今回予告 帝都にて、ホイシュレッケを生み出すアバドンの存在が確認された。 アバドンを放置すれば、いずれヤシマはイナゴの群れに食い尽くされる。 そしてアバドン討滅後、帝都を浄化する役目を担うのは……草薙伊音の妹で、当代最高の陰陽帥である、草薙紫音。 決死の任務に志願する伊音、そして紀央。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『MONSTER'S ROAR』 ―帝都奪還作戦― 私は、また……血を分けた家族を、目の前で、失わなければ、ならないのか? ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:草薙伊音 帝都にて、ホイシュレッケを生み出すアバドンの存在が確認された。 八門結界を再構築する術者は草薙紫音、伊音の妹だ。 伊音は紫音の為にも、アバドン討滅部隊に志願したいと言う。 キミが、その願いを聞き届けない筈が無かった。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの懇願】 PC2:ホムンクルス キミは現在、部隊への帯同と共に、PC1と伊音の身辺警護を兼ねている。 そして、来たるべくして来た帝都奪還作戦に同行するよう、ヴィヴリオから命じられた。 聞けば、草薙紫音が本作戦の柱になると言うではないか。 なら……彼女の友人としても、力を貸さねば。 シナリオダーザイン【草薙紫音からの友情】 PC3:オフィーツィア キミはアバドン討滅部隊への同行を、維馬篭代胤から直々に命令される。 非常に危険な任務であるからこそ、信頼できる人物に頼みたい、との事だが…… 流石の維馬篭も、この命令には悩んだらしい。 だが、キミには命令を受ける以外の選択肢は許されない。 それが、キミの任務だからだ。 シナリオダーザイン【維馬篭代胤からの信頼】 PC4:ソルジャー アバドン討滅部隊への護衛を、ヴィヴリオから直々に頼まれた。 非常に危険な任務であるからこそ、信頼できる人物に頼みたい、との事だが…… 流石のヴィヴリオも、散々悩んだ結果らしい。 キミは大佐や、慕ってくれているギアドライバー達の為にも、任務を引き受けた。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの罪悪感】 ※1 本シナリオはキャンペーンにおいて、経験点を使用したPC、且つ[J.S.S-R19]『EL.DORADO』の次のプレイを想定している。 ※2 本シナリオは戦闘以外で福音を起こさないと、NPCが死ぬ可能性があります。 推奨特技:《カバーリング》《不死身の異名》 推奨オーギュメント:《マルクト》《ルベン》《ナヘル》 ※GMへ パトスやロゴスが足りないと感じたら、適宜シーンを2〜3シーン追加すること。 経験点未使用のPCで遊ぶ場合は、アバドンの【HP】や特技を適宜変更・削除すること。 オープニング シーン1 シーンプレイヤーは全員 アバドンの存在が確認され、アバドン討滅部隊を編成し、帝都を奪還すると発表される ヴィヴリオ「この任務は、非常に危険なものとなる。もしかしたら、生きて帰れない可能性すらある」 ヴィヴリオ「我こそは、と思う者の、志願を期待する」 流石のヴィヴリオも、歯切れが悪いようだ。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1 討滅部隊に、伊音が志願する。 伊音「妹の紫音の為にも、私は討滅部隊に志願したい。……手伝って、くれないか」 伊音「良かった、もしお前が断りでもしたら、私は一人ででも、行くつもりだったからな」 シナリオダーザイン【草薙伊音からの懇願】 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオから命令される ヴィヴリオ「帝都奪還作戦に、PC1と伊音が志願した」 ヴィヴリオ「なので、お前には突入部隊に帯同し、二人を護衛して欲しい」 ヴィヴリオ「それに……本作戦の要は、草薙紫音。そう、伊音の妹だ」 ヴィヴリオ「お前は、彼女と親しくしていると聞いている。責任を押し付けるようで済まないが、彼女の護衛も任せたい。やってくれるな?」 シナリオダーザイン【草薙紫音からの友情】 シーン4 シーンプレイヤーはPC3 維馬篭から直々に討滅部隊の同行を頼まれる 維馬篭「呪法弾道ミサイルが落ちてエーテル雲に覆われた、帝都を奪還し、破られた結界を再構築する。我々の悲願です」 維馬篭「これは、貴方にしか出来ない任務です」 維馬篭「……とは言え私も、苦渋の決断でした。これは、非常に危険な作戦です。貴方を失うのは、あまりにも惜しい」 維馬篭「ですが、他の者に任せることも出来ない。……PC3くん。必ず任務を果たし、生きて帰って下さい。これは、命令ではありません。……貴方へのお願い、です」 シナリオダーザイン【維馬篭代胤からの信頼】 シーン5 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオから直々に討滅部隊の護衛を頼まれる ヴィヴリオ「済まない……自分が何を言っているかは、分かっている……。だからこそ、ギアドライバー連中に慕われている、お前以外に護衛を頼めないんだ……」 ヴィヴリオ「今までも危険な任務を頼んできたが……今回ばかりは、死ねと言っているのと同じ、だからな」 ヴィヴリオ「……維馬篭からも、PC3に命令が下ったらしい。確かに、下手な人間には任せられんだろう」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの罪悪感】 ミドルフェイズ シーン1 帝都奪還作戦の説明。 シーンプレイヤーは全員 非常に危険な任務であり、実際に突入するのはPC達と紫音、及びホルテンを動かす為の最低数の人員。 ヴィヴリオ「この決死の任務に志願してくれた、貴公らの勇気に感謝する」 ヴィヴリオ「これが、最後になるかも知れん。作戦に参加する者全員に、明日一日休暇を与える」 ヴィヴリオ「後悔のないよう、明日を過ごしてくれ……何らかの費用が発生した場合は、全て私の名前で領収書を切ってくるように」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 最後の日常。 シーンプレイヤーは全員 PC3、PC4は個別の場面を。 PC1、PC2は伊音、そして紫音との会話。 紫音「皆様、ごきげんよう。この度は、よろしくお願い申し上げます」 紫音「人には、それぞれ果たすべき役割があるのです」 紫音「紫音は守りたいのです。大切な人を。姉様を」 紫音「伊音姉様の幸せこそ、今の紫音が、もっとも望むことですから」 (誰かが止めろと言った) 伊音「御国の為に、その身を捧げる。草薙の家に生まれた者にとって、最高の誇りでもある」 伊音「次期当主として、妹がその任にあずかるのは、この上ない光栄だ。」 紫音「これこそ、紫音にしか為しえないことなのです。紫音の誇りを、奪わないでくださいまし」 紫音「では、紫音は準備がありますので、失礼致します」 紫音が去った後 伊音「PC1……胸を貸してくれ」 伊音「わかっている、私だって、わかっているんだ!」 伊音「私は……本当は、強くなんかないんだ」 伊音「私は、また……血を分けた家族を、目の前で、失わなければ、ならないのか?」 伊音「嫌だ……兄上をこの手で殺し、紫音までも居なくなってしまう……。嫌だ……そんなの、嫌だぁ……」 童女のように泣きじゃくる。 PC1の返答を貰って、シーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 護守からの激励 出撃前。今回の作戦に参加する面々が、瑞穂基地の飛行場に勢揃いする。 護守「帝都奪還作戦の総責任者である、ヤシマ陸軍少将、群雲護守(むらくも・さねもり)です」 護守「この決死の任務に、貴方達だけを就かせるのは、正直心苦しいのですが・・・ヤシマ軍には、帝都を覆うエーテルの雲を突破出来る装備がありません。だから、貴方達だけが頼りです」 護守「貴方がたが何らかの手段でエーテル雲を取り除けたならば、七式人間戦車の部隊を、援軍として送ります」 護守「今度(こたび)の戦い、今後の戦況を大きく左右するものとなります」 護守「多くは語りません。必ずやアバドンを打ち倒し、帝都を我らの手に!」 護守「出撃の時刻です。・・・皆様、御武運を」 演説が終わり、護守がPC1を呼び止める。 護守「PC1くん。伊音を、よろしくお願いします」 護守「伊音と紫音が、明日を笑って迎えるには・・・貴方の力が必要不可欠です」 会話を終えたらシーンを終了する。 『El.DORADO』と連続してプレイしている場合は、以下の描写を追加する。 護守「私にあれだけの啖呵を切ったのですから・・・伊音を泣かせるような真似は、許しませんよ?」 シーン4 シーンプレイヤーは全員 帝都への突入 帝都を包むエーテル流の嵐を突破する。 全員判定を行う。全員ヴィークルに乗っている状態での判定。 〈エーテル〉難易度5、失敗したら〈回避〉難易度10。エーテル判定に成功した場合はダメージなし、回避の判定に成功したら1D6、失敗したら3D6点のダメージを装甲に受ける。 このダメージは身代わりなどで軽減出来ない。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーは全員 構造体への到達 帝都に侵入したキミたち。 紫音「エーテル濃度が高いせいでしょうか……とても、息苦しい感じがします」 伊音「通信不可……これもエーテル濃度が高いせいのようだな。根源を断たねば、どうにもならんようだ」 〈運動〉難易度13 〈探知〉難易度13 〈情報処理〉難易度13 〈エーテル〉難易度13 〈軍略〉難易度13 上記の判定全てに成功する必要がある。尚、判定はヴィークル、ナビゲーター修正まで含めた判定値で行う。 失敗した場合、1判定につき3D6の実ダメージが発生する。 全てに成功すると 伊音「PC1。爆心地に、目的のアバドンがいるようだ」 紫音「PC2様。こちらから、とても強い力を感じます。天使とは異なる、でも天使に似た……何でしょうか」 伊音「勘でしかないが……そちらに行った方がいい気がする。確証など、何一つ無いんだが……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーは全員 構造体との戦闘(?) キミたちは紫音の先導により、謎の巨大な黒い構造体の前へと辿り着く。 紫音「エーテル流が、爆心地に向かって絶えず注ぎ込まれているのが、見えます。恐らくは、これはアバドンに繋がっているかと」 伊音「ならば……破壊するのみ、だ!」 HP100 回避も攻撃もしないが、戦闘ラウンドとして処理する 対天使効果なしの武器無効 99点以下のダメージ無効 クリンナップに66点回復 破壊した:周囲のエーテル濃度が急激に下がり、通信が復旧する。 同時に、これ以降のアガペー上昇が2D6に戻る。 紫音「どうやら、これが周囲のエーテル濃度を上げていたようですね」 伊音「PC1よ、私の勘も、捨てたものではなかろう?」 紫音「……準備は整いました。いざ、アバドンの元へ」 そこに通信が入る。 護守『ようやく通信が繋がりました』 護守『帝都周辺のエーテル雲が途切れた事を確認しました。これより、私の配下の七式人間戦車部隊を、援軍として送ります。可能であれば、援軍の到着まで待っていて下さい』 護守『・・・彼らは、私の為に命を投げ打つ覚悟をした、私の大事な『道具』です。必要であれば、使って下さい』 護守『本音を言えば、彼らの一人たりとも、失いたくはありません。ですが、この戦いに勝利出来なければ、ヤシマは、アバドンが無尽蔵に生み出すホイシュレッケによって、内側から食い尽くされ・・・ヤシマは滅びます。彼らの覚悟を、汲んでやって下さい』 会話を終えたらシーンを終了する。 援軍が来るのを待つ→全員のアガペーが6D6上昇する 《援軍》 1シナリオに3回、1ラウンドに2回まで使用可能 ・ダメージを肩代わりする ・イニシアチブフェイズに宣言することで、任意のエンゲージにいる天使を全滅させる(アバドンは対象外)。 待たない場合、上記の効果は得られない。 シーン1 シーンプレイヤーは全員 アバドン戦 伊音「勝つぞ、この戦い。紫音の為にも……」 エネミーデータはエンドレスサマー掲載のアバドンのものをそのまま使用する。 アバドンを打ち倒すと同時に、周囲の卵とホイシュレッケはすべて、エーテルの粒子となって崩れ、消えていく。 キミ達は、勝ったのだ。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1とPC2、全員登場 (福音フェイズ) アバドンを打ち倒してから、一週間が過ぎた。 帝都の浄化が完了し……遂に、結界の再構築が開始される。 結界の再構築を見届ける為、群雲護守も列席している。 紫音「紫音はここで眠ります……守って、くださいね」 護守「PC1君。少し、耳を拝借させていただけますか」 護守「もし今、紫音君を救う手立てがあるとしたら……貴方は、その賭けに乗りますか?」 護守「君の持つ、救世主の力。それを使い、人柱の代わりになるものを作れるとしたら」 護守「……死なないで済むなら、それに越した事はありません。誇りは確かに大切ですが……命は、もっと大切なのです」 護守「私は、伊音にも、紫音にも生きていて欲しい。ただそれだけです。大将閣下への言い訳は……PC3君、一緒に考えてくれませんか」 PC1による〈エーテル〉難易度99 ※ただし、PC全員の成功数を足して良い 他PCはマイナーとメジャー1回ずつ行い、支援しても良い。特技の使用も可。 福音が発生した場合 二人の力で、小さな擬似黒い天使核を精製する事が出来る。 これを結界再構築のコアとして使う事により、紫音が犠牲にならずに八門結界を再構築できる。 エンディング シーン1 シーンプレイヤーは全員 紫音「姉様、PC1様、PC2様、PC3様、PC4様、群雲様……ありがとう、ございます」 紫音「紫音も、本当は……姉様と離れ離れになるのは、恐ろしゅうございました」 紫音「紫音が死ぬ事よりも、姉様がひとりになってしまう、ことが」 紫音「姉様……!」 伊音「紫音、紫音……!済まん、お前にまで心配をかけて……!」 ひし、と抱き締めあう。 紫音「姉様、そんな事、仰らないで下さいな……この世にたった二人の、血の繋がった、姉妹ですもの……」 紫音「では、結界の再構築を始めます。48時間……紫音を、守って下さいまし」 そして、きっかり48時間後。 八門結界は再構築され、ヤシマは万全の守りを手にした。 キミ達はこれで、本当の意味で、帝都奪還作戦に勝利したのだ。