今回予告 ある日、空から光が降ってきた。 巻き込まれ壊滅する統一帝国第21飛行中隊、そして重傷を負うフリューゲル・ズィーガー。 彼に恋する少女は、復讐の念に取り憑かれて…… エンゼルギア天使大戦TRPG 『MASQUERADE』 マネゴトじゃない、自分らしさ描く為に PC1:ギアドライバー/ナビ:任意 キミはギアドライバーの天野ツバサの友人だ。 非番のある日、フリューゲル・ズィーガーの部隊が潰滅した、と連絡を受けた後から、彼女の様子がおかしい。 普段飄々としている彼女からは、考えられないことだが……キミは友人の為に、一肌脱ぐ事にした。 シナリオダーザイン【天野ツバサからの友情】 PC2:機械化兵 キミはフリューゲル・ズィーガーの友人だ。 ある日、ズィーガーの部隊が何者かの攻撃によって壊滅し、彼も重傷を負ったと連絡を受ける。 友人の仇を取らねばならない、キミはそう決意した。 シナリオダーザイン【フリューゲル・ズィーガーからの友情】 PC3:管制官 キミの任務中に、フリューゲル・ズィーガー率いる統一帝国空軍第21飛行中隊が、何者かの攻撃によって壊滅した。 キミはヴィヴリオに、この件の調査を命じられた。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC4:ギアドライバー/ナビ:任意 キミは整備班班長の中島三郎に、何かと気にかけてもらっている。 非番のある日、キミは三郎から、フリューゲル・ズィーガーの部隊が潰滅した、と連絡を受ける。 シナリオダーザイン【中島三郎からの父性愛】 ※1 本シナリオは、ツバサとズィーガー、NPC同士の恋愛感情を扱ったシナリオである。 そういうのが嫌いな人は回れ右するか、このファイルをそっと閉じ、見なかった事にしても良い。 ※2 聖飢魔IIの『MASQUERADE』が天野ツバサのイメージソングに思えたので、当シナリオを作成。 なので、歌詞を読んでおくと雰囲気が掴めていいかも。 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC3 ズィーガーが何者かによって撃墜される 哨戒飛行に出ていた、ズィーガーの飛行中隊。 隊員「いつも通り、何事も無しで済みそうっすねー」 ズィーガー「……ああ。だが、気を抜くな」 隊員「ヤー……って、うわぁーっ!?」 突如として、戦闘機が爆散する。 ズィーガー「どうした!何っ……高濃度エーテルだとっ!?」 そのまま光に包まれる、ズィーガーの戦闘機。 統一帝国空軍第21中隊、壊滅。 大半が死亡、生存者もズィーガーを含め重傷者多数。 ヴィヴリオ「あの光……まさか空からか!?済まないPC3、解析を急いでくれ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1とPC4、合同 今日はキミ達は揃って非番の日。 ツバサや桂に買い物に付き合って欲しいと頼まれて、商店街にいます。 ツバサ「やー、PC1もPC4も、美女に囲まれて嬉しいだろ?」 (PC4のナビ)「PC4。鼻の下、伸びてるよ」 (PC1のナビ)「PC1も。私がそばにいるのに目移りしてるとかサイテー」 桂「はいはいそこ、痴話喧嘩しない」 そこに、PC1の携帯電話がけたたましく鳴り響く。 着信は……中島三郎からだ。 三郎は何処と無く慌てたような声で「PC4か?お前ェ、今何処にいる。すぐに戻って来い」 三郎「ズィーガーが、撃墜されて、重傷だそうだ」 三郎「まだ、ハッキリしてねェが、天使の襲撃じゃねえみてェだが、じきにヴィヴリオ大佐から召集が掛かるだろう」 三郎「その前に、ズィーガーの所に行って、話ちょっと聞いて来い。基地内の診療所に入院したそうなんだが、俺ぁ今手が離せねえ」 (PC1のナビ)「どうしたの?」 (PC4のナビ)「フリューゲル中尉が!?」 ツバサ「……マジ?じゃ、診療所行こう」 言い出しっぺのツバサがこう言うのならば、仕方ないだろう。 キミ達は予定を切り上げて、基地内の診療所に向かった。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 ズィーガーが撃墜されたと連絡を貰う 今日はキミは非番の日。 非番で何をしているかPLに聞き、それを先に演出する。 そこに、PC2の携帯電話がけたたましく鳴り響く。 着信は……ハルトマン大佐からだ。 ハルトマンは何処と無く慌てたような声で「PC2か?貴官は今何処にいる。すぐに戻って来てくれたまえ」 ハルトマン「第21飛行中隊が、何者かの攻撃により壊滅した」 ハルトマン「半数が死亡、生存者も重傷者多数。隊長のフリューゲル中尉は一命は取りとめたが、重傷だ。」 ハルトマン「彼は今、基地内の診療所に入院している。貴官はフリューゲル中尉と友人だったな?私は出張中ですぐ戻れん。代わりに見舞いに行ってくれないか」 会話を終えたらシーンを終了する。 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2、PC1とPC4自動登場、PC3は任意 ズィーガーの見舞い ズィーガーは眼光は鋭くも、覇気のあまり無い顔で「……よう」 見れば、既に機械化されている左腕と右脚が無くなっている。 ズィーガーが何とか体を起こそうと身じろぎすると、ツバサが無言で背中を支え、体を起こす。 ズィーガー「……天野少尉、済まない」 ツバサ「……いえ」 ズィーガー「まあ、頑丈なのは、医者のお墨付きだ……」 ズィーガー「……一命は取り留めたが、短期的なエーテル被爆が酷くてな。機械化した箇所の再取付けは、今すぐは無理だそうだ」 ズィーガー「……俺はこの様で、暫くは動けない……仲間の仇を、取ってくれないか?信頼するお前達だから、こそ……頼む」 ズィーガー「正式な、状況か………。高濃度エーテル体が急接近し、仲間達が次々に爆散していった事ぐらいしか、分からん」 ズィーガー「…………済まない……少し、疲れたようだ………眠らせて、くれないか」 ツバサに支えてもらいながら横になり、目を閉じると、すぐに寝息が聞こえる。 ツバサ「……部屋、出ようぜ」 PC間である程度やり取りしたら、以下の描写を読み上げる。 その時、PC2の携帯電話に着信が入る。 発信者は、ヴィヴリオ大佐。 ヴィヴリオ「今回の一件についてのミーティングがしたい。司令室まで来てくれ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 ヴィヴリオから状況説明、ツバサと桂も同席 ヴィヴリオ「調査の結果、フリューゲル隊を全滅させた高濃度エーテル体は、どこからか照射された、レーザー砲であると確認された」 ヴィヴリオ「だが、これ以上の事は現状逆立ちしても出て来ん。こうなればPC3、合衆国のサーバにハッキングだ。行けるな?」 最初に調査フェイズ 〈情報処理〉難易度7 天使衛星メルキセデク、『平和と正義』を司る天使より命名された。 衛星軌道から超高出力レーザーで目標を攻撃する為に、合衆国により秘密裏に打ち上げられた。 費用が膨大になり過ぎた為、対費用効果の問題でこの一基のみとなっている 写真には、巨大な陽霊子砲を備え付け、まるで天使の羽根のようにソーラーパネルを広げた、衛星が写されていた。 ツバサ「……何の冗談だよ、コレ」 ヴィヴリオ「空からどころか、大気圏外だったとはな。合衆国の技術力、侮れんか」 ヴィヴリオ「……20分間、司令室の外で待て。」 会話を終えたらシーンを終了する。 中島整備班長が走って来て、何かを大佐と話した後、班長は急いで戻って行った。 いったい、これから何が起こるのだろうか……。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 場面としてはシーン2からの続きで司令室、討伐部隊にツバサが志願する ヴィヴリオ「では結論から言おう。討伐部隊を結成し、宇宙に行ってもらう」 (PC1のナビ)「う、宇宙!?」 (PC4のナビ)「大佐、正気ですか?」 ヴィヴリオ「私は正気だ」 ツバサ「……大佐。あたしは、何があろうと、討伐部隊に絶対に参加する。それじゃ」 ツバサはそれだけ言うと、司令室を後にする。 桂「ちょっと、ツバサ!ナビゲーターの私の意見はっ!?」 憤慨しながら、桂はツバサを追い掛けて退室する。 ヴィヴリオは溜息をつきながら「PC1、PC4、そしてPC2。今回のメルキセデク討伐部隊に任命する」 ヴィヴリオ「天野少尉が突出して行動する可能性が大だ。だが今回、彼女を外す訳には行かないだろう」 ヴィヴリオ「尻拭いをしろと言っているのと同じだが、天野少尉の補助を主眼に置いて、作戦を遂行してくれ」 ヴィヴリオ「今、全員の機体を、整備班総出で、宇宙用装備に変更している」 (大丈夫なのかと誰かに問われた) ヴィヴリオ「私の言う事が信じられなくとも、中島整備班長を信じたまえ」 ヴィヴリオ「作戦は180分後に開始する。それまで、各自待機せよ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4、PC1も自動登場、他PCは任意 整備工場。急ピッチで換装作業が進められている。 (PC4のナビ)が換装作業を見たい、ということで連れられてきた。 (PC4のナビ)「パッと見、パワードアーマーの簡易型みたいに見えるね」 (PC1のナビ)「あんなのつけてて、宇宙で自由に動けるのかな?本当に大丈夫かなー……」 三郎がちょうど通りかかり「宇宙空間は重力が無え。ちょっとした慣性ですぐ動いちまうから、逆に制御用のサブバーニアの数が物を言うんだ」 三郎「いつ、どんな状況が来るかなんて誰にも分からねェ。だから俺達は、いつでも最悪の事態に備えて準備してる。その結果の一つが、今回の宇宙用装備だ」 三郎「不安か?」 三郎「お前ェさんらに最低限必要なのは、テメェも相棒の嬢ちゃんも絶対に死なねェ、死なせねェって心意気だけだ。勿論、分かってんな?」 三郎「死ぬ気で、なんて言ってホントに死んだら、幾ら成果があったって、誰も喜ばねェンだ」 三郎「いいか。俺達の腕を信じろ。相棒の嬢ちゃんを信じろ。そして、テメェを信じろ。お前ェらなら、必ずやってくれると、俺は、俺達は、いつだって信じてンだからな」 (PC4のナビ)「中島班長にここまで言われちゃ、不安がってる場合じゃないね。ね、みんな?」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC1、PC2登場不可、他は任意だがこのシーンに出たPCは次のシーンに登場不可。 ツバサの独白 ようやく桂がツバサを見つけ、咎める 桂「ツバサ……気持ちは分かるけど、少しは落ち着いて!」 ツバサ「あたしらしくない、ってんだろ?分かってる、分かってるよ!でも、今回は……本気なんだ!」 ツバサ「何度も断られて、ようやく、フリューゲル中尉とデートの約束取り付けた、その矢先にこれだよ!?」 ツバサ「桂、今更だけどお願い。あたしを、手伝ってくれ。中尉の、仇が取りたいンだ」 桂「なら、最初からそう言いなってば。誰も、手伝わないなんて言わないし。」 ツバサ「あー……悪ぃ。でも、よろしく。……抑えきれないかも、知ンないけど」 桂「んー……まぁ、その時は善処するよ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC2、前のシーンに出ていないPCは登場可 診療所のズィーガーに報告する ズィーガー「そうか、天野少尉が志願したか……予想は、出来ていた」 ズィーガー「お前も同行するのか」 ズィーガー「……PC2。天野少尉を頼む。彼女が無茶をするのは、目に見えている」 ズィーガー「……俺なんかの為に、彼女が危険な目に合うのは、寝覚めが悪い。それだけだ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC4 討伐作戦開始、宇宙へ 闇の中に浮かぶ青い星に見惚れる間もないまま、ツバサの独断専行。突出する (PC4のナビ)「シュネルギア、アーレスグリューン。流石は、中島班長」 ツバサ「……お前が、あの人をっ!」 桂「ツバサ、突出し過ぎだってば!ああっ、もう!」 天使衛星のコアをぶち抜くが、無理な制動を繰り返した上にメインブースター被弾、身動きが取れない。 桂「ツバサ、まずはあなたが落ち着いて!」 ツバサ 被弾してようやく我に返る。「……ゴメン、桂。アタマに血、昇り過ぎた。らしくねーな、ったく……」 桂「だから言ったでしょ?ごめんみんな、動けないから手伝ってくれる?」 天使衛星が活動再開、レーザーを撃ってくる ツバサ「ちょっ、これかなりヤバイんだけどっ!?」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 ツバサ・桂機を庇いながらの戦闘 ツバサ・桂機への攻撃を身代わりになるか、隣接した機体が、メルキセデクの攻撃の成功数を2倍にして回避するかどちらか選択。 ツバサ・桂機(ヤークト)は1発くらいなら耐えられるが、それ以上(具体的には死亡ゲージが埋まると)地上への帰還に支障が出る(〈運動〉難易度99となる) 座天使相当の天使衛星メルキセデク。 周囲には護衛役のホイシュレッケ×10 戦闘終了後、大気圏突破、真っ赤な流星となって帰還する。 エンディングフェイズ シーン1 三郎から労われる 三郎「おぅ、PC4、それに相棒の嬢ちゃん、お疲れさン。よく冷えたほうじ茶で良けりゃ飲むか?」 三郎「こんな事もあろうかと、シュネルギアや戦闘機用の宇宙用耐圧パッケージなんてもん酔狂で作ってたのが、まさか本当に役立つ日が来るたぁなぁ……」 三郎「大佐に呼び出されて『宇宙用装備は無いか』と聞かれた時は、一瞬大佐の気が狂ったかと思っちまったがな」 三郎「ある、と答えた後の反応も面白かったがな。いや、お前ェさんらにも見せてやりたかったぜ、あの大佐のツラ。あの大佐が、鳩が豆鉄砲食らったような顔したんだぜ?」 (PC4のナビ)「備えあれば嬉しいな、だっけ?」 三郎「違げぇ。備えあれば憂い無し、って奴だ」 (PC4のナビ)「あ……!(真っ赤に赤面する)」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 司令室でヴィヴリオと会話 ヴィヴリオ「メルキセデクの狙いはヤシマだけでなく、世界各地の反合衆国勢力の中枢だったようだ」 ヴィヴリオ「だが、被害がまだ少ない内に、阻止出来たのは行幸だ」 ヴィヴリオ「試射に巻き込まれ、命を落とした者は確かに多い」 ヴィヴリオ「だが、それすらも戦意高揚の為の糧としなければならない……戦争とは、非情なものだな」 ヴィヴリオ「……ボクとて、戦争は好きじゃない。出来る事なら、一日中書庫に篭って、読書でもしていたい」 ヴィヴリオ「そんな日が来るのは、いったいいつになるだろうな。もしかしたら、死ぬまでそんな日は来ないのかも知れんが」 ヴィヴリオ「だが、夢を削るのは、誰にでも出来る。諦めをすり替えた、醒めた態度じゃ、楽になどなれないさ」 ヴィヴリオ「その日を夢見て。これからも、ボクを手伝ってくれ。イヤとは言わせんぞ?」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 病室でズィーガーから感謝される ズィーガー「……ありがとう、PC2」 ズィーガー「……なあ、PC2。お前を男と見込んで、聞いて欲しい話が、ある」 ズィーガー「……ここだけの、話だ」 ズィーガー「……天野ツバサに、惹かれ始めている、自分がいる」 ズィーガー「だが……この半分死人の俺なんかよりも、もっと先のある奴を、好きになって欲しいんだ」 ズィーガー「だから……彼女の気持ちには、応えられない」 ズィーガー「失うのが……恐いのかも、知れないな」 ズィーガー「十中八九、俺は彼女より先に死ぬ。そのせいで彼女を泣かせたり、彼女のその後の生き方を、縛りたくはない」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 ツバサから感謝される ツバサ「あーっと……今回は、ありがとさん」 ツバサ「自分でも、変な感じさ。以前の俺様ちゃんじゃ、何ムキになってんの、って自分で自分に言ってたろな」 ツバサ「でさァ、フリューゲル中尉、退院したら俺様ちゃんとデートしてくれる、って言ってくれたんだ。ちったぁ脈アリかな?どう思う?」 ツバサ「この前のフォローしてくれるってさ。やっぱ大人の男って感じで、イイよなぁ……」 結局キミは、ツバサの惚気話に半日付き合わされる事となった。 数日後、ズィーガーとデートするツバサの姿を、町で見掛けた。 二人がどうなったかは、神のみぞ知る。