生を知っている場合は、下記の描写を読み上げる。 維馬篭が去ってから 雛子「父様……」 雛子は遥か遠くを見つめて「伯父様(父様)は大規模侵攻、と仰ってましたけど……多分、本当に辛い戦いは……その後、です」 雛子「どちらにせよ、この戦いでは、多くの人を失います。問題は、その後……4体の強い天使を筆頭に、夥しい数の天使が、合衆国で生まれ出でようとしています。それを凌げるか、否か、です。全ては……」 そこまで言うと雛子は、ふらっと倒れかかる。 雛子「……これ以上は、もう、見えないみたいです。……さすがに雛子も、ちょっと、疲れました」 雛子「……お兄様……大佐の所に、行きましょう。今は、用心するに越したことは、ありません」 ヴィヴリオに報告する為、墓地から去っていくキミ達。 あとには、空に向けて線香の白い煙が立ち上るだけ。 現時点で、太平洋上の合衆国天使十字軍艦隊は、不気味なまでに沈黙を守ったまま、だった。 ヤシマの命運を分けるその日まで……あと、5日。 TO BE CONTINUED “FIRE AFTER FIRE”.