今回予告 四十年戦役における、果てしなき敗走 命を救われた者と、救った者 交わる事無いと思われた両者の道を、運命は再び交わらせる エンゼルギア天使大戦TRPG 『CRIMSON RED』 紅の狼よ、蒼穹を駆け抜けろ。 PC1:機械化兵 キミはかつて、コンロンに住み、四十年戦役に巻き込まれた。 戦火で家族を皆失い、一人さ迷っていたキミを助けたのは、赤狼隊(ロートヴォルフェ)のある女性ギアドライバーだった。 そしてキミは自ら選んだのか、それとも流されるままにか、機械化兵となり……何の因果か、キミを救ってくれた彼女と、瑞穂基地で再会する。 シナリオダーザイン:【エステインからの憐憫】 ※年齢は25〜35歳を推奨、性別は任意 ※エステインは30代後半〜40代前半である PC2:ギアドライバー/ナビ:セラピア・パルマコン ある日キミは廊下で、一人の女性機械化兵とぶつかる。 今まで基地で見かけた事のなかった女性で、どうやら迷ってしまったらしい。 キミは司令室まで彼女を案内するが、彼女がキミ達と共に戦う事になるとは、その時は露ほども思っていなかった。 シナリオダーザイン【エステインからの感心】 PC3:指揮官/管制官/情報将校 G3第七支援飛行小隊、通称七支隊。 合衆国を初めとする、天使同盟からの亡命者で構成されたG3の支援部隊である。 全員が旧敵国出身者で且つ女性である異例の部隊である事から、基地内でも異彩を放つ存在でもある。 その隊長のエステイン・アイギスが、任務を終え帰還するという。 彼女の帰還が、何か良からぬ事を招き入れなければ良いが…… シナリオダーザイン:【ヴィヴリオからの信頼】 PC4:ギアドライバー/ナビ:八坂凍 キミは、PC2よりも長い期間シュネルギアに乗っていて、ギアの操縦には熟知しているつもりだった。 だが最近、PC2に後れをとる事が増えてきた。 後輩の成長を喜ばしく思う反面、内心ではどこかで焦りも感じていた。 その矢先の、天使襲撃による、キミの機体の撃墜。 咄嗟の判断でナビゲーターを先に脱出させたまでは良かったが、撃墜という事実が、キミの心に影を差す。 シナリオダーザイン【自己からの劣等感】 ■オープニングフェイズ ●シーン1/過去 シーンプレイヤーはPC1、過去の回想シーンになります。 ◆PLに伝える通り、回想シーン 1970年代後半、コンロン。 北部戦線の後退につれ、コンロンでの戦闘は激化していた。 キミ達家族は、一時難民キャンプに身を寄せてはいたものも、そこも天使達に襲撃され、生存者は殆ど残ず、散り散りとなっていた。 その中でキミは家族を失い、一人、廃墟の町をさ迷っていた。 キミが歩き疲れたその時、キミに目の前に現れるホイシュレッケ。 キミが死を覚悟し、目をつぶったその瞬間。 「そこを動くンじゃないよ、小僧!」 声と共に、銃声。 目を開けるとそこには、頭を吹き飛ばされ動かなくなったホイシュレッケ、そして振り返ると、キミの背後には、銃口から硝煙をあげるライフルを構えた、第二世代人間戦車(メンシェン・イェーガー)アペルギア。 「小僧、私の後方に武装トラックがいる。それに回収して貰え」 「泣くな、小僧。お前がここから逃げ切るまで、守ってやる。」 今でもハッキリと覚えている。アペルギアの左肩にマーキングされた、紅の狼。 ロートヴォルフェ(赤狼隊)。四十年戦役の伝説の一つ。まさか瑞穂基地で、そのマーキングをもう一度目にするとは、思ってもみなかった。 ●シーン2/邂逅 シーンプレイヤーはPC2、 ◆エステインと出会うシーン キミが廊下を歩いていると、首を傾げながら、廊下の向こうから歩いて来る女性の機械化兵。 どうやら、君には気付いていないようだ。 そうこうしている内に、君は彼女とぶつかる。 彼女は手を差し出しながら「おっとすまない、大丈夫か?」 ???「ところで、久しぶりに来たもので、司令室に行くのに迷ってしまってな……もし時間があるなら、案内してくれないか?」 ???「若いのに、なかなかいい面構えしてンじゃないか。」 ???「案内してくれてありがとう。お前、名前は?」 ???「いい名前だな。私はエステイン・アイギス中尉。……しがない戦闘機乗りさ。」 エステイン「縁があったら、また会う事もあるだろう」 ……まさかエステイン本人も、その数時間も経たない内に再会するなどとは、思っていなかった訳で。 ●シーン3/帰還 シーンプレイヤーはPC3 ◆ヴィヴリオからエステインの配属を知らされるシーン ある日キミは、ヴィヴリオに司令室に呼び出される。 「七支隊は知っているな?」 「他の者は、まだ別の任務の遂行中だが、隊長のエステインが任務を完了し、瑞穂に戻ってくる。」 「近日、合衆国からの攻撃は苛烈さを増している。エステインには、PC2達の直衛を、PC1と一緒にやってもらうつもりだ」 「彼女はベテラン中のベテランだ。彼女と行動を共にする事が、ギアドライバー達への教育にもなる、と私は考えている」 「PC3。エステインは七支隊隊長だが、部隊の運用上、お前の部下として扱ってもらう。」 ●シーン4/屈辱 シーンプレイヤーはPC4 ◆撃墜されて凹むシーン いつも通り、キミは天使との戦いを繰り広げていた。 キミと凍は誰よりも長く組んで戦っていた。 キミの心の何処かに、自惚れが生まれていたのかも知れない。 だが、今は戦闘中だ。 キミの一瞬の気の緩みが、ほんの僅かな時間、隙を作った。 「PC4、避けて!」 凍の叫びも空しく、天使の翼に跳ね飛ばされ、海面に叩きつけられるキミのシュネルギア。 「PC4、しっかりして、PC4!……シュネルギア2番機、ギアドライバー戦闘不能の為、撤退」 凍が悲痛な声で状況を報告し、ヴィヴリオが撤退判断を下す。 薄れていく意識の中、キミは天使が、キミの事を嘲笑っているように見えた……。 キミが目を覚ますと、既に夜だった。隣には凍が椅子に腰掛け、安堵したようにキミを見つめていた。 「……やっと、目を覚ました」 「……あの天使は、PC2が倒した。」 PC4が何か発言した後、凍が言う。 「……明日、部隊に人員の追加があって、顔合わせがある。……私が起こしに来るから、それまでは寝てて。……おやすみなさい。」 そう言い、キミに毛布を掛ける凍。恐らく、キミを気遣ってくれているのだろう。 キミは凍の好意に甘え、再び眠りにつく。 だが、撃墜されたという事実は、着実にキミの心に、影を落としはじめていた…… ■ミドルフェイズ ●シーン1/再会 シーンプレイヤーはPC2、ただし全員登場 ヴィヴリオ「お前達の部隊に、人員追加だ。エステイン」 エステイン「は。私は七支隊隊長、エステイン・アイギス中尉だ。よろしく頼む」 ヴィヴリオ「七支隊は他にもいるが、生憎まだ他の長期任務の遂行中だ。」 ヴィヴリオ「PC2、PC4。彼女には、しばらくの間、お前達の教官と護衛役となってもらう」 エステイン「なンだ、またヒヨっ子かい?」 ヴィヴリオ「シュネルギアのギアドライバーの特殊性、という問題がある。仕方あるまい」 エステイン「ヤーヴォール、オーバースト・ヴィヴリオ。……支援はする。それでも墜ちたら、お前達の責任だ」 セラピア「エステインちゃん、お久なんだよ〜」 エステイン「久しぶりだな、パルマコン。手紙のやり取りはあったが、こうして会うのは3年ぶりか?」 セラピア「うーん、それくらいになっちゃうかもだねぇ」 エステイン(PC2を見て)「おや、さっき私を案内してくれた小僧じゃないか。」 ヴィヴリオ「なんだエステイン、もう知っていたのか?彼がPC2だ」 セラピア「ボクの相棒でもあるんだよ〜」 エステイン「……ほぅ、お前があの噂のギアドライバーだったのかい?全く、世間ってのは狭いね。なら、さっきのヒヨっ子、ってのは撤回させて貰う」 エステイン(PC4に対し)PC4の顔をじろりと見て「だが……なンだい、お前の方は。もう少しシャキッと出来ないのか?」 凍「……PC4、アイギス中尉も言ってる。もう少し、背筋伸ばして」 エステイン「そちらの彼女は……知らない顔だな。」 ヴィヴリオ「彼女は八坂凍、ヤシマ陸軍特務少尉。八坂機間より派遣されている」 エステイン「なるほど、道理で知らない訳だ」 ヴィヴリオ「エステイン、この部隊に所属する間は、PC3の指揮に従ってもらう」 エステイン「了解した。PC3、よろしく頼む」 右手を差し出す。 ヴィヴリオ「アイギス中尉を含めた、新フォーメーションの訓練を1時間後から開始する。PC3、頼んだぞ」 会話を終えたらシーンを終了する。 ●シーン2/懐旧 シーンプレイヤーはPC1、他PC登場不可 ◆エステインがPC1を思い出すシーン 司令室を出た所で、エステインがPC1を呼び止める。 エステイン「ちょっと待ってくれ、PC1少尉。……昔、コンロンに住んでいなかったか?」 エステイン(PC1に対し)「あン時の小僧が、こんなに大きくなりやがって……私も、年をとる訳だ」 エステイン「ロートヴォルフェの仲間は、みんな死んでしまった。だが、私はまだ、こうして生かされてる」 エステイン「いつまでもつかは、分からないがな。」 エステイン「だが……自分が助けた小僧と、同じ機械化兵として再会する、ってのは、あンまり気分のいいものじゃ、ないな」 エステイン「……すまない。お前の覚悟を、馬鹿にするつもりはなかった」 会話を終えたらシーンを終了する。 ●シーン3/訓練 シーンプレイヤーはPC4、ただし全員登場 解説 戦闘シミュレーションで、成績が悪いことを凍に心配される。全PC登場。 エステインも含めたフォーメーションで、シミュレータでの訓練。 歴戦の勇士であるエステインとの合同訓練は、ただでさえPC1という鬼教官がいる所に、更に輪を掛けて熾烈なものだった。 辛うじて食らいつくPC2、かたや出遅れるPC4。 エステイン「何やってる!後ろがガラ空きだ!」 誰かPCが下記台詞に準じる台詞を言った場合は、下記台詞は無し。 エステイン「PC4少尉。お前は一人で飛んでるのか?少し、頭を冷やして来い。」 場面をPC4のみに絞りますので、他のPCは退場になります。 セリフと描写 訓練室外の休憩所。凍がキミのところに来る。 「……どうしたの?」 「……動きに、迷いがある」 「……この前の事、気にしてる?」 「だったら……PC4は、戦わない方が、いい。迷いがあったら、死ぬだけ」 PC4が何か迷いを吹っ切るようなセリフを言ったら、結末に向かうこと。 吹っ切れない場合は、「そう……」と言い、凍は立ち去る(シーン終了) 結末 「……ならその決意、戦場で見せてもらう」と言って、凍が頷く。 ●シーン4/予兆 シーンプレイヤーはPC3、PC1も自動登場、PC2・PC4はインプラントを入れていれば登場可 エステインが部隊に合流して、10日が過ぎた。 その間、合衆国の攻撃は幾度となくあったが、キミ達はそれらを撃破し、何事もなく過ぎていた。 そして今日は、中島三郎による、インプラントの月例定期検査。 配下のインプラントの状態を把握するのも、キミの仕事の一つだ。 中島「今日が検査日だって分かってただろうが!さっさと準備しろこのウスノロ共!」 中島「何ィ、部品発注を忘れたァ!?今から直接行って来いこのボケナス!」 整備工場に響き渡る、中島整備班長の怒号。 PC達とは適当に会話してから、下記の台詞と描写を読み上げる。 PC達に異常は無いが、エステインの診断で中島は首を捻る。 中島「うーん……何度計測しても2800か……左腕だけ、やたらエーテル濃度が高ェな……」 エステイン「左腕の義肢は、かなり長期間使っているからな。旧型とは言え、馴染んでいて動かし易かったので、騙し騙し使っていたんだが、そろそろ限界か?」 中島「そうだな……流石にこの義肢の予備パーツも殆ど残っちゃいねェ、左腕は交換だな」 エステイン「そうか……確かこの義肢と現行の義肢では、規格が少し違っていた筈だ」 中島「ん?そうだな……チッ、こりゃ基部から交換しなきゃならねェな……だが基部から交換、となると……」 そう言うと中島は、インプラントの倉庫に向かう。 しばらくして。中島「済まねェがエステイン、どこぞの馬鹿が発注忘れたせいで、部品が足りねェ。3日待ってくれ」 エステイン「了解した」 上記やり取りが終わった後、PC3に エステイン「済まないがPC3、3日後、インプラント交換処理を行わなければならなくなった。関係諸方への申請を頼めるか?」 エステイン「よろしく頼む。実は、書類関係は嫌いでな……」 エステイン「うちの隊員は揃いも揃ってじゃじゃ馬揃い、出撃の度に始末書の山だ。まァ、ここ一年ほどは別々の出向任務に着いているせいで、ほとんど顔を合せちゃいないがな……」 そう呟くエステインの顔は、口調こそ辛辣だが、仲間達を想う優しい表情だった。 エステイン「何だ?私の顔に何か付いているか?」 彼女は自分が先ほど浮かべた表情に、気付いていないようだ。 一言貰ったら、以下の描写を読み上げる。 その刹那、サイレンが響き渡る。 管制官「緊急事態(ノートシュタント)!瑞穂基地より西方100キロに、エンジェルハイロゥ!総員、第一種戦闘配置!」 エステイン「天使共のお出ましか。3日も待っちゃくれない、か。行くぞ、PC1、PC3!」舌打ちしながら戦闘機へと駆け出すエステイン。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5/襲来 シーンプレイヤーはPC2 ◆天使の襲来だが、演出戦闘で終わり。 各自既に自機コックピット内。 通信回線を繋ぎ、ヴィヴリオ作戦を指示する。 ヴィヴリオ「PC4・八坂機は前衛、PC2・セラピア機は後衛担当。リュンマ・トゥアレタ機は2機の火力支援。PC1、エステイン。ギアドライバー達の直衛及び周囲のホイシュレッケの掃討を命じる」 リュンマ「了解ですっ!」 トゥアレタ「ヤーヴォール!」 エステイン「ヤーヴォール」 エステイン「PC2、お前の実力、しっかりと見せてもらう」 ヴィヴリオ「……PC4。調子が悪かったようだが、行けるか?」 凍「……PC4は、もう大丈夫(……まだ、不安)」 ヴィヴリオ「それでいい(そうか……だが、悠長な事を言っている余裕はない)。だが、拙いと思ったらリュンマ・トゥアレタ機に任せ、すぐ撤退しろ」 ヴィヴリオ「市民は全員、シェルターに避難している……。が、マスケンヴァル現象が起きれば、全て消滅してしまうから、あまり意味は無い」 天使兵の背後に、まばゆい光が吹き上げ、巨大な光の十字架となる。 ヴィヴリオ「見ろ、天界の門が、開いていく……もう猶予は無い」 ヴィヴリオ「アングリーフ・アーレス!諸君、出撃せよ!」(全員出撃) 会話を終えたら、以下の描写を読み上げシーンを終了する。 結末 キミたちは天使共を屠る為、発進する。 パワー2体とホイシュレッケ100体など、今のキミたちにとっては物の数ではない。 PC2を中心とした活躍により、危なげなく天使を殲滅し、意気揚々と基地に帰還する……筈だったが、本当の戦いは、ここからだった。 シーン6/寄生 シーンプレイヤーはPC1、ただし全員登場 ◆エステインが自らの異変を感じ、一人戦闘機で飛び出すシーン 天使との戦いは終わった。だが、エステインの戦闘機は帰還せず、逆の方向……更に西方の海上へと飛んでいく。 ヴィヴリオ「どうした、エステイン!?」 エステイン「大佐、済まない。左腕の受肉が進んでいたのは、部品の老朽化ではなく、どうやら天使が寄生していたようだ」 通信で映像が送られてくる。 そこに映っていたのは、夥しい量の羽毛に包まれた、エステインの左腕だった。 エステイン「この左腕ともかれこれ20年以上の付き合いだ。いつ寄生されたかなんて、覚えちゃいない。あるいは、長い時間をかけて、復活したか、だ」 ヴィヴリオ「義肢の強制排除は試したか!?」 エステイン「さっきから何度もやっている……だが、受肉が進み過ぎていて、ロックボルト爆砕による排除すらままならない」 エステイン「私がエンジェライズして、瑞穂基地を吹き飛ばすのは偲びない。被害の及ばぬ所まで飛んで、自爆する」 ヴィヴリオ「エステイン、まだ死なれては困る。お前には、まだまだやって貰わねばならない事が沢山あるんだ」 エステイン「その役目は、PC1が立派に果たしてくれる。……ロートヴォルフェの魂を受け継いだPC1が。そうだろう、PC1?」 会話を終えたらシーンを終了する。 ■クライマックスフェイズ ●シーン1/救出 シーンプレイヤーはPC1 福音フェイズ エステインの左腕の装甲義肢に寄生した天使が、エステインと戦闘機のヴァルターチューブからエーテルを吸い取り、融合を続ける。 同時に再びエステインの上空で開こうとする、天界の門。 エステイン「私に構うな!私ごとコイツを討て!」 エステイン「お前たちならきっと……コイツを倒せるさ」 そして、エステインの身体から舞い落ちる羽根、羽根、羽根。 エステイン「泣くな。約束した、だろ?……お前を、守るって」 エステインを助けますか? 助ける、とした場合は◆描写1を読みあげ、助けない、とした場合は即座に◆結末2に移る。 ◆描写1 セラピア「PC1ちゃん、エステインちゃんに恩返し、まだ出来てないんでしょ!?死んじゃったら、恩返ししたくったって、もう出来ないんだよ〜!?」 凍「……その為に、PC4と私も、手伝う」 エステイン「全く、揃いも揃って馬鹿共が……」 そう言いつつ、彼女の口元は、微かに、笑っていた。 PC1に、司令室に駆け付けた中島三郎から通信が入る。 中島「いいかPC1、左腕の装甲義肢の付け根だ。元凶の左腕さえ排除出来れば、まだ間に合う!」 得意とする戦闘系技能による判定、難易度99 成功した場合は◆結末1へ、失敗した場合は◆結末3へ移る。 ◆結末1 キミの一撃は、寸分違わずエステインの左腕のみを撃ち抜き、エステインはその衝撃で外に放り出される。 下記の描写は、PCの誰かが救出に向かう、と言った場合は不要。 リュンマ「アイギス中尉の救出は、自分に任せて下さい!」 待機していたリュンマ/トゥアレタ機によって、空中でキャッチされる。 トゥアレタ「こっちは大丈夫よ、後はお願い!」 エステイン「全く、無茶しやがって……だが、これこそが、彼らの本当の実力、か」 もう遠慮はいらない。あの天使を、倒すだけだ。 ◆結末2 ※助けない場合 そう呟くと同時に……エステインの身体は、天使に完全に飲み込まれた。 エステイン・アイギス中尉、死亡。 彼女の死を以って、ロートヴォルフェは、全滅した。 セラピア 苦い表情を浮かべ「エステインちゃんの、弔い合戦、だね……」 ◆結末3 ※判定に失敗した場合 キミの一撃は、もう少しでエステインに届くかに見えた。 だが無情にも、天使の結界によって阻まれ、そして……エステインの身体は、天使に完全に飲み込まれた。 エステイン・アイギス中尉、死亡。 彼女の死を以って、ロートヴォルフェは、全滅した。 セラピア 苦い表情を浮かべ「エステインちゃんの、弔い合戦、だね……」 ●シーン2/記憶 シーンプレイヤーはPC4 戦闘フェイズ エステイン「どうやら奴は、私の記憶もコピーしたらしい。胸糞悪いが……懐かしい」 ※エステイン死亡時は下記 ヴィヴリオ「どうやら奴は、エステインの記憶もコピーしたようだな。胸糞悪いが……懐かしい機体だ」 天使はエステインの戦闘機と完全に融合し、その姿を翼の生えたアペルギアへと変える。 そしてその左肩には、紅の狼のマーキング。 エステインがかつて四十年戦役で乗っていた機体と、寸分違わない。背中の羽根を除いては。 ヴァーチュー相当の天使化アペルギアとの戦闘。 時間がない場合は、演出戦闘で切り上げる。 天使は光となって霧散し、同時に、上空の天界の門が閉じていく。 瑞穂基地は、壊滅を免れたのだ。 ■エンディングフェイズ ●シーン0/墓標 エステインが死亡した場合のシーン。 また、エステイン死亡時は個別シーンは無く、このシーンでエンディングフェイズ終了。 基地一角の共同墓地。 亡骸はここには無い。 あるのは、辛うじて回収出来た、半分溶けたドッグタグだけ。 また一人、歴戦の兵士が死に、墓標に名が刻まれる。 いつかは、そこに自分の名前が刻まれるかもしれない。 戦いは、続く。いつ終わるとも、知れないまま――― 以降はエステインが生存している場合のエンディングである。 PCに他に希望がある場合は、そちらを優先せよ。 ●シーン1/信頼 シーンプレイヤーはPC4 帰還中、凍と会話 凍「……PC4。迷いは、完全に、吹っ切れた?」 凍「……それで、いい。あなたは、一人じゃない。」 凍「……あなたには仲間がいる。そして、あなたの背中には、私が、いる。……もし、自分が信じられないなら、今度からは、あなたを信じる、私を、仲間を信じて。」 ギアは一人では乗れない。そんな単純な事を、キミはいつしか忘れていた。 だが、もう大丈夫。 キミには、強い絆で結ばれた仲間達が、いるのだから。 ●シーン2/胃痛 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオと会話 ヴィヴリオ「彼女は優秀な手駒だ。失わずに済んで、ホッとしているよ」 ヴィヴリオ「ところで、今度はクリスティンとアマンダが帰還する。全員帰還するまでは、ギアドライバー部隊に七支隊を編入させておこうと考えているのだが、キミはどう思う?」 エステインの言葉通りならば、じゃじゃ馬が更に部隊に増えるという。 考えるだけで、胃が痛くなってきた気がした。 ●シーン3/見舞 シーンプレイヤーはPC2 エステインとセラピアと会話 検査入院中のエステインをお見舞いに行こう、というセラピアの一言で、キミたちはエステインの病室へやって来た。 セラピア「エステインちゃん、お見舞い来たよ〜」  セラピアは持参したオリーブの花束を、花瓶に生ける。 エステイン「わざわざ、済まない。だが、オリーブの花とは、随分珍しいものを持ってきたな」 セラピア「花屋さんに行ったら、丁度入荷してたから。エステインちゃんにピッタリかな〜、って。アイギスはアテナの盾。アテナの象徴する植物はオリーブだから。それに」 エステイン「それに……勿体ぶって、何だ?」 セラピア「花言葉は平和。ね?ピッタリでしょ?」 エステイン フッと笑い「そう、だな」 エステイン「PC2、お前は、まだまだ伸びる。この私が保証する。お前達なら、背中を任せられる」 セラピア「ボクとPC2ちゃんのコンビは無敵だもん。ねー、PC2ちゃんv」 エステイン「だが、一言だけ忠告しておく。尻に敷かれるなよ、PC2?」 エステイン「そうか、ならそれでいい。頑張れよ、二人とも」 ●シーン4/感謝 シーンプレイヤーはPC1 退院後、左腕の交換処置が完了したエステインに呼び出される。 エステイン「昔私が助けた小僧が、大きくなって逆に私が助けられるとは、な」 エステイン「あのベソかいてた小僧がなあ……だが、お前が生きていてくれた事は、何よりも嬉しい」 エステイン「……言うなれば、お前は、あの絶望的な戦いを生き延びた記憶を共有する、戦友だ。」 エステイン「……PC1。生きていてくれて、ありがとう。助けてくれて、ありがとう」 その言葉を聞き、エステインは、優しく微笑んだ。