今回予告 合衆国の猛攻に、帝都への撤退を決定したヤシマ=統一帝国 撤退戦に次々と斃れていく戦友達 残る機体はシュネルギアプロトタイプのみ 絶望の中、セラピアが提案した最後の手段とは? エンゼルギア天使大戦TRPG 『カタストロフ』 −FROM HERE TO ETERNITY− 何度繰り返しても僕らは、また、恋に落ちる。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:セラピア 合衆国の苛烈な攻撃の前に、次々と斃れていく戦友達。 そんな状況でも、キミのパートナーであるセラピアは、キミが最後に残された希望だという。 何も出来ない、自分が? 【セラピアからの最後の希望】 PC2〜4:全て任意。また、共通ハンドアウトである キミは、戦友達の屍の上に、今生かされている。 だが、キミの心も体も、もう限界だ。 次はキミの番……なのかも、知れない。 【戦友達からの遺志】 ※本シナリオの設定等における注意事項 本シナリオは周回前提のストーリーにおける、一周目の必ずバッドエンドを迎える結末を想定した、物凄く人を選ぶシナリオです。 あるのは、デッドエンドかバッドエンドのみ(トゥルーエンドもありますが)の、吟遊シナリオです。 また本シナリオでは、NPCが問答無用で死んでいきます。 その辺まで含めて、GMもPLも『お約束とか王道展開とかよく分かってる』人同士で遊んで下さい。 そういうの好きじゃない人は、絶対このシナリオやっちゃダメです。 間違いなくセッションが事故ります。 そうならない為にも、このシナリオを一緒に遊ぶ人選びは、慎重に。 ナビゲーターはセラピアとPC2のナビ以外、本シナリオあるいはその前に、全員死亡している。 シナリオ以前に死亡している主要NPC アクシア、ハルトマン、七支隊(48時間攻防戦)、紀央(帝都奪還作戦)、T−X、雛子 羽村総司、ニナ・ホルツマン、中島三郎、中島茜 本シナリオにおいて、『救世主になる筈だったPC1』以外に、選択肢は無い。 そして、このシナリオ内では、PC並びにNPC、そしてこの世界が、救われるたり、報われることはない。 だが、キミ達は最後に、ほんの少しだけ、次の世界を変えることが出来る、かも知れない。 PC2〜4は、PC1の選択の見届け人である。 またPC2〜4は、本シナリオ中に任意のタイミングで死亡ゲージにチェックを入れることができ、クライマックスフェイズ終了直前までの任意のタイミングで死亡することができる。 途中で死亡した場合でも、エモーション処理は通常通り行うこと。 また、本シナリオには戦闘は無いが、ギアドライバーの乗る機体は全てシュネルギア:アインである。 本シナリオにあるのは、勝ち目の無い絶望的な負け戦のみである。 それらを全てを踏まえた上で、セッションに臨んで欲しい。 ※GMへ補足事項 一応、ミドルフェイズ最後のシーンで、セラピアが次の周回があることを伝えますが、場合によっては、そこで終了を選ぶ可能性も有り得ます。 共通オープニング 帝都内部のアバドンを討ち、48時間の激しい攻防戦の後、八門結界が再構築された。 だが、あまりにも多くの仲間を失った。 アバドン戦における紀央とその相棒をはじめとして、アクシア隊長も、ハルトマン大佐も、七支隊の面々も。 他にも、多くの仲間を失った。 だが、ここで歩みを止める訳には、行かなかった。 ……例えこの道が、地獄に続いているとしても。 ミドルフェイズ 以下、シーン1〜3の各NPCの死亡の描写は一例である。 GMがもっといい描写が思い付いたり、あるいはPLと相談して場面を描写すること。 シーン1 八門結界を突破して、騎士級天使兵ホワイトライダー、レッドライダーが同時に襲来した。 (凍)、ツバサ、ズィーガー死亡 凍は相棒のギアドライバーと一緒に、ホワイトライダーと相打ちになって死んだ。 最期、彼女は笑っていた。 凍「……あなたと、一緒なら……それで、いい」 凍「……あなたと、離れ離れに、なるよりは……いい」 ズィーガーの最期は、天使の攻撃から、ツバサを庇って、死んだ。 ズィーガー「……ツバサ。お前は、生き延びてくれ。……愛して、いる」 ツバサ「ズィーガーぁぁぁ!」 ツバサはズィーガーの弔い合戦と言って敵陣に乗り込み、全ての弾薬を使い果たし自ら天使化し、マスケンヴァル現象を起こして果てた。 ツバサ「これが何だか分かるよなァ、天使共!お前らの大好きな天使核だ、それもとびっきりの!」 シュネルギアの心臓部の天使核を引きずり出し、自ら握り潰す。 ツバサ「あの人の、ズィーガーのいない世界になんか、未練はない……あばよ、ダチ公!!……今、行くよ、ズィーガー」 マスケンヴァル現象、発生。 レッドライダー共々、塩の塊となって、消失する。 シーン2 八門結界を突破して、騎士級天使兵、ブラックライダー、ペイルライダーが同時に襲来。 リュンマ、(メイリィ)、(トゥアレタ)死亡 リュンマ 敵に囲まれたど真ん中でトラウマを思い出し、動けなくなったところを集中砲火され撃墜、死亡。 リュンマ「あ、ああ、あああああ!」 メイリィ 先に恋仲だった同乗ギアドライバーが天使化を始めた為、射殺。 メイリィ「……ゴメンね」 一人でブラックライダーに戦いを挑み、最期はブラックライダーを道連れに自爆。 ブラックライダーに手刀を打ち込み、コアを握り締める。 メイリィ「放出していたエーテルを全て反転、V機関にチャージ。まさか、ツバサと同じ手を使う事になるとは、思わなかったアルよ……」 メイリィ「……ねえ、アナタ一人で、逝かせないよ。約束したでしょ?死ぬ時は、ワタシも一緒、って」 トゥアレタ ペイルライダーに融合されかけ、全てのミサイルを融合途中のペイルライダーと自機目掛け発射。 トゥアレタ「私の命も、彼の命も、私のもの。お前になんか、絶対渡さない!」 トゥアレタ「私の……最期のわがまま」 自機諸共、ペイルライダーを撃破。 シーン3 度重なる合衆国の猛攻に、ヤシマ=統一帝国軍は、帝都への撤退を決定した。 撤退戦。 (伊音)死亡 ※PC2のナビが伊音だった場合、前のシーンのトゥアレタの場面を削除し、伊音の台詞を全てトゥアレタに変更する。 伊音「殿は、我らが務める。お前達は、先に行け」 伊音「……靖国で、会おう」 伊音「さあ、我らの最期の晴れ姿、とくと見るがいい!」 一騎当千の働きをする伊音と相棒。 だが、多勢に無勢。 矢尽き刀折れ、最後は折れたカウンターソードをギアの口で咥え、全ての天使を打ち倒す。 伊音「いささか血を流し過ぎた、な……済まん、私は眠い。傍で、眠っても、良いか……?」 伊音「む?返事がない、か。ならば承諾した、ということで、私は、傍に行くぞ……」 伊音「最期に、お前に伝えねばならん言葉がある。……愛して、いる」それが彼女の、最期の言葉だった。 シーン4 撤退戦の途中、流れ弾に当たりヴィヴリオ死亡 ヴィヴリオ「これは……(聞き取れない)の、設計図だ……持って、行け」 ヴィヴリオ「いつか、どこかで……役に立つ、かも……知れん」 ヴィヴリオ「キミを、巻きこんで、しまって、済まなかった……」 ヴィヴリオ「キミが、黒い天使核を、持っていなかったら……キミを、ギアドライバーとして、召集しなければ……こんな、こんな目に、合わせずに、済んだものを……」 ヴィヴリオ「ボクを、恨むなら……恨んでくれて、いい……本当に、済まなかった……」 セラピア「大佐……」 ヴィヴリオ「セラピア……PC1を、最後の、希望を……頼……む…」 彼女の死により、ドライクロイツの面々は、キミ達だけとなってしまった。 シーン5 どうにか帝都内まで撤退したキミ達。 だが、もう戦う術は何一つ残されていない。 頼みの綱のシュネルギア:アインも、もう戦えるような状態ではない。 そんな中、セラピアが意を決したように話し出す。 セラピア「最後の手段……あるには、あるよ」 セラピア「これだけは、選びたくなかったけど……もう、そんな事、言えないよね」 セラピア「全てを無かった事にして、リセットする手段が、ある」 セラピア「代償は……PC1ちゃん。キミが、ボクを、殺すこと」 セラピア「ボクは、救世主を導き育てることを、神によって、定められた、大天使」 セラピア「そして、キミは……ボクが選んだ、救世主」 セラピア「神は、救世主が、選択を誤った場合の、救助策として、世界のリセットを行う方法を用意した」 セラピア「それは……救世主が、自らの手で、介添え役を殺すこと」 セラピア「全部忘れて、リセットする」 セラピア「誰が悪い、って問題じゃない。世界を救う為の、因子が少しずつ、足りなかっただけ。それは、様々な面で」 セラピア「因子が足りない、っていうのは……例えば、新兵器が出来上がるのが少し遅かったり、天使の襲来が少し速かったせいで被害が大きくなったり」 セラピア「出会うべき筈の人が、出会いが遅すぎたり、出会えなかったり、まだ死ぬべきじゃなかった人が死んでしまったり」 セラピア「ボクは神の遣いではあっても、神様そのものじゃないから、そういった事象への、強制的な干渉なんか、出来ないし、そんな力も、持ってないんだよ。」 セラピア「ボクだって、出来るもんならそうしたかったよ!みんなの事だって助けたいし、今までに死んじゃったみんなも、助けたかったよ!でも、ボクの力じゃ、全然、足りなかったんだよ!」 セラピア「……だから、これは、ボクが提示できる、唯一の、最後の、手段」 セラピア「……確かに、もう少し早く言って欲しい、ってのは分かるよ。でも、これは、本当に、最後の最後の手段で。もう、後戻り出来ないような、そんな状況にまで陥らなきゃ、使う事自体、出来なかった、から」 セラピア「……それに」 セラピア「ボクを殺せば、リセット出来る、なんて、PC1ちゃんに、言える訳、ないでしょ……」 セラピア「一番、大好きな人に、殺してもらえたら、本望?そんなの、ボクは、やだよ……。大好きな人だもん、最後まで、一緒に、いたいよ……」 (リセットした場合、セラピアはどうなる?と聞かれた) セラピア「ボクのことなら、心配、しないで。ちゃんと、次の世界で、キミのこと……待ってるから」 セラピア「選択肢は4つ。このまま終わらせるか、全て投げ捨てて別の世界に一緒に逃げるか、ボクを殺すか……ボクと一緒に、二人で死ぬか」 セラピア「答えなんて、すぐ出ないと思うから……ちょっと時間あげるから、よく、考えるんだよ」 クライマックス シーン1 セラピア「結論は、出た?……なら、教えて。PC1ちゃんが、どうしたいか」 PC1の選択を元に、エンディングを演出すること。 エンディング 本シナリオに、個別エンディングは存在しない。 このまま終わる: ヤシマは滅亡し、合衆国の勝利に終わる。 だが合衆国は二億の国民全てが天使化した為、合衆国は人間が誰一人として存在しない。 また天使は世界中の人間を一人残さず滅ぼすまで活動を停止しない為、結局は世界が滅ぶ。 バッドエンドその1。 二人で逃げる: セラピアとPC1、二人で別の世界に渡る。 行き先は選べない為、ひょっとしたら同じ天使大戦の並行世界かも知れないし、既に人間全てが滅びた世界かも知れない。 どちらにせよ、キミは世界を、全てを見捨てたのだ。 バッドエンドその2 セラピアを殺す: 世界はリセットされ、7/4まで巻き戻る。 全ての人は記憶全てを忘れ、また同じように、時を刻む。 PC1も同様だ。前の周回の記憶は、全て忘れている。何かの拍子に思い出す事も無い。 ただし、セラピア一人だけ、全てを覚えている。基本的に表には出さないが、時々「何度繰り返しても」という言葉を口にする。 ノーマルエンドその1。 セラピア「はじめまして。ボクは、セラピアっていうんだよ」 一緒に死ぬ: 世界はリセットされ、7/4まで巻き戻る。 全ての人は記憶全てを忘れ、また同じように、時を刻む。 セラピアは勿論、全てを覚えている。 PC1は当初は忘れているが、何かの拍子に思い出す。 ただし、セラピアと初めて会った時『力の、在処』ミドルフェイズ・シーン1の時点では、思い出す事はない。 以降は任意であるが、もっと話数自体が進んでから、記憶を取り戻した方がいいだろう。 ノーマルエンドその2。 セラピア「はじめまして、かな?ボクは、セラピアっていうんだよ」 もし一緒に死ぬ、を選び、且つ絶対に忘れたくない、とPCが言った場合、〈意志力〉難易度99の判定を行わせる。 ※ソロセッションでロゴスなどが絶対に足りない場合はこの限りではない。 福音を達成した場合、福音を起こしたPCは全ての記憶を覚えている。 この場合はトゥルーエンド。 セラピア「はじめまして、かな?ボクは、セラピアっていうんだよ」 セラピア「……キミは、覚えて、るの……?」 セラピア「……お帰り、なんだよ。ずっと、キミを、待ってた」 セラピア「前の世界で、一つだけ、キミに、言い忘れてたことがあるんだよ。そして、この世界で、真っ先に言わなきゃいけないことが、あるんだよ」 セラピア「PC1ちゃん……大好きだよ」 セラピア「何度繰り返しても、何度絶望しても……やっぱりボクは、キミを好きになる。これだけは絶対に、変わらない」 セラピア「あんな結末を、また、迎えない為に……頑張ろうね。今度は、最初から、二人で。」(※他にPCがいる場合、次の台詞を追加。『ううん、みんなで』