今回予告 天使語の解析の糸口を、遂に掴んだG3。 その解析と引き換えに、体調を悪化させる雛子。 そして……基地に鳴り響く、全てを終わらせる、天使の、歌。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『BRAND NEW SONG』 真っ白な おまえを彩る メロディー PC1:ギアドライバー/ナビ:凍 キミには、妹がいる。 妹の雛子は生まれつき目が見えず、また身体も弱い、手が掛かるけれども、大事な妹だ。 その彼女が……命の危機に晒される。 シナリオダーザイン【雛子・クライス・ガイストからの慕情】 PC2:管制官 キミと雛子は、歳は離れているが友人同士だ。 極度の人見知りの彼女だが、キミとはかなり打ち解けてくれている。 その彼女が、うっかり零した言葉。 それはキミの胸に、小さいけれど、抜けないトゲを残す。 シナリオダーザイン【雛子・クライス・ガイストからの友情】 PC3:情報将校 キミはヴィヴリオ子飼の情報将校だ。 キミは太平洋上に出現した無敵の大天使、カシエルの能力の調査を任命される。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC4:ギアドライバー/ナビ:セラピア キミ達は太平洋上に出現した天使の迎撃に出た。 だが、あらゆる攻撃が届かない天使の前に為す術もなく、撤退を余儀なくされる。 天使の能力に、戸惑うセラピア。 シナリオダーザイン【セラピアからの戸惑い】 ※1 本シナリオにおいて、PC1は雛子の異父兄であるか、あるいは親戚関係であり兄と慕われている。 ※2 本シナリオでは、戦闘以外に2回福音を起こさないと、NPCが死亡する可能性があります。 ※3 今回予告からも分かる通り、本来なら2ndでPC1:ギアドライバー/シンガーで遊ぶようなシナリオですが、無印用です。 ※GMへ・1  2ndのルールブック(RB)とエンドレスサマー(ES)掲載の、雛子のダーザインレベル別台詞を1〜5レベルの計10種、台詞として織り込んでいます。 展開が多少変わっても、この台詞はなるべく使って下さい。 オープニング シーン1 シーンプレイヤーはPC1 朝。食堂に行くと、雛子がリボンを持って待っていた。 雛子「お兄様……おリボン、結んで下さい」(※レベル3/RB) 毎朝の、キミと彼女の習慣。 雛子「お兄様、ありがとうございます」 PC:雛子の顔をぺたぺたと触れながら 雛子「目が見えたら……お顔が見てみたいです」(※レベル4/RB) シナリオダーザイン【雛子・クライス・ガイストからの慕情】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 キミが廊下を歩いていると、白い杖を持った雛子が逆側から歩いてくる。 雛子「歩く音でわかりました、あなただって」(※レベル2/RB) 雛子はキミの少し前で立ち止まり、笑おうとして……顔が悲しそうに歪む。 雛子「また、お兄様を困らせてしまいました……」 雛子「さっき、お兄様のお顔に触れて……つい、顔を見たいとか、目が見えたらと言ってしまって」 雛子「お兄様の顔が……強張ってしまったのに、気付いてしまって……」 雛子「目が見えないなんて生まれつきだから、本当に、ただの当てこすりなのに……お兄様に、悲しい顔をさせてしまったんです」 雛子「手の掛かる妹で……本当に雛子って、駄目ですね」 キミは、雛子とは歳は離れているが、友人同士だ。 その彼女が、うっかり零した言葉。それはキミの胸に、小さいけれど、抜けないトゲを残した。 シナリオダーザイン【雛子・クライス・ガイストからの友情】 シーン3 マスターシーン 太平洋上に、天使反応。 当初はぼんやりとした姿だったが、周囲のホイシュレッケ達を吸い込んで実体化する。 更に、付近を飛んでいた合衆国の戦闘機が、瞬時にエーテルに分解され、吸い込まれていく。 その身体は大きく膨れ上がり……太平洋上に『歌』を響かせ始める。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 先んじて天使を迎撃に出たキミ達。 指揮官と思しき天使からかなり距離をおいて、護衛のホイシュレッケが飛んでいる。 セラピア「遠距離攻撃型みたいだね……撃ち合いはどっちが制するかな?かな?」 護衛のホイシュレッケを屠った後、本命の天使へ総攻撃を仕掛ける。 友軍機が放ったミサイルが、結界に阻まれた訳でも無いのに、エーテルに分解されて消失する。 セラピア「えっ、これは……PC4ちゃん、(シュネルギアの装備で遠距離攻撃可能なもの)で試しに撃ってみて!」 キミが放った攻撃もまた、同様に途中でエーテルに分解される。 セラピア「むぅ……もうちょっと近付いてみようか、PC4ちゃん」 ある程度接近したところで、セラピアが急に声をあげる。 セラピア「ダメ、PC4ちゃん、それ以上進まないで!」 機体に急制動をかけ、辛うじて踏み止まる。だが、突き出していたアハトアハトは、途中からエーテル分解され、消失していた。 セラピア「これ以上進んでいたら、機体ごとああなってたんだよ……」 だが奇妙な事に、天使からは全く攻撃が無い。 ヴィヴリオ『PC4、パルマコン。撤退しろ』 ヴィヴリオ『恐らく、今の状態では何をしても無駄だろう。対策を考えて仕切り直しだ』 セラピア「……了解なんだよ。PC4ちゃん、撤退しよ」 天使からの攻撃を警戒しながら撤退するも、やはり攻撃はなかった。 セラピア「どうやらあの天使、一筋縄じゃ行かない相手みたいだね……」 シナリオダーザイン【セラピア・パルマコンからの戸惑い】 シーン5 シーンプレイヤーはPC3 キミは、ヴィヴリオに司令室に呼び出される。 ヴィヴリオ「まずは、この映像を見てくれ。太平洋上に出現した天使との、交戦記録だ」 天使に近付いたミサイルや銃弾、戦闘機が、味方の筈のホイシュレッケまで、音もなくエーテルに分解され、消え去っていく。 ヴィヴリオ「見ての通り、敵も味方もお構いなし、だ。物理的ではない見えない何かの攻撃か、それとも不可視の結界か……大分厄介な能力を持っているようだ」 ヴィヴリオ「これより、あの天使を大天使カシエルと呼称する」 ヴィヴリオ「PC3、アレの対策調査を頼む。PC2と共に、任務に当たってくれ」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 ヴィヴリオに緊急招集される ヴィヴリオ「集まって貰ったのは他でもない。太平洋上に天使が出現した。こいつは現状でエーテル濃度が熾天使(セラフ)級以上だ。恐らくは熾天使級の更に上……大天使(アークエンジェル)級であると予測される」 ヴィヴリオ「現在解析中だが、お前達の意見を聞きたい」 ヴィヴリオ「問題の映像が、これだ」 雛子「大佐……天使が、歌っています。うっ……」 ヴィヴリオ「大丈夫か、雛子?」 雛子「大丈夫、です。少し気分が、悪くなっただけで……」 ヴィヴリオ「映像酔い、かも知れんな。あまり無理はするな」 雛子「大丈夫、ひとりで、できます」(※レベル1/RB) 雛子は苦痛に顔を歪めながら、手元の端末に天使の歌を書き記していく。 ヴィヴリオ「……これは?」 雛子「天使が発している言葉を、書き出したものです。なんで雛子に分かるのか、全然分かりませんが……」 映像が終わると同時に、雛子は机に突っ伏す。 ヴィヴリオ「お、おい、大丈夫か!?」 既に雛子は気絶し、ただでさえ蒼白な顔が真っ青になっている。 ヴィヴリオ「PC1。早急に、雛子を医務室に連れて行ってくれ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、PC4も自動登場、他PCは任意 医務室で目を覚ました雛子 雛子は寝言でうなされながら「お兄様を取らないで……」(※レベル2/ES) 雛子は目を覚ますなり、PC1に抱きつこうとする。 が、見えていないので、手が泳ぐ。 雛子「お兄様、どこ?」(※レベル1/ES) 凍「……雛子。大丈夫……?」 雛子は凍の声のした方向を、キッと睨みつけ「お兄様を取らないでっ!」 雛子「雛子にはお兄様しかいないんですっ!」(※レベル3/ES) 凍「……わたし、は……」 雛子「ごめんなさい……夢の中で、お兄様が、凍さんのところに行ってしまった夢を、見てしまったから……」 凍「……大丈夫。……気にして、ない」 雛子「母様は亡くなり……父様は、顔どころか、名前も覚えてません……」 雛子「母様も……目が見えないから、お顔なんて全然分かりませんし……」 その時PC4は、セラピアが微妙な表情をした事に気付く。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC4、他PCは任意 雛子の真実・その1 先ほど微妙な顔をしたセラピアを見逃さなかったキミは、セラピアを捕まえ問うた。 セラピア「彼女の両親?」 セラピア「……知ってる……けど、他人の家の問題に、余計な首を突っ込むのはどうか、と思うんだよ」 〈意志力〉難易度5 セラピア「……仕方ないかな。今から話すことは、オフレコでお願いなんだよ。まず、雛ちゃんのお母さんが誰かは知ってる?」 セラピア「東雲光子。そう、八門結界を構築した人。多分、ヤシマの歴史上で最高の呪術者だったんだよ」 セラピア「そして、父親は……維馬篭代胤、ヤシマ陸軍大将閣下なんだよ」 セラピア「言っておくけど、この件はここだけの話だからね。ボクの首が物理的に飛んじゃうかも知れないから」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC3、PC2も自動登場、PC1・PC4は登場不可 ヴィヴリオ「解析結果が出た。雛子が解したあれは、天使の言語だ。これの解析がもっと進められれば、奴らの戦場における通信を妨害する事が可能になるだろう。」 ヴィヴリオ「……あるいは、天使との対話が可能になるやも知れん。もっとも、天使の思考が理解出来るか、という問題は残るが」 ヴィヴリオ「……だが。天使語の解析には、雛子の協力が必要不可欠だ。しかし……元々雛子は身体が丈夫でない所に、これの解析でもかなり消耗している。これ以上無理させるのは、得策ではない」 ヴィヴリオ「……なんだ?無理にでもやってもらう、そう言うとでも思ったか?」 ヴィヴリオ「これがお前達だったら、そう言ったかも知れん。だが、雛子の体力では、無理だ」 ヴィヴリオ「……あの子は元々、身体が弱いんだ。本音を言ってしまえば、軍人などやらせたくない。PC1と、穏やかに過ごさせてやりたかった」 ヴィヴリオ「……これから言うのは、独り言だ」 ヴィヴリオ「PC1と、雛子は……ノルトラントの頃からの、古い知り合いの……忘れ形見さ。私は彼女に、あの二人を頼むと託された」 ヴィヴリオ「二人ともこうやって戦わせている時点で、私は約束を破ってしまっているが、な……」 ヴィヴリオ「……今の独り言は、聞かなかったことにしてくれ。頼む。」 そこに、雛子がまた倒れた、という報告が入る。 ヴィヴリオ「このタイミングでの、雛子の不調……これは、色々と調べてみる必要があるかも知れん……PC2、雛子を頼む」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、PC1は自動登場、他PCは任意 雛子の真実・その2 PC2、キミは雛子の検査の為に、研究所に来ている。 肉親であるPC1にも立ち会ってもらい、雛子の身体に何が起きているのか、また彼女に昔何があったのかを、調べる為だ。 〈情報処理〉難易度7 生来病弱だった彼女は、本来なら既に寿命が尽きている。 だが彼女が生きているのは、1993年に大天使メタトロンと接触し、メタトロンの欠片を取り込んだ為である。 メタトロンは、先天的に天使に近しいエーテルを宿していた彼女に、本来不可能な筈の天使語を解析する可能性を見出し、自らの力を分け与えた。 その代償として、彼女は内部から天使化している。 また、本来死を迎えようとしていた彼女の肉体は、再び限界を迎えようとしている。奇跡でも起こらない限り。 情報が判明したら、ヴィヴリオに報告する為、キミ達は司令室へと向かう。 ヴィヴリオ「そうか、そういう事だったのか……」 ヴィヴリオ「彼女にも、メタトロンの欠片が宿っているのか……つくづく、我々はメタトロンに縁があるらしい」 ヴィヴリオ「大天使カシエルとの接近で、体内のメタトロンが急激に活性化。天使語を理解出来るようになったのは、その副作用だろう」 ヴィヴリオ「だが今、雛子は内部から天使化が進行している状態だ。これ以上の接触は命に関わる」 ヴィヴリオ「本件において、雛子は任務から外す。異存は無いな?」 凍「……雛子、納得、する……?」 ヴィヴリオ「納得しなかったら、私が無理矢理にでも止める。……あの子が死ぬよりは、マシだ。大分大分、マシだ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 洋上の大天使が接近してきた。しかし、基地から一定の距離で停止している。 ヴィヴリオ「状況はどうなっている!?」 基地内のエーテル保護のされていない計器が狂い出している。 受肉が進んでいた為に破棄されたパーツ群の天使化が進み、一時廃棄場の一部が羽根であふれた為、区画ごと急遽焼却処分される。 〈エーテル〉難易度3 成功すると、天使から何らかの信号が発されており、その影響で急激にエーテル濃度が上昇している事が分かる。 体調を崩し始める者も出て来ていて、余談の許さぬ状況である。 ヴィヴリオ「あの天使の歌を、どうにかせねばならんが……」 急に歯切れが悪くなる。 雛子はPC1に支えられながら、よろよろとヴィヴリオの前に進み「……大佐。雛子が、やります」 ヴィヴリオ「雛子?大丈夫なのか?」 雛子「今、天使語が理解出来るのは、雛子だけです」 ヴィヴリオ「だが……」 雛子「ヴィヴリオ大佐。大佐らしくないですよ?大佐は、いつも通り、命令して下さい」 ヴィヴリオ ため息をついて一度天を仰ぎ見てから「……分かった。雛子・クライス・ガイスト准尉。貴官に、対カシエルの特別任務を与える」 ヴィヴリオ「PC1のエーテルを、雛子が天使語に翻訳して、大天使の放つ歌にぶつけ相殺させる。だが、PC1が継続的にエーテルを放出し続ける間、雛子にはリアルタイムで天使語に翻訳して貰わねばならない。……本当に、大丈夫なのか?」 雛子「……大丈夫です。それは、お兄様と、雛子以外には、出来ません」 ヴィヴリオ「……分かった。では早速、準備に取り掛かれ」 PC1の機体に、エーテル出力用のモジュール取り付け作業、そしてシュネルギアのコックピットに雛子の用の席を取り付ける作業が、急ピッチで進められる。 そして、出撃前。 雛子「大丈夫。お兄様は、雛子が守ります」(※レベル4/ES) 雛子「……例え、何があっても」 凍「……雛子」 雛子「……なんですか、凍さん」 凍「……これだけは、信じてほしい。……わたしにとっても、雛子は大事な仲間だから……心配、してる」 雛子「……将来の義妹になるから、ですか?」 凍「……それは、気が早すぎる」 雛子 くすっと笑って「冗談ですよ、冗談。そもそも、お兄様は雛子のですから、渡しません」 凍「……やっと笑ってくれた、雛子」 雛子「凍さん……その為のフリですか?全くもう……!(小声で)これじゃ、キライに、なれないじゃないですか……」 キミも、雛子の笑顔を、久しぶりに見た気がした。 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 シーンプレイヤーはPC1 PC1のエーテルを、雛子がリアルタイムで天使語に翻訳して、大天使の放つ歌にぶつけ相殺、という作戦は、上手く行っているように見えた、が……雛子の手が止まり、ぜいぜいと荒い息を吐く。 凍「……PC1、雛子が!」 雛子「こんな時に発作……神様、もう少しだけ、時間を!」(※レベル5/RB) 彼女の発作は、急激な天使化による副作用。この進行を遅らせることは、『今は(強調する)』不可能だ。 ならば、カシエルが相殺し切れないエーテルをぶつけて、一気にケリをつける以外に、手段はない。 凍「……雛子へのフィードバック遮断。全エーテル出力をモジュールに。……PC1、一気に、ケリをつける。時間が掛かれば掛かるだけ、この場にいるだけで、雛子に負担がかかる」 〈エーテル〉難易度99 成功した場合、カシエルから放たれる波動が、完全に停止する。 失敗した場合、シーン3の戦闘において、クリンナップにキャラクターのHPに対して5点の実ダメージが与えられる。 このダメージは軽減不可。《身代わり》は可能。 成功した 雛子「カシエルから、歌が、聞こえなくなりました……やり、ましたね、お兄様……」 失敗した 雛子「カシエルが、動き出します……!」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 前のシーンの成功、失敗に関わらず、雛子は瀕死となる。 雛子「……泣かないでお兄様。雛子は幸せでした」(※レベル5/ES) 雛子「自分の身体ですから、いつまでもつか、分かってました」 雛子「最期に……お兄様の、腕の中で、死ねるなら……それで、いいです」 雛子「凍、さん……お兄様を、よろしくお願いします……。雛子がいなくなったら、お兄様は、一人ぼっちになってしまうから……」 凍「……雛子、そんな事、言わないで。……わたしじゃ、雛子の代わりには、なれない」 雛子 かすかに微笑み「さようなら、お兄様……」 〈エーテル〉難易度99 成功した 雛子「お兄、様……?雛子は、どうしたんでしょうか……」 凍「……生きてる。……雛子、生きてる」 雛子「生き、て……?雛子、生きて、るんですか……?」 凍「……喜ぶのは、天使を倒してから」 ※ここまでの展開で、PC1とPC2の(PL)両方から、雛子の目を治したい、という意思があったら、目も見えるようになる。 以下にその場合の描写を記す。 雛子「お…兄…様……?お兄様の、顔が……見える」 凍「……雛子、目……見える?」 雛子「この声は……あなたが、凍さん……思った以上の美人……負けてられません……」」 凍「……それだけ言える元気があるなら、きっと大丈夫。喜ぶのは、天使を倒してから」 失敗した、判定しなかった 雛子はそっとまぶたを閉じ……二度と、目を開ける事はなかった。 凍「……雛子の、弔い合戦。……泣くのは、その後」 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 セラピア「じゃあ、仕上げと行くんだよ。大団円を迎えるには、あの大天使は邪魔だから」 セラピア「この前の雪辱、ここで晴らさせてもらうんだよ〜!」 カシエル ← 1000m → PC(任意) 大天使カシエル HP150 軽傷50 重傷25 致命13 死亡1 肉体40 感覚20 理知15 聖霊15 階級0 天使の歌(射撃攻撃) 判定値20 レベル4 射程:10km ダメージ(種別)+10(軽) ただし回避に〈回避〉ではなく、〈意志力〉で対抗判定を行う。 また、[突き返し]不可。 回避 判定値20 レベル3  《絶対結界》対天使効果なし、及び50点以下のダメージ無効 《聖光放射》射程内の対象を任意に選択し、全ての対象に攻撃できる 《飛行》 戦いは終わった。 大天使を撃破し、帰還するキミ達を、基地の者が歓声をあげて迎え入れる。 キミ達は、勝ったのだ。 エンディングフェイズ シーン0 雛子が死亡した場合のシーン。 また、雛子死亡時は個別シーンは無く、このシーンでエンディングフェイズ終了。 町外れの高級墓地。 東雲光子の墓に、雛子の名前が新たに付け足された。 キミ達の前に誰かが訪れていたのだろう、真新しい花束と、燃え尽きた線香。 凍「PC1……」 凍は無言で、しゃがみ込んだキミの頭を抱き締めて、撫で続けた。 死は、誰の上にも平等に訪れる。 それが、どんなに親しく、愛しい人であろうと。 誰かの備えた花がふわり、風に散らされ、舞い上がり――散っていった。 以下は、雛子が生存している場合の描写である。 シーン1 シーンプレイヤーはPC4 帰還した格納庫で、セラピアと会話 セラピア「一時はどうなるかと思ったけど…天使を無事打ち倒す事が出来て、良かったんだよ」 セラピア「……ボクは謎多きオンナだからね、色々と知ってるんだよ。全部は知らないよ?知ってることだけ」 セラピア「どうもこの天使大戦の裏には、ボクすら知らない複雑な事情が、色々あるみたい。だけど、ボクらは眼前の敵を、天使を打ち倒すだけ、なんだよ」 その時のセラピアは、自分にも言い聞かせているようだった。 セラピア「PC4ちゃん。キミの働き、期待してるからね?」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 司令室でヴィヴリオと会話 ヴィヴリオ「この天使大戦は……ノルトラントからの因縁が、常について回るな。PC1、雛子、その両親……そして『法王』も。」 ヴィヴリオ「いや、そもそも、ボク自身がノルトラントの亡霊みたいなものか」 ヴィヴリオ「……年は取りたくないものだ。昔を懐かしみ、愚痴ばかり増える」 ヴィヴリオ「つまらん事を言ったな。……忘れてくれ」 ヴィヴリオ「……だが」 ヴィヴリオ「どうやらボクも知らない事実が、まだまだあるらしい。その辺の調査は、キミに任せる。……頼んだぞ、PC3」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 雛子と出掛ける 雛子「こうやって、PC2さんとお出掛け出来るなんて、夢みたいです」 雛子「ここ最近はずっと体調が良くなくて、お部屋以外は司令室と診療所しか、行けなかったから……」 雛子「また、お出掛けに、お誘いしてもいいですか?」 クライマックスシーン2で、雛子の目が見えるようになっている場合、以下の描写を追加する。 雛子「お空も、雲も、木々も、お花も、どんな色を、どんな形をしているのか、全然、分からなかったから……見るもの全てが、初めてのものばかりで、とても楽しいんです」 そしてはしゃぎ過ぎて、ちょっと体調を崩してしまったのはご愛嬌。 とは言え、以前のように寝込んでしまうのではなく、今までが今までなので、体力がないだけで済む話。 まあ、ヴィヴリオは大分慌てていたが……。 その後キミは、ヴィヴリオに、雛子の体力を少しずつつける為に、無理の無い範囲で散歩などに連れて行ってほしい、という極秘任務を、命じられることとなる。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 雛子と凍と一緒にお出掛け 雛子「今日は、待ちに待った、お兄様とのデート。……二人っきりなら、もっと良かったんですが」 凍「……そんなに、邪険にしないで欲しい。……服の見立て、頼まれたから。……わたしに、務まるかどうか、分からないけど」 雛子「……そうだったんですか?なら、仕方ありません。雛子にとびっきり可愛い服を、選んで下さいね?」 凍「……PC1。……雛子、性格、変わってない……?」 雛子「だって、このまま受身のままじゃ、凍さんにお兄様取られちゃいますし。お兄様に近寄る悪い虫は、雛子が追い払います」 凍「……PC1、これから、苦労する……わたしも、だけど」 雛子「時間が勿体ないです。さあお兄様、行きましょう!」 大天使カシエル:意味は『神の願い』 エンディングで随分と雛子がアグレッシブになった気がしますが、気にしたら負けだ。 本シナリオの作成にあたり、のとすさんに全面的に協力してもらいました。ありがとう、心の友よ。