今回予告 何もかも消えていく 掌から零れ落ちる砂のように 残り僅かな時間(とき)でも、あなたと一緒にいたい そう思うことは、罪ですか? エンゼルギア天使大戦TRPG 『A BEGINNING FROM THE END.』 これが最後の思い出ならば……せめて、あなたの腕の中で。 PC1:ギアドライバー/ナビ:司鏡紀央 紀央が最近、よくメモを書いている。 彼女曰く最近、忘れっぽいので忘れないようにメモしているとの事だが、メモを取る頻度が以前よりも増えている。 言い知れぬ不安が、キミを包む。 シナリオダーザイン【自己からの不安】 PC2:ギアドライバー/ナビ:草薙伊音 ある日、キミのパートナーである草薙伊音が、何か良からぬ事が起きそうな気がする、とキミに告げる。 セラピアに次ぐ直感の持ち主である彼女の訴えを、無視する事は出来ない。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの不安】 PC3:情報将校 ある日、PC1から紀央の様子が最近おかしい、と報告を受けた、とヴィヴリオから告げられ、この一件に対する対応を任される。 羽村の協力を取り付けてあり、何か分かり次第連絡が来る、との事だが……恐らく、良い知らせは来ない。 そんな確信にも似た思いが、キミにはあった。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC4:機械化兵 キミはギアドライバー部隊の護衛を命じられている。 ある日、PC1から紀央の様子が最近おかしい、と報告を受けた、とヴィヴリオから告げられる。 紀央の様子に注意してほしい、というが……どうも、体調不良で済まされる問題では無いらしい。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの不安】 オープニングフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC1 紀央が最近、よくメモを書いている。 紀央「最近、忘れっぽくて……忘れないよう、メモをしているんです」 紀央「大丈夫!もう忘れませんよ!」 そうは言うものの、彼女のメモを取る頻度は以前よりも格段に増えている。 言い知れぬ不安が、キミを包む。 キミは、ヴィヴリオに報告を上げた。 シナリオダーザイン【自己からの不安】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 伊音との剣の稽古を終え、一息ついていると 伊音「PC2。話半分に聞いてほしい」 伊音「胸騒ぎが、するんだ。何か良からぬ事が、起こりそうな」 伊音「……それとも、セラピアの勘と違って、私の勘では信じられないか?」 セラピアに次ぐ直感の持ち主である彼女の訴えを、無視する事は出来ない。 シナリオダーザイン【草薙伊音からの不安】 シーン3 シーンプレイヤーはPC3 ヴィヴリオ「PC1から、紀央の様子が最近おかしいと報告を受けている」 ヴィヴリオ「監視の者からの報告では、一人でいる時は暇さえあればメモを取っている状態らしい」 ヴィヴリオ「羽村にも協力させて、今紀央の身辺調査を進めている。何か分かれば、奴から連絡が入る手筈になっている。」 ヴィヴリオ「済まんが、この件はお前に任せる。紀央の件の他にも問題が山積みでな。」 ヴィヴリオ「PC4にも、紀央の監視を頼んでいる。PC4と協力して、事に当たってくれ」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 ヴィヴリオ「PC1から、紀央の様子が最近おかしいと報告を受けている」 ヴィヴリオ「メモを取る回数が増えている、と言う事だが……監視の者の話によれば、一人でいる時は暇さえあればメモを取っている状態らしい」 ヴィヴリオ「メディカルチェックの結果も、体内のエーテル循環が不安定とのことで、芳しくない」 ヴィヴリオ「紀央の様子に注意してくれ。引き続き、監視の目も光らせておくが……頼んだぞ」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの不安】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 定例ミーティング中、予兆も何もなく、それは突然訪れた。 紀央「あれ、停電でしょうか。珍しいですね〜」 最近忘れっぽい、と零すことはあったが、こんな事は今までに無い。 紀央「もう電気が復旧したのですね、良かった。」 ヴィヴリオ「司鏡特務中尉。停電など、していないが……」 紀央「あら?確かに真っ暗になったと思ったんですが。わたしの、勘違いでしょうか?」 ヴィヴリオ 何かを考える素振りをした後「命令だ、司鏡特務中尉は定時訓練には参加せず、休め。」 紀央「大佐がそう仰るのなら、従いますけど……」 納得はしていないようだ。 会話を終えたら以下の描写を読み上げ、シーンを終了する。 ヴィヴリオ セラピアを内線で呼び出し「紀央の様子がおかしい。ちょっとついててやってくれるか?」 セラピア『うぃうぃ、了解なんだよ〜』 ヴィヴリオ「何か変わった事があったら、小さな事でもすぐに連絡してくれ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC2、PC1自動登場、他PC任意 紀央は先ほどの事もあり、訓練には参加していない。 PC1、キミは紀央の事が気になって集中出来ていない。 伊音「PC1、ちょっと弛んでるのではないか?」 伊音「司鏡が気になるのは分かるが……お前が悩んだところで、解決する問題でもあるまい」 伊音「……すまん、言い過ぎた。私とて、司鏡の心配をしていない訳ではない。」 伊音「ただ、あまり心配し過ぎて、お前まで倒れてしまっては、元も子もないと思ってな」 伊音「そう言えば、司鏡は私の妹、紫音に会いたがっていたな。折角の機会だ、司鏡の体調が良くなったら、連れて来よう。」 ある程度のやり取りを終えたら、紀央が倒れたと、セラピアが駆け込んでくる セラピア「紀央ちゃんが、急に倒れちゃったんだよ〜!」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC1、他PC任意だが最後にPC3を呼び出す 医務室で紀央と会話。 目を覚ました紀央は、辺りを見回し「ここは、医務室ですか?どうしてわたしはここに」 PC1が声をかけると 紀央「あなた、どなたでしょう。わたしはどうして、泣いて」 PC1の顔を見ても誰だか全く分からないようだが、涙をはらはらと流している。 紀央「ご、ごめんなさい……覚えてないんです」 紀央「こうしていると、ずっと前から一緒だったような気がします」 少しやり取りしたら 紀央 疲れた顔で「申し訳ありません……疲れてしまったので、少し眠らせてもらっても、いいでしょうか」 紀央が眠った後。 羽村から紀央の状況を教えられる 羽村「キミには、伝えておいた方がいいだろう。……彼女の体は、もう限界だ」 羽村「彼女が今生きていられるのは、奇跡と言ってもいい。俺から今、伝えられるのは、ここまでだ」 そう言って情報端末を渡し「ここに彼女の真実がある。ここからは自分の目で、確かめるといい」 PC3を呼び出し「例の件だけど、調べがついたんだが……PC1も同席させてやって欲しい。これは、彼の問題でもあるからさ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 場所は引き続き医務室だが、人払いをしている。紀央の異変に対する調査。 〈情報処理〉〈軍略〉難易度5 結界が破られた時、当直で結界維持に当たっていた内の一人であり、本来ならそこで死亡していた筈だった。 黒い天使核の力でかろうじて蘇生したが、あくまでも仮初の命に過ぎず、ヤシマ陸軍からはデータ収集の為のサンプルとしてしか見られていない。 与えられた感情や記憶も仮初のもので、身体が動く間持てば良い、くらいにしか考えられていない。 突発的な五感の消失や記憶の欠落は、彼女の限界が近い事を示唆している。 セラピア「酷い、酷すぎるよ……こんなの、あんまりだよ〜!!」 伊音「ああ……これでは、ただのモルモットではないか!!」 羽村「悪いとは思ったんだが、中身を確認している。……キミも見るかい?」 そう言って紀央のお守りを取り出す。 お守りの中にあったのは、沢山のメモ。 何日に何があった、PC1とごはんを食べた、セラピアや伊音と一緒に買い物に行った、など。 羽村「……彼女にとっては、キミらと過ごした時間、記憶が、唯一の自分、唯一の大切なものなんだよ」 (羽村は知っていたのかと問われた) 羽村「俺は、さ。ご存知の通りの身分だから、先んじて知ったのさ。いや、知らざるを得なかった」 (PCから詰め寄られた) 羽村「俺がそう言ったところで、キミは信じるかい?それに、大佐に全て話す訳にもいかないんだよ、立場上」 (上記台詞を受けて) 羽村「俺だって、何もせずに手をこまねいてた訳じゃない。色々と四方八方当たってみたさ。結果はご覧の通りだけどね」 羽村「彼女には遅かれ早かれ、肉体の限界が来る。その時どうするかは、PC1、キミが決めるしかないんだ。」 羽村「その選択を、誰かに委ねても、誰も責めやしないさ。キミがそれで納得するなら、だけど、ね」 この台詞に返事を貰ったら、以下の描写読み上げ 管制官「緊急警報!瑞穂基地直上に、突然天使出現!このエーテル濃度……熾天使級です!?」 羽村「敵さんは待っちゃくれない、か。彼女はここでちゃんと寝かせとくから、安心して行って来てくれ」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC2、全員登場 出撃 ヴィヴリオ「状況は把握した」 ヴィヴリオ「PC1と司鏡特務中尉は待機だ」 出撃する、PC1を除くキミたち。 サリエルの攻撃を受けた者の、戦闘機やフライングユニットや本人のV機関が突然急停止、墜落や死亡してしまう。 ヴィヴリオ「まさか奴め、V機関に直接干渉できるのか!?」 セラピア「天使の光に当たったら、どんなに無傷でも撃墜されちゃうみたいなんだよ〜。シュネルギアなら、少しは耐えられるみたいだけど……」  サリエルの攻撃が猛威を振るい、まともにダメージも与えられぬまま、戦える者が減っていく。 ヴィヴリオ 諦めたように「仕方がない、か……」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC1、他PC不可 PC1と紀央に出撃命令が下る 医務室にヴィヴリオが現れる。 ヴィヴリオ「PC1少尉、司鏡特務中尉。速やかに出撃せよ。これは、命令だ」 ヴィヴリオ「ボク個人の意見としては……紀央の出撃を許可する訳にはいかない。だが、状況が状況だ」 目を覚ました紀央。全てを悟ったような表情で 紀央「これで最後だとしても。わたしは、あなたと一緒に、このヤシマを守りたいのです。」 紀央「これが、わたしの蘇った、意味だったのですね」 紀央「PC1様、行きましょう。今わたし達のやるべき事を、やりましょう」 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 シーンプレイヤーはPC2 サリエル戦 2シーン目に福音フェイズがある事を伝え、PC1はロゴスなどを全て使い切らないように注意、と告げる。 月の無い新月の夜。 死神にも似た姿の天使が、キミ達の前に立ちはだかる。 サリエル HP100 軽傷40 重傷20 致命10 死亡1 肉体40 感覚20 理知15 聖霊15 階級0 死の光(射撃攻撃) 判定値15 レベル4 射程:3km ダメージ(種別)+1(死) 《絶対結界》対天使効果なし、及び50点以下のダメージ無効 《聖光放射》射程内の対象を任意に選択し、全ての対象に攻撃できる 《飛行》 戦闘終了後 紀央「PC1様、お別れの時が来たようです。もう何も見えず、何も聞こえません。」 紀央「あなたのことは……忘れません、絶対に。だから……わたしのこと、忘れないで下さいね。」 シーン2 シーンプレイヤーはPC1 福音フェイズ 紀央「PC1様、最後に一つだけ、わがままを言わせて下さい。これが最後の思い出ならば……せめて、あなたの腕の中で、死なせて下さい」 判定に挑戦する場合 伊音が激を飛ばす。 伊音「PC1、今貴様に出来る事はなんだ!黄泉路へ旅立とうとする司鏡を看取ることか!?否!断じて否!貴様もヤシマ男児ならば、惚れた女の為に、奇跡の一つや二つ、起こしてみせろ!」 紀央に〈エーテル〉による判定、難易度99 他のPCは、マイナーとメジャーアクションを1回ずつ行い、支援しても良い。 判定しなかった、あるいは失敗した場合 紀央はそのまま、息を引き取る。 伊音「……基地に帰還するぞ」 そうポツリと呟き、皆無言で帰還する。 PC1の台詞を貰い、シーンを切る。 判定に成功した場合 紀央「PC1、様……?わたしは……どうなったのですか?」 紀央「ああ、あなたのお顔が見えます。あなたのお声が、聞こえます。あなたにまた、触れられます。」 紀央「わたしは、生きて……本当に生きて、いるのですね?」 PC1からのアクションが特に無ければ、紀央の方から抱きつく。 紀央「先ほどから感じていた、あなたの温もり……触れたら、もっと、あたたかい……これが、生きている証拠、なのですね?」 伊音「(ゴホン)……司鏡。それ以上は、基地に一度戻って、じっくりPC1にしてもらえ」 紀央「はい、そうします!PC1様、基地へ戻りましょう。そして、わたしを、ぎゅぅっと抱きしめて下さいませ!」 エンディングフェイズ シーン0 紀央が死亡した場合のシーン。 また、紀央死亡時は個別シーンは無く、このシーンでエンディングフェイズ終了。 基地一角の共同墓地。 墓標に司鏡紀央の名が、新たに刻まれた。 いつかは、そこに自分の名前が刻まれるかもしれない。 誰かの備えた花がふわり、風に散らされ、舞い上がる。 戦いは、続く。いつ終わるとも、知れないまま――― シーン1 シーンプレイヤーはPC3とPC4、合同エンディング ヴィヴリオ「報告書は全て読んだ。何と言うか……正に奇跡が起こった、としか言いようがないな」 ヴィヴリオ「五感に異常無し、記憶の欠落も確認されなくなり、体内エーテル循環も正常値。羽村も驚いていたよ」 ヴィヴリオ「ボクも思うところあってな。維馬篭に借りを作るのは癪だったが、ヤシマ陸軍の奴らの横槍が入らないよう、手を打った」 ヴィヴリオ「このままだと紀央は完全に蘇生したサンプルとして、奴らにいい様に扱われるからな」 ヴィヴリオ「甘い?まあ、褒め言葉として、受け取っておこう」 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 伊音「一時はどうなる事かと思ったが……解決して良かったな」 伊音「次の休みに紫音を連れて来ようと思うんだが、その日他に用事が無ければ、一緒に付いて来てくれるか?」 伊音「一人でだと、道中長くて暇でな。」 伊音「……我らはもう少し、互いを知る必要があると思う。その為の機会だと思ってくれ」 シーン3 シーンプレイヤーはPC1 紀央の私室に招かれる。 畳敷きの和室だが、卓袱台と布団、箪笥以外に何もない、殺風景な部屋。 紀央はキミの前で正座している。 紀央「PC1様。この度は、本当に、本当に、ありがとうございます。」 紀央「自分に何が起きているのか、分かっていましたが……いざあなたに伝えよう、と思うと、怖くて、言い出せませんでした」 紀央「でもあなたは、わたしを助けて下さいました。」 紀央 赤面しつつ「助けていただいた時、感極まって色々言ってしまったのは……それは、忘れていただけると、ありがたいのですが……」 紀央 三つ指ついて「不束者ですが……末永く、よろしくお願い申し上げます。」