今回予告 誰からも忘れ去られて、眠り続けた眠り姫 彼女は目覚める日を、そしてキミをずっと待っていた 繰り返す出会いと別れ、紡いだ因果の繋がる先は悲劇?それとも 鍵を握るは、第二の喇叭。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『BEYOND THE TIME』 もう一度キミに巡り逢えるなら、メビウスの空を越えて。 ハンドアウト PC1:ギアドライバー/ナビ:クベルタ ある日キミは、中島茜に誘われて、封印された区画に一緒に忍び込んだ。 キミはそこで、キミのことをご主人様と呼ぶ、謎の完全機械化兵を発見した。 シナリオダーザイン【クベルタ10−9からの幸福感】 ※クベルタ10−9のナビゲーターとしてのデータは【肉体】+2、【聖霊】+3※ダーザインロールには適用されない 初期取得のダーザインは【クベルタ10−9からのまごころ】を推奨する ※取得するシュネルギアはトラバントを指定 PC2:情報将校 キミは、ヴィヴリオの懐刀だ。 キミはヴィヴリオから黙示録の解読を命じられ、作業に当たっている。 ある夜、キミは黙示録の中の隠し頁を発見した。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC3:管制官 キミは「瑞穂基地には、誰も知らない封印された場所がある」という噂話を耳にした。 キミは好奇心から、噂の真相を調べ始めた。 シナリオダーザイン【自己からの好奇心】 PC4:機械化兵 キミはヤシマを守る機械化兵だ。 戦況は正直、ずっと不利な状況にある。 だが、諦められない理由がここにある。 だから、キミは諦めない。 シナリオダーザイン【自己からの誇り】 シナリオにおける注意点 本シナリオはかなり特殊な作りになっている為、下記の項目には必ず目を通しておくこと。 また、本シナリオは、エンドレスサマーに掲載されている設定のネタバレを、非常に多く含む。 ※1 本シナリオは強制敗北イベントが多い上、NPCが何人も死んでいく。 これは回避出来ないので、了承の上で遊ぶこと。 また、シナリオの都合上、PC1はクライマックス終了時に一度死亡するが、エンディングで復活する。 クライマックス戦闘で死亡した場合も同様、今回だけの特例として、エンディングで復活する。 ※2 本シナリオは一部のシーンで、過去にタイムスリップする。 PC1・2は、全てのシーンで現在のPCを使用する。 PC3・4は、該当するシーンは過去のキャラとなる。その為、PCの祖父母、あるいは別人の名前を考えておくこと。 通して同一PCを使用する場合、出自はオニの血、妖精の血、記憶喪失、天使の子等の、長寿の出自が望ましい。 ※3/GM向け 本シナリオは、一周目はフラグが足りず、二周目以降でトゥルーエンドを迎えられるようになるタイプのシナリオで、ぶっちゃけ吟遊シナリオである。 言わばそこまでの過程、準備段階を遊ぶ為のシナリオで、寧ろこのシナリオを遊んでからが本番だと、筆者は思っている。 シナリオの展開上、バッドエンドルートに非常に近い。その旨だけは必ずPLに伝えておくこと。 あとクベルタ10−9というキャラの設定上、強制敗北イベントが非常に多いので注意。 オープニング シーン1 シーンプレイヤーはPC4 キミは、ヤシマを守る機械化兵だ。 戦況は正直、ずっと不利な状況にある。 だが、キミは諦められない理由がここにある。 部下「隊長、天使の撃退、完了しました」 部下「……仲間は何人も死にましたが、市街に被害が出なかったのだから、上出来だと思います」 部下「戦いがいつまで続くかは分かりませんが……オレ達は、いつか平和が来ると信じて、戦い続ける。そうですよね、隊長?」 キミの背中には、愛する国が、人々がいる。 キミが諦めない限り、それらは守られる。 だから、キミは諦めない。 シナリオダーザイン【自己からの誇り】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 キミは、ヴィヴリオの懐刀だ。 キミはヴィヴリオから黙示録の解読を命じられ、作業に当たっている。 ある夜、キミは黙示録の中の隠し頁を発見した。 そこに書かれた内容は、『眠り姫が目覚める』とあり、その旨をヴィヴリオに報告した。 ヴィヴリオ「隠し頁、だと?」 ヴィヴリオ「そんなものが仕込んであったとは……内容は何と書いてある?」 ヴィヴリオ「眠り姫が……目覚める?まさか、あれが起動する、というのか」 ヴィヴリオ「この基地には、私しか知らない封印区画が存在する。眠り姫は、そこで眠り続けている」 ヴィヴリオ「眠り姫とは、骨董品の完全機械化兵さ。ただし、使われている技術は現行最新型の第9世代よりも先の技術が使われた、オーパーツの完全機械化兵、クベルタ10−9(ツェン・ノイン)」 ヴィヴリオ「誰かが目覚めさせる予兆かも知れん。封印区画の監視カメラのエクセス権限を、お前に渡しておく。様子を見ておいてくれ」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 キミは「瑞穂基地には、誰も知らない封印された場所がある」という噂話を耳にした。 そこには世界大戦時からの遺産が眠っている、という。 キミは好奇心から噂の真相を調べ始め、手始めにプシナプシナに相談した。 ぷしな「基地の見取り図ですか?すぐに、準備するでごぜーますよ」 ぷしな「何か気になることでも、ありやがりましたか?」 ぷしな「そう言えば、聞いたことがあるでごぜーます。瑞穂基地の奥深く、一見何の変哲もない古い倉庫、だが、その一角からは、少女の叫びにも似た声が聞こえるとか聞こえねーとか」 ぷしな「何かこの辺が怪しいでごぜーます……?ここ、何もない場所の筈なのに、生体反応が二つ?あれ?三つに増えやがりましたね?」 噂話を調べている最中にこの反応、あまりにもタイミングが良すぎる。 何かが、始まろうとしている。 シナリオダーザイン【自己からの好奇心】 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 キミにはまだ正規の専属ナビゲーターはおらず、シミュレータでトラバントジステムの運用訓練に明け暮れる毎日だ。 そんな、ある日のことだ。 キミは中島茜に、基地を探検しようと誘われた。 茜「ねえPC1、こんな噂知ってる?この基地に、封印されてる区画があるって」 茜「そんでね、私、三番倉庫の奥のダクトの真下に、隠し通路見つけたんだ。今から一緒に行ってみない?」 茜「流石に、一人で行くのは不安でさー。」 そのまま茜に半ば無理矢理連れてこられ、三番倉庫に忍び込むキミ達。 元々この三番倉庫自体、滅多に使われない場所なので、床にはうっすらと埃が積もっている。 茜「此処、ここ。このプレートをずらして、と」 茜が床のプレートを一枚外すと、そこには地下に続く通路があった。 茜「虎穴には入らずんば虎児を得ず、ってね。それじゃ、行ってみよ」 通路の奥には、また倉庫があった。 そこには、世界大戦中に使われたと思われる武器や何かのサンプル、見知らぬ生物の標本などが置かれていた。 茜「うわ、これハウニブーのミニチュアだ。こっちは列車砲の設計図……お宝の山だよ、ここ!」 茜のテンションはかなり上がっている。 キミも色々見ていると、キミの視界に、大きなカプセルが入った。 茜「どしたん?……ファルコンネン用のカプセル?何でこんなとこに?」 茜「えーと、クベルタ……?この子の名前かな」 カプセルに付けられたプレートは錆び付き、微かに名前が読み取れるだけ。 だが、キミの目の前でカプセルの蓋が開く。 蓋が開き、中の完全機械化兵らしき少女はキミを見つめながら、あくびをして クベルタ「……ふあ、おはようございます、ごふじんさま」※ESレベル1 シナリオダーザイン【クベルタ10−9からの幸福感】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、途中から全員登場 場面としては、オープニング最後のシーンからの続き クベルタ「あれれ、いまは何年でしょうかっ?」※レベル1 茜「今は1999年だよ?」 クベルタ「わたくし、いつから寝てたんでしょう?寝過ぎて、何もかもすっかり忘れちゃったみたいです」 クベルタ「でも、ご主人様のことだけは、ちゃんと分かるんですよね」 茜「PC1、どうする?とりあえず、大佐のとこ連れてかない?」 キミ達は、ヴィヴリオにクベルタが起動したことを報告する為に司令室に向かった。 同時に、クベルタが起動したことを確認したPC2、調べていた区画に生体反応を発見したPC3、先の戦闘の報告に来たPC4と鉢合わせする。 ヴィヴリオは開口一番「そうか、眠り姫はようやく目覚めたか。眠り姫を起こす王子様は誰かと思ったが、PC1だったと、いうことか」 ヴィヴリオ「まさか、こんなすぐに話が進むとは、な。まるで神の作為的な悪戯だ。そうは思わんか、PC2?」 ヴィヴリオ「PC1少尉、貴官にはクベルタとパートナーを組んでもらう。拒否権はない」 クベルタ「了解しました、ヴィヴリオ」 ヴィヴリオ「……ああ、よろしく頼む」 クベルタの返事にヴィヴリオは咎めもせず、ただ微妙な表情を浮かべた。 会話を終えたらシーンを終了する。 ※GM向け注釈 公式設定として、クベルタに使われている黒い天使核は、エンゼルコアにて天界に帰還したアラフニのものが使われている。 その為、ヴィヴリオはクベルタに対して無意識的に苦手意識を持っている。 シーン2 シーンプレイヤーはPC3、PC1自動登場、他PC任意 クベルタとの交流シーン クベルタは便宜上、PC1のメイドとして身の回りの世話をすることになった。 そんな訳で、PC1にいつもくっついて回っている。 だが彼女は、正に絵に描いたようなポンコツアンドロイドだった。 クベルタ「あっ……どんがらがっしゃーんっ」※レベル2 洗濯物のカゴをどかそうとしてひっくり返したり、本を片付けようとして脚立から落ちたり。 何故かそういう時にキミは必ず居合わせて、いつも彼女の後始末を手伝う羽目になる。 だが、妙に勘が良いというか、予知めいたことをよく口にする。 クベルタ「ご主人様、そこ曲がると人とぶつかりますよ」※ESレベル2 曲がり角で急に、クベルタがPC1に声をかける。 急だったのでそのまま曲がると、走ってきたツバサとぶつかった。 ツバサ「痛った〜……飛び出し厳禁だぜ、PC1!」 アクシア「捕まえたわよ、ツバサ。大人しくアタシの訓練に付き合いなさい」 ツバサ「あっちゃぁ〜……折角逃げられそうだったのに、アンタらのせーで」 アクシア「はいはい人のせいにしない。行くわよ、ツバサ」 クベルタはドヤ顔で「ほら〜……わたくし、なんで知ってるんでしょう?」※ESレベル3 クベルタ「この世に不思議なことって、本当にあるんですねえ……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 クベルタの調査、最新型と判明 クベルタは完全機械化兵である以上、定期的にチェックを行う必要がある。 見つかった経緯が経緯だけに、中島父娘立ち会いの元チェックを行っている。 〈整備〉難易度3 茜「えっ・・・この子、パーツは経年劣化で老朽化してるけど、スペック的には現行最新の第9世代型以上!?」 三郎「確かここに・・・あった」 茜「親父、それ何?」 三郎「いいか、ここだけの話だからな。今、開発局じゃ第10世代型の完機を開発してる。そいつのデータだ」 茜「はぁ!?カタログスペック的には、開発中の第10世代と同等!?この子、いったい何者なの・・・?」 三郎「・・・お前ェら、今から話す話は、超特機事項だ。他言すンじゃねェぞ?……同等、どころじゃねェ。こいつに使われてるパーツは、その第10世代型と寸分違わぬ規格のパーツだ。なンで隠し倉庫に眠ってた奴が、最新型と同じパーツ使われてやがンだ。ヴィヴリオに聞いてみたが、奴さんにも分からねェとさ」 茜「大佐も知らないの?何かますます、この子の謎が深まったんだけど……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 全員参加での、シミュレータによる訓練。 クベルタ「だいぶ思い出してきました!角度とか」※レベル3 クベルタは当初は何もかも忘れてしまった、と言っていたが、トラバントジステムの運用は忘れていなかったようで、キミ達二人の初陣でも、息ぴったりのコンビネーションを見せた。 今回はPC4を仮想敵とした戦闘訓練で、クベルタはまた何か思い出した、と新しい戦術を使ってみせた。 クベルタ「トラバント展開。多重結界構築、照準、掃射します」※レベル4 雛子「凄いですね……まるで鳥籠みたいです」 トラバントの端末を多方向に展開しエーテルの檻を形成、中の敵に一斉掃射。檻に囚われたら最後、逃げられない。 クベルタ「えへへ、ご主人様、誉めて下さい♪」 クベルタ「ご主人様の為に、頑張りました!」 会話を終えたら下記の描写を読み上げ、シーンを終了する。 クベルタと共に日々を過ごす中、戦争は激化し、状況はますます深刻になっていった。 帝都奪還作戦において、数多くの犠牲と共に、アバドンを撃破。 八門結界再構築の為の人柱となった草薙紫音、それに伴う伊音の戦線離脱。 結界完成直前の合衆国による大攻勢、その最中に天使化したアクシア。 そして……結界が完成したのも束の間、結界を易々と突破する騎士級天使兵が襲来。 騎士級天使兵の猛攻の前に、一人、また一人と仲間達が散っていく。 凍のペアはホワイトライダー戦で命を落とし、ズィーガーはツバサを守って死に、ツバサはレッドライダーと刺し違えた。 シーン5 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 アナザールートの8/27、騎士級天使兵ブラックライダー戦でクベルタ死亡 騎士級天使兵、ブラックライダーとの激戦を繰り広げるキミ達。 リュンマとメイリィのペアは、ブラックライダーの左腕とコアと引き換えに、命を散らした。 残存エーテルのみとなりながら未だ健在のブラックライダー。 そのブラックライダーの右腕と一体化した槍が、コックピットに迫る。 避け……られない! クベルタ「今日、この時のために、わたくしはいるのです」※レベル5 クベルタはその攻撃が来る事を、予め知っていたかのように端末を操作し、機体制御に強制介入。 機体の角度を、僅かだけ下げ……ギリギリのところで、コックピットへの直撃を避ける。 確かに直撃は避けた、だがコックピットの真横には槍が突き刺さり、大きな風穴が空いている。 クベルタ「ご主人様、今です!ブラックライダーが身動きの取れない、今がチャンスです!」 突き刺さった槍を両手で握り締め、ブラックライダーの動きを封じる。 クベルタ「トラバント、展開……多重結界構築、照準、掃射します……!」※レベル4をちょっと変更 トラバントの端末を多方向に展開しエーテルの檻を形成、逃げ場を完全に無くした状態でブラックライダーに零距離で一斉掃射。 既にコアを失っていたブラックライダーは、断末魔を上げる間すらなく、消滅した。 だが、ブラックライダーが消滅したと同時に、機体のバランスがガクンと崩れる。 クベルタ「えへへ、ごめんなさい、ご主人様……ちょっと、無理し過ぎちゃいました」 クベルタの様子を見ると、身体中から火花が散っている。 クベルタ「本来なら動かないものを、V機関(ヴァルターチューブ)に直接介入して、無理矢理動かしたから……わたくしの身体が、悲鳴上げちゃいました」 クベルタ「ご主人様……少しの間だけ、お別れです」 そう呟いたクベルタの黒い天使核が……砕け散る。 クベルタ10−9……活動、停止。 会話を終えたら、下記の描写を読み上げ、シーンを終了する。 ブラックライダーを撃破したのも束の間、最後の騎士級天使兵、ペイルライダーが襲来する。 先の戦いで受けた損傷の、機体の修理もままならないまま、キミは修理されたものの黒い天使核を失って動かないクベルタと共に、一人で出撃した。 ……彼女の、仇討ちの為に。 戦闘の末、キミはマスケンヴァル現象を意図的に起こし、ペイルライダーと共に自爆した。 マスケンヴァル現象の光が収まると……ペイルライダーは勿論、キミの機体の姿も何処にもなく、また、何故かPC2も、忽然と姿を消していた。 次のシーンからは、1945年のシーンになる、とPLに伝えること。 シーン6 シーンプレイヤーはPC3、PC1自動登場、PC2・4登場不可 ※GM向け注釈 公式の設定として、瓦礫のノルトラントでヴィヴリオBに拾われ、クベルタはアラフニの黒い天使核で再起動。ある意味、ここでクベルタは生まれたとも言える。 また本シナリオにおいては、ヴィヴリオBは黙示録の内容を知っている、として設定している。 1945年4月末、ノルトラント。 6年前、謎の爆発によって瓦礫と化したアンゲルスハイムだが、生存者が全くいない訳ではなかった。 キミ、そしてヴィヴリオ(B)がそうで、他の生存者と共に、ひっそりと天使核兵器の研究を続けていた。 (尚、ヴィヴリオ本人はラルフと行動を共にしている為不在である) ただ、キミの知るヴィヴリオと何か雰囲気が違うような……何かこう、色っぽいというか蠱惑的というか…… ヴィヴリオB「どうしたんだい、PC3?ボクの顔をそんなに見つめて?ははん、さてはボクに惚れたね?」 ヴィヴリオB「冗談はさておき、合衆国軍の通信を傍受したんだ。解析を頼めるかい?」 情報収集 〈情報処理〉難易度3 総統の暗殺後、経緯は分からないがラルフ・マスケンヴァルが法王に就任し、軍をマンハッタンに集結させているという。 ヴィヴリオB「ついにこの時が来たか……ラルフを止めなければ、恐ろしいことが起こってしまう」 その時、外で爆発音がする。 外に出ると、酷く傷付いてはいるが、見たこともない美しい人型の機体がそこに膝をつき、その足元には二人の少年、少女が倒れていた。 ヴィヴリオB「この機体、それにこの二人……そうか、これが黙示録の、御使いか。二人を中に運んでくれないか?」 PC1とクベルタは中に運び込まれ、PC1は治療を受ける。 ヴィヴリオB「こっちの少年はこれでいいとして……問題はこちらの機械少女だね」 ヴィヴリオBはクベルタの胸に、黒い石のようなものを置く。 ヴィヴリオB「覚え間違いでなければ、これでいい筈なんだけど」 ヴィヴリオの一連の行動に、謎は深まるばかりだ。 同時に目を覚ます、PC1とクベルタ。 クベルタ「……ふあ、おはようございます、ごふじんさま」ESレベル1 クベルタとのやり取りを終えた後 (PC1視点で)ヴィヴリオに良く似た、だが別人がキミに声をかけてきた。 ヴィヴリオB「ようやく、目を覚ましたようだね。キミは何者かは問わない。だが今は反撃の為に、少しでも手が欲しい。あのロボットはキミ達のものだろう?手を貸してくれないかい?」 チェックしてみると、ボロボロではあるがシュネルギアを辛うじて動くようだ。 ヴィヴリオB「承諾してもらえて、助かったよ。だが時間がない、急いで合衆国へ飛ぶよ」 キミ達は戦闘機や輸送機を軍から強奪し、一路合衆国へと飛ぶ。 会話を終えたら、シーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC2、PC4自動登場、PC1・3登場不可 1945年3月末。 世界革命機構というゲリラ組織と行動を共にしていた、ラルフとヴィヴリオ。 しかし、1月に総統が暗殺された前後から、ラルフは合衆国に急接近し、定時連絡すら怠るようになっていた。 キミが目を覚ますと、キミの顔を覗きこむヴィヴリオの顔が目の前にあった。 だが、服装が違う。G3の制服ではなく、サイズの合っていない、かなり薄汚れた作業着だ。 ヴィヴリオ「ようやく目を覚ましたか。いきなり目の前に降って来たから、何事かと思ったが」 ヴィヴリオ「……お前は、アンゲルスハイムの関係者ではない。だが、見覚えがある気がする……何処かで、会ったことがあるか?」 ヴィヴリオ「悪いが、所持品の検査をさせてもらった。お前のIDカード……何の冗談だ?未来から来たとでも言うのか?」 ヴィヴリオ「……ウソをついているようには、見えんな」 ヴィヴリオ「だが、お前がスパイでないと決まった訳ではない。監視の意味も込めて、お前には我々と一緒に行動してもらう」 紆余曲折の末、キミはヴィヴリオ達と行動を共にすることとなった。 だがあまり日も過ぎない内に、キミはヴィヴリオと打ち解けていた。 まだこの頃のヴィヴリオは、冷徹で老獪な指揮官となった未来の彼女に比べれば、まだまだ子供。 それに、元々キミは未来のヴィヴリオから超機密事項である、黙示録の解読を任される程に、信頼されているのだ。 過去の彼女から、すぐに信頼されてもおかしくはない。 ヴィヴリオ「キミは不思議な男だな。まるで、以前からキミのことをよく知っている、そんな気すらするよ」 ヴィヴリオ「……ラルフの様子がおかしいらしい。総統を暗殺した後から、何でも法王庁とやらに入り浸っているらしい」 その時、瀕死の重傷を負った男が、担架に運ばれてきた。 息も絶え絶えの男「報告、しま、す……ラルフ・マスケンヴァルが、裏切りました……!」 ヴィヴリオ「その怪我はどうした!それに、ラルフが裏切った、だと!?」 男「法王、庁の……ラルフは、法王を、殺し……自分が、合衆国の、しは……」 事切れる男。 ヴィヴリオは男の顔に手をやり、見開いたままの目を閉じさせた。 ヴィヴリオ「ラルフめ、まさか総統に成り代わって、自分が世界の支配でもするつもりか?」 ヴィヴリオ「……ボクは、ラルフを止めなければならない。一緒に来てくれるか?」 会話を終えたら、シーンを終了する。 クライマックスフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 シーン終了時、PC1は死亡するが、エンディングでは復活する。これは必ずPLに伝えること。 1945年5月2日。 第二次ロッキー会戦にて、記録に残る最初の、“天使兵”との邂逅。 巨大な体躯と奇怪な容貌を持った怪物であり、銀十字軍(ジルベルクロイツ)の誇る天使核兵器(エンゼルギア)を凌駕する戦闘力を持った、超兵器。 この日の出来事は後に、『マンハッタンの覚醒』と呼ばれる。 ヴィヴリオ「なんだ、あの化け物は……見ているだけで、背筋が凍りそうだ……」 ヴィヴリオB「同感だね、ヴィヴリオ」 ヴィヴリオの横に、しれっと立つヴィヴリオB。 ヴィヴリオ「!?生きて……生きていたのか!?なら、どうして今まで何も連絡してくれなかったんだ!」 ヴィヴリオBは曖昧な笑みを浮かべながら「色々と、調べなきゃならないことが多すぎてね。それに生憎だけど、再会を喜んでる暇は無いみたいだよ。物陰に隠れよう」 ヴィヴリオ「あ、ああ」 クベルタ「ご主人様はわたくしが守ります、何度でも」※ESレベル4 半壊したシュネルギアを駆り、キミ達は天使との戦闘に向かう。 規格が全く異なる為、補給は全く出来ていない。 ペイルライダー戦直後のままの状態だから、武器の残弾数はあと僅か、エネルギーも残り少ない。 だが……ここで引き下がる訳には、いかないのだ。 能天使(パワー)ザドキエルとの戦闘 パワー/ザドキエル(記憶の天使) HP500 肉体30 感覚20 理知18 聖霊15 階級0 オリハルコンの刃(射撃攻撃) 判定値18 レベル5 射程:2km ダメージ(種別)+12(軽) 《絶対結界》対天使効果なしの武器によるダメージ、30点以下のダメージ無効 《飛行》 ※名前こそパワーにしているが、実質的なデータはドミニオンのものである。 また、戦闘は2ラウンドで強制終了させる。 倒せなかった場合、PC1を除くPC達を残して全滅し、撤退となる。 ザドキエルに一矢報いられるかはPC次第だが、情報将校のみエンディングに追加の描写が発生する。 天使を倒した/天使が咆哮を上げた瞬間、天使はオリハルコンの刃を周囲にばら撒き……戦場は阿鼻叫喚の状態となる。 ヴィヴリオB「危ない、ヴィヴリオ!」 ヴィヴリオを突き飛ばす、ヴィヴリオB。 ヴィヴリオ「えっ……」 目の前で、ヴィヴリオBの下半身が消し飛ぶ。 ヴィヴリオB「どうやら、ボクの悪運も、ここまでらしい……。ヴィヴリオ、これを」 ヴィヴリオの前に、血まみれの古文書を差し出す。 ヴィヴリオB「解読……途中まで、しか……出来て、ないけど……きっと、役に、立つ」 ヴィヴリオは半狂乱になりながら「そんなことより、早く手当てを!」 ヴィヴリオB「だい、じょうぶさ……また、いつか、きっと、あえる。あいしてるよ、ヴィヴリオ……」 目を閉じるヴィヴリオB。 ヴィヴリオは泣きながら「おい、返事をしろ!?ボクを、二度も、置いてかないでくれ!……何でキミはそう、いつも、自分勝手なんだ……!」 キミ達のシュネルギアのコックピットもまた、オリハルコンの刃に貫かれる。 完全な状態のシュネルギアならば、避けられたかも知れない。 だが……まともに整備も出来ていない、ボロボロの機体では……無理だった。 クベルタ「ご主人、様……わたくしとご主人様は、ここでまた、離れ離れになるのは……避けられない、さだめ、なんです……。だけど……未来で、また……待ってます」 クベルタは胴体を両断されながらも、キミのコックピットへ最後の力を振り絞って近付く。 クベルタ「それまで……さよなら、ご主人様……」 キミが最期に見た光景は、キミに口付けするクベルタの、泣き笑いのような顔だった。 ヴィヴリオとPC2によって、クベルタの残骸は、ヴィヴリオBの遺体と共に回収された。 PC1の遺体は何故か消失し、コックピット内には見当たらなかった。 残骸となったシュネルギアを、目に焼き付けるヴィヴリオ。 ヴィヴリオ「いつか、これと同じものを作れさえすれば、天使共に、ラルフに対抗出来る、ということか……。PC2、ボクに協力してくれないか?」 その後……ヴィヴリオとPC2の手によってクベルタは修復され、1999年7月まで、長い眠りにつくのだった。 エンディングフェイズ シーン1 マスターシーン 『全ては未来の為に』 これを合い言葉に、PC2はヴィヴリオに50年以上付き従った。 だが、PC2一人の力だけでは、世界を大きく動かすことは出来ず、同じ歴史を辿った。 とは言え、ヴィヴリオの行動が少し早いお蔭で、被害は僅かではあるが元の歴史からは減っているし、研究も少しだけ早く進んでいる。 シュネルギアの開発も同様で、元々の歴史より早く着手することが出来た。 だが黒い天使核を持つ者についてはどうにもならず、彼・彼女らの出生を待つこととなった。 そしてようやく……PC2は1999年7月4日を、再び迎える。 帝都の被害者は零にはならなかったが、事前に市民を避難させることが出来た為、元の歴史に比べれば明らかに少ない。 だが聞き入れなかったお偉方は、ミカドも含め全滅。 維馬篭大将がヤシマの権力を手にするのも、元の歴史と変わらなかった。 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 ヴィヴリオの執務室。 ヴィヴリオ「キミから聞いた内容は新生黙示録としてまとめてある。キミの歩んできた歴史と異なる点があったら、すぐ教えてくれ」 ヴィヴリオ「ここまで、長かったな……結局、50年以上かかってしまった。だが、これでようやく、黙示録の通りにフェイズを進める合衆国……いや、ラルフの一歩先を行ける」 ヴィヴリオ「ここからが、反撃の時だ。ますます忙しくなるが、覚悟しておけよ、PC2?」 ザドキエルを撃破している場合、下記の台詞を追加 ヴィヴリオ「……ところで、だ。キミは、何ループ目だ?」 ヴィヴリオ「何度も辛い目に合わせて、本当に済まなかった……。だが、キミのお蔭で、合衆国との対抗手段、いや、勝てる算段が立った。……ここまで付いてきてくれて、ありがとう。これからもまた、よろしく頼む」 シーン3 シーンプレイヤーはPC4 キミは、ヤシマを守る機械化兵だ。 同一PCならば、下記の描写を追加。 キミは50年以上戦い続けている、歴戦の勇者。よくこの身体がもってくれているものだ。 結界を破壊された為、戦況は有利な状況とは言えない。 だが、キミ達は辛うじて、天使に抗える戦力を持っている。 部下「隊長、天使の撃退、完了しました」 部下「結界が破られる、と話を聞いた時は、何を言ってんだあの女と思いましたが……実際に当たってるとなると、認識を改めざるを得ません」 部下「戦いがいつまで続くかは分かりませんが……オレ達は、いつか平和が来ると信じて、戦い続ける。そうですよね、隊長?」 キミ達の背中には、愛する国が、人々がいる。 それらを守り切れるかどうかは、キミ達の双肩に掛かっている。 だから、キミはその身が動かなくなるまで、戦い続ける。 シーン4 シーンプレイヤーはPC3 キミは天使の索敵や兵士達の補助を行う、管制官だ。 天使の襲撃をまるで知っていたかのように、指示を出すヴィヴリオに違和感を覚えつつも、兵士達の補助や戦闘に振り回される毎日。 同一PCならば、下記に差し替え。 まるで展開を全て知っているかのようなヴィヴリオ、そしてPC2に違和感を覚えつつも、兵士達の補助や戦闘に振り回される毎日。 ある日キミは、「瑞穂基地には、誰も知らない封印された場所がある」という噂話を耳にし、好奇心から噂の真相を調べ始め、手始めにプシナプシナに相談した。 ぷしな「基地の見取り図ですか?すぐに、準備するでごぜーますよ」 ぷしな「何か気になることでも、ありやがりましたか?」 ぷしな「そう言えば、聞いたことがあるでごぜーます。瑞穂基地の奥深く、一見何の変哲もない古い倉庫、だが、その一角からは、少女の叫びにも似た声が聞こえるとか聞こえねーとか」 ぷしな「何かこの辺が怪しいでごぜーます……?ここ、何もない場所の筈なのに、生体反応が二つ?あれ?三つに増えやがりましたね?」 噂話を調べている最中にこの反応、あまりにもタイミングが良すぎる。 何かが、始まろうとしている。 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 キミは、物心ついた頃から、泣き笑いの少女の夢を何度も見る。 会ったことはないが、自分にとって、その子はとても大切な子だと、ずっと確信していた。 そして、キミに黒い天使核があることが分かり、キミはギアドライバーとして瑞穂基地に迎えられた。 そんな、ある日のことだ。 キミは中島茜に、基地を探検しようと誘われた。 茜「ねえPC1、こんな噂知ってる?この基地に、封印されてる区画があるって」 そしてキミは、封印された区画の奥で、茜と一緒にクベルタを発見した。 カプセルの中で目を覚ましたクベルタは「……お久しぶりです、ご主人様」※ESレベル5 その瞬間、キミは全てを『思い出した』。 あれは夢ではなく、実際にあったこと。 自分が確かに、体験したこと。 キミは、クベルタとの出逢いと別れを、何度も繰り返していたのだ。 クベルタ「……こうやって、ご主人様に再会するのも、何度目でしょうか。あんまりにも繰り返したものだから、もう、回数も忘れちゃいました」 キミが何度も夢に見た、泣き笑いの顔。 クベルタ「……でも、わたくしは、何度繰り返したって、幾つ罪を重ねたって、構わないんです。ご主人様と、もう一度巡り逢えるのなら」 クベルタ「だけど今回は……ご主人様が、わたくしのことを、思い出してくれた。だから、今度こそ……この、メビウスの輪から、抜け出しましょう」 クベルタ「ご主人様。わたくしは、あなたのものです。今までも、これからも」 そう、ここから、キミ達の物語は『もう一度』始まるのだ。 クベルタ わたくし/ご主人様、名前+さん CV: クベルタ:津田美波 ヴィヴリオ:ゆかな ヴィヴリオB:青木志貴 中島茜:ルゥ・ティン 中島三郎:阪脩 アクシア:三石琴乃 ツバサ:まだ未定 プシナプシナ:久野美咲 雛子:佐藤亜美菜 イメージソング: BEYOND THE TIME(TM NETWORK) アタシポンコツアンドロイド(THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 001) 没シーン シーン5の最後の描写は、当初別シーンにするつもりだったが、冗長になるのでばっさりカット。 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 ※ここはPC1に、クベルタの仇討ちの為にマスケンヴァル現象を意図的に起こしてもらうシーンです。 これはシーン開始前にPLに伝えること。 ブラックライダーを撃破したのも束の間、今度は個体名ペイルライダーという騎士級天使兵が襲来する。 先の戦いで受けた損傷の、機体の修理もままならないまま、キミ達は出撃する。 最早まともな状態のシュネルギアなど一機もなく、動かせる人間もセラピアのペアとトゥアレタのペア、そしてキミしか残っていない。 負担を承知で、一人で……いや、外見上修理されたクベルタの亡骸と共に、トラバントに乗り込むキミ。 トゥアレタ「PC1、無理だと思ったら、必ず下がりなさいよ」 トゥアレタ「……一人じゃ、トラバントの制御まで回らないでしょ?」 だが、キミには退くつもりなど、全く無かった。 鬼神の如き動きで、ペイルライダーを圧倒するキミ。 セラピア「PC1ちゃん、エーテル濃度マズいよ!そのままじゃ……!」 キミの狙いはただ一つ。 ツバサがレッドライダーに対してやったのと同じ、マスケンヴァル現象による、ペイルライダーへの自爆特攻。 トゥアレタ「……やりたいように、やらせてあげましょ、セラピア」 セラピア「でも……!」 トゥアレタ「PC1、仇討ち、なんでしょ?」 トゥアレタ「わたしは、止めないわよ。わたしだって、きっと同じこと、するから。だけど、これだけは聞いて欲しい。此処じゃみんな巻き添えになるから、離れた場所でお願い」 トゥアレタ「セラピア、手伝って。さあ……全弾、持っていきなさい!」 セラピア「……了解、なんだよ。どんな装甲であろうと、射ち貫くのみ、なんだよっ!」 仲間達の援護を受け、動きを封じられたペイルライダーの身体を抱え、成層圏を突破するトラバント。 その直後……ペイルライダーとトラバントを包む白光、そして数瞬遅れて、大爆発が発生する。 光が収まると……ペイルライダーは勿論、トラバントの姿も何処にもなく、また、何故かPC2も、忽然と姿を消していた。 会話を終えたら、シーンを終了する。 次のシーンからは、1945年のシーンになる、とPLに伝えること。