今回予告 街は雪化粧を纏い とても綺麗で まるで世界中の憂い包むように 先日の天使の襲撃による冠雪は、未だ融けきらずに街を覆う 戦況が終局を迎えつつある今になって着任した、誰かの面影持つ、恋する少女 時同じくして、基地内で感じる敵意に満ちた視線 そして、遅れに遅れた予備機体の搬入 全ては、月だけが、知っている。 エンゼルギア天使大戦TRPG 『ノクターン』 銀色のツバサで この夜を越えられたら PC1:ギアドライバー/ナビ:セラピア キミは、見知らぬオニの少女に司令室への道順を尋ねられた。 その彼女は、8月末という今頃になって配属された、新人だった。 彼女はやたらと熱い視線で、自分を見ている・・・少し、傍らのセラピアの視線も怖かったりもするが。 シナリオダーザイン【セレーネ・月宮からの好意】 PC2:ギアドライバー/ナビ:メイリィ メイリィが朝から、敵意を持った誰かにずっと見られている気がする、とキミに告げる。 彼女曰く、気配は察知出来るが姿がまるで見えない、と。 何が起きてもいいよう、キミ達は備えることにした。 シナリオダーザイン【タン・メイリィからの不安】 PC3:管制官 キミ達ドライクロイツは、再構築された八門結界を越え、攻め込んできた騎士級天使兵ホワイトライダーを返り討ちにした。 このタイミングでの新人の配属。 明らかに裏があると呟くヴィヴリオに、キミは新人の監視と調査を命じられた。 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 PC4:機械化兵 キミは、予備機体搬入の警護の任務に就いていた。 続々と搬入されるコンテナ、所狭しと動き回る整備員達、そして三郎の怒号。 いつもと変わらぬ見慣れた風景の筈なのに、今日は何故か妙に引っ掛かった。 シナリオダーザイン【自己からの不安】 ※1 本シナリオを遊ぶ前に、ルールブック掲載の公式第二話『夏の夜、君の声』を遊んでおくことを、強く強く推奨する。 ※2 エンドレスサマーにおける日時は8/26であり、先日の天使の襲撃(J.S.S-R16『凍えそうな季節に君は』、8/25)によって積もった雪が、気温が戻らず未だに残っている状況である。 オープニング シーン1 シーンプレイヤーはPC1 廊下を歩くキミ達を、見慣れないオニの少女が呼び止める。 大分大人びた印象のある少女だ。 セレーネ「すみません、司令室って、どこでしょうか」 セレーネ「案内してくれる筈の方が、呼び出されてしまって、道順は聞いたんですが、迷っちゃって・・・」 そう言いながら、PC1の顔をじっと見つめる少女。 セレーネ「あの・・・どこかで会ったこと、ありませんか?」 セラピア「このナンパ師め、どこで引っ掛けてきたんだよ〜!?」 無事彼女を司令室に送り届けたキミ達。 彼女は何度もお辞儀しながら「あ、あの、ありがとう、ございました!」 セラピア「さっきはそう言ったけど・・・ボクも、どこかであの子に会ってるような気がするんだよね・・・」 セラピア「キミもそう思う?ボクの気のせいかと思ったけど・・・」 シナリオダーザイン【セレーネ・月宮からの好意】 シーン2 シーンプレイヤーはPC2 キミが朝食をとる為に食堂に行くと、丁度キミの相棒であるメイリィと鉢合わせた。 メイリィは話があると言い、ひとまずキミ達二人は食事を済ませる。 メイリィ「PC2。今朝から、ずっと誰かに見られてる気がするアルよ」 メイリィ「気配はすれども姿は見えず。ワタシの目を欺くとは、只者じゃないアルね」 メイリィ「確かなのは、こちらに対する、明確な敵意。もう敵は基地内にいるのだけは、間違いないと思う」 メイリィ「問題は標的が誰か、それとも何か、って事アルね。一応、大佐にもこの後報告するつもり」 メイリィ「いつ襲われても対抗出来るように、備えておいた方がいいアルね。備えあれば嬉しいなアル」 メイリィは真っ赤になって「間違えただけアルよ!」 この様子だと、本当に間違えて覚えていたようだ。 シナリオダーザイン【タン・メイリィからの不安】 PC3 キミはヴィヴリオに呼び出され、ヴィヴリオの執務室にいる。 ヴィヴリオ「今日、新人が配属になる。セレーネ・月宮。ヤシマ陸軍からの補充要員だそうだ」 ヴィヴリオ「そう、このタイミングで、だ。あまりにも都合が良すぎる。彼女の経歴には不明な点が多い。洗い出してくれ」 ヴィヴリオ「開戦直後に素質を認められ、柄波(えなみ)重工に出向してこれまで訓練を積んできた、ヤシマ陸軍の秘蔵っ子ということらしいが・・・」 ヴィヴリオ「問題は、今頃になって彼女を送り込んできた目的だ。よもや純粋に人員補充の為、なんて事はあるまい」 ヴィヴリオ「だが、合衆国への反撃準備の為に、少しでも戦力が欲しいのは事実だ。調査と並行して、監視を頼む」 シナリオダーザイン【ヴィヴリオからの信頼】 シーン4 シーンプレイヤーはPC4 キミは、予備機体搬入の警護任務に就いていた。 ようやく、予備のシュネルギアが完成し、今日搬入されてきたのだ。 激化する一方の戦闘に、部品交換だけでは間に合わなくなってしまった為だ。 三郎「おう、PC4、お疲れさン。結界で天使はそうそう入って来れねェと言っても、ステイツの連中が紛れ込ンでねえとも限らンからな」 ずらりと並ぶ、シュネルギアを格納したコンテナ、7台。 三郎「揃うのに、かなり時間喰っちまったぜ。部品を完成させる傍から交換用に出ちまって、7月末の搬入予定がこの有様だ。一般企業だったら今後の取引一切お断りのレベルだぜ」 三郎「順々に荷解きだが、何せこれだけの数だ。こいつは時間が掛かりそうだぜ。野郎共、ボヤボヤしてンじゃねェぞ!」 会話を終えたら、以下の描写を読み上げてシーンを終了する。 三郎の怒号の元、一斉に作業に取り掛かる整備員達を眺めるキミ。 だが、いつも見慣れた光景の筈なのに、何かが引っ掛かる。 こういう時の勘は、大体当たる。勿論、悪い方で、だ。 シナリオダーザイン【自己からの不安】 ミドルフェイズ シーン1 シーンプレイヤーはPC4、全員登場 顔合わせ PC1とPC2、セラピアとメイリィ、PC3、そしてキミと、トゥアレタがいる。 ヴィヴリオ「全員揃っているな。さて諸君、見て分かるとは思うが、新人を紹介する。月宮少尉、自己紹介を」 セレーネ「本日付をもって、統一帝国親衛隊兵器開発局第13実験部隊に着任しました、セレーネ・月宮少尉であります」 セレーネ「よろしくお願いいたします」 セレーネ「(PC1を見て)・・・あ」 セレーネ「あ、あの、PC1さん、また、会えましたね」 ヴィヴリオ「そう言えば、司令室まで案内してもらった、と言っていたな」 セレーネ「は、はい、PC1さんと、パルマコンさんに、案内してもらいました」 ヴィヴリオ「・・・そうか。月宮少尉は、クレーリオン少尉と組んでもらう。アクシアがまだ出撃できる状態ではないので、暫定の人事ではあるが」 セレーネ「は、はいっ、よろしくお願いします、クレーリオンさん!」 トゥアレタ「ヤーヴォール。よろしくね、セレーネさん」 ヴィヴリオ「何か質問はあるか?」 メイリィ「・・・PC2。あの子じゃないみたいアルね。気配が全然違う」 (シーン1で名乗っていない場合、以下の描写を追加) セラピア「(小声で)ねぇねぇPC1ちゃん。ボク達、セレーネちゃんに名前名乗ったっけ」 セラピア「怪しい・・・」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン2 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 PC4の監督の下、シミュレータによる確認。 セレーネは一通りの武装を扱える、ということだが、実際に組んでみての結果は、やってみなければ分からない。 シミュレータに乗り込もうとし、逡巡してから後部座席に座ろうとするセレーネ。 トゥアレタ「セレーネさん、そっちナビゲーター席だけど」 セレーネ「あ、ごめんなさい、ギアドライバーの訓練と並行して、ナビゲーターとしての訓練も受けてたので、どっちに座っていいか、分からなくなっちゃって」 トゥアレタ「ふぅん・・・じゃあとりあえず、両方の結果とってみましょうか」 トゥアレタは、自分と組んだシミュレーション結果を見ながら「わたしより、PC1とナビゲータとして組んだ方が、相性良さそうね。試しに、やってみたら?」 セレーネ「あ、はい、分かりました。PC1さん、よろしくお願いします」 試しにセレーネと組んでシミュレーションしてみると、セラピアとのコースレコードに迫る好成績を叩き出す。 セレーネ小声で「よしっ」、小さくガッツポーズする。 セラピア「初めて組んでいきなりこれ?ボク、自信無くすなあ」 セレーネ「あ、ええと、たまたまですよ、たまたま」 訓練時間が終わり、解散後。 セラピアがキミの元に寄って来る。 セラピア「うーん、怪しい・・・あの子のPC1ちゃんを見る視線、明らかに恋する女の子のそれなんだよ。最近、鶴とか狸とか助けてない?」 セラピア「それは冗談としても・・・あの子、何者かなあ。名乗る前に、ボク達の名前も知ってたし」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン3 シーンプレイヤーはPC2、PC4も自動登場、他PCは任意 視線の元はどこから? 〈エーテル〉難易度3 視線の元は、整備工場の、納入の順番が遅れて後回しになっていた4番コンテナから感じられる。 4番コンテナは、外見は中島飛行機のものだが、型式番号が存在しないものになっている。 〈整備〉難易度3 巧妙に偽装されているが、コンテナの型式番号から、このコンテナが柄波重工所有のものと判明する。 更に中を調べようとしたところへ、ヴィヴリオから至急司令室に集合するよう呼び出しがかかる。 三郎「とりあえず行って来い。こっちは警戒態勢をとっとく」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン4 シーンプレイヤーはPC3、他PCは任意 ヴィヴリオの執務室。 ヴィヴリオ「エクセスに高級士官の権限が必要な可能性がある。こいつを使え」 ヴィヴリオ所有の端末で、調査開始。 〈情報処理〉難易度5 ・出向していたという柄波重工は、ヴリルソサエティからの資金供給を受けているホライゾンという企業の幾つかある隠れ蓑であり、元を辿れば本社をステイツに置く軍需企業である。 ・無論セレーネ・月宮もヴリルの関係者だが、彼女は先日のフーファイターライダー、カグヤ・ハイネル・ガイストのクローンである。 ヴィヴリオ「なるほど、カグヤのクローンか。ならばセラピア(やPC1)が会った事がある気する、というのも頷ける」 ヴィヴリオ「カグヤ本人と顔が多少違っていても、中身が同じだから雰囲気は変わらなかった、ということか。だが書類上でそんな所まで分かる筈もない」 ヴィヴリオ「だがヴリルの連中も相当焦っていると見える。今回は随分と手口が杜撰だ。まるで見抜いて下さいと言わんばかりに」 ヴィヴリオ「PC3、セレーネの身柄の確保を早急に頼む。何かされてからでは遅い」 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン5 シーンプレイヤーはPC1、全員登場 セレーネを呼び出すと、もう全て悟ったような表情を浮かべ、全く抵抗せずに身柄を確保された。 セレーネ「もう、知ってると思いますが、わたしは、カグヤ・ハイネル・ガイストの、クローンです。でも、わたしは、カグヤ自身なんです」 セレーネ「すいません、おかしな事は絶対にしないので、お化粧だけ落としていいですか?」 セレーネがメイクを落とすと、カグヤの顔が現れる。 以降、セレーネ→カグヤとして表記。 トゥアレタ「化粧だけでそんなに雰囲気が変わるなんて・・・わたしも、少しお化粧の練習した方がいいかな・・・」とぼそりと呟く。 カグヤ「クローンにはあらかじめ、記憶の転写も行われてた、そうなんですが」 カグヤ「わたしは、クローンが知っている筈が無い、天使化の瞬間までの記憶を持っています。正確には、わたしが死んだ瞬間、わたしは、この身体で、カグヤとして目を覚ましたんです。ヴリル関係者には、このことに関しては何一つ言っていません」 カグヤ「・・・だから、PC1さん、あなたへの恋心も、わたしの中にはあって」 カグヤ「だから、瑞穂基地に派遣される、って聞いた時、内心嬉しかったんです」 カグヤ「ヴリルソサエティは、戦況がヤシマ=統一帝国側に傾きつつある、と考えています。その状況を覆す為に、わたしは送り込まれて、シュネルギアの破壊を命じられました」 カグヤ「でも、それでも、わたしは、PC1さんにもう一度会えるなら、それで良かったんです。だけど、PC1さんの顔を見たら、任務なんて、どうでも良くなっちゃいました。だから、シュネルギアには、何もしていません。」 トゥアレタ「・・・カグヤ。わたしは、あなたの気持ち、何となく分かるよ。どうしても会いたくて、手段を選ばなかった、その気持ち」 カグヤ「ヴリルからすれば、わたしはただの駒ですから、数少ない、黒い天使核持ちのクローニング成功例だろうと何だろうと、こんな使い捨ての任務に送り込んでも、痛くも痒くもないんだと思います」 カグヤ「ヴリルとしても、この任務は、苦し紛れのものらしくて、わたしへのサポートは、元々、一切ありません。基地の前まで、ヤシマ陸軍内の協力者に連れて来させただけで」 カグヤ「うまく行けば儲けもの、失敗しても、ギアドライバー達を混乱や動揺させられれば、それで良し、なんだと思います」 カグヤ「でも、わたしはどっちみち、これで終わりなんです。ここでスパイとして殺されなくても、戻ったところで、任務に失敗して情報を漏洩した裏切り者として、処刑されるから」 カグヤ「・・・無理なことを、言ってるのは、承知の上で、お願いがあります。・・・わたしを、助けてくれませんか。何でも、します」 カグヤ「欲張り、ですよね。もう一度、会えれば良かった筈なのに。もう二度と、PC1さんに会えない方が、もう一度死ぬことより、苦しくて辛い、なんて」 セラピア「・・・PC1ちゃん、どうする?ボクとしては、無駄に死人を出す必要はないと思う。・・・恋のライバルが増えるのは、ちょっと癪なんだけど」 トゥアレタ「・・・大佐に、確認を取ろ。いいですよね、PC3さん、PC4さん?」 ヴィヴリオ『状況は把握した。・・・カグヤ。何でもする、と言ったな?』 カグヤ「は、はい」 ヴィヴリオ『終戦まで、我々に協力しろ。その条件を飲むならば、我々は貴官を仲間として、受け入れる』 カグヤ「よ、よろしく、お願い、します・・・!」 ヴィヴリオ『尚、PC1へのアプローチについては、我々は関与しない。欲しければ、力ずくで勝ち取りたまえ』 カグヤ「は、はい!」 セラピア「ちょ、ちょっとヴィヴリオちゃん、何言ってんの!?」 トゥアレタ「PC1も苦労するわね・・・」 カグヤ「コンテナの、中身?いえ、わたしはそっちは何も知りません。任務は、シュネルギアの破壊しか言われてないんです」 判定するまでもない。彼女は、嘘をついていない。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン6 シーンプレイヤーはPC4、他PC任意 厳重な警備体制の敷かれた中、三郎の立会いの下、4番コンテナを開ける。 コンテナを開け、中身のシュネルギアに近寄ろうとすると、ケルンによって阻まれる 〈エーテル〉難易度5 中に入っていたのは、シュネルギアの装甲で偽装しているが、間違いなく天使兵だ。しかも、相当の強さの。 三郎「何だこりゃァ・・・どこで、すり替わりやがったンだ」 三郎「・・・!ガキ共、下がれ!」 各自〈運動〉難易度3で判定し、失敗したら5点のダメージ。割り振りは任意。 三郎が叫んだと同時に、拘束具を引き千切り、コンテナと整備工場の屋根を突き破って飛び立つ天使兵。 三郎は瓦礫の下敷きになりながら「てめェら何ボサッとしてやがる!早くあの天使をぶちのめす準備しやがれ!」 三郎「オレの心配なンぞしてる場合じゃねェ、さっさと行きやがれ!」 整備員達は三郎を救出するのに必死。 会話を終えたらシーンを終了する。 シーン7 シーンプレイヤーはPC3、全員登場 各自コックピットで起動準備中。 ヴィヴリオ『セレーネを送り込んできたのは、騎士級天使兵を潜り込ませる為のカモフラージュに過ぎなかったようだ。彼女がカグヤとして、こちらに寝返ったのは誤算だろうがな』 整備工場からも通信が入る。 茜『みんな、親父の心配は大丈夫だから!』 ヴィヴリオ『茜、班長は無事か!?』 茜『大佐、親父は丁度瓦礫の間に挟まったお陰で、かすり傷で済んでます!』 ヴィヴリオ『そうか、班長は無事か・・・瓦礫の下敷きになった、と聞いた時は一瞬心臓が止まるかと思ったぞ』 茜『ただ、騎士級のエーテルに晒された影響で、少し安静にしてなきゃなりませんが・・・』 医務室からも通信が。 三郎『茜ぇっ!余計なこと言うンじゃねェ!』 茜『親父は黙って寝てて!』 ヴィヴリオ『中島班長。これは命令ではなく、旧知の友人としてのお願いだ。キミにはまだやって貰わねばならない事が沢山ある。今は、休んでくれ』 三郎『・・・ヴィヴリオ・・・分かった。茜!』 茜『何!?』 三郎『この場はお前ェに任せる!緊急出撃の整備員達への指示、出しとけ!・・・出来るな?』 茜『あたしが誰の背中見て育ったと思ってんの、整備の神様の背中だよ!?・・・任せといて、親父!!』 三郎『おう、任せたぞ!てめェら、茜を頼ンだぞ!』 整備員達『『『任せて下さい、おやっさん!!』』』 茜『みんな、格納庫から直接出て!芝さん、天井開けちゃって!』 整備員の芝(CV:千葉繁)『茜ちゃん、あいよーっ!こんな事もあろうかと、天井を開閉式に改造しといて、正解だったぜ!』 三郎『芝ァ、てめェいつの間に!?』 茜『親父、あたしに任せるって言ったでしょ!今は黙ってて!』 三郎『む、むぅ・・・』 カグヤ『PC1さん、頑張って下さい!』 トゥアレタ『何言ってるのカグヤ。あなたも、わたしと一緒に出撃だよ』 カグヤ『えっ?』 トゥアレタ『・・・仲間でしょ、わたし達?』 カグヤ『・・・はいっ!』 会話を終えたらシーンを終了する。 クライマックス シーン1 シーンプレイヤーはPC2 満月を背に、真紅の騎士級天使兵レッドライダーが立ちはだかる。 カグヤ『周囲の天使達は、わたしと、クレーリオンさんで、引き受けます!皆さんは、騎士級天使兵との戦いに、専念して下さい!』 初期配置 レッドライダー  ← 3km→ PC(任意) 騎士級天使兵レッドライダー HP380 軽傷25 重傷13 致命6 死亡1 肉体25 感覚30 理知24 聖霊26 階級0 移動力2km/20km ※PCが3人の時は【HP】280に変更する 《断罪の槍》(白兵攻撃)  判定値30 レベル5 射程:至近   ダメージ(種別)+27 この攻撃で1点でもダメージを与えた場合、更に失速と毒を与える 白兵攻撃に対してこのデータによる突き返しを行える 《審判の弓》(射撃攻撃)  判定値28 レベル5 射程:18km ダメージ(種別)+25 この攻撃で1点でもダメージを与えた場合、更に放心を与える 《蹂躙の歩み》(白兵攻撃) 判定値26 レベル5 射程:至近   ダメージ(種別)+24 全力移動を行い、その後このデータによる白兵攻撃を行う、1ラウンド1回使用できる 《無貌の仮面》(射撃攻撃) 判定値24 レベル5 射程:10km ダメージ(種別)+19 突き返し専用、白兵攻撃、射撃攻撃に対しこのデータによる突き返しを行う この攻撃で1点でもダメージを与えた場合、対象のアガペーを+1D6する 《浄化の極光》(射撃攻撃) 判定値28 レベル5 射程:18km ダメージ(種別)+25 この攻撃で1点でもダメージを与えた場合、更に重圧、失速、放心、マヒ(これのみシュネルギアには無効)、毒を与える 自身の【HP】が100点以下の時のみ使用でき、1シナリオ1回使用できる 回避 判定値20 レベル4 《絶対結界》対天使効果なし、及び70点以下のダメージ無効 《聖光乱射》常に範囲(選択)の対象に対して攻撃出来る 《二回行動》PC全員の行動が終了した後、もう一度行動出来る 《飛行》 取り巻きの能天使達はカグヤ・トゥアレタ機が相手する為、戦闘には出さなくて良い。 満月の光の中、レッドライダーは光の粒子となって消えていく。 キミ達は、騎士級天使兵を退けたのだ。 エンディング シーン1 シーンプレイヤーはPC4 医務室にて三郎と会話 三郎「よう、PC4。命に別状はねェ。ちっとばかしエーテル浴び過ぎて、身体がフラついちまっただけだ」 三郎「茜が言ってた通り、体内のエーテル濃度が下がるまで、少し安静にしてなきゃなンねェがな。・・・不本意だが、その間の整備員共への指示は、茜に任せる」 三郎「・・・認めたくは無かったが・・・茜もオレと同じ、大馬鹿の整備馬鹿だ。しかもアイツは、知識や経験が足りねェ癖して、天使核兵器の整備に関しては、オレに引けを取らねェからな。オレが今現場に出られねェ以上、アイツに任せる他ねェ」 三郎「あ、PC4、こいつはオフレコで頼むぞ?茜が聞いたら、やっと親父に認めてもらえたーって有頂天になりかねねェ」 三郎「しかし・・・モジュールの製造が間に合わなくて、基地の外で作ったのが仇になっちまった。まさかコンテナ毎すり替えるなんて大胆な手口でやられるとは、流石に思わなかったぜ」 三郎「実行犯の連中は、ヤシマ軍部内の売国奴連中に家族を人質に取られてやむなく、って話だからあンまり責められねェがな」 三郎「まァ、そのヴリルの協力者ってのも、さっさと口封じに殺されて、さっき帝都湾に死体が浮かんだって話だがな。くわばらくわばら」 三郎「ゆっくり寝てンのは性に合わねェが・・・戦争はまだ終わっちゃいねェ、まだまだオレの出番がある。少しだけ、休ませてもらうぜ」 シーン2 シーンプレイヤーはPC3 司令室にてヴィヴリオと会話 ヴィヴリオ「黙示録通りならば、残る騎士級天使兵はあと2つ。そろそろ、攻め込まれるのを待つより、打って出ることを考えた方が良さそうだ」 ヴィヴリオ「彼女の処遇だが、能力その他に問題はない。ヴリルソサエティからの贈り物だと思って、そのまま協力してもらう」 ヴィヴリオ「裏切られたら?その時はその時だ。まあPC1には、色々な意味で頑張ってもらおう」 ヴィヴリオ「ところで、だ。彼女自身はクローンではあるが・・・カグヤ・ハイネル・ガイストも、ラルフの娘だと判明した」 ヴィヴリオ「・・・彼の周囲は、随分と血が濃いな。これも、救世主の血の為せる業、か」 シーン3 シーンプレイヤーはPC2 食堂でメイリィと会話 メイリィ「今回も、勝って生き残れて、良かったアル」 メイリィ「あんなのがまだいるって思うと、気が重いけど・・・アナタとワタシのコンビなら、きっと何とかなる」 メイリィ「確かに、敵は強いし、戦いも今まで以上にキツいけど。今までだって、ずっと二人の、みんなの力を合わせて、ここまでやって来れた。だから、きっと大丈夫アル」 メイリィ「以前の自分が聞いたら、耳を疑う発言、だけど。根拠の無い自信なんかじゃないアルよ?」 そう言って、メイリィはキミの両手に指を絡めて「自信の源は、アナタからいつも、貰ってる。ワタシから、アナタに少しでも返せてたらいいケド」 (PC2のリアクションをもらった後) メイリィのおなかがキュルル〜と鳴る。少し赤面しながら「PC2、お腹空いたアル。ちょっと早いけど、晩ごはん食べよう。ワタシが、腕によりをかけて作るアルよ?」 メイリィ「腹が減っては戦は出来ぬ、だったよね?今度は間違ってないアルね?」 シーン4 シーンプレイヤーはPC1 休憩室でセラピアとカグヤ、トゥアレタと会話 カグヤ「PC1さん、それにパルマコンさん、お疲れ様です」 セラピア「カグヤちゃんとトゥアレタちゃんもお疲れなんだよ〜」 そう言ってソファーに寝そべる。 トゥアレタ「セラピア、大丈夫?」 セラピア「頭使い過ぎて、もうへとへとだよ〜、甘い物を要求するんだよ〜。誰か、何か持ってない〜?」 カグヤ「あ、あの、わたし、サ○マドロップなら持ってますけど・・・」 セラピア「飴くれなきゃ、ボクはここから一歩も動かないんだよ〜」 お前はどこのニートアイドルだ。 カグヤ「じゃあ、どうぞ」 そう言って缶から出てきたのは、白い薄荷の飴。 セラピア「薄荷かぁ・・・他のないの?」 トゥアレタ「セラピア、貰うのにその態度は無いんじゃない?」 セラピア「だって薄荷飴、あんまり甘くないよ?」 カグヤ「まだ入ってるから、ちょっと出してみますね」 カグヤが缶を振って出してみると、あとの残りの3個の飴も薄荷だった。 セラピア 薄荷飴を舐めながら「うーん。仕方ないから薄荷で今は我慢するとして・・・この後、みんなで何か甘いもの食べに行こ?」 トゥアレタ「(甘いもの食べるとすぐ太っちゃうから、どうしよう・・・でも疲れたし、今日はいいよね?※この間、約2秒。)うん、賛成」 カグヤ「え、その、わたしも、いいんですか?」 セラピア「カグヤちゃんだって一緒に戦った仲間だし、改めて、キミとは友達になりたいんだよ。それに」 カグヤ「(心底嬉しそうに)友達・・・!よろしく、お願いしますっ!・・・それに?」 セラピア「PC1ちゃんを好きな者同士、フェアに行くんだよ。そりゃまあ、長く組んでる分、ボクにアドバンテージがあるけど、それに胡坐をかくつもりはないんだよ」 カグヤ「はいっ!でも、パルマコンさん、負けませんからね?その、わたしだって、期間は短くても、PC1さんを好きな気持ちは、負けてないつもりです」 セラピア「その意気なんだよ。恋は戦争、でも勝っても負けても、恨みっこ無し!」 カグヤ「はいっ!」 そう言って、セラピアとカグヤは固い握手を交わす。同じ人を好きな者同士、通じ合うものがあるようだ。 トゥアレタはPC1の肩をぽんぽんと叩き「PC1・・・あなたも、苦労するわね・・・」 キャンペーンの場合、以下のシーンを追加する。 シーン5 マスターシーン カグヤが、帰り際にトゥアレタを呼び止める。 カグヤ「あの、クレーリオンさん。あなたに、手紙を渡なきゃいけなかったんです」 そう言って、カバンから手紙を取り出す。 トゥアレタ 訝しげな顔で「・・・誰から?」 カグヤ「ヴリルソサエティから送り出される時に、荷物の中に、メモと一緒に、入ってたから、誰が頼んできたのか、全然、分からなくて・・・。勿論、中身は、読んでません」 証拠に、封筒の蜜蝋は開封された形跡は無い。 トゥアレタ「・・・そう、分かったわ」 部屋に帰り、手紙を読むトゥアレタ。 手紙を読み終えた彼女の顔は蒼ざめ、身体は恐怖で震えていた。 余談その1 シナリオタイトルに使った、FANATIC◇CRISISの『ノクターン』という曲が、冬の曲なんだけれども、カグヤのイメージが自分の中で重なってて。 いつかこれを題材に、カグヤをもう一度登場させるシナリオを書きたい、とずっと思っていました。 10年以上掛かったけど、騎士級天使兵との戦いに絡めることで、ようやく形に出来ました。 余談その2 エンディングの没台詞 ヴィヴリオ「PC1、セラピア、カグヤと、血縁者の三角関係・・・いや、雛子も含めて四角関係か。それなんてエロゲ?」 ヴィヴリオ「ああ、そうだった。そもそも、このシステム自体が、存在しないエロゲを原作としたTRPGだったな」