今回予告 トゥアレタを狙う、暗殺者の影 一部の完全機械化兵に施された、メモリーの改竄 時同じくして襲撃する天使に、怯える彼女 エンゼルギア天使大戦TRPG 『STAINLESS NIGHT』 全ての答えは、失われた記憶の中に。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:トゥアレタ キミはトゥアレタから、最近誰かにずっと見張られている気がする、と相談された。 その矢先、キミの目の前で彼女が銃撃される。 丁度居合わせたクベルタのお陰で、難を逃れたが…… シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの恐怖】 PC2:ギアドライバー/ナビ:クベルタ トゥアレタの暗殺現場に居合わせたクベルタから連絡を受けるキミ。 彼女は、事件の解決を一緒にしようと言ってきた。 彼女の予想では、犯人は瑞穂基地内部の者ではないか、との事だが……? シナリオダーザイン【暗殺者からの脅威】 PC3:情報将校/管制官/指揮官 一部の完全機械化兵に、メモリーの改ざんされた痕跡があると、中島整備班長から報告が上がった。 だが作業を止める訳に行かず、極秘に犯人を見つけ出して欲しいとのこと。 そこに更に、トゥアレタの暗殺未遂の報告が入る。どちらも、厄介な事件になりそうだ。 シナリオダーザイン【中島三郎からの信頼】 PC4:完全機械化兵 キミはヴィヴリオから、トゥアレタの身辺警護を命令される。 それと同時に、仲間のメモリーが改ざんされた、という話も聞かされた。 警護が最優先事項だが、仲間のことも気に掛かる…… シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ※本シナリオの時期は『機械仕掛けの聖女』と同時進行の7/21〜23である オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 それは、ある日(7/21)の朝のことだった。 トゥアレタ「ねえ、PC1。私、最近、誰かにずっと見張られてる気がするんだ」 トゥアレタ「監視されてるのはいつものことなんだけど、そうじゃなくて、別の……敵意のある視線って言うのかな、うまく説明出来ないんだけど」 そこに、クベルタが通り掛かる。 クベルタ「ごきげんよう、トゥアレタさん。顔色が悪いみたいですけど……どうかなさいましたか?」 トゥアレタ「クベルタ……私、そんなに顔に出てる?」 クベルタ「やっぱり、悩み事があったのですね。困ってる人の相談に乗るのも、メイドの嗜みです。よろしかったら、話して頂けませんか?」 トゥアレタ「うん……最近ね」 トゥアレタが言いかけた瞬間、クベルタがトゥアレタの肩を押す。 クベルタ「トゥアレタさん、下がって下さい!」 刹那、銃声。 クベルタはラグナレクベイルをスカートの中から即座に取り出し、弾丸を受け止める。 クベルタ「スカートの中の隠し武器も、メイドの嗜みの一つ。間一髪セーフ、でしたね、トゥアレタさん。」 クベルタ「……悩み事とは、この事ですね?」 トゥアレタ「どこかから敵意ある視線を感じてはいたけど、実力行使までされたのは、初めてね……」 トゥアレタは平静を装おうとするが、肩が震えている。 クベルタ「PC1さん、とりあえず医務室へトゥアレタさんをお連れして下さい。ヴィヴリオへの報告は、取り急ぎわたしがしておきます」 クベルタの申し出に、トゥアレタを医務室へ連れていく。 彼女は落ち着くまで、キミに手を握っていて欲しいと言った。 シナリオダーザイン【トゥアレタ・クレーリオンからの恐怖】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 クベルタ「ご主人様、お話したいことがあるので、すぐ来て頂けますか」 クベルタと合流し、彼女は開口一番「トゥアレタさんが、何者かに銃撃されました。今はPC1さんと医務室にいます。ヴィヴリオにも報告済です」 クベルタ「犯人はすぐに逃走してしまい、追い掛けることは出来ませんでしたが……犯人の遺留品はあります」 そう言うと、クベルタはラグナレクベイルとビニール袋を取り出す。 クベルタ「実際に撃たれた弾丸と、現場に落ちていた空の薬莢です。これを分析すれば、何者による犯行か、ある程度絞れる筈です」 クベルタ「ただ……考えたくはないんですけど、内部の者による犯行かも知れません。銃撃された場所は監視カメラの死角、それに時間も、丁度巡回警備の交代時間とぶつかっています。偶然と済ますには、出来過ぎかと思います」 するとクベルタはスカートの中から鹿射ち帽、インバネスコートにパイプを取り出して 「まずは形から、です。ご主人様、名探偵になってみませんか?ワトソン役は、わたしが引き受けます」 ふざけているのかと思ったが、クベルタの目は真剣だ。 クベルタ「トゥアレタさんは、これから色々ちょっと大変になります。PC1さんには、トゥアレタさんを支えてもらうのに専念してもらわないと。だから、事件の解決はわたし達で」 クベルタ「余裕がないと、物事を客観的に見るのも大変ですし。……それに、その格好のご主人様、カッコいいですし」 前言撤回、やっぱり楽しんでやがる。 シナリオダーザイン【暗殺者からの脅威】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 キミがヴィヴリオの執務室に呼び出されると、中島三郎も同席していた。 ヴィヴリオ「最近、一部の完全機械化兵の様子がおかしいと、中島整備班長から報告が上がった。後は、中島班長から直接聞いてくれ」 三郎「おう。ファルコンネンの連中の一部だが、何者かにメモリーが改竄(かいざん)された痕跡があンだ。信じたくはねェが、内部の奴の犯行だぜ」 ヴィヴリオ「仮に外部からハッキング受けたとして、基地のプロテクトはそうそう越えられん。それに、外部から回線に侵入された形跡もない」 三郎「更に付け加えりゃ、ある程度の権限が無ェとファルコンネンのメモリーの書き換えは出来ねェンだ。だから、外部の犯行は有り得ねェ」 三郎「そこで何だがよ、極秘に犯人を見つけ出して欲しいンだ。悪りィがこちとら、犯人探しまでやってる余裕が無ェ。最近出撃回数がかなり多くなって来やがったせいで、いくら整備しても追っ付かねェ状況なンだ」 三郎「……それに、だ。誰が犯人だ、って疑いながら出来るほど、オレ達の仕事は楽じゃねェ。オレ達の仕事は、互いの信頼関係で成立してンだ。そいつをブチ壊しにしてる奴がいるのも確かだがな」 三郎「資料はここにある、目ェ通しといてくれ」 そこにクベルタから、トゥアレタが銃撃されたとの報告が入る ヴィヴリオ「厄介事とは重なるものだな......済まんがPC3、そちらも同時進行で対応を頼む」 トゥアレタの暗殺未遂と、完全機械化兵のメモリーの改竄。どちらも厄介な事件になりそうだ。 シナリオダーザイン【中島三郎からの信頼】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオ「トゥアレタが銃撃された。犯人が何者かは、現時点では全く分からん」 ヴィヴリオ「犯人の捜索を進めているが、いつどこで狙われるか分からん。そこで、解決までトゥアレタの身辺警護を頼む」 ヴィヴリオ「……ところで、お前はメモリーの改竄は大丈夫だろうな?」 ヴィヴリオ「ファルコンネンの一部に、何者かによってメモリーが改竄された形跡があった。そちらもPC3に調査を進めてもらっているんだが……厄介事というのは、重なるものだな」 溜め息をつくヴィヴリオ。 ヴィヴリオ「では、頼んだぞ」 トゥアレタの警護が最重要任務なのは、理解している。 だが、仲間がメモリーを改竄された、という話も気になる。 幸い、自分は大丈夫だが…… シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 司令室でヴィヴリオと会話 ヴィヴリオ「全員揃っているな。知っているとは思うが、基地内でトゥアレタが銃撃された。犯人は不明、監視カメラの視覚で映像も無い。目撃者はPC1とクベルタ」 ヴィヴリオ「トゥアレタには、今は自室待機を命じている」 クベルタ「ヴィヴリオ。犯行に使われた弾丸と薬莢です。分析をお願いします」 ヴィヴリオ「分かった。中島班長に、早速依頼しよう」 ヴィヴリオ「それとだ。一部の完全機械化兵が、何者かによってメモリーを改竄された形跡がある。PC4には問題ないことが分かっているから、そこは安心して欲しい」 ヴィヴリオ「その為、もしも、という事を考え、トゥアレタの部屋周辺の警備は、女性の機械化兵が担当している」 ヴィヴリオ「私からは以上だ。PC1、PC2、クベルタ。犯人が確保されるまで、なるべくトゥアレタと共に行動し、周囲を警戒してくれ。その方が、本人も安心するだろう」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、PC2は自動登場、PC1とPC4は任意 情報収集フェイズその1 中島班長に依頼し、犯行に使用された弾丸と薬莢の分析を行っている。 薬莢の調査 〈整備〉難易度1 基地を警護している完全機械化兵に供与されている、銃器の弾丸である 完全機械化兵の警備隊 〈情報処理〉難易度3 その銃器を供与された完全機械化兵は、中島班長から貰った資料にある、何者かの改竄の痕跡があった個体と一致する 三郎「案の定、と言うか......一番当たってほしくねェ想像が当たっちまったぜ」 三郎「基地の中に、合衆国の息の掛かったスパイがいるってこった。とりあえずオレの方でも、該当するファルコンネンに携わった奴のリストアップだけはしておく。オレに出来るのはそこまでだ。時間も無ェが、オレらの仕事は、相手を疑って出来るような仕事じゃねェ」 三郎「この所、立て続けに天使共が来やがるせいで、整備が全く間に合ってねェ。作業を全部ストップしてる場合じゃねェんだ。それだけは、分かってくれ」 ※本シナリオは『機械仕掛けの聖女』(7/21〜22)とほぼ同時であり、『夏の夕暮れ』(7/15〜18)『雷鳴』(〜7/20)の直後となる為、天使の襲撃が非常に多かった期間の直後である。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、PC1自動登場、PC2とPC3は任意 トゥアレタと会話 翌日(7/22)。 クベルタが紅茶とケーキを用意してくれる。 今日は失敗せずに紅茶を持ってこれたが、ケーキはバランスを崩して落としそうになる 〈運動〉難易度2 成功すれば落としそうになったお盆を見事にキャッチ 失敗したらお盆を床に落としてしまう、食べられなくはないが見た目は...... クベルタ「気を張るのは必要ですが、張り過ぎても疲れちゃいます。いざという時何も出来なくなると大変ですから、適度に息抜きは必要ですよ?ね、ご主人様?」 トゥアレタ「それは、そうなんだけど......」 クベルタ「(トゥアレタに耳打ち)大丈夫ですトゥアレタさん、カロリー控えめの選んできましたから」 トゥアレタ「......気を遣ってくれて、ありがと、クベルタ」 クベルタ「いえいえ、メイドとして当然のたしなみです♪」 クベルタ「でも、どうして狙われたのがトゥアレタさんなんでしょう?」 トゥアレタ「......わたしがナビゲーターで一番、対人戦闘力が低いから、じゃない?」 トゥアレタ「セラピアの銃器の命中率はほぼ100%、凍の反応速度は完全機械化兵すら凌駕して、伊音の剣の腕は天使すら一刀両断する」 トゥアレタ「メイリィは生身で機械化兵と渡り合えるし、紀央は陰陽師、桂さんもクベルタも完全機械化兵」 ※ここの台詞については、いないナビゲーターのものは削除する。 また同タイミングは『機械仕掛けの聖女』が丁度終了しているタイミングである。 トゥアレタ「……わたしだけ、そういう対人戦闘技術、持ってないのよね」 クベルタ「そんな……」 トゥアレタ「……慰めはいいから。無い物ねだりした所で、すぐに手に入るものじゃないし」 トゥアレタ「……それに、ね。みんな、わたしを守ってくれるんだよね?ちょっとの間、迷惑掛けちゃうけど……」 クベルタ「勿論です、トゥアレタさんはご主人様の大切な仲間なんですから」 管制官『基地北西に天使反応!ギアドライバー部隊は至急、出撃準備に移って下さい!』 クベルタ「こんな時に天使、ですか。厄介事って、何で立て続けに起きるんでしょうね」 特に苦戦することなく、天使は撃退され撤退した。 だが、基地に戻ってきた直後から、トゥアレタの様子が何だかおかしい。 どことなく上の空のような...... 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1、他PCは登場不可 深夜遅く、キミの部屋をトゥアレタが訪ねてきた。 寝間着を着て、まくらを抱いて、なんだか泣き出しそうな顔をしている。 トゥアレタ「……夢を、見たの」 トゥアレタ「PC1の背中に羽が生えて、私は手を伸ばすの。でも、その手がどうしても届かない」 トゥアレタ「みんな死んでいるの。羽根だけが舞い落ちて、そして私の瞳も閉じていく。あなたはそれを、哀しそうに見てる」 トゥアレタ「……あの天使に出逢った時に、同じ幻影を見たの」 トゥアレタ「PC1……やだ……どっかへ行っちゃ、やだよ……?」 トゥアレタ「ごめん。もう、部屋に戻るね」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC3、他PCは任意 情報収集フェイズその2 7/23。PC3、キミは徹夜で犯人の調査を行っていた。 ヴィヴリオ「……ずっとやっていたのか。コーヒーでいいか?」 ヴィヴリオがキミの目の前に、コーヒーのカップを置く。 ヴィヴリオ「……で、目星はついたのか?」 〈情報処理〉難易度5 改竄が見られた完全機械化兵に携わった人間を全員リストアップし、しらみ潰しに調べていった結果、一人の整備員が当てはまった。 トゥアレタが通っていた幼年学校で、天使化した子供の、親。 退役した機械化兵で、現在は完全機械化兵関連の整備員でもある。 合衆国のエージェントと接触し『洗礼』を受け、以降合衆国のスパイとして活動している。 合衆国側の命令はトゥアレタの確保だが、それを無視して、完全機械化兵を洗脳し暗殺を目論んでいる。 天使について 〈軍略〉難易度5 先の襲撃に現れた天使は、1993年に発生した、トゥアレタとPC1が通っていた幼年学校で発生した集団天使化事件の際、確認された天使パラシエル(『宝』を意味する)のものと同一である。 トゥアレタとPC1は、その事件での数少ない生存者であるが、資料が残されておらず、本人達にもその事件の際の記憶がない為、詳しい事は分かっていない。 ※この情報については、PC1の生い立ち等を確認した上で演出すること。 幼年学校での天使化事件については、本シナリオ内では詳しくは触れない。詳しくは後書きにて後述 ヴィヴリオ「天使の件も気になるが、まずはその男の確保が最優先だ。今すぐに動けるのは、お前達しかいない」 ヴィヴリオ「主要な通路や出入り口に、早急に人員を配備する。お前達はその男の潜伏場所に直行してくれ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC4、PC3自動登場、PC1とPC2は任意 ※PC3とPC4はミドル最後のシーンとなる 男を確保に向かう 男の住所に向かうと、数人の完全機械化兵に守られながら、部屋から出てくる男と鉢合わせる。 男「私も馬鹿じゃない。整備班長の動きが怪しかったからな、そろそろ来る頃だと思っていた。だから、護衛を準備していたのさ」 男「行け、木偶共!」 キミと同じ顔をした同型機が、キミ達に銃を向ける。 男「私は、その隙に逃げさせてもらうよ」 脚部ブースターを展開し、天井を突き破って逃亡する。 キミ達は完全機械化兵達をどうにか退けるが、呼応したかのように天使パラシエルが再度出現する。 PC3の携帯に、ヴィヴリオから連絡が入る。 ヴィヴリオ『天使と一緒に、戦闘機が一機確認された。恐らく、男を回収して逃げるつもりだろう』 ヴィヴリオ『あの男を逃がすな。機密情報を合衆国に渡されてはまずい』 ヴィヴリオ『シュネルギアは既に起動準備が出来ている。格納庫に急いでくれ』 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC2、他PC登場不可 出撃を控えたシュネルギアコクピット内。 クベルタ「さっきの子達もですが......あの子達のメモリーは完全に奪われ、それにあの男に限界を越えた稼働を強いられた結果、天使化の兆候も見えます。最早破壊するしか、救う手立てはありません」 クベルタ「ご主人様、あの子達を解放してあげて下さい」 クベルタ「……ご主人様は、お優しいですね。そこが、大好きです」 クベルタ「でも、時には非情になることも必要です。わたし達がいるのは、生き残りをかけた戦場です。戦わなければ生き残れないし、弱ければ死ぬだけ。ご主人様は、弱者になりたいですか?」 クベルタ「……ご主人様と離れ離れになるのは……わたし、もう、嫌なんです」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン8 シーンプレイヤーはPC1、他PC登場不可 出撃を控え、シュネルギアのコクピットへと急ぐ。 そのキミの袖を、トゥアレタが掴んだ。 トゥアレタ「大丈夫、かな」 トゥアレタ「…………怖いよ、PC1」 トゥアレタ「命を狙われてるのも、怖いけど……それよりも」 トゥアレタ「あの天使のことを考えるだけで、私が私でなくなるんじゃないか、あなたがあなたでなくなるんじゃないかって、怖いよ」 トゥアレタ「死ぬよりも……怖い」 トゥアレタ「だって、あなたの知ってる私じゃなくなったら、私は私でいられなくなっちゃうから。あなたが私を知っていてくれるから、私はトゥアレタでいられる……」 (ダーザインが4レベル以上の場合) トゥアレタ「あなたが側にいてくれれば、それでいい……」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーンプレイヤーはPC2 合衆国の戦闘機に回収される男。 男「私はこの時を楽しみに、ずっと生きてきたんだ!うちの子の仇を取る、この時を!」 男「どうして、お前たちだけ生き残った!どうしてうちの子は死ななければならなかったんだ!お前たちさえ……お前たちさえいなければ、死なずに済んだのに……!」 トゥアレタ「そ、それは……」 クベルタ「耳を貸しちゃいけません、トゥアレタさん。目の前の戦いにだけ、集中して下さい」 クベルタ「あなたの物語は、ここで終わりじゃありません」 男「6年前、瑞穂基地に整備員として潜り込んだのも、整備班長の信頼を得て木偶達の担当になったのも、この天使を天使十字軍より借り受けたのも、全ては、この時の為だ!」 男「さあ、私を守れ、木偶達!」 トゥアレタの記憶と同じ天使と、PC4と同じ顔をした、意志の無い完全機械化兵達が、君達の行く手を阻む。 戦闘機・パラシエル ← 1500m → 完全機械化兵の部隊×2(別エンゲージ) ← 1000m → PC(任意) 男の乗った戦闘機は、2ラウンド目のクリンナップに戦闘から離脱する。 別に離脱されても経験点等は変わらないが、キャンペーンであれば何かしら影響があっても面白い。 力天使パラシエル HP65 軽傷35 重傷18 致命9 死亡1 肉体35 感覚16 理知15 聖霊15 階級0 聖光(射撃攻撃) 判定値18 レベル5 射程:2km ダメージ(種別)+12(軽) 《絶対結界》対天使効果なし、及び20点以下のダメージ無効 《巨神》エンゲージ封鎖 《飛行》 完全機械化兵 HP20 軽傷10 重傷5 致命2 死亡1 肉体10 感覚15 理知6 聖霊5 階級3 20mmアサルトライフル(射撃攻撃) 判定値16 レベル4 射程:2.5km ダメージ(種別)+22 〈回避〉 判定値16 レベル3 《高速戦闘モード》 《天使化》あらゆる判定値+6※修正済 《制圧射撃》範囲の対象に攻撃を行う 《仁王立ち》エンゲージ封鎖 《ケルン》対天使効果なしの武器によるダメージ1/10 《飛行》 完全機械化兵を倒した 「ア……リガ……トウ…………」 戦闘機を落とした 男「ああ……これでようやく、あの子に会える……」 男を乗せた戦闘機は、爆散した。 戦闘終了 ヴィヴリオ『天使の反応、空域に全く無し。よくやった、お前達』 キミ達は勝利した。 だが、後味の悪い戦いだったことだけは、間違いない。 エンディングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオと会話 ヴィヴリオ「今回は何とかなったが、また同じような事件が起きて、トゥアレタが狙われないとも限らん。引き続きトゥアレタの周辺には注意を払ってくれ」 ヴィヴリオ「本人も自覚しているが、こと対人戦闘能力については、トゥアレタは一般人とさほど変わらん。他が異常過ぎる、というのが正しいが」 ヴィヴリオ「もしもの場合、命の危険に晒される可能性が最も高いのはトゥアレタだ。よろしく頼むぞ」 ヴィヴリオ「……そうだ。これを渡しておく」 ヴィヴリオが手渡してきたのは、洗脳され破壊するしかなかった、仲間達の認識票だった。 ヴィヴリオ「お前が持っているのが、彼女らにとっても、一番いいだろう」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 中島三郎と会話 三郎「アイツ、腕だけは確かだったンだがな……。どんな想いで、瑞穂基地に勤務してたンだか、今となっちゃ、なンにも分かりゃしねェ」 三郎「しかし……どの程度の情報が漏れたか不安なトコだが……シュネルギア担当じゃなかったのは、不幸中の幸いだったかも知れねェな」 三郎「PC3さんよ。これからも、オレにせよヴィヴリオにせよ、色々厄介事頼まれるとは思うが、そン時はよろしく頼ンだぜ。お前ェさん、ヴィヴリオに相当気に入られてるみてェだしな」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 クベルタと会話 クベルタ「ひとまず、一件落着ですね。終わり良ければ全て良し、です」 クベルタ「トゥアレタさんやヴィヴリオには、この件に関してまだ隠してる秘密があるみたいですけど……トゥアレタさんを支えられるのは、PC1さんだけです」 クベルタ「これは、トゥアレタさんの物語。トゥアレタさんの物語の主人公は、PC1さんですから」 クベルタ「トゥアレタさんの物語においては、わたし達は脇役です。脇役のわたし達の役目は、主人公とヒロインの手助けをすることです。一緒に頑張りましょう、ご主人様?」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 トゥアレタと会話 トゥアレタ「……生きてて、良かった。ここ数日、色んな意味で、生きた心地、しなかったから」 トゥアレタ「私、幼年学校に通ってたことは覚えてたのに、あんな事件があったのも、天使のことも、すっかり忘れてて……」 トゥアレタ「本当に怖かったけど……あなたが、みんなが守ってくれたから……今、こうしていられるんだよね」 トゥアレタ「ところで、えっと……出撃前に言ったこととか、昨日の夜のこととか……忘れて……くれない?」 トゥアレタ「な、何でって……は、恥ずかしいからに決まってるでしょ、もう、バカっ!」 顔を真っ赤にして、そっぽを向くトゥアレタ。 良かった、もう、いつも通りの彼女だ。 後書き 委員長の午後を下敷きに作成。[フェイトイベント:天使兵と交戦したこと]「固定イベントU:5&V:5] 本シナリオはトゥアレタルートの言わば前編であり、拙作『HELLO MY CLONE』が後編となる。 一応の補足として、公式設定では幼年学校でPC:トゥアレタに接触した為に周囲が天使化した、とある。 その際の高濃度エーテルによってパラシエルが召喚された、と本シナリオでは設定している。 PC:トゥアレタがPC:凍やPC:雛子を兼任している場合、パラシエルでなくメタトロンが現れ、それとの接触によって周囲が天使化した、とする。 ただしその場合でも、ここに現れるのはパラシエルであり、パラシエルはメタトロンの分身体の1体とする。 題名に使った『STAINLESS NIGHT』の歌詞「魂を奪われたアンドロイド達が 悲しみさえ手探りで拾い集める夜」から、メモリーを消された完全機械化兵、その対比として、PCに完全機械化兵を配置、且つNPCに心を持った完全機械化兵(クベルタ10−9)を配置。 時期は7/21〜23、『機械仕掛けの聖女』と同時進行。そちらと合わせてVMS(注:ファルコンネン・マシーネン・ゾルダート)パニック第二弾。